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ライオンズフィルム、「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」を正式発表
1度サービス終了したMMORPGがパワーアップして復活! PS4/PCのマルチ展開
(2016/1/29 12:00)
ライオンズフィルムと台湾Gamemagは1月27日、台湾新北市のXPEC本社において記者発表会を開催し、PS4/Windows向けMMORPG「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」を正式発表した。「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」は3月上旬より先行登録を開始し、3月25日よりPS4版の正式サービスを開始する予定。ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制。CEROレーティングはB(12歳以上)。PC版は2016年サービス開始予定。
「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」は、PCゲーマーならピンと来る方も多いと思われるが、2015年9月までライオンズフィルムが日本で運営していたMMORPG「Weapons of Mythology」の続編に相当するタイトル。ちょうど1年前、2015年2月に発表した“PS4版「Weapons of Mythology」”の正式タイトルとなる。
実は「Weapons of Mythology」は日本のみならずワールドワイドでサービスを終了している。日本でサービス終了した理由は、ユーザー数の低下やマネタイズの失敗などではなく、実はデータベース構造など技術的な問題がメインだという。それらの問題をすべて解決し、ゲームパッドへの完全対応など新要素を多数盛り込んだのが、今回発表された「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」となる。
今回はPCのみならず、新たにPS4とXbox One(日本展開予定なし)にも展開するところが大きな特徴で、ゲーム専用機をメインターゲットとして開発されているためPS4/Xbox One版の展開が先で、PC版はPS4/Xbox Oneのリリースから半年後ほど後の展開になるようだ。
ところでPS4ユーザーは、「そもそも『Weapons of Mythology』って何?」という方も多いだろう。「Weapons of Mythology」は、台湾大手デベロッパーのXPECの子会社Gamemagが開発したファンタジーMMORPG。東西のファンタジー要素を織り交ぜた世界観で、ウォーリア、プリースト、アサシン、メイジ、アーチャーの5つの職業からいずれかを選択し、仲間と共にレイドや共闘、PvPといった様々なダンジョンに挑戦していく。台湾のMMOらしく、次のクエストまで自動で移動したり、ワンクリックで目的地まで行けたりなど、面倒くさい要素を極力排除したシステムが特徴となっている。
PC版をプレイしていたユーザーにとってもっとも気になるのは、前作「Weapons of Mythology」との関連性だろう。この点については、今作でも引き続きプロデューサーを務める君塚靖征氏によれば、前作からのアカウントデータの引き継ぎは、先述したようにデータベース構造がすべて変わってしまったため「不可能」ということで、全ユーザーが新規キャラクターで一からやり直しとなる。
その一方で、「Weapons of Mythology」の元ユーザーを優遇したいという気持ちはあるということで、元ユーザーに対して「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」で使用できるアイテムコード等を配る計画を現在検討しているようだ。
ストーリーやクエスト、クラスやジョブなど基本システムは、前作「Weapons of Mythology」を受け継ぎ、ゲームパッド前提に開発された新UIで、手軽にMMORPGを楽しむことができる。今回新たにゲームパッド完全対応に加え、レリック装備の追加・調整、ペットシステムの拡充・調整、そして情報表示の改良、ゲームの全体的なバランス調整など、随所にデータの拡充とコンテンツの調整が入っている。
とりわけ前作との大きな進化点となるのがゲームパッドへの完全対応だ。「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」では、スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア」がPS3版の開発に合わせて導入した“クロスホットバー”に似たUIを採用し、左右の十字キーにアクションを登録し、L2、R2ボタンを使って16個のスキルが使えるというシステムを導入している。
個々のアクションパレットにはクールダウンタイムもカウントダウン表示され、画面上部に表示される敵のHPの下には、デバフが表示され、左側のパーティメンバーのHPバーにはバフが表示されるなど、非常によく似ている。開発元のGamemagでは、「新生FFXIV」のクロスホットバーは、コンソール向けMMORPGのUIのデファクトスタンダードと捉えており、無理に新しいシステムを構築するよりは、多くのユーザーに支持されているシステムを取り入れることにしたという。
発表会では、5対5でチームバトルを繰り広げる「PvPダンジョン」のデモが行なわれた。このデモで驚かされたのは、PC、PS4、Xbox Oneの3プラットフォームが同じサーバー、同じダンジョンで対戦プレイしていたことだ。もっとも、現状ではこの3つのプラットフォームを同時展開する地域はまだ決まっていないということで、3プラットフォーム同時プレイはこのデモのみに終わる可能性もある。
「PvPダンジョン」のユニークなポイントは、まるでオンラインFPSやMOBAのチーム戦のように、戦況がリアルタイムで更新されるため、どちらがどのくらいの差で勝っているのかが瞬時に把握できるところだ。
プロデューサーのSamuel Huang氏によれば、いまのゲームファンは、モバイル環境でゲームを遊ぶことに慣れており、パーティーを集めるのに待ったりすることに慣れていないという。このため、短時間ですぐ集まってすぐ遊べるように、e-Sports的な競技性を随所に取り入れ、対戦したり、共闘したりなど、e-Sports的な楽しみ方を取り入れているという。
実際、巨大なレイドボスとのバトルでも、与えたダメージ値の総量で、ランキング表示され、撃破時のランキングによって獲得できる報酬が変わるシステムが導入されている。デモでも、バトル中も目まぐるしく順位が入れ替わり、プレイしているユーザーが、自分のランクを気にしながら、レイドボスに最高効率でダメージを与えることに専念する様子を確認することができた。
そもそも参加メンバー全員がダメージディーラーな時点で、MMORPGとしてかなり特異だが、実にe-Sports的であり、台湾らしいコンテンツの作り方だと思う。
さて、「Weapons of Mythology ~NEW AGE~」は、ライオンズフィルムとの共同プロジェクトということで、日本が最初のローンチ先となる。日本では3月25日にPS4版、そこから半年程度後にPC版をリリース予定。3月上旬よりPS4版の先行登録を開始し、登録してくれたユーザーには特典を提供する。βテストは実施せず、いきなり正式サービス開始となる。初期導入のハードルを可能な限り下げるため、ライオンズフィルム側のユーザー登録は不要で、PlayStation Networkアカウントでそのままログインを可能にするという。
日本向けを強く意識した新要素として、宇早紀ちゃんという名のチュートリアルキャラクターを追加し、チュートリアル後もプレーヤーの冒険を陰に陽に手助けしてくれるという。ボイスは有名声優を起用予定で、2月中にストリーミング放送等を通じて情報公開をしていくとしている。LINEスタンプも公開予定だ。
ちなみに日本での契約はPS4とPCのみで、Xbox One版は対象外。Xbox One版はすでに中国での展開が決定しているという。プロデューサーの君塚氏は、「PS4に最適化されていますので、ゲームパッドだけで手軽に楽しめます。まずはプレイしてみてください」と抱負を語ってくれた。「Weapons of Mythology」ファン、MMORPGファンは1度試してみてはいかがだろうか。