オンラインゲームファーストインプレッション

カジュアル派も本格派も楽しめる
最高クオリティの麻雀ゲーム

「雀龍門」

  • ジャンル:オンライン3D麻雀
  • 開発元:NCsoft
  • 運営元:エヌ・シー・ジャパン
  • 利用料金:基本料金無料(アイテム課金)
  • 対応OS:Windows XP(SP3以降)/Vista(SP1)
  • サービス開始日:未定(4月28日よりオープンβサービス実施中)

 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、Windows用オンライン麻雀ゲーム「雀龍門」の正式サービス開始に先駆け、4月28日より本ゲームのオープンβサービスを行なっている。

 「雀龍門」は、開発者の麻雀に対するこだわりが感じられるリアルなグラフィックスが最大の特徴である。物理エンジンを搭載し、牌の衝突判定をチェックすることで、捨て牌の配置から全自動卓の挙動までが本物そっくりに描かれる、リアル志向の麻雀ゲームだ。

 今回はそのオープンβテストを体験した。最大の特徴であるグラフィックスに関してはもちろん、実際にプレイした感触などもお伝えしたい。


全自動卓から牌がせりあがっているところからしてリアル。ドラ表示牌の返し方や、捨て牌の微妙な隙間などにもリアルさがにじみ出ている麻雀ゲームだ


■ 赤ドラ満載でスリル満点の公式戦

「公式戦」は全国のプレーヤーとオンラインで対戦できるメインモード。東風戦、半荘戦どちらも多数のプレーヤーがいる
数あるドラの受け入れを意識して捨て牌を選択するだけで、アガリ点は大きく変わってくる。うまく使えたときの達成感がたまらない

 オープンβテストでプレイができたゲームモードは「公式戦」、「友人戦」、「チュートリアル」の3つ。まずは「雀龍門」のメインモードである「公式戦」から紹介しよう。

 「公式戦」とは、自動的にマッチングされる他のプレーヤーとオンラインで対戦するモードで、東風戦と半荘戦のどちらかに参加でき、それぞれに「雀龍門」公式ルールが設定されていて、その結果に応じてゲーム内通貨「雀珠」と経験値が増減する。「雀珠」と経験値については後述するとして、とりあえず、短い時間でプレイが楽しめる東風戦へ参加してみた。

 東風戦のルールは持ち点20,000点の25,000点返し、喰いタン・後ヅケ・一発・裏ドラ・カンドラ・赤ドラ3枚(マンズ・ソーズ・ピンズに各1枚)アリという、食いカエ以外はなんでもアリ。ドラが多い(とはいっても最近は赤アリが主流になりつつあるが)以外はルールには難しいものはなかったので抵抗なく入れた。

 プレイして最初に驚いたのは、プレーヤーの腕のグラフィックスだ。動きがリアルなのもそうなのだが、配牌を起こす場面などでも腕を1本しか使わないという競技麻雀を思わせる風景に加え、その動きがやたらと手慣れている……。気になって調べてみると、プロ雀士の手の動きをモーションキャプチャしているという。なるほどと納得しつつ、少し身が引き締まる思いだ。

 しかしひたすらにリアルかというと、そうでもない。ゲームが始まり、捨て牌がかぶったときや、ドラを捨てるときなど、各所で発せられる「わたしの戦略にミスがあったのでしょうか……」などのキャラクターボイスに和まされて緊迫感は徐々に薄れ、自然に麻雀を楽しめた。

 肝心のゲーム内容についてはドラが多いだけあって、食いタンや役牌といったいわゆる安い役にもドラが絡み、3翻以上のアガリが多かった印象がある。東風戦の短期決戦では点差がつくと逆転が難しくなるが、種類の豊富なドラを入れることで逆転の要素を残しているようだ。逆にいうと点差をつけて勝っているときも油断は禁物。10,000点くらいのリードは1回のアガリで簡単にひっくり返されてしまうので、最後の最後まで気を抜くことは許されなくなっている。

 続いて半荘戦の方もプレイしてみた。東風戦とのルールの違いは、持ち点25,000点の30,000点返しという点と、南場まで場がまわることくらいだ。しかし、プレイしてみると対戦するプレーヤーの趣向の違いは明らかに感じとれ、じっくり手作りを楽しんでいるプレーヤーたちと麻雀を楽しめた。点差が離れても、東風戦とは違い親番が2回まわってくるので、次の親番で頑張ればいいや、と気楽な気持ちにもなれる。

 東風戦も半荘戦も同じくらいの人で賑わっていたので、どちらを選んでも対戦相手に困るということはなかった。個人の好みや、その日の気分で選んで遊べるのは嬉しい。


アガったときは小気味いい「ロン!」という掛け声とともにカットイン演出などが入る。点が高いほど演出は派手になっていくようだ
「公式戦」での戦績は記録され、ロビーや公式サイトで閲覧することもできる。自分の弱点を分析するのにも役立ちそうだ


マウスだけでも操作に困ることはない。鳴ける牌が出たときは効果音とともにその可否を問う表示が出るので、それを選ぶだけでいい
左下のオプションの使い方を覚えると操作がグッと楽になる。うまく使いこなしたい

 プレイ雑感が先になってしまったが、操作感についても述べておこう。基本的な操作はマウスだけで可能になっており、捨て牌選択などもマウスで直接クリックすればいい。チー・ポンなど鳴ける牌が出たときには流れが止まり、大きく表示が出るので、麻雀をしたことがある人ならば直感的に操作できるようになっている。

 流れが止まることで自分の持ち牌がバレることもあるが、それを嫌う人は鳴きなしなどのいくつかのオプションが左下にあるので、それを選んでおくことで防げる。このオプションはキーボードのキーにショートカットとして割り振られているので、操作に慣れてくればオンオフを自然に使えるようになり、自分の持ち牌を限りなくバレにくくすることも可能になる。

 徹底しているプレーヤーは配牌時の理牌以降、理牌しないようにするのは当たり前として、それ以外にアガリや流局時の聴牌で手の内をさらしたあとは、オプションで理牌順を少し変えるということまでしていた。そこまですれば、ゲームの瞬間的な理牌で持ち牌を特定することは不可能に近くなる。プレーヤー側でこだわってプレイすれば、そういう戦略もできるということだ。

 欲をいえば、左下のオプションの優先順位が設定できればよかったと思う。現状だと鳴き予約を入れておいた状態で鳴きなしを選択していると、鳴きなしが優先されてしまい、鳴き予約が無視されてしまう。予約が優先できるようになれば、基本的に鳴きなしを設定しておいて、鳴きたいときは予約を入れるという遊び方が可能になり、不要牌を鳴くか選択する手間が省けるようになる。ただ、これはワンボタンで操作できるわけではないので、必要牌を引き入れ予約が不必要になったときなどに、確実に予約を切らなくてはいけないというデメリットもあり、どちらも一長一短ある。

 もうひとつ触れておきたいのが、対局中の情報の得やすさだ。「雀龍門」では自分の持ち牌にマウスのカーソルを合わせるだけで、すべての捨て牌やドラ表示牌の中から、その牌と前後の牌が青く表示されるようになっている。三元牌などの役牌はどのプレーヤーもチェックしていると思うが、これで他の牌に関しても簡単にチェックできるのはありがたい。必要牌の残り枚数がわかれば、手作りに大いに役立つはずだ。


ゲーム中はいつでもカーソルを持ち牌に合わせるだけで、捨て牌チェックができる。写真ではカーソルが表示されていないのでわかりづらいが、ツモの2ソウにカーソルを合わせたものと、南に合わせたものだ



■ リアル志向に沿ったカスタマイズ要素!?

 先ほど少し触れたが、「雀龍門」では対局の結果がプラスになると、「雀珠」と経験値を入手できる。

 「雀珠」というのは、ゲームをプレイするときに必須となるゲーム内通貨で、対戦結果がプラスならば対戦相手からもらえ、マイナスならば支払わなければならない。これを貯めるとゲーム内で使える様々なアイテムを購入できる。今回のオープンβサービス時には、ゲーム内のプレーヤーの手を装飾できる指輪やブレスレット、刺青などを「雀珠」で購入して装着させることができた。

 実際に装着してみると、何も付けていない状態よりもリアルな印象があって面白い。さすがに刺青などは実際に遭遇することは稀だと思うが、ゲーム内で対峙してみると雀荘で初対面の人に会った時と似たような新鮮さが感じられた。カスタマイズアイテムはやや高価なこともあり、オープンβサービスでは装着している人がほとんどいなかったので、印象が強くなっているということもあるが、「雀龍門」においてプレーヤーの手というのは、他のゲームの顔に近いものがあるので、カスタマイズで楽しめるのは嬉しい要素だ。

 筆者がプレイした時にはまだ実装されていなかったが、カスタマイズアイテム以外にも、長考チケットなどゲームプレイに役立つアイテムもこれから増えていくようだ。「雀龍門」をプレイするならば、ショップをチェックすることも忘れないようにしたい。なお、ゲームに負け続けると「雀珠」が尽きてしまいゲームに参加できないということもありえる。その場合、公式サイトで最低限の「雀珠」は無料で何回でもチャージできる救済措置があるので安心してほしい。

 経験値はプレーヤーの段位に関するポイントで、対戦結果によって増減し、一定ポイント以上になると上の段位に上がる。プレーヤーはゲーム開始直後は十級からスタートし、経験値をためることで九級、八級、七級……初段、二段……と上がっていく。級クラスのうちは経験値がマイナスになっても降格はないが、段持ち以降は経験値がマイナスになると降格することもあるようだ。上位の段位を目指すならばしっかりと実力をつけなければならない。


装飾アイテムがありと無しでは対局中の印象も全然違う。自分なりのカスタマイズを楽しんで欲しい
対局終了後の結果で経験値の溜まるゲージがいっぱいになると昇級(昇段)だプレーヤー情報の「守」や「凡」などの表示は麻雀のプレイ傾向を表わすもので、対局中のプレーヤーの行動で自動的に変化する。他に「攻」、「防」、「計」、「策」などが確認できた


■ 身内同士や初心者でも楽しめる要素も充実

「友人戦」でルームを作成すると、細かいルールを自分で決められる

 「公式戦」以外のモードも紹介しよう。「友人戦」は対局ルームを作成し、マッチコードを設定することで、マッチコードを知っている人同士で対局できる。この「友人戦」ではルールもルーム作成者が自由に設定でき、対局の結果が戦績や経験値に反映されることはないので、友人同士で好きなルールを設定し、気楽に麻雀も楽しみたいときに使える。友人同士ではなくても、オープンβテスト時はロビーのチャットでマッチコードを公開し、対局相手を募ってるプレーヤーも多数みられた。「公式戦」の緊迫感とは少し離れて麻雀を打ちたいというときは、そういうプレーヤーの誘いに乗るのもひとつの手だ。

 ただひとつ残念なことに、「雀龍門」では対局中のチャットができない仕様になっている。「公式戦」ではない方がいいと思うのだが、「友人戦」はチャットで無駄話をしながら打つのも楽しいと思うので、今後の実装を期待したいところだ。

 「チュートリアル」は、麻雀のルールをわかりやすく学べたり、CPUとの対戦で練習できる1人用モードだ。麻雀の役の種類から、特殊な場流れまで、麻雀の基本的な知識を実際に例を確認しながら学べるので、これから麻雀を始めたいというプレーヤーに役立つだろう。ちなみに筆者が2回プレイしてみた印象では、CPUの強さは、強くもなく弱くもなく、といったところ。2回しかプレイしてないので参考にはならないかもしれないが、手作りを覚えるという目的なら問題はないはずだ。


「チュートリアル」の麻雀講座では、状況を卓上で見ながら麻雀のルールを基礎から覚えられる


■ 様々なプレーヤーが満足できる麻雀ゲーム

オープンβテスト時にもいくつかのイベントが開催されていた。腕に自信のあるプレーヤーは上位を狙ってみては?

 「雀龍門」は麻雀ゲームとしてはトップクラスに入る完成度だと言える。特に実際に麻雀を打つリアル志向なプレーヤーにとって、このゲーム以上の麻雀ゲームはちょっと思い当たらない。それでいてキャラクターボイスや手のカスタマイズ要素など、カジュアルなプレーヤーでも楽しめる要素がある。そして、これだけの要素が楽しめるのに正式サービス後も基本プレイは無料で提供予定だというから驚きだ。

 正式サービス開始に向け、これからアイテムショップも充実し、期間限定のイベントなども多数開催されていくそうなので、麻雀好きなプレーヤーはもちろんのこと、空いた時間に少し遊びたい人や、友人と一緒に打ちたい人など、様々な人に対応できるゲームであることは間違いない。少しでも麻雀に興味がある方は、機会があればぜひプレイしてみて欲しい。

Jan Ryu Mon is registered trademark of NCsoft Corporation. Copyright (C) 2009 NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute and transmit Jan Ryu Mon in Japan. All rights reserved.

(2009年 5月 28日)

[Reported by 徳弘径]