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「グランツーリスモSPORT」アンヴェイルイベント詳報
新モード続々! 世界の「GT」がついにフルモデルチェンジを果たした!!
(2016/5/20 03:55)
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは5月19日、英国オリンピックパーク内にあるThe Copper Boxにて、「グランツーリスモSPORT」のアンヴェイルイベントを開催した。本稿では、開幕イベントとして行なわれたプロデューサー山内一典氏のプレゼンテーションの模様をお届けしたい。
既報のように11月15日に発売が決定した「グランツーリスモSPORT」。価格等は発表されなかったものの、スタンダードエディションに加え、リミテッドエディション、スチールブックの存在も明らかにされた。発売時期は、エリアによって若干異なり、日本/アジア/北米が最速の11月15日、欧州が11月16日、UKが11月18日と、主戦場である欧州を遅めにし、開拓したい北米アジアを先行させる戦略だ。
山内氏は開口一番「『グランツーリスモSPORT』は、初代『グランツーリスモ』が誕生して以来のイノベーション」と切り出した。
山内氏は40分ほどのプレゼンテーションの中で、登録車の紹介を皮切りに、トラック、ゲームモード、チャンピオンシップ、スポーツライセンス、ソーシャル要素、スケープモードなど、実に様々な内容を披露した。それはレースゲーム、リアルドライビングシミュレーター、カーライフシミュレーターといった様々な側面を持つ「GT」シリーズを一から再構成するという強い意思が感じられた。それでは以下順番に見ていこう。
・カー&トラック
山内氏がまず最初に紹介したのはカーとトラック。カーについては、具体的な車種を紹介する代わりに、「GR1」から「GR4」までの4つのクラスカテゴリを用意し、そこに実車とファンタジー(ビジョングランツーリスモのようなバーチャルカー)を織り交ぜることを紹介。登録車はすべてリモデルされた“スーパープレミアムモデル”で、インテリアビューを搭載し、登録車種はローンチ時点で137台。
トラックについては、「GT」シリーズ初となるハーフマイルのオーバルコースを盛り込んだNorthern Isle Speedwayと、東京の首都高をモチーフにしたTokyo Express Wayを新収録したほか、Brands Hatch Indy CircuitやWillow Springs Internatinal、ニュルブルクリンク(北コース)などをPS4のパフォーマンスに合わせて作り直したものを収録する。さらに、ダートコースも復活し、ダートレースも楽しめる。ローンチ時点で19ロケーション、27コースを収録する烏。
・キャンペーンモード
今回のゲームモードは、大別してアーケードモード、キャンペーンモード、ブランドセントラル、スポーツモードの4種類が盛り込まれる。
アーケードモードは、気軽にレースが楽しめるモードで、キャンペーンモードはこれまで「GTモード」と呼んでいたモードとなる。
キャンペーンモードには4つの新しい試みが導入される。1つは、「GT」シリーズを初めてプレイするような初心者に向けた「ビギナーズスクール」と呼ばれるもので、チュートリアルから、ドライビング、レーシング、ドリフティングなどを10の項目を動画で学ぶことができる。2つ目は、「GT SPORT」に収録されるサーキットについて学べる「サーキットエクスペリエンス」(35トラック)。3つ目は「GTモード」とほぼ同等となる「ミッションチャレンジ」(62ミッション)。4つ目は、「GT SPORT」でオンラインでの公式なチャンピオンシップを始めるにあたり、プロフェッショナルなレーシングドライバーが身につけておくべきマナーを学べる「レーシングエチケット」(10項目)。
・ブランドセントラル
ブランドセントラルは、これまで「カーディーラシップ」と呼んでいたもので、山内氏は、「このモードを開発するにあたり“なぜ僕がグランツーリスモを作ったか”を思い出した」と切り出し、「自動車や自動車メーカーに出会う場所としてデザインしたということを思い出した。『ブランドセントラル』は、もう一度、素敵な自動車や自動車メーカーに向き合える、そういう場所にしたい」と実装意図を語ってくれた。
具体的な内容は、自動車メーカーのショウルームがあり、自動車メーカーが全世界に向けて発信しているビデオが見られるコーナーがある。山内氏は「素敵なビデオが公開されながら、それがリビングで見られないことを不満に感じていた」と語り、ブランドセントラルはそういった不満を綺麗に解消してくれるモードになるようだ。
・ミュージアム
ミュージアムも新たに「GT SPORT」に合わせてリデザインされる。画面には左右にそれぞれビジュアルとテキストが表示されており、左側が車の歴史、右側がアート、音楽、文学などその他の歴史となっている。山内氏によれば「これにより、自動車の歴史に彩りと深さが加わる」ということだ。
・スポーツモード
スポーツモードは、「GT SPORT」のメインとなるゲームモードで、2種類のチャンピオンシップで構成されている。1つは国別対抗戦の「ネイションズカップ」、もう1つは、マニファクチャラーを代表して戦う「マニュファクチャラーファンカップ」となる。スポーツモードは、オンラインマルチプレイモードとなっており、e-Sportsとして子供からお年寄りまで年齢世代を問わず参加できるチャンピオンシップとしてデザインされている。
山内氏は、「このプログラムは世界最速のドライバーを見つけるだけでなく、世界中でたくさんのウィナーを生み出したいと思っている」とし、「年齢、地区などのセグメントを細かく分けて、たくさんのウィナー、トロフィーを生み出していきたい」と抱負を語った
個々のカップについて詳しく見ていくと、「ネイションズカップ」は、愛郷心によって競われるチャンピオンシップで、世界を3つのリージョン(アジア、欧州、米州)にわけてリージョンファイナルを実施し、最終的にはオフラインイベント「FIAワールドファイナル」で、世界最速のドライバーが決まる仕組み。
一方、「マニュファクチャラーファンカップ」は、ブランドロイヤリティによってドライブされるチャンピオンシップとなる。こちらは、先述のリージョン別に、トヨタならトヨタを選択したユーザー同士でトッププレーヤーを選出し、各マニュファクチャラーの代表がワールドファイナルを戦うというチャンピオンシップ。
このスポーツモードは、FIAと全面タイアップしており、これらのチャンピオンシップで優勝すると、FIAが年に1度行なうセレモニーで、リアルモータースポーツと同じように表彰されるという。
山内氏は「GT SPORT」のマンスリースケジュールのイメージも公開し、「ネイションズカップ」と「マニュファクチャラーファンカップ」を隔週ペースで、週末に実施し、そのほかの週末や平日に各種カップを挟み込んでいく方針を披露。
このオンライン対戦の模様は、コメンタリーが付けられ、ブロードキャストされる。ユーザーはレース番組を見ているようなイメージで、これらのレースの観戦が楽しめるという。
さらに、FIAとのコラボレーションによって実現されるもう1つのチャレンジが、「FIA Gran Turismo Digital License」。これはFIA公認の本物のスポーツライセンスが獲得できるプログラムで、山内氏は「このライセンス取得の機に、本物のモータースポーツにチャレンジする機会を増やしていきたい」とリアルモータースポーツとの架け橋として機能させたいという壮大な構想を明らかにした。
これは計画ではなく、「GT SPORT」のローンチと同時にスタートさせる計画で、すでに22カ国で承認を得ていることが明らかにされた。日本や米国は含まれていないものの、ヨーロッパでは英国、ベルギー、デンマーク、ノルウェイ、アジアでは中国、韓国、台湾などが賛同しており、これらの国や地域では、「GT SPORT」をプレイして一定の条件を満たすことで、デジタルライセンスが取得できる。
・ソーシャルフィーチャー
ソーシャル要素については、マイプロフィールと、タイムラインが公開された。マイプロフィールは、自分のゲームの進行状況が確認できる画面であると同時に、これは他のプレーヤーも閲覧することができる。また、タイムラインは、「GT SPORT」のお知らせや、フレンドの活動がPS4のタイムラインのように一覧できるというものとなる。
これらの情報は、インゲームのみならず、スマートフォンやタブレット、Webブラウザでも手軽に参照することができる。
・Livery Editor
Livery Editorは、文字通り、車にLiveryを貼って、マイカーを自由にデコレーションできる要素で、ファン待望の機能となる。
・スケープス
そして今回山内氏がもっとも解説に時間を掛けたのがスケープスだ。スケープスは、「GT」シリーズお馴染みのモードであるフォトモードの進化形となる。光と空間の情報を備えており、撮影する位置のみならず、絞りや露出を変えたり、流しで撮っているような演出や手ぶれっぽい演出など、写真でできることはほとんどできるようだ。
プレーヤーはまず1000枚以上のフォトアルバムの中から好きなロケーションを選び、好きな車を好きな数、好きな位置に配置する。次に撮影位置を決めてフォーカスを合わせ、あとは絞りを変えたり、露出を変えたりすることで、まさに実際の写真のような美しい1枚を撮影できる。
山内氏は、「車の撮影は実は難しい。良いロケーション、良い車をセットにするのは難しく、さらに良い光とまでくるともの凄く大変。しかしスケープスではそういったことが簡単に可能になる」と解説。最後に「この写真は4Kでかきだせるので、FacebookやTwitterにアップロードすることもできる」と驚きの機能を語ってくれた。