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【年末特別企画】2015年“コスパに優れた”有料ゲームアプリ特選!

お値段以上の面白さ。編集部が勧める良コスパタイトル7本を紹介

ほぼ固定化されているセールス上位のアプリたち。だが今年は買い切りタイトルも面白かった!

 弊誌連載の1コーナー「スマホアプリ今日の1本」では、今年も多種多様なモバイル用ゲームアプリを紹介してきた。

 ストアの状況はといえば、Free to Playのアイテム課金制モデルを採用したタイトルがやはり主流で、「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」、また「LINE:ディズニー ツムツム」や「グランブルーファンタジー」などのセールス上位を占める基本無料タイトルが業界を牽引するという風景は今後も続くことになりそうだ。

 しかし今年は一方で、小規模ながら「1つの作品として見せる」ゲームを有料で配信する、というタイトルにスポットが当たる機会も増えてきたように思える。これらのタイトルはいわゆる「買い切りモデル」で、ダウンロード時に金額を支払う代わりに、例外を除いてほとんどのタイトルで追加課金が発生しない。

 買い切りモデルのタイトルは以前からあるが、今年は特にクオリティ面で「これは」と思えるものが多くあった。そこで今回はあえて有料ゲームアプリに的を絞り、「“コスパに優れた”有料ゲームアプリ特選」として、優秀作をご紹介したい。

 基本無料タイトルに比べるとダウンロードのハードルが上がりがちな買い切りアプリだが、中には「これはコストパフォーマンス(コスパ)に優れている! 値段以上の価値があるので買い!」というものも確かに存在する。いずれもモバイル担当の記者が実際にプレイしてオススメしているので、今後のゲーム選びの参考にしていただければ幸いだ。なお掲載されているアプリの価格は、原稿掲載時点でのものとなっている。

「Lara Croft GO」(スクウェア・エニックス)


プラットフォーム:Android/iOS
価格:600円(税込)

 アクションAVG「トゥームレイダー」のスマホアプリ版。これまでのシリーズとは異なり、ターン制のパズルアクションになっている。ヘビやトカゲなどを倒したり、落とし穴やノコギリを避けながら、古代遺跡の最奥部を目指す。シンプルな操作性とパズル性の高いステージが、ユーザーから高い評価を得た。The Game Awards 2015の「Best Mobile/Handheld Game」受賞作品。

 スマホで「トゥームレイダー」をどう再現するのかと思いきや、想像していた以上にクオリティは高い。アクションAVGからターン制パズルというゲームシステムの変更に戸惑いがある人もいるかもしれないが、「トゥームレイダー」とパズルが見事にマッチしている。まるで「トゥームレイダー」シリーズが、最初からパズルゲームであったかのような仕上がりではないか。シリーズを知らずとも、純粋なパズルアクションとして楽しめる点も評価したい。

 そして何より秀逸なのは、考え込まれたステージ群だ。収録しているステージの数は、全6チャプターで101つ。本作の価格が600円なのだから、単純に考えると1ステージにつき5円95銭ほどである。「トゥームレイダー」らしさを感じさせるだけでなく、1つ1つのステージが良くできている。この値段にしてこのクオリティ、プレイしない手はないだろう。

【プロモーションムービー】

【スマホアプリ今日の1本】「Lara Croft GO」2015年のベストタイトルに選出

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20151214_735201.html

「dreeps」(夜間飛行)


プラットフォーム:iOS
価格:360円(税込)

 穏やかなチップチューンのBGM、懐かしさも感じさせるドット絵のグラフィックス。プレーヤーは名も無き少年ロボットを起こしてあげる、寝かしてあげることしかできないという異色のRPGだ。少年は起きている間は自ら冒険を続け、こちらが見ていなくともレベルを上げたり仲間を増やしたりする。

 ゲームを起動して冒険を眺めてみれば、少年の健気さに思わず癒されるし、起こす/寝かすはアラーム機能も兼ねているので、少年とともに自分も生活を送ることでさらなる感情移入が可能。その独特のゲームサイクルが実に心地よく、グラフィックス、BGM、世界観を見てピンと来るものがあれば、本作は生活の楽しみの1つになってくれるだろう。

 毎日コツコツと起床と就寝を繰り返していくことになるので、気に入れば少年とは長い付き合いになり、そう考えると360円は実に安い。個人的にもお気に入りの1作だ。

【プロモーションムービー】

公式サイト

http://dreeps.net/

【スマホアプリ今日の1本】究極の放置系育成RPG「dreeps」

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20150128_685626.html

「DownWell」(もっぴん)


プラットフォーム:iOS
価格:360円(税込)

 攻撃ができる靴「ガンブーツ」を履いた主人公を操作して地底深くまで下降していくシューティングアクション。レトロゲーム風味のBGMとグラフィックスで、気分は縦スクロール版「ロックマン」といったところか。

 プレイするたびにマップ内の敵配置やアイテムの種類が変化することで何度でも繰り返し楽しむことができ、値段分以上のコストパフォーマンスを発揮している。ほかにも、ステージクリア毎に獲得できるパワーアップアイテムの種類も変化したり、プレイの度合いに応じて自機のバリエーションも増えていくなど、長い間楽しめる要素が揃っているのがうれしい。

【プロモーションムービー】

【スマホアプリ今日の1本】落下型シューティングアクション「Downwell」

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20151104_728643.html

「Lifeline」(3 Minute Games)


プラットフォーム:Android/iOS
価格:122円(税込/Android)
価格:120円(税込/iOS)

 未知の惑星に墜落してしまった宇宙船の生き残り・タイラーと通信し、彼に生きるための道(ライフライン)を示す、ノベル形式のサバイバルAVG。グラフィックスを完全に排除し、メッセージだけで物語を進めていくゲームスタイルは、いやが応にもプレーヤーの想像力を駆り立てる。ゲームはリアルタイムに進行し、タイラーが移動しているときや寝ているときは通信が途切れるのが特徴。

 ちょっとした時間に楽しめる、小説的なアプリ。ゲーム機ではなく通信機器(スマホ)を使ってプレイする点と、主人公が取り込み中のときは通信が途切れる点は、彼がまるで現実に存在するかのような不思議な感覚をプレーヤーに抱かせる。ただ読み進めていくだけの小説と違い、選択肢が豊富に用意されているので、プレーヤーも物語に参加できるうえ、何通りものストーリーが楽しめるのもポイントだ。

 また賛否のわかれるところだとは思うが、リアルタイム進行なので「やめどきを逃してずるずるとプレイしてしまい、気がついたら朝だった」ことがないのもうれしい(単に私の意思が弱いだけか?)。数多くの結末が用意されているので、何度でも楽しむことのできる本作。缶コーヒーとほとんど変わらない価格ながら、数多くの結末が用意されており、何度でも楽しむことができる。その分タイラーを助けるために長く遊べるので、今年リリースされたアプリの中でもコストパフォーマンスの高い作品と言えるだろう。

【スマホアプリ今日の1本】「Lifeline」これはデジタル版ADVゲームブックだ!

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20151225_736912.html

「Tiny Dangerous Dungeon」(Jussi Simpanen)


プラットフォーム:Android/iOS
価格:無料(Android)
価格:120円(税込/iOS)

 ゲームボーイ風のカラーリングとサウンドが特徴的なパズルアクションゲーム。ダンジョン内を駆け巡って手に入れた新たなアイテムの力を使い、さらにその先のステージへと進む……という、パズルアクションではおなじみのゲーム展開が待ち受ける。

 iOS版は120円、Android版に至っては何と無料(広告あり)という安さで、ゲームボーイ時代なら2,500円レベルの作品が気軽に楽しめてしまう点で、金額を支払う価値は十分ある。また、キャラクターの動きが軽快でステージ構成にも冗長さがなく、ゲーム性の部分でも大いに評価できる作品だ。

【プロモーションムービー】

【スマホアプリ今日の1本】ピコピコ世代直撃! 「Tiny Dangerous Dungeons」

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20150415_697789.html

「Shadowmatic」(Triada Studio)


プラットフォーム:iOS
価格:360円(税込)

 グニャグニャした抽象的な立体をくるくる回して、その「影」から答えを導き出すパズルゲーム。浮かんでいる立体は謎めいており、立体を反映した影もやはり謎なのだが、ある角度にすることで影は「ティーポット」や「ウサギ」といった具体的な像を映し出す。

 エリアごとには「動物」や「おもちゃ」といったテーマが決まっていて、そのテーマの中で「一体何の影が浮かび上がるのか」を想像しながらプレイしていくこととなるのだが、最初意味不明だった影が突如として具体的になり、影と立体に意味が生まれる瞬間が不思議と心地良い。視覚に訴える変わったパズルだが、その根底にはアーティスティックな知性も感じさせる。

 開発元のTriada Studioはもともとグラフィックスとアニメーションの開発スタジオで、20年以上培ってきたというグラフィックス技術とゲームに応用させたものが本作である。それ故にビジュアルと雰囲気作りが上手く、Triada Studioの最先端の技術も含めて堪能できるので完成度は高い。感性が合えば、360円というお金を出しても決して損はしないタイトルだ。

【プロモーションムービー】

【スマホアプリ今日の1本】影絵を使った抽象オブジェの3Dパズル「Shadowmatic」

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20150122_684869.html

「Please Don't Touch Anything」(Bulkypix)


プラットフォーム:Android/iOS
価格:664円(税込/Android)
価格:600円(税込/iOS)

 目の前にある大きな赤いボタンのついた機械。「触るな」とだけ言われ、そこに放置されるプレーヤー。それだけのゲームだが、プレーヤーの想像力と行動力次第で、ゲームは様々な展開を見せていく。

 難解な謎解きが好きなプレーヤーにはたまらないであろうハイクオリティの仕掛けが至るところに設置されており、謎を解くたびに新たな謎に出会える、いわば謎解きの玉手箱的なゲームと言える。

 その量は、ノーヒントの場合、とてもではないが1日や2日ではやり尽くせないほど。様々なアイディアが満載だし、この値段でそれだけのボリュームの内容を遊ぶことができれば、まず満足することができるだろう。下手をすれば一生かけて遊べるかもしれない、というほどの優秀作だ。

【プロモーションムービー】

【スマホアプリ今日の1本】「Please, Don't Touch Anything」 1画面に収めた謎解き

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20151110_729635.html

(安田俊亮/平平平平/泊 裕一郎)