★オンラインゲームレビュー★

連打で繰り出すコンボの爽快感
お手軽な横スクロールアクションゲーム

「アンリミテッドハーツ」


 「懐かしい横スクロールアクションをオンラインゲームで」、という売り文句でガマニアが運営している「アンリミテッドハーツ」は、言葉通りどこかファミコン時代の横スクロールアクションを思い起こさせるドット絵の2D横スクロールアクションオンラインゲームだ。中国のWinking Entertainmentが開発をしたゲームで、中国や台湾でもサービスを行なっている。同様のタイプのゲームにNEXONの「アラド戦記」があるが、本作はさらにライトになって、アクションゲーム初心者でも手軽にコンボの爽快感が味わえるような作りになっている。

 「アンリミテッドハーツ」の大きな特徴は、ダンジョン部分がプライベートエリアになっていることと、武器を持ち帰ることで4つの武器を使い分けることができるシステム。本作の戦闘はすべてMO形式のダンジョン内で行なわれる。敵の取り合いなどもなく、のんびりと攻略が可能だ。選べる武器には「剣術」、「射撃」、「魔術」、「格闘」の4種類があり、戦闘中に自由に持ち替える事ができる。武器ごとに使えるスキルが異なっているので、状況に合わせた多様な攻撃が可能になるのだ。

 アクションゲームが苦手という人も楽しく遊べるお手軽さがある一方、「アンリミテッドモード」や「ソウルリンクシステム」など、テクニックややり込みが必要な要素もある。またイラストのかわいらしさもポイントだ。アバターや特殊グラフィックスの装備は、イラストの立ち絵にも反映されるので、装備を集めたり強化して外見を変えるという楽しみ方もある。このレビューでは、「アンリミテッドハーツ」のシステムや、世界観、パーティープレイなど、ゲーム序盤に体験することになる要素について紹介していきたい。



■ 4種類の武器を持ち替えて戦う冒険者となって、モンスターを倒せ

オープニングに挿入されるムービー
冒険の舞台となる「ソルティア大陸」
最初に自分のキャラクターを作る

 「アンリミテッドハーツ」は「ソルティア大陸」という大きな大陸が舞台となっている。その西の端にある「ノアの都」は、200年前に邪悪なモンスターから街を守るために、偉大な魔術師が街全体を覆う結界を張り平和を保っていた。しかし結界の力が弱まり、モンスターが闊歩し始めている。プレーヤーはそんな「ノアの都」に冒険者として降り立つ。

 キャラクターメイキングで決められるのは、名前、最初に使用する武器と性別、髪型、髪と服の色だ。顔にはバリエーションがないが、髪型は豊富なので印象はかなり変えられる。武器は「剣術」、「射撃」、「格闘」、「魔術」の4種類から選択できる。「剣術」は威力が大きいが攻撃スピードが遅い近接攻撃。「格闘」は両手にはめたカギ爪で素早い連打を繰り出す近接攻撃。「射撃」はボウガンを銃のように使って遠距離から連続攻撃を繰り出し、「魔術」は杖を使って遠距離から術攻撃を使う。キャラクターには「腕力」、「器用」、「知力」、「精神」、「耐久」という5つのステータスがあり、武器によって変化する。例えば「剣術」なら「腕力」が高く「知力」が低い。「格闘」は「耐久」が、「射撃」は「器用」が、「魔術」は「知力」がそれぞれ高い。

 現状のバランスでは、遠距離から攻撃するのが安全なので「射撃」や「魔術」のようなレンジ攻撃をする職の方が有利に戦闘を進められる。「剣術」はいわゆる両手剣使いで、一撃が重いものの攻撃速度が遅いというバランスなので、前述の2職に後れを取るが、防御力を上げるなどパーティープレイの時に役立ちそうなスキルが揃っている。「格闘」は近接特化型のスタイルで耐久力が高いのが特徴。いまのバランスではやや不運な立ち位置にあるといえそうだ。「格闘」、「射撃」、「魔法」の3つは好みで、「剣術」はパーティープレイ重視型のプレイをしたい人向けの武器と言えるだろう。

 なお、武器はいつでも持ち替えられるうえ、スキルポイントの範囲内であればどの武器のスキルでも覚える事ができるので、1つの武器に特化してもよし、ハイブリッドな万能型を目指してもいい。「アンリミテッドハーツ」は成長の自由度はかなり高い。


キャラクター作成画面。髪型と髪の色でかなり印象が変わる

チュートリアルで操作を教えてくれる妖精の女の子
チュートリアルでは「ヴィクトリア号」のデッキにいるモンスターをやっつける
「ヴィクトリア号」の美人船長「ヴィクトリア」

 ゲームをスタートすると「ノアの都」に停泊している船の上でチュートリアルの戦闘が始まる。チュートリアルの間は、画面の右下にある「?」マークを押すと妖精が操作方法を教えてくれる。操作は場所移動とジャンプ、しゃがみの4つが基本。登録できるスキルは4つで、キーボードかゲームパッドで操作できる。

 チュートリアルが終わったら街に出てみよう。チュートリアルの間はまるでオフラインゲームのようだが、街へ出れば露天が出ていたり他のプレーヤーが歩いていたりと、オンラインゲームらしい光景に出会えるだろう。

 街には自分の家がある。ここはプレーヤーの拠点となる場所で、初回以降はログインするとこの家の中からゲームが始まることになる。家には持ちきれないアイテムを入れる倉庫や、倒したボスから手に入れた「モンスターカード」を使ってモンスターをコレクションできる「モンスター回廊」などがある。「ノアの都」以外にも都市ごとに、部屋の雰囲気が違う家を使うことができる。

 街にはたくさんのNPCもいる。NPCの頭の上に「!」の吹き出しが付いていたら、そのNPCからクエストを受ける事ができる。NPCの中には毎日クエストをくれるものもいる。マップ画面で確認すれば、クエストを持っているキャラクターがどこにいるかが一目でわかる。さらにそのキャラクターの顔アイコンをクリックすれば、そこまで自動移動してくれる親切設計だ。

 クエストにはストーリーに関わるメインクエスト、それ以外のサブクエスト、何度でも受けられる反復クエストの3種類がある。数あるクエストをこなしているうちに、気がつくとレベルが上がっている。序盤はソロプレイが中心になるが、ソロでボスを倒すとたくさんの装備を落とすので必要でないものを売っていればお金も自然に貯まっていく。

 装備は「Q」、「W」、「E」、「R」の4つのキーに、それぞれ別の装備セットを登録することができる。1つの装備セットにはメイン武器、サブ武器の2種類を登録できるので、都合8種類の武器を使い分けることができることになる。といっても所持できる重さに限界があるので、8セットフルに持って歩くと、モンスターがドロップしたアイテムをほとんど拾えないという本末転倒な自体にもなり得るので、必要なものを厳選して持った方がよさそうだ。メイン武器とサブ武器の切り替えは、しゃがんで「↓」キーを押すだけ。切り替えをうまく駆使することで、通常時はモンスターを遠距離からボウガンで攻撃しながら、囲まれたら格闘の爪に切り替えて振り払うといった戦術も可能だ。

 回復アイテムは、街の雑貨屋が売っている「パン」などのアイテムや、モンスタードロップもしくは課金アイテムとして手に入るポーションなどがある。これらはインベントリのアイコンをダブルクリックするか、中央下部のショートカットに登録して使う事ができる。バトルマップの中では自然回復はしないので、強い敵と戦う時には回復薬は必須だ。


マップを見れば街のどこにどんなNPCがいるか一目瞭然だ
街にある「冒険者の家」はプレーヤーの拠点になる場所だ


■ バトルマップはすべてプライベートエリア。爽快感のある戦いを楽しもう

バトルマップは横細かいエリアごとに分かれている
ボスの部屋に入ると、BGMもボス用のものに変わって緊迫感が増す
一風変わった敵が多いバトルマップ「下水道」

 バトルマップでは最初のうちは難しい事を考えずに、攻撃ボタンをひたすら連打していれば敵を倒せる。本作のなによりの魅力は、気軽に爽快感を味わえるところなので、とにかく連打していればたいてい勝ててしまう。この点は、同じ横スクロール型のアクションMMORPGである「アラド戦記」よりも、さらにカジュアルだ。

 もちろんレベルが上がるにつれて、複雑な動きをするモンスターが出てくるので、ただ連打していればいいという訳ではなくなる。例えば「ホープ峠」というバトルマップにいる「ネズミ人の爆弾投げ」というモンスターは、時限爆弾をプレーヤーの足下めがけて蹴ってきたりと、トリッキーな攻撃を仕掛けてくる。バトルマップの敵はマップごとに個性豊かで見飽きない。特に「下水道」に出てくる敵は、目を輝かせながら投げキスを送ってきたりと、序盤では怪しさが際立っていた。

 なお、バトルマップはすべてプライベートエリアになっており、対人戦ができる特殊なエリアをのぞいては、バトルマップでパーティーメンバー以外のプレーヤーと出会うことはない。1つのバトルマップは、いくつかの細かいエリアに分かれている。敵がいる小エリアに入ると入り口と出口がロックされ、中にいる敵をすべて倒さないと移動できなくなる。1度倒せばフィールドに戻らない限りリポップはしないので、敵のいないエリアで回復したり、作戦を練ったりすることもできる。出口が2つあることもあるが、それほど複雑な構造ではないのでどんどん突き進んでも大丈夫だ。

 次の小エリアへ案内する矢印は通常水色だが、これが赤いとそこにボスが居るという合図だ。体力が減っている場合は回復したりと、準備を整えてから望もう。ボスを倒すとそのバトルエリアでの戦闘は終了になるので、行き残した場所があるなら、ボスは後回しにしてそちらを先に片付けた方がいい。

 ボスに相当するキャラクターは魔方陣のような円陣に囲まれているので一目でそれとわかる。これらのキャラは通常のモンスターよりもHPが格段に高く、範囲攻撃などの特殊攻撃を仕掛けてくる。倒せばレアな装備やたくさんのアイテムを落とす。途中で荷物がいっぱいになったり、回復アイテムがなくなったりして外に出たくなったら、右上にある「離脱する」というボタンを押せばいい。たとえ戦闘中でもすぐにフィールドへ戻ることができる。死にそうになった時の緊急避難や、特定のアイテムを落とす敵を連続して狩る時にも使える。


森の中や神殿など、序盤からバトルマップのバリエーションは豊富だ


■ 仲間とパーティーを組めば、バトルマップもひと味違う

パーティープレイだと、同じダンジョンでも難易度が上がる
ギルド募集掲示板には、たくさんのギルド募集が出ている。気になるギルドをチェックできる

 本作では最大4人のパーティープレイが楽しめる。パーティーは街のあちこちやダンジョン(バトルマップ)の入り口近くにある掲示板のパーティーメンバー募集で探せる。掲示板といっても実質的にはマッチングロビーの機能を備えており、募集しているキャラクターのレベルと、行きたい場所や条件などが掲示されており、気に入った募集があれば参加ボタンを押すだけでパーティーに参加できる。

 1回のパーティープレイは早ければ10分から長くても20、30分ほどで終わるので、掲示板の募集の移り変わりは激しい。こまめに見ていれば、自分の行きたい場所の募集を見つけられるだろう。見つけられなければ、自分で募集をしてみるのもいい。

 メンバーが集まったら、集めたキャラクターが行きたいダンジョンへ入ればメンバーがどこへ居ても自動的にダンジョンに入ることができる。パ―ティーで入ると、同じダンジョンでもソロの時よりモンスターの数が増えるなど、パーティー人数に合わせて難易度が自動で調整される。

 また、通常のパーティーとは別に、「師弟システム」というものがある。これはレベル20以上のキャラクターと、レベル15以下のキャラクターがペアパーティーを組んで戦うことができるというものだ。ダンジョンのボスモンスターを倒すと、師匠となるキャラクターは「試練のバッチ」というアイテムがもらえる。これは「ノアの都転送スクロール」や治療薬などの便利アイテムと交換できる。ビギナーがレベル15になることで師弟関係は自然解消してしまうが、両者にとってメリットのあるシステムだ。

 「ノアの都」にある「潮風の酒場」にあるギルド募集掲示板には、いつもたくさんのギルドメンバー募集が出ている。またパーティーメンバー募集の掲示板には、ギルドの募集が出ることもある。ギルドに参加すると、「ギルドマップ」を巡る「ギルドバトル」が楽しめる。「ギルドマップ」は「ミミルの都」にある2つのエリアで、それぞれの中に占領しているギルドだけが使えるダンジョンがある。

 本作にはギルド同士が戦う「ギルドバトル」や「ギルドマップ」などギルドならではの要素がある。「ミミルの都」にある2つの「ギルドマップ」は占領することが可能で、所有することで専用のダンジョンが利用できるなどのメリットが享受できる。この所有を巡ってギルド同志が争うことになる。

 ただ、ギルド活動を行なう上で欠かせない多人数向けのチャット機能が、あまり使い勝手のよいものでないのは問題だ。チャットには周囲チャットの他、パーティーチャット、ギルドチャット、拡声器チャットなど数種類がある。全域に声が届く拡声器チャットを使うには、課金ガチャの景品で出る「拡声器」が必要だ。チャットウインドウはサイズが固定で画面の中央近くに出るので、ちょっと邪魔な上、背景が透過になっていると読みづらいのは改善して欲しいところだ。


あっというまに終わってしまうこともあるパーティープレイ。積極的に参加したいところだ


■ 90種類以上のスキルを組み合わせて、個性的なキャラクターを作ろう

レベルが上がるにつれて覚えられるスキルが増えていく
「コンボ」を設定することで、複数のスキルを1度に使えるようになる

 戦闘に使うスキルは、レベルが上がるたびに獲得できる「スキルポイント(以下、SP)」を使って覚える。種類には武器ごとの4系統と、共通スキルで、合わせると90種類以上ある。1つの技能を覚えるために必要な「SP」で、カンストレベルである60までにもらえるポイントは118なのですべてのスキルを覚える事も可能だが、そう簡単ではない。

 スキルは1度覚えれば終わりではなく、「訓練」することで強化できる。攻撃スキルなど特定のスキルは訓練してレベルを上げることでエフェクトが派手になっていく。すべてのスキルを最高レベルまで「訓練」するにはポイントが足りないので、どのスキルを育てるかを選ぶ必要が出てくる。結果としてこれがキャラクターの個性になる。対人戦での駆け引きにも影響してくるだろう。

スキルポイントを振り直すためのアイテムは、ゲーム開始時とレベル42の時に1度ずつ無料でもらえる他、課金アイテムでも販売している。最初のうちは残ポイントを気にせず、どんどんスキルを覚えていろいろな戦闘を試してみてもいいだろう。

 スキルはショートカットに入れて使用するが、ショートカットは4つしかない。たくさんのスキルを使いたいときに便利なのが「コンボシステム」だ。「コンボシステム」は画面左にあるメニューの「コンボ」から登録できる自動攻撃。事前に順番を登録しておくことで、ボタン1つで連続攻撃を繰り出す事ができる。例えば、最初に「射撃」の攻撃を出したあと、装備を切り替えて「格闘」の攻撃を出すといったことが1度にできる。ただし敵の攻撃をくらったり、別のスキルを使うと中断する。この「コンボシステム」は、本作の特徴的なシステムである「アンリミテッドモード」でも活躍してくれる。



■ 心技を繰り出せる「アンリミテッドモード」と「戦神」に変身して戦う「ソウルリンクシステム」を使いこなそう

ゲージがたまった状態でしゃがんで「↑」キーを押せば「アンリミテッドモード」が発動する
うまくコンボをつなげば、大ダメージの技が出る

 「アンリミテッドモード」は本作のメインとも言えるシステム。バトルマップに入った時に右上に表示される剣の形をしたゲージが満タンになると、「アンリミテッドモード」に入ることができる。このモードでスキルを使った攻撃をすると、スキルの種類に応じて「分裂」、「貫通」といった漢字が現われる。これが出ている間に、特定のスキルで追撃をすると、「心技」となり敵に大ダメージを与える事ができる。

 コンボする順番は決まっていて、例えば「射撃」の「マルチショット」に、「剣術」の「烈火鬼人斬」という技で追撃をかければ、「貫通」→「斬撃」というコンボが成立して「断空」という強力な心技が発動する。「心技」は3段階まであり、各「心技」には敵のスピードを低下させたり、弱体技が掛かるなどの追加効果が加わる。

 「心技」は別の武器同士のスキルを連携させる技なので、パーティープレイなら、メンバーが出した技に応じた「心技」を出せばいいが、ソロプレイだと武器を持ち替えなければならない。そのときに力を発揮するのが、前述の「コンボシステム」だ。「心技」の文字が表示されている間に武器を切り替えて特定のスキルを出して、という忙しい手順がコンボならお手軽に「心技」を出すことができる。

 高レベルになってからの楽しみになる「ソウルリンクシステム」は、8月13日に実装されたばかりの新システム。強大な力を持つ「戦神」に変身することができるシステムだ。「星神の神殿」にある12のバトルマップにはそれぞれのバトルマップを守護する「戦神」がいる。このボスを倒すと、各ボスごとの「試練石」が手に入る。それを各ダンジョンの「星神」へ届けると、その星神の加護を得られるようになる。この状態で、「アンリミテッドモード」を使ったり「戦神」を倒すと加護のゲージがたまっていき、100%になると「ソウルリンク」が使えるようになる。現在実装されているのは「白羊戦神」と「金牛戦神」の2種類。残り10種類の「戦神」もデザインは公開されているので、今後実装されていくことになるだろう。


忙しい戦闘の最中にうまく連携を決めるのはなかなか難しい


■ 見た目を変える「活性化」、性能を変える「強化」や「付与」で装備をカスタマイズ

装備のステータスを底上げする「強化」
装備のランクを上げて、見た目も変えることがでる「活性化」
性能を新しくつけられる「付与

 ある程度レベルが上がってきて、装備の性能や見た目に満足できなくなってきたら、「強化」や「活性化」、「付与」を行なうといい。これらは武器や防具に施すことで、性能を上げたり、見た目を変えたりすることができる。これら3つの装備強化の他、セット装備などでステータスを上げる事もできる。

 「強化」には「強化石」が必要となる。「強化石」はそれ自身がモンスターからドロップするほか、「強化原石」と「強化石彫刻本」(どちらもドロップ品)を使って作る事もできる。「強化石」を持って街にいる「アイテム強化師」に頼めば、装備を強化してくれる。強化に失敗すると装備をロストしてしまうが、課金アイテムの「破損防止材」を使えばロストを防ぐことができる。

 「活性化」は課金アイテムの「金コイン」を使って装備のランクを上げるシステム。装備には白から橙まで5段階のランクがあり、上のランクほど性能がいい。活性化に成功すると、ランクが一段階上がって性能が向上し、さらに装備の見た目も変わる。アバター以外では活性化しないとずっと初期装備のグラフィックのままなので、個性を出すためにはぜひ試してみたいシステムだ。1つの装備に行なえる「活性化」は1度だけだ。

 「付与」は「付与石」でアイテムを強化するシステム。「付与石」は、モンスターを倒すと手に入る「付与石の破片」を集めて街の「付与石師」に持って行くと作ってくれる。「付与」することで、装備にHPやMPなどのステータスボーナスをつけることができる。「強化」との違いは、「強化」が既存のステータスを全体的に底上げしてくれるのに対し、「付与」は新しいステータスを付加することができる。つまりもとから装備に付いているステータスを上げたいなら「強化」、例えばHP増加など別のステータスをつけたいときには「付与」を使えばいい。付加される付与やつけられる箇所は「付与石」の種類によって異なる。


「強化石」はドロップ材料から作る事もできる
活性化には課金アイテムの「金コイン」が必要
付与するステータスによって、12種類ある「付与石」


■ かわいいイラストも楽しみ。短いに時間にも気軽に楽しめるゲーム

「ノアの都」にいる「ヒメリア」
ガチャを回すとグラフィックが変わる女の子

 かわいらしいNPCのイラストは本作の魅力の1つだ。ヴィクトリア号の船長や「ノアの都」にいる売り子のNPCなどはみな立ち絵が用意されている。日本版のオリジナル要素として追加された「ヒメリア」も「ノアの都」にいる。「ヒメリア」は女神からのお告げを受けて人を探しているお姫様。やや天然ボケで、派手なドレス姿で目立っているのを不思議がっている。課金アイテムのガチャの横にいるバニー姿の女の子は、ガチャを回すとグラフィックスが変化するらしいので、余裕があれば試して見るのもいいかも。

 「ヒメリア」はプレーヤーに2つの「ヒメリアの加護」を与えてくれる。ログアウトしている時間に応じて経験値が倍になる「経験値ボーナス」と、ダンジョンの中で力尽きた時にその場で復活させてくれる銀コインを毎日数枚ずつ支給してくれる。

 全体的にライト層向けで、短い時間にサクサクと遊べる印象の「アンリミテッドハーツ」。メインのゲームとしてがっつり遊ぶというよりも、空き時間にちょっと入って軽く遊ぶというプレイに向いていそうだ。MO形式のバトルマップは入る人数によって敵の数も変わるので、高レベル向けのバトルマップでもパーティープレイが必須という訳ではない。時には1人でアイテムを求めて潜ったり、パーティーで「心技」を使ったりと状況によって遊び方を変えられるのは嬉しい。

 今でも必要な要素は一通り揃っているが、公式ページにある今後のアップデート予定を見ると「ペットシステム」や「サブ武器システム」、「闘技場システム」などの新たなシステムや新ダンジョン、新クエストなどが着々と実装されていくらしい。秋に登場する新ダンジョン「睡魔の渓谷」にはレベル80のモンスターが出るらしいので、プレーヤー側のレベル解放がありそうだ。

 ドットで描かれたアクションのモーションには、「ファイナルファイト」など往年の名作を彷彿とさせるものがある。オフラインでは、アクションゲームと言えば3Dが当然のいまの時代、ドット絵で描かれたアクションゲームは一見古くさく見えるかもしれない。しかし実際に遊んでみると、以外なほどの爽快感にきっと驚くはずだ。ドット絵ならではの細かい演出も、ぜひ楽しんで欲しい。


ドット絵の細かい演出を楽しんで

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(2009年 8月 31日)

[Reported by 石井聡 ]