PS4レビュー

Bloodborne

気を抜いたら即死の激ムズ難易度。アクションゲーマーを育む激辛サプリ

ジャンル:
ゲーム
発売元:
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア
開発元:
フロム・ソフトウェア
プラットフォーム:
PS4
発売日:
3月26日

圧倒的なグラフィックスと超絶シビアな難易度。手ごたえはバツグンなんてもんじゃない!

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが満を持して発売したのがプレイステーション 4用アクションRPG「Bloodborne」だ。価格は初回限定版/通常版が6,900円(税別)で、ダウンロード版が5,900円(税別)。CEROレーティングはD(17歳以上対象)。

 PS4「Bloodborne」は、「Demon's Souls(2009年)」や「DARK SOULS(2011年)」の流れを汲むアクションRPG。徹頭徹尾ダークな世界観、後発作品に多大な影響を与えた独自のオンライン要素など、世界中のアクションゲーマーたちを文字どおり“虜”にした名シリーズ。最大の魅力はストイック極まりない“難易度”で、ボスはもちろんザコでさえ油断をすると一瞬でやられる超ハードコア仕様。「Bloodborne」は“未知の探索”、“死闘感”、“新たなオンライン体験”の3つをキーワードに掲げ、コアゲーマーを自認する猛者たちを手ぐすね引いて待ち構える。

 すでに東京ゲームショウで体験版をプレイ済みの筆者だが、自宅のモニターで改めてみるグラフィックスは圧巻の一言。オープニングムービーはもちろん、ゲーム本編のオブジェクトも濃密かつ精細で、眺めているだけでも飽きない。とはいえ、油断しているとすぐ殺されるため現実的にぼーっと眺めている余裕はほぼないのだが! やや話がそれてしまったが、その尋常ならざるグラフィックスクオリティの高さは、モニターが大型であればあるほどいい! といった印象。幻想的なBGMや焦燥感や恐怖を倍増させるSEも含め、本作のためだけにプレイ環境を整えたくなる。

オープニングムービーより。これだけ見ても鳥肌モノのハイクオリティ。ゲーム本編への期待感をグイグイ押し上げてくれる

 ゲーム本編をはじめる前に、まずはキャラクターメイキング。昨今の作品らしくエディット項目は多岐に渡るが、パッと見で大きな変化がわかるのは髪や肌の色くらいで、それ以外は「よく見れば凄く凝っているのがわかる」といった感じ。ゲーム本編はキャラクター操作に集中するためディティールにまで気が及ばないというのもあるが、いわゆる「ネタキャラ」、「クリーチャー」を作りようがない仕様は、恐らくゲームの雰囲気や世界観を壊さないための配慮だろう。

エディット項目は豊富でバリエーションも豊かだが、一見して世界観を破綻させるような、いわゆる“クリーチャー”的なハチャメチャなキャラクターは作れない。髪型や肌色などが比較的目立たせやすいポイントだろうか?

 キャラクターメイキングが終わると、真っ暗な屋敷の一室からスタート。床のあちこちにチュートリアルを兼ねた伝言があり、念のため周辺を含め逐一チェック。オプションで装備やステータスなどを確認すると、手持ちの武器がないことが判明。どこかに武器がないか探していくと、とある部屋で犬型のモンスターと遭遇。こちらは素手なのでほぼ勝ち目がなく、多少あらがうもアッサリ死亡。後々何度か試してわかったことだが、ここはモンスターに殺されるのが正しいやり方。もしかしたら倒して先に進める方法もあるのかもしれないが、展開としてはこちらが正解。

 モンスターに殺されると、狩りの拠点になる「狩人の夢」と呼ばれるエリアが出現。ここも周辺にチュートリアルの伝言があるので要チェック。初回時のみ、使者から「仕掛け武器(右手装備)」と「銃(左手装備)」がプレゼントされる。仕掛け武器は「鉈」、「斧」、「杖」の3つから、銃は「短銃」と「散弾銃」の2つからそれぞれひとつずつ選べる。能力や武器の強化、修理を行ないたいときは、エリア上のチェックポイント「ランプ」からいつでも戻ることが可能だ。

拠点となる“狩人の夢”の直後までは実質チュートリアルのようなもの。初めてプレイする人はしっかり目を通すべし

最初に「狩人の夢」にきたとき右手装備と左手装備がそれぞれひとつもらえる。後々使ってみて肌に合わなかったときはやり直してもいいかも

 出現地点のすぐ右上にある「ヤーナムの墓石」の前で○ボタンを押すとゲーム本編に移行。プレーヤーを待ち受ける最初の洗礼は、階段を下りた先で遭遇する4匹の人型モンスター。シリーズ初プレイの人は、恐らく4匹に突っ込んで即返り討ちにされるはず。本作は、ザコからボスまでほぼ一貫して「プレーヤーを全力で殺しにくる」のが特徴。ザコは各個撃破が基本で、よほど腕に自信でもない限りは、複数を同時に相手にしないのが基本中の基本。多少面倒くさくても、群れた相手は接近あるいは「石」を遠方からぶつけて1匹ずつ釣り出すなど“工夫”や“ひと手間”が本当に重要で、言い方をかえれば可能な限りリスクを低減した戦い方をしないと、それこそ本当に「アッ!」という間に殺されてしまう。

アクションアドベンチャー的な仕掛けもそうだが、それ以上に「やるな!」と思わされるのが敵の配置。物陰から不意をつくように襲い掛かってきたり、ときにはエサのようにアイテムが置かれていたり……なにかとシビア。じっくり慎重に取り組もう!

群れている敵に突っ込むのは自殺行為。各個撃破なら容易いザコも集団だと微塵もシャレにならない

 本作は敵にダメージを受けた際、一定時間内に反撃に成功すると少しだけHPを回復できる「リゲインシステム」があるが、慣れないうちは無理に反撃せず×ボタンで離れて体勢を立て直したほうが無難。倒した敵から輸血液(体力回復)と銃弾がそこそこ拾えるため、体力が減っていたら惜しまず使うこと。銃についても、単純攻撃ではなく敵の攻撃モーションにあわせて瞬時にカウンターを狙えるようになると戦いがグッと楽になる。

 大型クリーチャーやボス戦は「相手の行動パターンをよくみて、丁寧に根気よく隙を突いていく」の繰り返し。とにかく敵の攻撃力が高いため「1発くらって畳み掛けるように終わっちゃうから覚えるのも大変だよ!」となりがちだが“あわてない”、“ヤケを起こさない”、“丁寧に立ち回る”を心がければ、必ずや光明が見えてくるはずだ。

戦いはとにかく焦らないことが重要。慌てても何もいいことはない。敵の攻撃パターンはもちろん、ときには地形を利用するなど、考えて対策を立てられるとなおいい

 筆者はアクションゲームが大好きだが、全体的に見れば恐らく上手い部類ではない。ゆえに「Bloodborne」は事あるごとに「こりゃきつい」とギブアップしそうになるのだが、ダークファンタジーを体言する見事な世界観とグラフィックス、何よりも「今の失敗は自分が悪い」と思える明快なゲームシステムが、ペキッ! っとクリスピーな音を立てて折れそうになる心を「悔しい……もう1回!」と奮い立たせてくれる。

 死んでからのリロードはちょっと長い気もするが、コーヒーなどを飲んで心を落ち着かせるための時間と思えばちょうどいい。正直「ちょっと興味がある」くらいの人にはおすすめしづらい難易度だが、逆に骨太アクションを求めている人であれば、ぜひともオススメしたい部類だ。まだ聖杯ダンジョンにはほど遠い状況だが、先輩狩人たちの背中(追憶)に追いつけるよう日夜精進したい。ヘタレの筆者がこう思えるのだから、世の多くの方々はもっと狩人生活を楽しめるはず。

 アクションゲーマーにとって、本作はアクションスキルを高めてくれる“最高のサプリメント”。筆者には劇物というか相当な刺激なのだが、それでも近い将来、ぜひオンライン上で“狩人仲間”たちとご一緒できればと思う。

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(豊臣和孝)