ゲーミングPCレビュー「TSUKUMO G-GEAR note N1584Jシリーズ N1584J-710/T」

G-GEAR note N1584Jシリーズ N1584J-710/T

最新GPUを搭載したハイパワーゲーミングノートPC

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • TSUKUMO
開発元:
  • TSUKUMO
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
188,784円(税別)~
発売日:
2016年12月13日

 NVIDIAのGPU、GeForce GTX 1070を搭載したノートPCが2016年12月13日にTSUKUMOから発売された。今回発売されたTSUKUMOのゲーミングPCのブランドG-GEARの「G-GEAR note N1584Jシリーズ」は、今ホットなVR向けの機能にも対応したものとなっている。ここでは実機をお借りすることができたので、ベンチマークなどを合わせて、その性能を見ていこう。

仕様で見るTSUKUMO G-GEAR note N1584J

 今回紹介するのはTSUKUMOのG-GEAR note N1584Jシリーズの「N1584J-710/T」だ。G-GEARシリーズは先ほど書いたようにTSUKUMOが展開するゲーミングPCのブランドで、ヘビーな3Dゲームに対応するハイスペックデスクトップだけでなく、ライトゲーマー向けのコストパフォーマンスの高いゲーミングPCなどをユーザーに提供している。

 G-GEARでは、グラフィックスチップを搭載したハイスペックなノートPCのシリーズ、G-GEAR noteも展開しており、ここで紹介するN1584JシリーズもそのG-GEAR noteの最新の製品だ。最初にスペックを見ながらN1584Jを紹介していこう。

【スペック】

項目N1584J-710/TN1584J-700/T
CPUCore i7-6700HQ(4コア8スレッド、2.6GHz TurboBoost時最大3.5GHz)
GPUNVIDIA GeForce GTX 1070
チップセットIntel HM170 Express
液晶パネル15.6型フルHD IPS方式ノングレア液晶(1,920×1,080ドット、LEDバックライト)
メモリPC4-17000 DDR SO-DIMM 16GB(8GB×2)PC4-17000 DDR SO-DIMM 8GB(4GB×2)
ストレージ(システム用)256GB SSD(M.2/NVMe)240GB SSD(Serial ATA 6Gbps)
ストレージ(データ用)1TB 2.5インチHDD(Serial ATA 6Gbps)
ネットワーク機能1000BASE-T、IEEE802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth v4.2
サイズ385×271×28.8mm(横×奥行き×高さ)
重量約2.7kg
バッテリ駆動時間約5時間
OSWindows 10 Home 64bit
価格199,584円(税込)188,784円(税込)

 お借りできたのが表の左側の「N1584J-710/T」、右側はその下位モデルの「N1584J-700/T」だ。

 CPUにはIntelのCore i7-6700HQが採用されている。これはSkylakeと呼ばれるコードネームで開発された、現役世代では最新のCPU。モバイル向けの調整がされており、消費電力が低くワットあたりのパフォーマンスが高いことで評価もよい。ゲーム中などの高い処理性能が必要な際には周波数を高くして動作するTurbo Boostも採用されており、モバイル向けの製品ではベースクロックの設定が低めでCore i7-6700HQでは2.6GHzだが、Turbo Boost時には3.5GHzで動作するため、普段は消費電力を抑えてバッテリの減少を抑制し、ゲーム中などパフォーマンスを高めたいときにはTurbo Boostにより処理能力を高めることができる。

Core i7-6700HQとCPU-ZによるCPUのスペック
通常時は2.6GHz、Turbo Boost時には3.6GHzで動作するIntelのCore i7-6700HQ。4コア、8スレッドの強力なCPUだ

 「N1584J」のキモとも言えるのがGPUのGeForce GTX 1070だ。詳細については後述するが、「N1584J」に搭載されているGeForce GTX 1070はNVIDIAのノートPC向けの最新GPUで、データシート状のスペックだけを見ると、前世代のデスクトップ向けのGeForce GTX 980よりも高性能だ。ゲームだけでなく、最近話題の多いVRも見越した設定となっており、CPUの性能と合わせて、本製品でのVRの利用にも必要十分な推奨仕様を満たしている。強力なGPUのため、現行のゲームなどをプレイするには、性能的にも十分だ。ちなみに、CPUのCore i7-6700HQには、Intel HD Graphics 530と呼ばれるGPUが内蔵されている。これは、本機が搭載しているGeForce GTX 1070などGPUを別に搭載していない場合に、メインで動作するGPUだ。しかし、GeForce GTX 1070と比較した場合、低消費電力で動作するため、内部的にGeForce GTX 1070とHD Graphics 530を切り換えながら使用し、消費電力を抑える働きも持っている。

【NVIDIA GeForce GTX 1070】
ノートPC向けのGPUだが、VRの利用にも十分な性能を持ったGeForce GTX 1070。最新アーキテクチャのPascalが採用されている

 液晶パネルには15.6型のIPS方式を採用したノングレア液晶を採用している。IPS方式の特徴は視野角が広いこと。多少角度が付いた状態で画面を見ても、色の変化がほとんどおこらず、鮮明な画像が表示される。画面を食い入るように見ても、見ている部分だけでなく、隅のほうまで鮮やかに表示を行なうことができる。映り込みの少ないノングレアタイプが採用されているので、屋内だけでなく屋外でも見やすい。

 15.6型というサイズは、ノートPCなどのモバイルギアとしてはかなり大きいものだが、ゲームなどのしやすさという意味では、画面が広いほうが楽しめる。可搬性とのトレードオフになってしまうが、使用用途を考えると、自宅内で設置場所を選ばず使いたいときに使いたい場所で利用し、普段は机の引き出しや本棚などに置いておくという使い方がよいだろう。また、ノートPCということで、多少大きいながらも、約2.7kgという重量は、移動できないというわけでもない。友人宅に持っていき、一緒にゲームを楽しむという使い方も考えられるだろう。

 通信機能も充実しており、有線LANは当然として、高速なIEEE802.11acにも対応。Bluetoothも備えているため、モバイルデバイスとの接続などもできる。

 2つのモデル、「N1584J-710/T」と「N1584J-700/T」には共通の仕様が多く、違うのはメモリの搭載量とストレージの構成だけだ。ストレージに256GBのM.2 SSDが用意されており、こちらはPCI Express接続の高速なもの。従来のSerial ATAの2.5インチSSDなどと比べてもかなり高性能だ。下位機種の「N1584J-700/T」ではこのSSDがシステムやデータなどをすべて収めるストレージとなっているが、上位機種の「N1584J-710/T」では、さらにデータ用の1TB HDDが搭載されている。

 また、「N1584J-710/T」には8GBのモジュール2枚で合計16GBのメモリが装備されているが、下位機種の「N1584J-700/T」では4GBモジュール2枚で合計8GBだ。正直な話、ほとんどのゲームは合計8GBもメモリがあれば問題なく動作するが、最新のヘビーな3Dゲームなどを長時間プレイしていると、OSやゲームの動作が不安定になることもある。ヘビーなゲームをガンガンプレイしたいなら16GBがお勧めだ。また、先ほど説明したストレージの違いもプレイスタイルで選んでもよいだろう。たくさんのゲームタイトルを同時にプレイしたいのなら256GBという容量は、ちょっと少なく感じるかもしれない。その場合にはHDDを搭載したモデルを選択し、よくプレイするゲームはSSDに、そうでないものはHDDにインストールしてプレイするとよいだろう。

【GPU-Zで見たIntel HD Graphics 530(左)とNVIDIA GeForce GTX 1070(右)】
描画負荷の状態によってはハイパワーなGeForce GTX 1070ではなく、HD Graphics 530に切り換えて動作することにより、省電力性能を高めている

NVIDIAの最新ノートPC向けGPU

 本機に搭載されるGPUは、前述したとおり、NVIDIAのGeForce GTX 1070だ。このGeForce GTX 1070は強力なGPUだが、来歴にちょっとややこしい事情があり、同じ名前の付いた違うGPUも存在している。先行して発表されたデスクトップPC向けのGeForce GTX 1070は、そのままGeForce GTX 1070という名前だが、ノートPC向けのGeForce GTX 1070も同じなのだ。

 2016年5月に発表されたGeForce GTX 1080に、NVIDIAは新アーキテクチャPascalを採用。Pascalは16nm FinFET技術により製造される画期的なGPUだ。FinFETとは、立体的にトランジスタを構成したもので、これを採用することにより、微細化の壁を打ち破ることに成功している。それに引き続き、2016年8月に発表されたのがノートPC向けのPascal、GeForce GTX 1080/1070/1060だ。こちらも同じ16nm FinFET技術が採用されており、モバイル用としての調整がされている。通例ではノートPC向けに提供されるNVIDIAのGPUにはモバイルを意味する「M」が末尾に付けられる。たとえばGeForce GTX 980のノートPC向けの製品は、GeForce GTX 980Mといった具合だ。しかし、このノートPC向けのGeForce GTX 10シリーズでは、そのMが末尾から消えている。NVIDIAによれば、今回発表された3製品は、デスクトップPC向けの製品と比較しても遜色がない性能を持っているということで、「M」を付けていないということらしい。

【スペック】

デスクトップ/モバイルGPU名CUDA Core数ベースクロックブーストクロックメモリメモリ速度(バス幅)メモリ帯域
モバイル版GeForce GTX 10802,560個1,556MHz1,733MHz8GB GDDR5X10Gbps(256bit)320GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 10802,560個1,607MHz1,733MHz8GB GDDR5X10Gbps(256bit)320GB/s
モバイル版GeForce GTX 10702,048個1,442MHz1,645MHz8GB GDDR58Gbps(256bit)256GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 10701,920個1,506MHa1,683MHz8GB GDDR58Gbps(256bit)256GB/s
モバイル版GeForce GTX 10601,280個1,645MHz1,670MHz6GB(最大) GDDR58Gbps(192bit)192GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 1060(メモリ6GB版)1,280個1,506MHz1,708MHz6GB GDDR58Gbps(192bit)192GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 1060(メモリ3GB版)1,152個1,506MHz1,708MHz3GB GDDR58Gbps(192bit)192GB/s
モバイル版GeForce GTX 980M1,539個1,038MHz設定による4GB GDDR55Gbps(256bit)160GB/s
モバイル版GeForce GTX 970M1,280個924MHz設定による3GB GDDR55Gbps(192bit)120GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 9802,048個1,126MHz1,216MHz4GB GDDR57.01Gbps(256bit)224GB/s
デスクトップ版GeForce GTX 9701,664個1,050MHz1,177MHz4GB GDDR57.01Gbps(256bit)224GB/s

 実際には、デスクトップPC向けの製品と見比べると、仕様上の違いもいくつかある。ノートPC向けのGPUでは、デスクトップPC向けよりもベースクロックが若干落とされている。これは待機電力を減らすためだろう。ブーストクロックを見ると、GTX 1080はデスクトップ版と同周波数で、GTX 1060は25MHzほど低く設定されている。GTX 1070に関しては、ブーストクロックが1,645MHzと、デスクトップ版と比較して36MHzほど低く設定されているが、CUDA Core数がデスクトップ版よりも128個多い。総じて見た場合に、それほど大きな差はなく、NVIDIAの言うデスクトップ版と比較して遜色ないということを仕様上でも表わしているのがわかる。

 本製品に搭載されるGeForce GTX 1070も、もちろんノートPC向けのGeForce GTX 1070だ。しかし、NVIDIAはデスクトップ相当の実力を持つモバイル向けGPUをリリースした。その実力はゲームなどを使ったベンチマークを行なっているので、後ほど紹介することにしよう。

ゲーマー向けの機能を盛り込んだ「N1584J」シリーズ

【天板部】
天板部はマットブラックで落ち着いた雰囲気。G-GEARのロゴが入っている

 「N1584J」シリーズはゲーミングノートPCということで、通常のノートPCとは違うこだわりが詰め込まれている。ここでは撮影した写真や画像などを見ながら「N1584J-710/T」を紹介していこう。

 まず、本体の見た目だが、全体的に締まったブラックで統一されており、落ち着いた雰囲気。天板にはG-GEARのロゴがあしらわれている。大きさは、15.6型液晶を搭載していることもあり、いわゆる重量級ノートPCと言ってよいだろう。屋外に持ち出すと言うよりも、家の中での持ち運びがメインとなる大きさ。しかしながら、バッテリ駆動時間は約5時間と長いため、VRのデモを行なうなど外に持ち出して使うことも十分可能だ。

 USBポートはUSB 3.0だけでなく、より高速なUSB 3.1も用意されている。miniDisplayPortやHDMIなどの映像の外部出力端子も搭載されているので、VRのヘッドマウントディスプレイや外部モニタへの接続も可能だ。ノートPCという制約上、拡張カードによるポートの追加などの拡張性こそないものの、デスクトップPC並みのポート数の多さで、ノートPCとしての装備としては十分過ぎる豪華な装備だ。キーボードはアイソレーションタイプでLEDバックライトによって光るタイプ。インジケータは本体左手前にあり、本体を閉じていても見えるようになっているため、電源の消し忘れの防止にもなる。

 モニタの上部にはカメラとマイクが搭載されているのでビデオチャットなども可能だ。ストリーミングを使った実況などをしたい人も、周辺機器を買い足すことなく行なうことができる。

【左側面、本体手前、右側面】
左側面にはminiDisplayPort、USB 3.1(Type-Cコネクタ)、USB 3.0ポートが並ぶ。本体手前はインジケータのみ。本体右にはヘッドホンやマイクなどのオーディオ端子のほか、SDメモリーカードリーダー、USB 3.0ポート、有線LANの端子が並んでいる。SDメモリーカードリーダーは2つあり、片方はmicroSDカードをそのまま挿入できるスロットだ
【背面】
【キーボード】
背面にはminiDisplayPortとHDMIの端子、そしてACアダプタ用の電源コネクタが用意されている
10キーも用意されているキーボードはアイソレーションタイプですっきりとしたデザインだ。LEDバックライトが用意されており、後述のユーティリティソフトでカスタマイズも可能となっている。キーボード上部の左右には、オンキヨーのスピーカーが採用されている。SaoundBlaster X-FiやESS Technology製のHi-Fi DAC、Texas Instrumentsのオペアンプなどを装備し、サウンド面にもこだわりを感じる作りだ
【電源ボタンとインジケータ】
電源ボタンはキーボードの右上に位置しており、電源ON時には青色に光るようになっている。インジケータは本体左手前にあり、モニタを閉じた状態でも確認可能だ
【カメラとマイク】
【バッテリ】
モニタ上部にはカメラとマイクも用意されているので、ビデオチャットなどを利用することもできる
バッテリは分解しないと交換できないタイプ。バッテリの容量は3,915mAhとなっていた。スペック上では約5時間のバッテリ駆動時間となっており、このタイプの製品としては長時間だ

 次は、底面のカバーを外して、内部も見ていってみよう。メモリはDDR4のSO-DIMMでスロットは全部で4つ。そのうちの2つが利用済みだ。本機は上位機種となるため8GBのメモリモジュールが2枚搭載されている。下位機種の「N1584J-700/T」の場合は4GBモジュールが2枚だ。

 SSDにはIntel製のM.2 SSDが搭載されており、接続は高速なNVMe。「N1584J-710/T」は上位機種のため、追加のHDDが用意されており、Western Digital製で容量は1TBだ。通信モジュールはM.2スロットに挿入されており、これで無線LANやBluetoothの機能を提供している。冷却も気にした構造になっており、CPU、GPU、チップセット、M.2などを効率よく冷やせるようになっているようだ。スピーカーはオンキヨー製で、左右の2チャンネルのほか低音ユニットを組み合わせた2.1チャンネル構成。Sound Blaster X-Fiやヘッドフォン専用に用意されたESS TechnologyのSABRE Hi-If DAC、Texas Instruments製のオペアンプなど、サウンドにもこだわりを感じる。

【メモリ】
【M.2 SSD】
PC4-17000のDDR4 SO-DIMMが採用されており、8GBのモジュールが2つ搭載されている。スペック上ではメモリスロットは全部で4つあり、そのうちの2つが使用済みとなっているが、本体裏側を開いただけでは、メモリスロットは2つしかアクセスできなかった
NVMe接続のM.2 SSD。ベンチの結果は後ほど紹介するが、Serial ATAよりも高速なアクセス速度を誇る。右の白いものは熱伝導シートで、下側のシャーシに熱を移動し、コントローラを冷却するために付いている
【HDD】
【通信モジュール】
上位モデルの「N1584J-710/T」にはSSDのほか、1TBのHDDもデータ用ドライブとして搭載されている
本機では有線LANのほか、IEEE802.11acやBluetoothが利用できる通信モジュールが用意されている
【排気システム】
3つのシロッコファンによって、内部の熱を外部に排出する仕組。しかし、CPUやGPUを酷使しても、気になるほど大きな風切り音はしてこない

 ソフトウェアという角度で「N1584J」シリーズを見ていくと、やはりゲーマー向けとしての機能が盛り込まれている。その中の代表的な機能が、キーボードの制御だ。キーボードに用意されたWindowsキーは使いこなせれば非常に便利なキーなのだが、ゲームをプレイしている最中にはとたんにやっかいな存在になる。間違えてWindowsキーをミスタイプしてしまうと、ゲーム画面が消えデスクトップ画面に戻ってしまうからだ。

 これを防ぐために、デスクトップPCなどで使うゲーマー向けのキーボードには、Windowsキーを無効にする機能が用意されていることが多い。「N1584J」ではキーボードの制御用のユーティリティソフトがあらかじめインストールされており、これを使ってWindowsキーを無効にすることができる。キーボードマクロ機能も用意されているので、ゲームでよく使う機能をマクロ設定しておくことも可能だ。

 おもしろい機能としてはクイック無効化機能なんてものも用意されている。これはゲームを行なっている最中に各キーの利用頻度を記録し、記録した結果を統計して、使用頻度の高いキーと、使用頻度の低いキーを特定できるものだ。この統計が終わったのち、クイック無効化機能を利用すれば、ほとんど利用されていないキーを無効にし、ゲーム中にキー入力のミスが起きないようにできる。

 また、PCゲーマーは光りモノが好きな方も多いのだが、前述したようにキーボードにはバックライト機能が備わっている。このバックライトも同じユーティリティソフトで設定が可能になっており、好きな色で点灯させることが可能だ。設定はかなり細かく行なえるようになっており、キーボードの中央部や左右など、場所別にカラーを設定することもできる。また、ランダムや点滅、ウェーブなど、さまざまな状態で光らせることが可能だ。

 ゲーマー向けの機能だけでなく、ギミックも用意されており、こまやかな作り込みが行なわれているのがわかる。

【Windowsキーの無効化】
ゲーマー向けのキーボードの機能として、あるとうれしいWindowsキーの無効化。このControlCenterでは、パフォーマンスの変更やトラックパットの有効/無効化なども変更できるようになっている
【キーボードの設定を行なうFlexKey】
FlexKeyを使えば、ホットキーや、キーボードマクロ、バックライトのカラーをカスタマイズすることができる。本文で説明したクイック無効化機能もこのユーティリティソフトから行なうことができる

ベンチマークで見る「N1584J」の実力

 ここからは、いよいよ「N1584J」の実力をベンチマークで見ていこう。前半はPCMark 8や3DMarkなどの定番のベンチマークソフトを使った結果を載せていくが、これらの定番ベンチマークはある程度知識の蓄積がないと、数字だけを見てもどれくらいの性能なのかを理解するのは難しい。よくわからないということであれば、数字だけ確認し、今回の構成のPCならこれくらいの数値なのだなということだけ覚えておけば、この先同じベンチマークを見たときに比較の参考になるだろう。実際のゲームなどを使ったベンチマークも後半でテストしているので、そちらも見てほしい。

PCMark 8

 PCMark 8はFuturemarkのベンチマークソフトで、システム全体の性能をバランスを含めて数値化できる定番ソフトだ。結果は、3,884ポイントとノートPCとしてはまずまずの数値。4,000近い数字が出ているため、バランスもとれており、良好な結果と言える。個々のテストの結果を見たい場合には、ベンチ結果の下にリンクがあるので、そちらで詳細を確認してもらうとよいだろう。

PCMark 8
測定数値3,884

詳細な数値はこちら。

3DMark

 3DMarkもFuturemarkの定番ベンチマークソフトでPCMark 8がシステム全体を見るのに対し、こちらは3D性能に的を絞ったベンチマークを行なっている。テストはゲーミングPC向けのFire Strikeを利用して行なった。Fire Strikeは、DirectXの機能を利用したテッセレーションや多数の光源処理を行なう負荷の大きなもの。物理演算と呼ばれる、CPUも絡めたテストも行なっており、グラフィックスチップやCPUに高い処理能力を要求する。結果は、12,296ポイントと一昔前ならデスクトップ向けのオーバークロック版のハイエンドビデオカードを利用しなければ出ないような数値となっている。標準のモニタでプレイするだけでなく、4K解像度での外部出力においても、ほとんどのゲームを快適に楽しむことができるだけの実力があると言えるだろう。

3DMark(Fire Strike)
測定数値12,296

詳細な数値はこちら

Unigine Valley Benchmark 1.0

 こちらは定番とは言えないかもしれないが、Unigineがオープンワールドを利用したゲームを開発する上での副産物として生まれたベンチマークソフト。3DMarkと同様に、テッセレーションや光源処理などの高負荷な3D処理を行ない、フレームレート(fps)を計測する。ここでは平均fpsをサンプルとして採用しているが、1番高負荷なExtreme HDというテストで平均は72.2fpsとなった。アクションゲームなどで要求されるフレームレートは60fps以上と言われており、60fps以上であれば快適にゲームをプレイできると言われている。このベンチマークソフトで72.2fpsという結果はかなり良好だと言ってよい。

Unigine Valley Benchmark 1.0(Extreme HD)
測定数値72.2fps

詳細な数値はこちら

CINEBENCH R15

 CINEBENCHはCPUの性能を測るためのベンチマークソフトだ。マルチコア、マルチスレッド性能をフルに活用して、その性能を数値化する「CPU」と、CPUコア1つに順次に処理を行なわせるシングルスレッド処理を数値化した「CPU(Single Core)」を計測することができる。結果は、それぞれ679、129となっており、Intelの最新CPUということもあり、ノートPCとしてはかなり高い結果になっている。

テスト項目測定結果
CPU679
CPU(シングルコア)129

CrystalDiskMark 5.2.0

 CrystalDiskMarkはストレージ性能を見るためのベンチマークソフトだ。本機にはM.2のSSDと2.5インチHDDが搭載されているため、それぞれテストを行なった。M.2 SSDの結果はSequential Readが1,504MB/s、Sequential Writeが587.0MB/sと、とくにSequential Readの値が高い。PCI Express経由のNVMeによる接続の効果で、高いパフォーマンスを示した。対して、2.5インチSSDは通常のSerial ATAによる接続のため、それなりの値となっている。前述したように、よくプレイするゲームをSSDに、そうでないものはHDDにインストールすることによって、容量不足を解決しながら、SSDにインストールしたソフトを快適に楽しむことができるだろう。

【M.2 SSDの結果】
【2.5インチHDDの結果】
NVMeによる接続で、かなりのパフォーマンスが出ている
一般的なHDDと同等の結果だが、一昔前のから比較すれば性能は上がっている

「バトルフィールド 4」

 ここからは実際のゲームや、ゲームに用意されているベンチマークを使っていこう。まずは「バトルフィールド 4」だが、これは世界的にファンの多いFPS(First Person shooter)だ。すでに「バトルフィールド 1」が発売されているのだが、ベンチマークを計測するには適していないため、ここでは「バトルフィールド 4」を利用している。といっても、「バトルフィールド 4」も十分に負荷の大きな3Dゲームタイトルだ。

 ベンチマークの機能はないため、Frapsというフレームレートを計測するソフトを利用した。具体的にはキャンペーンのTASHGARを開始し、主人公たちが車で移動しているシーンで1分間Frapsを走らせる。その際の平均フレームレートが上の表だ。描画の負荷はプリセットが用意されているので、1番高負荷がかかる「最高」のほか、「高」、「中」の3つを使ってテストした。結果は、「最高」で113.833fpsとなっており、処理負荷を1番高くしてもまったく問題なく、快適にプレイできることがわかる。

最高
113.833fps140.5fps146.383fps

「『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』ベンチマーク」

 人気オンラインRPGの「ファイナルファンタジーXIV」には、プレイする前にゲームの動作チェックを行なうことのできるベンチマークソフトが用意されている。2本目のゲーム系ベンチマークとして、このソフトを使ってテストを行なった。このベンチマークソフトには、DirectXのバージョンをDirectX 9かDirectX 11のどちらかを指定して行なうようになっているため、より描画が美しいDirectX 11を使っている。設定は、こちらもプリセットが用意されているため、1番処理負荷の高い「最高品質」のほか、いくつかのプリセットも走らせてみた。結果は最高品質で12,765。評価は「非常に快適」であった。このベンチマークソフトの場合、7,000以上のスコアで、最高評価である非常に快適と判断されるため、「ファイナルファンタジーXIV」をプレイするにはオーバースペックと言ってもよいほどの性能があるということがうかがえる。

DirectX 11
最高品質最高品質(DirectX 9相当)高品質(デスクトップPC)高品質(ノートPC)
12,76513,68912,83813,353
非常に快適非常に快適非常に快適非常に快適

 さて、いくつかのベンチマークを行なってきたわけだが、ノートPCとはいえ、ハイエンドのデスクトップゲーミングPCほどの性能があると言ってよいだろう。CPU、GPUともに高性能で、M.2 SSDも高速アクセスが可能だ。ノートPCのモニタを利用している分には、間違いなくほとんどのゲームを快適にプレイすることができるだろう。また、4Kの外部モニタに接続して3Dゲームをプレイするとしても、それなりに動作することが予想される。「N1584J」シリーズはノートPCにして、かなりの実力を持っているということがわかる結果となった。

ヘビーなゲーマーにもお勧めできるゲーミングノートPC

 「G-GEAR note N1584J」シリーズはゲーマー向けのPCとして必要な機能を備えるだけでなく、最新のCPUやGPUで武装した高性能なゲーミングノートPCだ。ベンチマークの結果を見れば、「N1584J」シリーズの性能がいかに高いかも、読者の方々にわかってもらえると思う。価格は「N1584J-710/T」で税込み約20万円と決して安くはないものの、逆に20万円を切る金額で、これだけの高性能なノートPCが手に入るという見方のほうが正解だろう。

 この性能の高さを考えればヘビーな3Dゲームを楽しんでいるゲーマーにも安心してお勧めできる。ゲーミングPCとして高性能ということは、ほぼオールラウンドで活躍できる性能が備わっていると言える。ゲームだけでなく、動画編集などのマルチメディア系データ処理も楽々とこなすことができる。テンキー付きのキーボードも採用しているため、文書作成や表計算などにも、なにげに使い勝手がよいという面も持つ。「G-GEAR note N1584J」は高性能なゲーミングノートPCを待ち望んでいたヘビーゲーマーにお勧めしたい。