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Xbox 360ゲームレビュー

大和の主砲が火を噴き、グラマンが駆け巡る!
美麗グラフィックスの太平洋戦争シューティング

Battlestations: Pacific

  • ジャンル:アクションストラテジー
  • 発売元:スパイク
  • 開発元:Eidos Interactive
  • 価格:7,140円
  • プラットフォーム:Xbox 360
  • プレイ人数:1〜8人
  • レーティング:CERO:A(全年齢対象)
  • 発売日:5月28日

 スパイクが5月28日に発売する「Battlestations: Pacific」は、太平洋戦争を日米両軍の立場からキャンペーン形式で楽しめるアクションストラテジーゲームだ。史実の太平洋戦争では陸・海・空のすべてで戦いが繰り広げられたというだけでなく、それぞれの戦いが繋がりを持っていた。例えば飛行場のある島を敵の陸上部隊に占領されれば航空機は活動できないし、それを奪回しようとすれば海上から逆上陸をかけるしかない。だが海戦を制するのはまず制空権だ……という風に、すべての要素が繋がってひとつの情勢、ひとつの作戦を形作っていたのである。

 そして「Battlestations: Pacific」では、そうした太平洋戦争らしい要素の繋がりをそのまま3D空間での大規模戦闘として美麗なグラフィックスで描いている。海と空に展開する各ユニットを、プレイヤーが順次切り替えつつ操作できるのだ。戦闘機のパイロット役や潜水艦の館長役を、重要な場面で任意に引き受けつつ、作戦全体がうまく運ぶよう味方ユニットに指示を出していく。それゆえ、ストラテジーシューティングゲームと銘打たれているのである。そんなディテール重視のシューティングゲーム「Battlestations: Pacific」の魅力を紹介しよう。

 なお、マルチプレイについては、発売前につき特に触れていないが、先週スパイク本社にて開催された先行体験会レポートで1度取り上げているのでをそちらを参照いただきたい。



■ 日米両軍のキャンペーンを備えた「Battlestations: Midway」の続編

ステージの合間には、リアルタイムレンダリングムービーがふんだんに挿入される。カウリングの形から、これが零式艦上戦闘機の21型であると見分けがつくくらい、入念なモデリングである

 「Battlestations: Pacific」ではプレーヤーは、あるときは航空機のパイロット、あるときは水上艦の艦長と、自分の役割を任意に切り替えつつ、ステージに定められた目標を達成していく。プレーヤーの立場、操作する兵器はステージによって異なるのみならず、大きめのステージになると作戦全体が進行する中で担当ユニットを随時切り替えつつ、それぞれに敵を倒していくのだ。例えば空母を操作して航空隊を発艦させたのち、今度は航空隊のパイロット役を務めて敵機や敵艦を攻撃する……といったプレイが可能である。

 本作品は「Battlestations: Midway」の続編に当たり、アメリカでは前作と同様にPC版とXbox 360版が発売されている。そしてそのXbox 360版をベースに、株式会社スパイクの手で音声を含めて完全に日本語化したものが、ここで紹介する製品だ。そして「Battlestations: Midway」は前作と異なり、日本軍キャンペーンを備えている。我々にとって馴染み深いゼロ戦(零式艦上戦闘機)や戦艦大和、イ号潜水艦といった兵器を使って、連合軍との戦いを展開できるのが大きな魅力だ。


日本軍キャンペーン冒頭、真珠湾攻撃のミッションブリーフィング。記録フィルムのムービーが雰囲気を盛り上げる 意外なことに米軍キャンペーンは、第二次ソロモン海戦ステージから始まる。本格的な反攻作戦を描く仕立てのようだ
キャンペーンやマルチプレイに先立って、ユニットの操作を練習できる「トレーニング」。雷電で空中標的を撃つところ 飛行機を基地から発進させたところ。よく見ると、脚が内側に折りたたまれ始めているのがわかると思う


■ 空中戦は高度制限が厳しい代わりに格闘戦を重視

マレー沖海戦ステージの1シーン。このステージでは、飛行機の操作のうち主として爆撃を修得できるようになっている

 キャンペーンの各ステージは、シンプルなものから始まって、次第に大規模な戦闘を扱ったものになっていく。作戦の規模が大きくなるというよりは、作戦の中でプレーヤーが果たす役割が広がっていく形だ。これによってプレイヤーはステージを追うだけで、航空機、水上艦、潜水艦の操作を順番に覚えられる。そして、やがては戦場全体のマップを見、必要な調整を行ないつつ、作戦へのテコ入れとしてアクション戦闘をこなす立場になっていく。

 プレーヤーが最初に扱う飛行機は、主に左右のアナログスティックとトリガーボタンで操作する。上昇/下降とバンク(機体を左右に傾ける)、スロットルと左右旋回がそれぞれ4方向入力としてセットになっている……と、言葉にするとややこしいかもしれないが、実際に操作してみれば、割とすぐに慣れられるはず。第二次世界大戦当時のレシプロエンジン機らしく、エンジン推力で機体を振り回すまわすようなパワーはない。上昇角度にはかなり限界があって、エンジン出力を落とすと失速する危険があるというのが、非力なレシプロ機の雰囲気をうまく演出していて好印象だ。

 ミサイルもジェットエンジンもない太平洋戦争の空中戦は、旋回を繰り返して相手の後ろをとる格闘戦か、高空から速度をつけて襲う一撃離脱戦法のどちらかになるわけだが、このゲームではゲームルール上の高度限界が厳しいため、後者の戦い方は難しい。その代わり、アナログスティック操作で敵機を追いかけていく格闘戦は、うまく再現されている。あまり高度が取れないということは、垂直旋回主体の戦闘にならないということではあるものの、後方から敵の動きに追従しつつ、スロットル操作で距離を詰めていく戦い方をすれば、手に汗握る射撃戦を楽しめるはずだ。結果として、ゼロ戦の旋回半径の小ささや、よりエンジン出力の高い新型機の性能も堪能できるという寸法である。

 飛行機についてはモデリングのみならず、操作時の挙動についても細かく再現されている。後方視点でプレイしていれば、方向舵やエルロンがきちんと操作に合わせて動いているのが分かるはず。「空中戦はコックピット視点が好き」という人にも、ぜひ確認してみてもらいたい。


真珠湾上空で、敵戦艦に急降下爆撃を試みる、99式艦上爆撃機 雷撃のため低空を水平に飛ぶ、一式陸上攻撃機。対空砲火が怖い
隼で96式陸上攻撃機を護衛。大型機が撃墜されると、爆発も派手だ 左側の主翼端後縁のエルロンに注目。バンク動作に合わせて動いている


■ 計画的な機動と正確な射撃が問われる、艦艇のアクション戦闘

シューティングゲームゆえに、ほとんど至近距離といえる間合いで撃ちあう水上砲撃戦は、展開がスピーディで爽快

 水上艦と潜水艦の操作もアナログスティックが主体になる。ただし、飛行機よりも移動がシンプルになる分、こちらはアナログスティックで射撃の照準合わせを行なうようになっている。敵の位置を確認して針路を読みつつ会敵するときの位置関係や方向を調整、あとは敵弾をかわすために蛇行と変速を繰り返しながら、兵装を切り替えつつ射撃に努めるのである。また、損害を受けたときに応急修理ができるのも、艦船ならではの特徴だ。

 潜水艦の攻撃兵器が魚雷だけであるのに対して、水上艦は艦種にもよるが、主砲、魚雷、対空砲と兵装が多彩で、場面に応じてこれを使い分けていく。あまり分が良くなさそうに思える対空砲も割と命中するので、敵の航空攻撃への対処も、なかなか楽しいものとなっている。水上艦はシナリオ展開に応じて、戦艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦、魚雷艇、空母、兵員輸送船など、各艦種で実在の艦がわんさか登場する。戦いの合間に、いまやほとんど実物を見られないこれらの艦をじっくり眺めるのも楽しみのひとつだろう。

 実際、グラフィックスは精緻かつ美麗。アナログスティックを使った照準方向に合わせて、きちんと砲塔が回転し、仰角をとるさまは一見の価値ありだし、プログラマブルシェーダーで再現された海面の照り返しに浮かび上がる艦艇のシルエットには、なんともいえない迫力がある。同様に、ステージの冒頭などに流れるリアルタイムレンダリングムービーに関して、すくなくとも曇天かつ遠景のものには、フィルムノイズを再現したポストプロセス演出とあいまって、記録フィルムのような迫力が感じられる。


砲撃戦用の測距儀と双眼鏡ではちょっと違う気もするが、砲撃時には双眼鏡画面で敵をより精密に狙える 夕日の照り返しで、さながら一幅の絵のような場面が見られることも。艦船は逆光のほうがよりカッコいいかも
敵艦隊を追尾する潜水艦。大戦序盤、深深度潜航中であっても対潜魚雷の洗礼を受けるので、油断できない 太平洋戦争では潜水艦といえども艦隊決戦用兵器である。臆することなく、敵正規空母を狙うべし
ステージによっては条件を満たすと、戦艦大和様が颯爽と登場、ムービーに続いて実際に操作できる ステージの合間に入るリアルタイムレンダリングムービー。モノクロだったら実写と間違えそう


■ マップ画面を中心として、味方ユニットも同時に指揮する

水上艦に指示を出して、敵のコマンドポストを占領。兵員輸送船からは上陸用舟艇が出てきて、速やかに占領を進める

 水上艦/潜水艦が登場するステージでは戦場の全体マップも利用可能で、ここからは味方のユニットに攻撃目標を指示したり、別のユニットへの追従を命じたり、フォーメーションを組んだりできる。これは作戦を成功させるために不可欠の調整であると同時に、苦手な操作をコンピュータ任せにする手段として利用できるのが面白いところだ。実際、移動経路や攻撃目標について適切な指示さえ与えておけば、コンピュータは雷撃であれ対空射撃であれ空中戦であれ、適度にこなしてくれる。

 また、先行体験会の記事でもお伝えしたとおり、このゲームは“ゆっくり進む海空戦RTS”としても楽しめる。ユニット個別の操作画面からでも、味方ユニットに集結や帰還といった指示は出せるのだが、マップ画面から出せる指示のほうが格段に幅が広いのはもちろんである。

 マップ内に自軍の基地があるか、艦隊に空母が含まれているときの「支援マネージャ」は、本作のストラテジーゲーム的な要素を倍加させるシステムだ。この「支援マネージャ」を使うことで、状況に応じた機種/艦種を選んで戦場に投入できる。マルチプレイおよび、マルチプレイマップをシングルでプレイする「スカーミッシュ」モード時のフリーセットアップ設定と異なり、キャンペーンではステージごとの制限がより厳しいとはいえ、プレイの自由度を高める独自の工夫として評価できる。


飛行機の操縦中でも、帰投や集結、戦闘の積極度を切り替えるといった命令は出せる 潜水艦を使って敵空母機動部隊の頭を押さえさせるが、敵も対潜艦艇を差し向けてきた
基地および空母、一部の潜水艦などからは「支援マネージャ」で味方ユニットを発進させられる ソードフィッシュと並び貴重な複葉機の零式水上観測機。零式小型水上偵察機と間違えられて潜水艦から発進


■ 史実に挑戦できるキャンペーンの演出と展開も大きな魅力

ステージごとの達成目標は、このように3段階用意されている。高得点を狙うなら、まず2次目標以下を確実に達成してから、1次目標を狙いたい
高得点をマークした結果、新ユニットをアンロックできた。ただし、ユニットがユニットだけに実際に使えるステージは、まだまだ後だろう

 キャンペーンは日米両軍とも、基本的に史実に沿った14のステージで構成されている。ステージ冒頭では達成すべき目標が複数示され、それをひとつずつ順番にクリアする形になる。いくつか目標をクリアした段階で自動的にクイックセーブが行なわれるため、以降失敗してユニットをすべて失った場合でも、直前のセーブ状態から再開できる。

 また、プレイの進行につれて副次的な目標が明かされ、それをクリアすることで評価が上がるといった体裁は、近年のFPSに近い。ステージを高得点でクリアすると、新しいユニットがアンロックされ、以降のプレイで使えるようになる。そのなかには試作局地戦闘機「震電」や、潜水空母とも称すべき潜水艦「イ400」などもあって、なかなか兵器ファンの心をくすぐるチョイスとなっている。

 前述のとおり、個々のステージにおける達成目標は、基本的に史実に沿ったものとはいえ、特に日本軍の場合、史実どおりの目標を達成することは、そのまま史実の結果を覆すことにつながる。珊瑚海海戦のステージで軽空母「祥鳳」を守りきることも可能なら、ホーネットを撃沈して、ミッドウェイ海戦に参加する米空母をわずか2隻にしてしまうことも可能なのだ。

 本作のキャンペーンは、1度プレイして終わりではなく、以前プレイしたステージにいつでも戻って、より高得点を目指すことができるようになっている。日本軍の場合、そうしてアンロック兵器を増やし、ステージごとの目標を確実に達成していくうちに、より有利な戦況での仮想作戦が姿を現し、最終的には太平洋戦争に勝利できるというから楽しみだ。

 このように「Battlestations: Pacific」は、単に色々なシチュエーションが楽しめる“ミリタリーモノ”のシューティングゲームではなく、いかにも太平洋戦争らしいギミックと展開がたっぷり盛り込まれた、ロマン溢れる作品だ。この作品はあくまでシューティングゲームであって、兵器や戦闘の定量的要素、例えば射程距離や兵器の登場年代といった部分はリアル思考ではなく、あくまでエンターテイメント性が重視されている。

 その意味でピュアなストラテジーゲーム的な要素を期待する人にはおすすめしづらいが、太平洋戦争に登場する兵器に興味がある人なら誰でも、その美しいグラフィックスと凝った演出を存分に楽しめると思う。陸・海・空とプレイ局面が多様な分だけ、憶えるべき操作も多いのが泣きどころと言えなくもないが、その手間をかけるに値するだけの楽しさとロマンを湛えた作品に仕上がっているといえよう。


キャンペーン冒頭では、ちょっと微妙なドラマシーンも展開される。ハンガリー製ゆえの些細な公証の間違いも、笑って楽しみたいところ
史実では敗北を喫した日本軍だけに、ステージの通常ミッションで史実以上の戦果を求められる。ROOKIE/NORMAL/HARDと3段階用意された難易度設定にもよるが、空母ホーネットの撃沈や、ポートモレスビーの占領など、日本軍の悲願は割と普通に達成可能だ
実写と見まごうばかりのグラフィックスで爽快な戦闘が楽しめるのが、「Battlestations: Pacific」最大の魅力といえる

(C) Eidos Interactive Limited 2009. Marketed and distributed in Japan by Spike. Developed by Eidos Hungary KFT. Battlestations, Battlestations: Pacific, Eidos Hungary KFT and the Eidos Hungary KFT logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Eidos Interactive Limited. Uses FMOD Ex Sound System. Firelight Technologies. All other trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.




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