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PSPゲームレビュー

原作ファンが納得する「もしも」の展開が存分に味わえる
とらドラ・ポータブル!


プレイを始める前にやっておきたいのが、メモリースティックへのインストール。ロード時間自体はUMDでも気になるほどではないが、ボイスを読み出すなど読み込み回数が多いため、メモリースティックの容量に余裕があるなら必ずやっておきたい

 目つきは悪いが家庭的な普通の高校生・高須竜児と、ちっちゃいのに凶暴獰猛“手乗りタイガー”と恐れられる逢坂大河が繰り広げるハイテンションなラブコメディ「とらドラ!」。原作小説とテレビアニメが3月に終了し、その余韻が残る中で発売されたのが、この「とらドラ・ポータブル!」だ。

 2Dの1枚絵を元に、表情や動きなど、多彩な変化を作り出す「モーションポートレート」によって、アニメと同様の動きを再現するかのような口パクや、瞳を潤ませたりといった効果が話題となった会話シーンのグラフィックスも注目したいところ。

本作のストーリーはは、クリスマスにインフルエンザで入院した竜児が、記憶喪失になってしまったところから始まる。ベースとなるテレビアニメで言うところの第19話と第20話の間に入る、冬休みを舞台にしたオリジナルストーリーだ。



■ アイテム(記憶のかけら)の入手がシナリオのカギを握る

 プレーヤーは、記憶喪失になった竜児として、大河や実乃梨などのキャラクターたちと冬休みを過ごすことで、失われた記憶を取り戻していく。アイテムを探索したり、ツーショットで相手の様子をうかがいながら会話を行なったりなどして、記憶を取り戻すためのアイテムを入手しながらストーリーを進めていくことになる。この“アイテムを入手する”ということが重要なポイント。ストーリーの進行中、シナリオの分岐やイベント発生の可能性があるポイントになると、選択画面が表示されるのだが、選択肢の中には特定のアイテムを持っていないと選択肢が表示されないからだ。いろいろなシナリオを楽しむためにも、アイテム取得のチャンスは逃さずにプレイしたい。

選択画面を迎えた時点で、必要なアイテムを取得できていない場合は、選択内容が開示されず、選択できない。アイテムの取得数がシナリオ選択の幅に比例すると思っていい 画面右上のトラは、アイテム発生予告アラート。そのシーンでアイテムが取得できる可能性があると、トラの目が光って教えてくれる。光ったらセーブしておいたほうがいいかも

 アイテム取得の手段だが、ストーリーの途中でキャラクターからもらう以外では、探索イベントで見つけるか、ツーショット会話を成功させるか、だ。

 探索イベントは、選択画面で掃除をすることを選ぶと発生することが多い。探索画面に切り替わったら、カーソルで掃除をする場所を選び、その場所にアイテムがあれば、そのアイテムを取得できる。しかし、たいていの場合、掃除ができる場所の数よりも掃除ができる回数のほうが少ない。さらに、せっかくアイテムを取得できても、そのアイテムは使用する機会がないということもある。とはいえ、掃除をする機会があれば、極力選んで発生させておきたい。

 ツーショット会話では、リアルタイムに変化するキャラクターの表情を見ながら会話を行なう。会話は、話題一覧から相手と話したい話題を選び、その話題についての具体的な会話が三択で表示される。その選択肢を選んだ結果、相手の興味がある会話ならシンクロ率がアップし、興味がなければシンクロ率がダウンする。このシンクロ率を3段階に上げた状態で会話イベントが終了すれば、ツーショット会話に成功したことになり、アイテムの取得や特別なイベントの発生へと派生していく。ちなみに、会話内容によっては相手がドキドキしてしまう。ドキドキするような会話を3回行なうと、相手が会話を打ち切ってしまうので注意すること。ただ、そんなドキドキが高まった表情を見てみたい心情もあり、ファン心理として難しい選択を強いられることになるのはやむを得まい(自分もやりました)。

掃除の必需品・高須棒。この高須棒を使って掃除を行なうことでアイテムを探し出す。結果として、高須棒がシナリオを大きく左右することになるというのは、いろいろと感慨深い 興味のある会話を行なってシンクロ率がアップ。相手との距離がちょっとだけ縮まった気がする。アップした会話の選択肢は、メモをとるなどして確実に覚えておきたい 相手をドキドキさせるような会話は、3回行なうと会話が強制終了になるが、やりすぎなければ問題ない。むしろ2回までなら積極的に行なっていくべきだろう

■ 原作にはない「もしも」の展開が豊富

 このゲームは、「誰とエンディングを迎えるか」ではなく、「どんなエンディングを迎えるか」でシナリオが構成されている。そのため、大まかなルートはそれほど多くはないが、細かな分岐が多く、それに付随してエンディングの数も多い。また、初プレイでは見られないエンディングも複数存在するため、くり返しプレイすることで、よりたくさんのシナリオを楽しめるようになる。さらに、ある程度のエンディングを見終わると、今度は新たなルートが追加される。1度のプレイでやめてしまうのは「MOTTAINAI!」というものだ。

 基本的には、竜児の記憶を取り戻すためにシナリオを進めていくことになっている。それはそれで大事なことなのだが、プレイしていると、正直それは二の次になってしまう。すでに原作が完結して、どのような結末を迎えるかがわかっているだけに、竜児の記憶喪失という物語にリセットがかかった状態でしか起こりえない「もしも」の展開が、非常におもしろいからだ。個性的なキャラクターの多い「とらドラ!」だからこそのおもしろさなわけだが、こういった楽しみ方ができるのもゲームならではだろう。AIマップヒント画面などを利用しながらプレイしていないルートを確認しつつ、原作にはない「とらドラ!」の世界を堪能していただきたい。

ゲーム中にLボタンを押すと表示されるAIマップヒント画面。太いラインがすでに通過済みのルートだ。これを参考にしながら、プレイしていないルートを探っていく エンディング後、恋ヶ窪先生からエンディングを採点される。60点は……かなり低いほうなのは間違いない。目指すは100点だが、80点以上なら、まあいい部類だろう

■ シンプルだけにハマりやすいミニゲーム

 本作には、おまけとしてミニゲームが収録されている。全3ステージの横スクロールアクション「爆走! 手乗りタイガー」、早さが勝負の「超ド級 神経衰弱!」、総勢7人のキャラクターのコスチュームチェンジが楽しめる「着せ替え ブロック崩し」の3本だ。どれもミニゲームの名にふさわしく、シンプルな操作とゲームルールで、「ちょっと気分転換に遊んでみよう」という気にさせてくれる。しかし、シンプルなだけにスイッチが入るとのめり込んでしまい、まったく気分転換にならないのが恐ろしいところ。時間に余裕があるときに手を付けることをオススメしたい。

【爆走! 手乗りタイガー】
パンチ数発連打してからの跳び蹴りで、コンボを稼ぎながらの攻撃が基本。亜美戦は、スピン攻撃を誘って回避すれば、亜美がダウンするので、そこへ攻撃を畳み掛ける。すみれ戦は、相手の攻撃間合い外から跳び蹴りを狙うか、空ジャンプで相手の目の前に着地してすぐにパンチ連打がベター。時間との戦いにもなるので、攻撃は積極的に行なおう
【超ド級 神経衰弱!】
ルールは神経衰弱そのもの。ただし、時間が経過すると、大河がカードをシャッフルして邪魔をする。連続してペアを作るとスコアがよりアップするので、なるべくまとめてペアが作れるようにしておきたい。開始直後や、大河が邪魔をした後などは、カードをめくることに専念して、ペアを確保しよう。スタートボタンは大人げないので、使用は控えたい
【着せ替え ブロック崩し】
ブロックを壊すとアイテムが出現するので、このアイテムの取捨が攻略のポイント。不慣れな間は、パドルが長くなる実乃梨のアイテムがオススメだ。逆に、ボールが速くなる北村や、パドルが速くなる大河のアイテムは確実に回避しよう。間違って取ってしまったら、他のアイテムが出現するまでひたすら耐えるしかない

■ 原作が終わった後だからこそ楽しめる内容

一度見たイベントCGがいつでも鑑賞できるアルバムモード。CG表示中に、○ボタンを押すと、そのイベントを回想するようなコメントを聞くことができる。うれしい機能だ

 テレビアニメが放送されている作品のゲームは、「終了後ではなく放送中に発売したほうがいいのに」と思わせるものが多い。しかし、本作に限っては、本編では起こりえない「もしも」の展開を描いていることもあって、放送終了から1カ月後の発売は遊ぶ側にとってちょうどいい印象を受けた。選択肢を選ぶだけのアドベンチャーゲームよりも難易度はやや高めだが、原作が好きな人に是非遊んで欲しいタイトルだろう。


(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/「とらドラ!」製作委員会
(C)2009 NBGI

2009521日)

[Reported by 梶原製作所 ]



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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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