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Wargaming、「World of Tanks」の各種コラボやコンソール版の今後を聞く

2016年のPC版はクオリティアップ、コンソール版はコンテンツ拡充に注力

1月29日~2月2日 開催



会場:台北世貿一館

「WoT」のプロダクトマーケティングマネージャーMax Chuvalov氏(左)と、台湾のカントリーマネージャーのSky Lin氏(右)

 Wargaming.netは、Taipei Game Show 2016にブース出展し、「World of Tanks(以下、「WoT」)」と「World of Warships(以下、「WoWS」)」の試遊台を展開した。「WoT」はここ台湾では、Windows、Xbox Oneで展開しており、この1月から新たにPS4版の配信がスタート。モバイル版の「WoT Blitz」もAndoidとiOSから配信している。

 台湾においてもマルチプラットフォームの展開に加えて、「WoT」と「ガールズ&パンツァー」、「WoWS」と「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」など、日本のアニメとのコラボが行なわれているのがおもしろいところだ。

 今回はそんな現在の状況について、「WoT」のプロダクトマーケティングマネージャーMax Chuvalov氏と、台湾のカントリーマネージャーのSky Lin氏から話を聞くことができたのでお伝えしたい。

【ガールズ&パンツァーTGSスペシャルパック 発表記念トレイラー】

――今年のTaipei Game Showはいかがですか?

Chuvalov氏: これが3回目の出展ですが、毎年大きく成長していっているのを見るのが楽しいです。前回参加した時と比べると、規模が倍くらいに成長しているので、コミュニティの成長にも期待しています。

Lin氏: Maxが言うように、年々大きくなっているのが素晴らしいです。今回は初めてこのエキシビションセンターをすべて使いきっています。台湾のコミュニティ全体が大きく成長したおかげで、市場全体の成長につながっているのは、我々にとっても重要です。成長することでゲームショウも大きくなり、より多くのプレーヤーとコミュニケーションをとることができます。プレーヤーと一緒に我々も成長していきたいです。

――台湾における「WoT」の状況を教えてください。

Lin氏: 2013年1月に台湾でサービスを開始して以来、3年の間にマーケットが非常に大きく成長しました。「WoWS」を発表した後も落ちることなく成長を続けています。結果から見ると、「WoWS」はプレーヤーを奪い合うのではなく、新しい層を呼び込むことに成功しています。この結果からも分かるように「WoT」のプレーヤーは非常にゲームを気に入って、情熱を持って応援してくれている方々です。「WoWS」も将来的にはそういうタイトルとして成長していって欲しいです。

――「ガールズ&パンツァー」とのコラボが台湾でもフォーカスされていましたが、手ごたえはどうですか?

Chuvalov氏: アジアのマーケットに挑戦した時に、彼ら独自のコンテンツを用意しなければならないということが分かりました。いろいろ調べた結果、わかりやすい独自コンテンツとして、アニメが候補にあがりました。「ガールズ&パンツァー」とのコラボは、最初はアジア限定で始めましたが、出した後に世界中から「我々にはこのコンテンツはもらえないのか」という要望が来て、アジア以外にも提供できるような契約に改めました。今後はどんどんグローバルでも提供していきます。

 「ガルパン」の成功から、多くのプレーヤーが求めて楽しんでくれるものが分かったので、「WoWS」では「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」とコラボしました。PS4版「WoT」では最初から「ガルパン」のコンテンツが使えるようになっています。今回、渕上舞さんと福原綾香さんを招いてのトークイベントでは、ブースがいっぱいになるほど多くの方がきて楽しんでいただけてていました。台湾でも「ガルパン」や「アルペジオ」のコラボは大成功だったので、今後も続けていきたいです。

【ブースの様子】
PC版試遊コーナー
PS4版
Xbox One版
モバイル版

――今回PS4版の「WoT」が出展されていましたが、今後コンソール、PC、モバイルの比重はどうなるのですか?

Lin氏: 最初に提供したのはPC版で、その次がモバイルの「WoT Blitz」、そしてXbox One版が出て、今年の1月にPS4版が出ました。最初にPCから始めたので、PC版のコミュニティが非常に大きく成長していますし、プレーヤーも支持してくれています。そういった方々をないがしろにしないためにも、今後もPC版には力を入れていきます。モバイルは遊び方が少々特殊です。それほど長時間遊ぶわけでもないし、毎日そのアプリを立ち上げるわけでもない。そういう意味では、モバイル版はPC版よりも寿命が短かく感じてしまうかもしれません。コンソールは出たばかりということもあるので、大きくプッシュしていきたいと思っています。現在SCETとも話をしています。今後、テレビや広告などで「WoT」を見せられるかもしれません。

――「WoT」の今後のアップデート予定を教えてください。

Chuvalov氏: いまず2016年のPC版の予定ですが、ゲーム自体が完成とは言いませんが、すでに多くのコンテンツが存在します。今後は更なるコンテンツを実装するよりも、今プレイしている人のためにバグを修正したり、現在問題が起きているところ、例えばマッチメイキングだったりの細かい修正をして、ゲームのクオリティをより高めていくという形を予定しています。

 コンソール版「WoT」に関しては、2016年には可能な限りPC版に追い付いていけるようにコンテンツを追加していきます。コンソール版でもe-Sportsイベントをやらないのかという声があるので、オブザーバーモードやトレーニングモードなど、e-Sportsに関わるものを準備していきたいと思っています。モバイル版については、コンテンツの充実はもちろん、クランなどプレーヤーの交流に力を入れていきたいです。チームワークを取って交流を深められるように改良して、コンテンツを充実させていきたいです。

――コンソール版の大会は、PC版とは違ったものになるのですか?

Chuvalov氏: まだ詳細はお伝えできませんが、今年中に予定しているのは、e-Sportsに関わるコンテンツをゲーム内でいつでも使えるようにすることです。それで反応が良ければ、大きなe-Sportsに持っていきたいと思っています。

――最初からe-Sports化を前提にしているわけではないのですか?

Chuvalov氏: 「WoT」自体がe-Sportsを前提にしたゲームというわけではなく、ただ適したゲームというだけです。PC版も決して最初からe-Sportsを考えていたわけではありません。ただ、「WoT」も「WoWS」もコミュニティからe-Sportsがやりたいという声が出た時のために準備はしておきます。上を目指したいと思ったときにいつでも提供できるようにしておきます。

――台湾でのe-Sportsとして「WoT」の盛り上がりはいかがですか?

Lin氏: 2013年にWargamingリーグが始まる前のアジア大会でナインイーグルというチームが2位に入っています。このチームは、2年前に名前を変えてホースマンというチーム名でクランウォーズに参加しています。クランウォーズに勝つためにはチームワークが大事で、e-Sportsの基本を学ぶのに適していますから、将来的にe-Sportsに進むためのトレーニングになります。「WoT」は1人でも遊べますが、7対7のチーム戦ではまったく違うゲーム経験を味わうことができます。クランウォーズに強いチーム台湾のチームは非常にいい成績を残しています。日本のクランやプレーヤーにも参加していただいていて、台湾のプレーヤーが日本のチームに入っていたり、日本のプレーヤーが台湾のチームに参加していたりしています。今後もプレーヤーさんの間で日台の友好を深めつつ、続けていって欲しいです。

――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

Chuvalov氏: アジアのプレーヤーは私たちの国とは違う形で、非常に強い情熱を持っています。今後もそういう情熱を見せていただきたいですし、私たちも、ユニークで興味を引くコンテンツをたくさん提供していきたいと思っています。

Lin氏: 台湾は常に日本と友好的な関係を築きたいと思っています。日本のコンテンツもプレーヤーも大好きです。台湾のプレーヤーになりかわって、今後もよろしくお願いします。

【スクリーンショット】

(石井聡)