★アーケードゲームインプレッション★
サッカーの戦略・戦術がRTS風に楽しめる超注目作 「タッチストライカー」 |
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■ 4月2日まで都内3店舗でロケテストを実施中 ~君は「タッチストライカー」を体感したか!?~
2008年9月に開催された第46回アミューズメントマシンショー。セガブースで大々的に出展されていたのは、今回インプレッションをお届けする新機軸のサッカーゲーム「タッチストライカー」だ。今年1月より都内数カ所でロケテストが行なわれており、現在は都内3店舗(クラブセガ新宿西口、クラブセガ秋葉原、ハイテクランドセガ渋谷)にて実施されている。今回のロケテスト期間は4月2日まで。
筆者はスケジュールなどの都合でショー以降プレイする機会を得られず、記事を書いたときから「これ、いいなぁ。また触りたいなぁ」と思っていただけに、ロケテ(ロケテスト)にいけなかったのは年明け早々の痛恨事のひとつでもあった。ところが今回、たまたま同社から「またロケテやるんですよ」と聞きおよび「……これは仕事にこじつけるしかない!」と、強引にプレイ取材を申し込むことに成功。鉄火場の開発室に潜り込むため「1時間、1時間だけですからね!」としっかりケツ決めされてしまったが、集中してプレイできる絶好の機会を得ることができた。
詳しくは後述するが、久々に触れた「タッチストライカー」には、AMショーバージョンとは異なる味付けがなされていた。かつて「老若男女、誰でも遊べるカンタン操作!」を売りにしていた万人向けの超マイルドな味付けから一転、サッカーファンの嗜好をくすぐる「フックのある独特の風味」に進化していたのだ。まずは、操作系の基本から順次ご紹介していこう。
■ 基本操作 ~ 「ドラッグ」、「W(ダブル)タッチ」、「長押し」の3つを覚えればオーケー ~
まったく予備知識がない人向けに「タッチストライカー」を簡単に説明すると、本作はすべての操作を“タッチペン”で行なうサッカーゲームだ。タッチスクリーンに表示された選手やターゲットを2回素早くタッチしてアクションを指示したり、選手をドラッグして移動させるなど、直感的な操作でシュートやドリブルが行なえる手軽さが最大の魅力。ちなみに、ショーバージョンでは先に2ゴール決めたほうが勝ちというライフ制のオリジナルルールだったが、現在は1コインで1試合フルにプレイできるよう変更されている。
タッチペンの扱い方は、ペン先を画面に押し付けたままスライドさせる「ドラッグ」、2回素早くタッチする「W(ダブル)タッチ」、ペン先を一定時間その場に押し付けたままにする「長押し」の3つだけ。攻撃時であれば、特定の選手を動かしたい、あるいはボールを持った選手をドリブルさせたいときは、その選手の上にタッチペンを置き、動かしたい場所まで線を引くようにスライド(ドラッグ)。パスを出したいときは、その位置をWタッチ。このとき、通常のWタッチでグラウンダーのパス、Wタッチの最後を長押しすると、ロビングのパスになる。シュートはゴール内をWタッチすればいい。
守備時も、ペン操作は前述の3つだけ。ボールを持った敵選手が近くにいるとき、味方ディフェンダーの周囲に表示されるサークル内をWタッチで「スライディング」。選手の上にタッチペンをおき、そのままドラッグしてマークさせたい選手のところでペンを話せば「マンマーク」。選手をピンポイントにマークするのではなく、一定のゾーンを守らせたいときは、選手を防御したい場所に移動させてから、長押しで「ゾーンディフェンス」。キーパーの「飛出し」と「ダッシュ」は、それぞれサークル内の行きたい方向をWタッチするだけ。
フォーメーションは、現時点では画面右下に表示される「5-4-1(守備的)」、「4-4-2(標準的)」、「3-4-3(攻撃的)」の3つが選択可能。プレイ中、いつでも好きなように変更できる。コアなサッカーファンは「もっとバリエーションが欲しい」といわれるかもしれないが、このあたりは将来的な機能拡張に期待したい。
インストラクションより転載。3つの基本操作を覚えるだけで、攻撃、守備と多彩な指示が出せる |
●チュートリアル「練習モード」が無料でプレイ可能!!
3つの基本操作を覚えるだけですべての操作が可能になる本作だが「そうはいっても、実際に触ってみないことにはなんとも……」という人がいてもおかしくない。そんな人のために、本作にはアーケードゲームとしては異例の“無料で遊べる”練習モードが用意されている。パスの使いわけ、移動、スライディング、シュートと、体験できるのはあくまでも断片的要素だが、お金を入れて練習兼本番よりは断然良心的。“最初の一歩”を踏み出すハードルは、他のそれに比べてかなり低くなっている。
【練習モード】 | ||
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「どんな感じなのよ?」と基本操作を確認するだけならお金はかからない。アーケードゲームとしては非常に珍しいモード |
●マイチームのカスタマイズも楽しめる
本作は、プレイ後にさまざまなカスタマイズ用のアイテムがプレゼントされる。現時点では「ユニフォーム」、「ボール」、「頭」、「枠」、「背景」といった項目があり、それぞれ自分だけのチームを作ることができる。カスタマイズデータは、ボール以外は、相手の画面にも反映される。自由にカスタマイズして、レアアイテムを対戦相手に見せびらかすといった楽しみ方もアリ。ちなみに、筆者がプレイした際は「ボール」を獲得。将来的には、コレクション要素のさらなる拡充を求めたいところだ。
【カスタマイズ】 | |
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チームランクなどで獲得できるアイテムもあるというが、ロケテストの時点ではまだまだ不明な点が多い |
■ 「一手先」が気になりだした途端、楽しさのステージが飛躍的にアップ!
タッチペン1本とはいえ、いざゲームが始まれば、プレーヤーがやるべきことはたくさんある。カメラ視点が固定されているため、俯瞰などで11人全員を同時に扱うことはないが、それでも終始6人前後は画面内に味方選手が存在する。プレーヤーは選手それぞれに指示を与えていくわけだが、以前のショー記事でも紹介したとおり、プレーヤーが指示を与えていないとき、各選手はAIの判断に基づいて最適と思われる行動をとる。極論すればほったらかしでもいいが「AIを賢くしすぎるとプレーヤーのやることがなくなり、ゲームがつまらなくなる(開発者より)」ため、なるべくなら味方選手への指示は積極的に出したほうがいい。
プレーヤーが与えたドラッグなどの指示は、スクリーンショットを見ていただければわかるとおり「赤いライン」で画面に表示される。逆に、対戦相手の指示は「黒いライン」で映る。リアルタイムで交錯する赤黒の軌跡と、敵味方の選手たち。ボールを動かしつつ、オフザボールの動きでも攻撃を形作っていく。だが、これは相手にとっても同様。目の前で瞬時に変わる流動的な状況を見極め、適切な指示を与えていくスリリングな楽しさ。このあたりのプレイ感覚は、PCゲームのRTS(リアルタイムシミュレーション)と相通ずるものがある。最初は目先の操作に忙殺されがちだが、慣れてくると「一手先」がとても重要なことに気づかされる。対戦相手の攻撃を予測して、誰にマークをつけるのか、どのスペースを埋めておくのか。バッチリはまったときの「してやったり感」は、もう本当にたまらないものがある。サッカーの醍醐味である「スペースのぶんどり合戦」がここまで簡単に楽しめるゲームは、そうそう出てくるものではない。
個人的には、こうした流動的かつダイナミックな展開をタッチペン1本で遊べる点が、このうえなく気に入っている。ショーバージョンは比較的ゆったりとしたテンポだったが、現在のゲームバランスは相当せわしなく各選手と周辺スペースをケアしなければならない(しなくてもなんとかなるけど、したほうが圧倒的に面白い)。正直、最初は「うわぁ、ずいぶん忙しいゲームになっちゃったな」と思ったが、アクションゲームライクな操作感を求めている人は逆に物足りなかったわけで、現在は両者の中間地点、ややアクション寄りといった風味に調整されている。後述するが、このあたりは開発チームも積極的に意見を求めている部分であり、ロケテストに参加された方は併設されたアンケート用紙に忌憚のない意見をご記入いただきたい。
筆者が気になった点としては「バランス」、「スピード」、「パワー」といったチームタイプの存在感が希薄なこと。それぞれ「小回りがきくけどフィジカルに難点」、「パワーはあるけど足が遅い」といったメリット・デメリットがあるが、プレイ中に各要素の利点をハッキリと認識できるケースはそれほど多くない(やりこみが足りないからかもしれないが……)。あまり極端に味付けすると、いわゆる「ハメ」などにつながってしまうため現在はマイルドな調整になっているのかもしれないが、たとえ実効果はなくても“ゲームらしい演出”で不自然なくシャキッと見せてくれれば、それだけでも圧倒的に違ってくる。メリハリや起伏をプレーヤー自身が作り出し、きちんと実感できるのが最高だが、そのあたりにはまだ課題が残されているといえそうだ。
■ サッカーゲームを愛してやまない人は、積極的にロケテストに参加すべし!
すでにロケテストでプレイしている人も少なくないかもしれないが、未体験でロケテスト実施店舗が行動範囲内にある方は、本インプレッションをキッカケに、ぜひとも足をお運びいただきたい。なぜなら、開発チームは本作に対するプレーヤー諸氏からの要望(アンケート)を、喉から手が出るほど渇望しているからだ。
本作のゲームモデルがすこぶる気に入っている筆者としても、「タッチストライカー」が少しでも素晴らしい作品になってくれればという気持ちがある。そのためには、賛否問わずプレイした人の意見が必要不可欠。僭越ながら筆者も「ここがこうなったら……あるいはこんな感じではいかが?」などと偉そうに能書きをタレてきてしまった。現時点ではアクション性が高い作風になっているが、開発チームによれば「今ならユーザーさんの意見がバリバリ反映させられます」といい、この先いかようにも変わる可能性がある。
本作は、店舗間のオンライン対戦を前提に作られている。CPU戦もいいが、やはり醍醐味は「人対人」。ならば、プレーヤー人口が増えるほどステキな未来が訪れるはず。繰り返しになるが、サッカーゲームが好きな人はもちろん、興味がある人はぜひ1度プレイしていただきたい。サテライトの向こう側に、ひとりでも多くのライバル(そして「タッチストライカー」仲間)が増えることを願う。
(C)SEGA
※ゲーム画面や操作方法は開発中のもので、変更される場合があります。
http://sega.jp/
□セガ アミューズメント情報のページ
http://am.sega.jp/
□「タッチストライカー」のページ
http://touchstriker.sega.jp/
(2009年 3月 26日)