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東北大学川島教授らの研究グループ、長時間のゲームプレイが子供に及ぼす悪影響を発表

1月5日発表

 東北大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門は、長時間のゲームプレイが、小児の脳の発達や言語性知能に悪影響を及ぼす可能性があることを発表した。

 今回発表された研究結果は、「脳トレ」の監修者として知られる川島隆太教授と竹内光准教授が所属する同部門の研究グループによってまとめられ、米国精神医学雑誌Molecular Psychiatryに採択されたもの。

 研究では、まず、5歳から18歳(平均11歳)までの健康な小児を対象に、知能検査とMRI撮像を実施し、3年後に再びに同様の検査を実施。次に解析に必要なデータが揃っている283名の行動データ、240名分の脳画像データを解析し、平日にゲームをプレイする平均時間が、3年後に検査結果にどのような影響を与えているかを解析した。

 この結果、長時間のゲームプレイ習慣は、言語性知能と関連し、3年後の言語性知能の低下に繋がっていたとしている。言語知能、動作性知能、総知能のいずれもが、左海馬、左尾状核、左前島、左視床、周辺の領域の水の拡散性と負相関していたと結論づけている。

 研究グループでは、今回の結果により、小児の長時間のゲームプレイで、脳の高次認知機能に関わる領域が影響を受け、長時間のゲームプレイによる言語知能の低下と関連することが示唆されたとしている。

(中村聖司)