★ダウンロードコンテンツショートレビュー★

6つの協力ミッションでマルチがより充実
本編の完成度を底上げする5つ星の優良DLC

「アウトロー・トゥ・ジ・エンド 協力ミッションパック」

  • 開発/発売元:Rockstar Games
  • プラットフォーム:PS3/Xbox 360
  • レーティング:CERO:Z (18歳以上のみ対象)
  • 価格:無料
  • 発売日:10月21日(配信中)


 米Rockstar Gamesは、PS3/Xbox 360用アクションゲーム「RED DEAD REDEMPTION」(以下、「RDR」)のダウンロードコンテンツ(DLC)第1弾「アウトロー・トゥ・ジ・エンド 協力ミッションパック」を、予定通り10月21日より、PlayStation NetworkおよびXbox LIVEを通じて配信開始した。「RDR」プレーヤーならば誰でも無料で入手可能だ。

 「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」はマルチプレイの協力(CO-OP)ミッションにフォーカスした追加コンテンツでDLCを導入したプレーヤーは6種類の協力ミッションに挑戦できるようになる。最大4人でプレイ可能で、このミッションに対応した100以上の新チャレンジや、新しい実績/トロフィーなどが追加される。

 「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」の協力ミッションは、どれも凝ったつくりになっており、1つのシチュエーションでも複数の展開があり、時には馬車に乗ったり、皆で馬で移動したりと様々な状況で戦うことになる。これまでの対戦とはひと味違う楽しさを体験できるDLCだ。

 

【アウトロー・トゥ・ジ・エンド 協力ミッションパック】
  • ジャンル:マルチプレイミッションパック
  • ボリューム:4~10時間
  • サイズ:13MB(PS3版)、10MB(Xbox 360版)
  • トロフィー/実績:10トロフィー/100ポイント
  • オススメ度:★★★★★
  • 6つの協力ミッションを追加するパック。繰り返し楽しめるやりこみ要素も豊富だ

■ やりごたえたっぷりな協力ミッション。仲間をカバーし、助け合いながら進む楽しさ

協力ミッションは最大4人でプレイできる。敵の攻撃は激しく、助け合う姿勢が求められる
馬車に4人で乗り込み、追いすがる敵と戦う
大砲を奪い敵を撃つ。オブジェクトの利用が勝利の鍵だ

 「RDR」のすべてのマルチプレイゲームは、「放浪モード」が玄関口となっている。放浪モードは広大なゲームの舞台を丸ごとロビー化したもので、そのまま他のユーザーたちと拠点に攻め込んだり、ハンティングを楽しんだりすることができるほか、街から各種対戦モードや、今回の主題である協力ミッションのルームへ移動するのだ。

 協力ミッションの遊び方は次の2通りだ。ひとつは放浪モードのメニューからいきなり協力モードに参加する方法。この場合、自動的に現在参加者待ちのルームに割り振られるため、運が良ければすぐにゲームを開始することができる。もうひとつの方法は放浪モードであらかじめ「民警団」(パーティー)を組んでから、協力モードに参加する方法。この場合だと、パーティーメンバーのみでゲームを開始することができる。こちらは仲間内だけで遊びたい場合、あるいは人数を絞って遊びたい場合に有効だ。ちなみにミッションはすべて4人プレイを前提とした難易度で、人数が少ないと苦戦は必至。2人でクリアするとトロフィー/実績が解除されるのでなれてきたらチャレンジしたい。

 協力プレイのロビーでは4つの武装タイプから1つを選ぶ事ができる。「鉱山労働者」は接近戦プレーヤー向け。ポンプ式ショットガンをメインウェポンに、破壊力抜群のダイナマイトを所持している。「狙撃手」はその名の通り狙撃用の長射程のスナイパーライフルと、撃っても敵に位置を把握されない投げナイフを持っている。「ガンスリンガー」は「RDR」でもっとも扱いやすいカービン系ウェポンのリピーター・カービンをメインウェポンに、屋内の敵をあぶり出すのに最適な火炎瓶をもつ、中距離タイプ。「兵士」はウインチェスターリピーターとヴォルカニックピストルで、ガンスリンガーと比べるとやや近距離に強い、という感じだ。ミッション参加前にプレーヤーはこの4タイプから1つを選択する。

 今回はひとりで飛びこみ、野良で出会った人達との4人プレイと、フレンドとの2人プレイを体験した。協力ミッションはまずこれまでの「RDR」のマルチプレイと違い、様々なシチュエーションで協力してプレイできるのが楽しかった。チーム対戦でも協力はできるが、協力ミッションでは多数のNPCを相手にし、他プレーヤーと連携して敵の逆をつく、といった戦い方もできる。また、フィールドに設置してある大砲を使ったりガトリングガンを奪うなど、慣れてくるとより有利に戦える。

 シングルプレイでは、馬車の運転をNPCに任せ、自分は御者台の横でライフルを撃つシチュエーションがあった。協力プレイでは運転をして、敵の撃退は他の人に任せることもできる。1台の馬車に4人全員で乗り込み、迫り来る敵を撃退するのは、西部劇のシチュエーションそのままでとても楽しかった。

 協力プレイでは、「倒れた仲間を蘇生できる」ところも大きな魅力だ。もし敵に倒されてしまっても、近くにプレーヤーがいて、一定時間の間ならば蘇生させてもらえる。協力プレイでは多数の敵を相手にするため、不用意に前に出ると敵の集中砲火を浴びかねない。また、一撃で頭を射抜くスナイパーがいたりして、油断をするとすぐ倒されてしまう。蘇生させるために倒れた仲間に近付く時に、自分もやられてしまうこともあった。

 協力プレイにはいくつかのチェックポイントがあり、蘇生が間に合わず倒されてしまっても、他プレーヤーが生き残り、チェックポイントに到達すれば再びゲームに参加できる。一方、全員が倒されてしまうと、ゲームオーバーになり、再挑戦を選択しても、ミッションの最初からとなる。ミッションをクリアすると経験値が得られるが、失敗すると何も得ることはできない。

 「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」はプレイ中に仲間が稼いだポイントの合計が入るので、初心者でも多くの経験値が入手でき、レベルアップができる。「RDR」のマルチプレイはレベルが上がると装備や馬、キャラクターモデルがアンロックされ、選択肢が増える。対戦ではあまり勝てずに経験値がもらえなかったプレーヤーもこのモードで協力していけば早い成長が可能だ。

 また、「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」導入と同時に多くのチャレンジが追加された。チャレンジの条件はメニューの日誌で確認できる。各ミッションに紐づけられているチャレンジは、1度クリアすると挑戦可能になる。「“誘拐された娘”を20分以内でクリアする」、「“大馬車強盗”の大砲で10キルする」といった項目があり、クリアするとボーナス経験値を得ることができる。また、様々なトロフィー/実績も追加されているので、事前に調べて獲得を目指したいところだ。

 「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」の協力プレイは4人での戦いを前提としているバランスだと感じたが、友人とプレイした2人プレイは緊張感があり、4人プレイとはまた違った楽しさを体験できた。多くの敵を相手に戦わなくてはいけないシチュエーションでは、離れて戦っていたら両方ともすぐ倒されてしまう。いかに仲間のフォローができるかを考えて戦わなくてはいけない。2人で協力ミッションをクリアするというトロフィー/実績もあるので、友人とぜひ体験して欲しい。


放浪モードでも協力してギャングの拠点を襲撃できたが、協力モードはそこから一歩踏み込み、ストーリー要素を持たせている。刻々変わる状況への対応も楽しい
砲撃に追われたり、味方がダイナマイトを投げたり、攻撃の「範囲」にも注意しなくてはならない
馬車に乗ったり、馬で疾走したり、西部劇ならではの移動も楽しい


■ 強盗に人助け、襲撃、絶望的な脱出行など、シチュエーションが楽しい6ミッション

 協力プレイは様々なシチュエーションが楽しめる。ストーリー的演出も楽しい。ストーリー説明はナレーションのみだが、展開が2転3転する場合もあり、ギャング達の殺伐とした日常を感じさせてくれる部分もある。

 ミッションによってプレーヤーはならず者だったり、貧乏な農場を義侠心で救う流れ者だったり立場も異なる。キャラクター性という部分では薄いところもあるが、「RDR」の世界で展開していた“名もなき者達の物語”という雰囲気が良い。是非、多くの人にプレイしてもらいたい。ここからは、各ミッションのポイントを紹介していきたい。

・ ザ・リバー

小さな船に乗り込む「ザ・リバー」。船は川岸の様々な場所にプレーヤーを導く

 小さな船に乗り、川岸から攻撃してくる敵を撃ち倒しながら進んでいくミッション。敵も船に乗ってきたり、馬で川岸を疾走しながら撃ってきたりと、船に乗るプレーヤー達を攻撃してくる。船は4人で乗ると自由に動けないほどの窮屈さで、その狭い空間をシェアしながら敵と渡り合うのが楽しい。

 ミッションでは、船はいくつかの地点に上陸する。上陸地点には多数の敵が待ちかまえていて、彼等と激しい銃撃戦を繰り広げることになる。全滅させたと思っても背後から突然敵が来たり、岩陰に潜んでいたりと広いフィールドでも八方からの敵に注意しなくてはならない。

 ミッションの最後は、あちこちにダイナマイトの箱が置いてあるギャングのアジトとなる。ダイナマイトの箱を全て破壊すればミッションクリアだが、破壊時に大爆発を起こす。バラバラに戦っていると他のプレーヤーの攻撃によるダイナマイトの爆発に巻き込まれかねないので注意して戦っていきたい。


・ ウォルトンの黄金

前半に難関のある「ウォルトンの黄金」。クライマックスにも厳しい戦場が待っている

 鉱山奥深くに進み、金を奪ってしまおうというミッション。敵は鉱山労働者のならず者達だ。このミッションは、前半がきつい。労働者達は何とダイナマイトを放り投げてこちらを攻撃してくる。物陰に隠れてライフルを撃っていたら、爆風に巻き込まれて倒される、ということもしょっちゅうだ。

 敵を一掃し、鉱山の内部に侵入すると制限時間が表示される。鉱山の中は狭く、地形に邪魔されて敵にうまく照準が合わせられない場合もある。素早く撃ち倒し奥へ進んでいく。5分以内に金を山ほど積んだトロッコを押して外に出なくてはならない。トロッコはゆっくりとしか進まず、やきもきさせられるシーンだ。

 無事に金を得ても、最後の難関が待ちかまえている。鉱山を拠点にしていたギャングが仲間を引きつれて襲撃してきたのだ。鉱山事務所に追いつめられて、四方八方から銃火が浴びせられるという絶望的な状況をいかに逆転していくかが楽しい。

・ 牛の群れ

カウボーイならではの体験ができる「牛の群れ」。仲間と一緒に牛を追うのが面白い

 カウボーイとして「牛追い」を楽しめるミッションだ。牛泥棒のアジトを襲撃し、牛を奪い返すところからスタートだ。牛泥棒達は谷底で待ちかまえていて、プレーヤー達は下からの銃火にさらされながら下りていかねばならない。敵の距離は遠く、ライフルが届くかギリギリのところのため、敵の攻撃が激しく、なかなか前進できない。

 牛を取り返してからがこのミッションの本番になる。大量の牛を追い立てて、アルマジロまで連れていかねばならない。牛を追い立てるためには集団の後ろにつかねばならないが、牛を取り返そうと牛泥棒は前を塞ごうとする。彼等にいかに素早く対処できるかが試される。流れ弾に当たったり、群れからはぐれて牛の数は減りかねない。敵と牛の群れ、どちらにも注意が必要なミッションだ。


・ 大馬車強盗

馬車での戦いが楽しめる「大馬車強盗」。ガトリングを積んだ馬車と2台で進むことも可能

 最初は敵の馬車を奪う。敵は金を積んだ馬車の他、ガトリングガンを轢いた馬車も用意しており、そのガトリングで襲撃者であるプレーヤーに容赦ない攻撃を加えてくる。1人のプレーヤーが囮になりガトリングを引き付け、他のプレーヤーが攻撃する、といった戦い方も有向だ。建物の中で隠れている敵に、火炎瓶を投げ込む、といった戦法も決まると爽快である。

 馬車を奪うと、敵は追撃してくる。1つの馬車に4人が座り敵と戦うというシチュエーションが楽しい。運転役のプレーヤーは射撃に夢中になって、馬車が道に外れてしまわないように注意したいところだ。中盤のギャングのアジトを襲うシーンはかなりの激戦である。ここでは設置された砲台を奪い、敵の陣地にたたき込むこともできる。味方に当たらないように注意が必要だ。

 陣地のそばにいる味方が、砲台にいるプレーヤーに指示できればより有利に戦えると感じた。待ちかまえる敵はガトリングで武装しており、少人数で突っ込むのは危険だ。また、このシナリオは驚きの結末が待っている。ぜひプレイして体験して欲しい。


・ 誘拐された娘

娘を助け出す西部劇のヒーローになった気分が味わえる「誘拐された娘」

 農場主の願いを受けて、仲間だけで敵のアジトになっている要塞に殴り込みをかけ、娘を救い出すという、非常に西部劇らしいシチュエーションだ。周りの敵を排除し、ダイナマイトで要塞の入口を吹っ飛ばして侵入するという、派手な演出も見所である。

 娘を助け出しても、残党が追いかけてくるだけでなく、卑劣な彼等は農場そのものを占拠してプレーヤーと娘を待ち受けている。プレーヤー達は悪漢達を全滅させ、農場を救い出すことができるのか? 思わず引き金に悪者達への“怒り”がこもるミッションだ。


・ 弾薬

街に次々と砲弾が降り注ぐ「弾薬」。このピンチをいかにして切り抜けるか?

 このミッションは6ミッションの中で最も難しいと言えるミッションではないだろうか。プレーヤー達で廃墟となった街の中で立て籠もっているところを、メキシコ軍が総攻撃を仕掛けてくるという絶望的な状況だ。砲弾の雨が街に降り注ぎ、その間をぬって敵は突撃をしてくる。街から出ようにも外には敵が待ち受けている。思わず戦わずに降伏してしまいたくなるシチュエーションだ。

 なんとか街の外に出ても、敵はガトリングガンを掃射してきたり、危険は続く。このミッションでは街の外に出ると、大砲の弾が降り注ぐところが見えてきたりする。大砲の弾が飛んでくる場所にいかにたどり着き、倒すことができるか、仲間と助け合いながら進んでいきたい。


協力ミッションではクリアできれば多くの経験値を入手できる。いい馬や、プレーヤーモデルの選択肢も増える
その場で一緒になったプレーヤーとも、気心の知れた仲間とのプレイもそれぞれ独特の楽しさがある

(C) 2005-2010 Rockstar Games, Inc.

(2010年 10月 22日)

[Reported by 勝田哲也 ]