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PS3/Xbox 360ゲームレビュー

珍奇なコンボ武器でゾンビたちと楽しくたわむれよう!
「デッドライジング2」

  • ジャンル:ゾンビパラダイスアクション
  • 発売元:カプコン
  • 開発元:Blue Castle Games
  • 価格:7,990円(PS3/Xbox 360版)
        6,990円(WIN版)
  • プラットフォーム:PS3/Xbox 360/WIN
  • 発売日:発売中(PS3/Xbox 360版)
         10月28日 発売予定(WIN版)
  • プレイ人数:1人〜4人
  • CEROレーティング:Z(18歳以上対象)


ゾンビ好きによるゾンビ好きのためのゲーム。B級ホラーテイスト満載の作品だ

 いきなり私事で恐縮だが、ビデオゲームがまだこの世に存在していなかった時代に産声をあげた、筆者を含むアラフォー世代。その多くは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)」、「エクソシスト(1974年)」、「悪魔の生贄(1974年)」、「サスペリア(1977年)」など“ホラーブーム”の洗礼を受けていると思う。

 もちろん「ああいう怖いのは苦手だったから」、「気持ち悪くて興味なかった」という人が多々いてもおかしくないが、代表的なホラー作品が“世代の共通言語”として今も機能していること、前述の「サスペリア」TVCMのキャッチコピー「決してひとりではみないでください……」が当時大流行したことなどを顧みると、ホラーブームを原体験のうちに抱え込んでいる人々は相当数にのぼると推察される。1980年代以降色々あって、国内ではいまひとつ大きな声で「好きだ!」と言えるようなカルチャラル的な要素が少なくなってしまったホラー映画だが、それでも根強いファンに支えられて今日に至っている。

 さて……そうした数々のホラー映画なかでも「名作」、「傑作」といわれる作品のひとつに、1978年に公開された「Dawn of The Dead (Zombie)」がある。国内公開は1979年。邦題は「ゾンビ」。その強烈なインパクトは“ゾンビ”という象徴的なキーワードとあわせて人々の脳裡に深々と刻まれることとなり、以後さまざまなジャンルに多大な影響を与え続けている。今回ご紹介する「デッドライジング2」は、熱烈なゾンビ映画ファンで知られるクリエイターの稲船敬二氏が手がけた作品。前作「デッドライジング」で世界中のゾンビ好きゲームファンから賞賛を浴びた稲船氏。今回は販促映画「屍病汚染 DEAD RISING」で自ら監督を務めるなど、その熱意はとどまるところを知らない。

 正直ここでレビューを読まずとも、前作ファンはすでにパッケージをお手元に置いておられるだろう。一方で「初めて知った。どんなゲームなの?」という人もいるかと思われるので、ここではゲームの基本から順次ご紹介していこう。なお、本レビューにはXbox 360版を使用した。両機種版で大きな違いはないため、購入予定のユーザー諸氏はお好み次第で選んでいただきたい。



■ ストーリー 〜ゾンビ感染した愛娘ケイティーを救うべく、主人公チャックは全身全霊を賭けて戦う〜

 ゾンビが人々を襲い、噛まれた感染者が新たなゾンビとなる恐怖と死の連鎖「ゾンビアウトブレイク」。前作「悪夢のウィラメッテ事件」から約5年。ゾンビアウトブレイクはアメリカ各地で継続的に発生を続けていた。主人公チャック・グリーンは、ラスベガスで起こったアウトブレイクの生存者。しかし、その愛娘ケイティーはアウトブレイクの際にゾンビに噛まれ“ゾンビ感染”してしまった。ゾンビ化を防ぐためには「Zombrex(ゾンブレックス)」という薬を購入し、定期的に投与する必要がある。購入資金を稼ぐため、チャックは「フォーチュン・シティ」で開催されている悪趣味なTV番組「TERROR IS REALITY (テラー・イズ・リアリティー / TiR)」への出演を決心する。

 TiRに出場したチャックは、過酷なゲームから無事生還。だが、そんな彼を待ち受けていたのは、祝福ではなく“新たな悪夢”だった。忌まわしきアウトブレイクが、ここフォーチュン・シティでも発生。先ほどまでの歓喜の叫びや矯声は、悲鳴とうめき声に変わり、街はあっという間に大量のゾンビに埋め尽くされていく。ケイティーを保護したチャックは、命からがら避難所「セーフハウス」へと駆け込む。入り口で管理人のレイモンド・サリバンにケイティーの感染痕をとがめられるが、ゾンブレックスの箱を見せて「薬はある」と納得させるチャック。だがそれは空箱で、手持ちのゾンブレックスは皆無。ゾンブレックスを探すべく、チャックはゾンビだらけの街へと飛び出していった。


ゾンビ感染した娘ケイティーの薬代を稼ぐため、主人公チャックは「TiR」に出場。生還を果たすが、直後にゾンビアウトブレイクが発生。控え室にいたケイティーを保護し、避難場所「セーフハウス」へと急ぐが……


 ゾンブレックスを手に戻ってきたチャックを出迎えたのは、モニターから流れてくるとんでもないニュースだった。「アウトブレイクの犯人は、チャック・グリーン」。捏造された監視カメラの映像に驚愕するチャック。疑惑を晴らすべく、ニュースを報じたレポーターの元へ向かう事を決意。報道現場を手掛かりに、取材を続けていたレベッカを発見。真犯人を探したいチャックと、スクープをものにしたいレベッカ。利害が一致した2人は、しばし行動を共にすることになる。しかし、チャックをアウトブレイクの犯人と信じて疑わないサリバンは、親子を避難所から追い出そうとする。 無実を訴えるチャックは「軍の救助が訪れるまでの3日以内に、真犯人を見つける!」とサリバンに約束する。タイムリミットは72時間。はたしてチャックは、真実をつかめるか。そして、ケイティーにゾンブレックスを与え続けることができるのだろうか……。


捏造された映像で、ゾンビアウトブレイクの容疑者に仕立て上げられてしまうチャック。ニュースを見たセーフハウス管理人のサリバンと揉めるが、3日以内に真犯人を見つけることで納得させる。チャックは協力者とともにフォーチュン・シティの探索を開始する



■ 基本操作 〜生き残りたいならキチンと身につけるべし〜

 操作系は、前作とほぼ同様。左スティックがチャックの移動、右スティックが視点変更、×ボタンが攻撃とアイテム使用、Aボタンがジャンプ、×ボタンが後述するサバイバー(生存者)に対するコール(呼び寄せ)、Bボタンがドアを開けるなど各種アクション、LBとRBでアイテムの切り替え、左トリガーで射撃などのエイム、方向パッド上が素手、左が時計表示、下が手に持ったアイテムを置く、右がフレンドリストにそれぞれ対応。右トリガーは、チャックが成長すると他ボタンと同時押しで踏みつけなどの特殊攻撃が繰り出せるようになる。

 画面左上には、チャックのライフバー、所持金、経験値に相当するPP(Prestige Point)ゲージ、右上に現在手に持っている武器などのアイテム、画面右に現在選択している「メッセージキュー」がそれぞれ表示される。「メッセージキュー」とは、ざっくりいえば「今挑戦しているミッション」のようなもの。方向キー左で時計を表示すると、メインストーリーにかかわる「ケースファイル」のほか、今起こっている事件、生存者の情報などがリストアップされる。バーの長さが有効期限を示しており、白だと4時間以上、黄色だと4時間未満、赤だと残り2時間未満、点滅すると残り1時間以下。事件や生存者はスルーしても特にペナルティはないが、ゲームオーバーの可能性があるケースファイルは残り時間を常にチェックしておきたい。

 目的地へのルートは、メッセージキューを選択してAボタンで決定すると画面中央上に表示される「ガイド表示」にしたがって移動すればいい。全体マップが前作よりも広くなっているため、慣れないうちは「あちこち走り回ったけど、今どこにいるんだっけ!?」といったケースが頻発する。現在地など場所について調べたいときは、パッケージ同梱のマップか、もしくはバックボタンによるマップ表示を活用するといい。パッケージ同梱マップを白黒で薄くコピーして、各店舗などに落ちている固定アイテムをカラーのボールペンなどで書き込むというアナログな手法もオススメ。書き込んでいくうちにマップ全体の構成がなんとなく頭に入ってくるし、後述するコンボカードを作る際にも非常に役立つ。


メッセージキューは、ひらたくいえばミッションのようなもの。ここでAボタンを押すと画面中央上にあるガイド表示が目的地までの方向を指し示してくれる
前作を上回る広大なマップ。慣れないうちはパッケージ同梱マップやバックボタンで表示されるマップ情報を頼りに全体構成を少しずつ覚えていくといい



■ ゲームの流れ 〜メインストーリーを進めつつ合間に依頼や救助をこなすのがベーシックなスタイル〜

 前述のとおり、チャックことプレーヤーには“ふたつ”の目的がある。ひとつは、ケイティーのためにゾンブレックスを確保し、毎朝7時〜8時の間にセーフハウスに戻ること。もうひとつは、アウトブレイクの容疑者という濡れ衣を晴らすべく、事件の真相に迫ることだ。前者は、フォーチュン・シティのどこかに落ちているか、もしくは依頼などをクリアすることで入手可能。質屋でも買えるが、ボッタクリ価格なのであまりオススメはしない。後者は、ケースファイルをクリアすることで少しずつ進んでいく。

 すでにTVCMをご覧になったかたも多いだろうが、そのキャッチコピーよろしく「好きに、ヤれ!」が本作の基本スタンス。マルチエンディングなので、バッドエンドだからといって「それは間違い」というわけでもない。仮にゲームオーバーになっても、チャックのレベル、所持金、後述のコンボ武器といった成長要素を引き継いで「ストーリーを最初からやり直す」ことも可能。とはいえ、何の目的もなくメチャクチャに暴れるよりは、ケースファイルの残り時間をチェックしつつ、同時にリストアップされている依頼や救助にまい進するのが最もスタンダードな遊び方だと思われる。ただ、ケースファイルの内容によっては時間ギリギリだと「開始後、さらに時間を要するイベントだったので見事に行き詰りました」というケースもあるので、内容を知らない1周目はそれなりに余裕をもってチャレンジすべきだろう。

 任務と救助だが、チャックの成長や装備によっては相当な苦戦を強いられる。特に厄介なのが、これまで紹介記事で掲載した“PSYCOPATH(サイコ)”が登場するもの。奇妙奇天烈な言動でチャックに対して危害を加えてくる……というか、明らかに「殺しに来る」連中ばかりで、支離滅裂な言動に加えて攻撃力まで理不尽という強敵ぞろい。アクションゲームが好きな人は、じっくり観察してパターンを見切るのが最上。一見メチャクチャで対処不可能に思えても、必ず何らかのアプローチが用意されている。煮詰まった人は、後述するコンボ武器、回復アイテム、ミキサーにアイテムを入れて作る「ミックスジュース」の特殊効果や、持っているだけでパワーアップなどさまざまな恩恵が得られる「本」を活用するといい。

 厄介なサイコに対し、単にサバイバーをセーフハウスに誘導する任務は、わりと楽なものが多い。前作をプレイした人は身に染みていると思うが、今作のサバイバーは本当に融通がきく。前作のように「また角にひっかかりやがって! どこに行くんだよ、こっちだってば!!」といったケースが皆無に等しく、本当にありがたい。注意すべきは、マップ切り替えの際に近くにいるかどうかくらい。たまに足がやたら遅いサバイバーもいるが、色々なやりかたで十二分にフォローできるので特に問題なし。サバイバーのタイプによっては、武器を持たせて他の任務につれていき、戦力としてコキ使うことまでできる。ちなみにサバイバーは、リストに表示されない“隠れ”が数名いる。出現時間帯と場所が固定されているらしく、ケースファイルを進めると2度と会えないことが多い。時間に余裕があれば、こちらもなるべく助けてあげたいところだ。


【好きに、ヤれ!】
TVCMのキャッチどおり、基本的には好きなことをやるのが1番。ただし、前述のとおりケースファイルをきちんと進めておかないと上画像・下段(中央と右)のように「真実は闇の中へ……」てなことになりかねない

【PSYCOPATH(サイコ)】
B級ホラーに欠かせない敵役といえばサイコたち。あまりアクションが得意じゃない人は、レベル1スタートの1周目で相当な苦戦を強いられるはず。オンライン協力プレイでフレンドと一緒に戦うか、さもなくば1周目はあきらめてチャックのレベルを上げつつ2周目行以降にチャレンジしても構わない。複数のサバイバーに銃を持たせて引き連れたままサイコ戦に突入するという手もある

【サバイバー】
話しかけて、さらに必要なら一定条件を満たせばセーフハウスまで連れていくことが可能。成功すればPPのほか、サバイバーによってはコンボ武器カードやゾンブレックスをくれたりする。前作は曲がり角にすぐ引っかかるなど引率には相当な修練と忍耐が必要とされたが、今作で気をつけるのはマップ切り替え時の距離くらい



■ 武器とコンボ武器 〜ゾンビやサイコとの戦いに欠かせないフォーチュン・シティでの生活必需品〜

 フォーチュン・シティ内を徘徊するゾンビは、チャックが接近すると容赦なく襲い掛かってくる。逃げるだけではラチがあかないので、当然“武器”を手にゾンビと戦うことになる。前作をやった人には説明不要だが、今作もマップ内に落ちているオブジェクトで「銃のアイコン」がついているものは、すべて武器として使用できる。バット、椅子、ハンドバッグ、ハンガーなど、そのバリエーションは前作以上。すべて耐久値が設定されており、低くなると右上のアイテムアイコンが赤くなり、内部数値でゼロになると壊れてしまう。

 今作最大の特徴は、拾った武器を組み合わせて“コンボ武器”が作れることだ。オレンジ色の銃のアイコンの武器はそのまま使うものだが、水色のレンチアイコンの武器はマップ内のあちこちにある「メンテナンスルーム」で合体させられる。やりかたは、作業代の上にBボタンで武器を置くだけ。何でもかんでも自由に組み合わせられるというわけではなく、組み合わせ可能な武器同士なら「組み合わせる」というメッセージが表示される。武器の組み合わせは、レベルアップでもらえるコンボカードに記載されている。コンボカードを持っていないのに偶然の組み合わせでコンボ武器ができたときは“スクラッチカード”が追加され、コンボカード画面にファイリングされていく。

 コンボ武器のバリエーションは、実用性抜群のものから完全なネタまで計50種類が用意されている。その代表格は、なんといっても「SPIKED BAT(釘バット)」。セーフハウスからフォーチュン・シティの出入りルートにあるメンテナンスルーム内に材料武器がセットで置いてあるため、お出かけの際に上着1枚はおる感覚で持っていけるのがいい。釘バットを含め、一部武器は×ボタン長押しで強攻撃が繰り出せる。耐久力も高い部類に入るため、常に2本くらいは携えておきたいコンボ武器だ。なお、コンボ武器で敵を倒すと“ボーナスPP”が加算され、通常よりも多くの経験値が手に入る。ボーナス値は武器によって異なるが、効率よくレベルを上げたい人はコンボ武器をメインに使うべきだろう。

 メンテナンスルームは、フォーチュン・シティのあちこちに設置されている。場所ごとに周辺固定のアイテムが違うため、前述のようにマップに書き込んでおくと「ここでコレを作って……」など、計画的にゲームを進めていける。「面倒くさいから全部釘バットでいいや」という人もいるかもしれないが、それでもセーフハウス周辺で作れるコンボ武器だけでも調べておけば、ゾンビやサイコとの戦いがグッと楽になる。また、バッテリーを組み合わせる「Electric Chair(電気椅子)」など、車椅子関連のコンボ武器は、ゾンビを駆逐しながら快適走行が楽しめる逸品。前作に比べるとスケボーの使い勝手が悪くなっているため、ゲーム序盤の足の遅さにイライラしている人には特におすすめだ。


【武器】
オレンジ色の銃のアイコンのアイテムは、すべてBボタンで拾って武器として使える。耐久力に限りがあるので、いくつか予備を携えておくことをおすすめする

【メンテナンスルーム】
「チャックさんの楽しいガムテープ工作教室」の第1歩は、セーフハウスからフォーチュン・シティへの導線上にあるメンテナンスルームから始まる。なお、同じコンボ武器でも、偶然作成したスクラッチ武器カードとレベルアップなどで獲得したコンボ武器カードでは、得られるボーナスPPが倍違う

【コンボ武器】
実用性抜群から完全なネタまで計50種類が登場。シングルプレイではレーザーソードやナイフグローブなど高威力で作りやすいものがメインになってしまうが、フレンドとオンライン協力プレイをするなら、ネタ系もいくつかレパートリーに加えておきたいところだ



■ オンライン協力プレイ 〜ボイスチャットなど意志疎通が超重要〜

オンライン協力プレイをしたい人は、オプション「CO-OP設定」をきちんと確認。デフォルトではパブリックに設定されている

 今作は、ストーリーモード中でも他プレーヤーとオンラインプレイが楽しめる。誘う側が「ホスト」となり、自分のストーリーに他プレーヤーを参加させる仕組みで、ストーリーの進行状況を含めたシングルプレイと同じ要素をセーブできる。誘われた側(クライアント)は、ストーリーの進行状況をセーブできないが、獲得したPP、お金、コンボカードなどはきちんと反映される。

 通常のシングルプレイはライフがなくなるとゲームオーバーだが、オンライン協力プレイは条件が一部異なる。片方のプレーヤーがライフゼロになると“ダウン”となり、一定時間内に食べ物や飲み物を与えると蘇生。ただし、両プレーヤーがダウンするか、もしくは片方がダウンして一定以上の時間が経過するとゲームオーバーとなる。

 オンライン協力プレイは、ホストとクライアントで配信されている追加コスチュームを揃えて持っていないと、そもそもマッチングされない点に注意。「オンライン協力プレイを許可してるのに、何で誰にも誘われないんだろう……」と思っている人は、意外とこの“落とし穴”にハマっていることが多い。パッケージ内にも注意書きの紙片が同梱されており、使う使わないにかかわらず追加コスチュームはすべてダウンロードしておいたほうがいいだろう。DLCの追加配信もアナウンスされているので、念のためこまめにチェックすることもお忘れなく。

 発売日から何度かオンライン協力プレイを楽しんだ筆者だが、その際に痛感したのは“コミュニケーション”の重要性。たまたまだがすべて海外の方とマッチングされたため、ボイスチャットでは会話が成り立たず、すべてゲーム内のアクションで意思疎通という、なんともシュールな展開に……。発売直後につき要領がわかっていないプレーヤーも少なくないようで、勝手にマップ移動されたり(ふたりが近くで一緒に移動しないとダメ)、恐らく相手方がムービー再生やマップ表示で停止するなど、随所で「これなんとかならんかなぁ」と頭を抱えてしまった。システム上、ホストの行動にクライアントがあわせるのが基本だと思うのだが、ゲーム展開そっちのけでひたすらゾンビを倒し続ける人も多く、その内容は実にカオス。

 一般に“野良”と呼ばれる知らない人同士のオンラインプレイでは、円滑なコミュニケーションプレイはあまり期待しないほうがいいのかもしれない。その一方で、フレンドなど十分なコミュニケーションがとれる間柄でプレイするなら、ハードなサイコとの戦いですら笑いながら楽しめる余裕が生まれる……はず。一緒にプレイしてくれる人がいるなら、ぜひともお試しいただきたい。余談ながら、らんちき騒ぎに終始しがちな野良CO-OPもまた、それはそれで十分アリ。珍奇なコスチュームでフォーチュン・シティを暴れまわり、アイコンタクトよろしくどちらともなく懐からスッと花火を取り出す。こういうのも実に楽しかったりする。


野良CO-OPの例。オンラインに接続したままストーリーをプレイしていると、時々こうしたお誘いの声がかかる。参加要請を承諾するとオンライン協力プレイ開始。なお、CO-OPムービーシーンのキャラクタ外観はホスト側に準じるらしくクライアント側は予想外の格好に思わず吹き出すことも……



■ テラー・イズ・リアリティー 〜ミニゲームでオンライン4人対戦! デカく勝て!〜

 ゲーム中でチャックが参加していた悪趣味なTV番組「TiR」をオンライン4人対戦でプレイするモード。ざっくりいえば“対戦ミニゲーム集”で、競技を4つプレイしたトータルスコアで順位を決める。最初の3つはランダムのようだが、最後の競技はゲーム冒頭でプレイした「SLICE CYCLES」になる。

 ゲームモードは、オンラインランキングの順位を競うランクマッチ、順位に関係なくオンライン上の他プレーヤーと対戦するプレーヤーマッチ、フレンド同士で対戦するXBOX LIVE PARTYがある。ランクマッチで稼いだ賞金は、メニュー「換金する」でゲーム内に転用できるのがポイント。ゲーム内のお金稼ぎにはいくつかの手法があるが、腕に自身があればランクマッチでも結構な金額を稼ぐことができる。

 競技は、ゾンビを轢いて血液を採取し開いたゲートに注入していく「ZOMBONI」、ジャックポットも視野に入れつつゾンビを狙撃していく「BOUNTY HUNTER」、ゾンビにアイテムをつけて3点コーデを完成させポイントを稼ぐ「STAND UP ZOMEDY」、ボールのなかに入ってぶつかり勝利の権利を奪い合う「RAMSTERBALL」、4×4のマスから出現するゾンビを狙ってボールを撃つ「BALL BUSTER」、ゾンビにメットをかぶせて爆発させる「HEADACHE」、チェーンソーを装備したバイクに乗ってゾンビを倒したポイントを獲得していくトリの競技「SLICE CYCLE」など、全9種類となっている。

 悪ノリだけで作ったようなルールとシチュエーションは“悪趣味なTV番組”というゲーム内の設定がきちんと反映されており好印象。ランクマッチで稼いだ賞金がゲーム本編に転用できるのも、モチベーションという意味では悪くないアイデアだと思う。ただ……筆者としては「ミニゲームだから仕方ないけど、どれもチンマリしてて本編みたいにはハマれないなぁ」といった感があり、もっといえば「これに割いた労力で、コンボ武器のひとつでも増やしてくれればよかったのに」というのが本音。ただ、B級、C級ホラー作品へのリスペクトからくる“チープさ”なら、それは重要なテイストのひとつ。ミニゲーム全体にこうしたニオイが漂っているのは、もしかしたら開発サイドの意図した形なのかもしれない。





■ 清々しいくらい“正統派”の続編

 “ゾンビパラダイスアクション”というジャンル名に代表される、本シリーズならではの魅力。それは「B級ホラー要素満載のシチュエーションで、ゾンビ相手に大暴れ!」に尽きると思う。前作をプレイしていない人は、ストーリー展開やボス戦で「なんだこれ」と思われるかもしれないが、プロデューサーである稲船氏がリスペクトするB級ホラーは、これくらいベタで(語弊がある表現かもしれないが)頭の悪い展開じゃないと“らしく”ない。その点、本作は続編としてまったくブレがないというか、ある意味「清々しい」くらい一貫している。

 何かとバッシングの対象になりがちな残虐表現も、今回は“全世界共通仕様”とがんばってくれた。前作における海外版と日本版の違いに涙したユーザーにしてみれば天地の差で、これはもう手放しで褒めたい。前作のショッピングモールBGMやショップ看板など、シリーズファン向けの細やかなお遊びも心憎いし、「B級ホラーのくせに、なに根っこにシリアスなテーマ入れてんだよ!」みたいなところが、今回もきちんと感じられるのが(マニア向けのテイストではあるが)うれしい。

 いかにも「海外スタジオが作りました」という細かいアラはいくつか目に付くが、前作で“誘導の職人芸”さえ生み出したサバイバーの引率が飛躍的に楽になったことなど、改善点に比べれば重箱の隅レベル。コンボ武器に関しては100点満点で99点を差し上げたいくらい。マイナス1点は、せめてクリア後の周回プレイくらいは「持っているコンボ武器カードの材料は、メンテナンスルームに自動的に調達される」といったお遊びを盛り上げる配慮が欲しかったこと。コンボ武器は「ヘリコプター+マチェット=ヘリブレード」など正気を疑うようなステキ武器が山盛りなのに、ネタ武器に限って「意外と調達しにくい」ものが多い。

 このあたり「ネタ武器なんて、1度作ったら2度目はないでしょ?」ということなのかもしれないが、お気に入りのコンボ武器はただ使っているだけで楽しいし、オンライン協力プレイなら尚のこと。別に「フリーダム・ベアーを道幅一杯にずらりと並べたい」とか、贅沢をいっているわけではない。ただ「別に釘バットでもクリアできるだろ。必須ではないお遊びなんだから、やりたきゃ相応の手間をかけろ。でもすぐ壊れちゃうけどな!」といわれているようで、ここはもうちょっとドメスティックな親切心を発揮しても良かったような気がする。

 前述のとおり、重箱の隅レベルでいいたいことはあるが、全体としては見事なくらい“正統派の続編”として仕上がっている。特に前作のプレイ経験があるなら、全体レベルで文句をつける要素はほとんどないはずだ。「うるせぇ! 俺はカメラでいろいろなスクープが撮りてぇんだ!」という人もいそうだが、その辺は各所にあるPLAYBOYの看板か、もしくはビビ・ラブの円熟ボディで我慢していただきたい。ストーリーそのものは独立しているため、前作をプレイしていない人も「おいてけぼり」ということはなく安心して遊べる。ただクリアするだけでなく、周回プレイでやれることが増えるにつれ、アクションゲームのカタルシスが増していく本シリーズ。ファンはもちろん、アクションゲームが好きな人はぜひプレイしていただきたい。


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(2010年10月8日)

[Reported by 豊臣和孝]