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【スマホアプリ今日の1本】究極の放置系育成RPG「dreeps」

ドット絵による暖かみのあるビジュアルが魅力。放置しても眺めても楽しい異色作

1月21日 配信

価格:300円(税込)

少年は女性研究員に導かれ冒険の旅へ。動く写真としても作業用BGMとしても優れた1作

 ドット絵と8ビット風のチップチューンが流れる世界を、1人の少年が冒険している。プレーヤーは冒険にほとんど介在することなく、アラームをセットすることで少年を眠りにつかせ、体力を回復させることだけができる。少年の世界の住人は何かを喋ることはあるが、何を言っているかはプレーヤーにはわからない。少年の目的が何か、どういう世界なのかもわからないまま、少年の冒険が徐々に進行していく。

 「アラームプレイングゲーム」と名付けられたiOS「dreeps」は、アラームをセットするだけで進行するという異色のRPGだ。時間経過によって体力が回復するゲームシステムは今では一般的となってきたが、本作はその究極系とも言える。開発はYAKAN HIKO。

 プレーヤーとしては、少年の冒険を眺めていてもいいし、他にすることがあるならアプリを閉じていてもいい。少年の体力が続く限りはゲームは自動で進行するので、プレーヤーの状況に合わせて好きな選択ができる。

 少年の体力が尽きれば、冒険はそこで一旦ストップする。アラームをセットし、少年を寝かせることで、体力が回復できるというわけだ。最初はアラームの音色は1つだけだが、冒険が進むと新たなアラーム音が手に入り、アラームセット時に選択できるようになる。アラーム音はいずれもチップチューンなので、8ビットサウンド好きにも興味深いものとなっている。

 またドット絵で描かれる不思議で暖かみのあるSF世界が魅力的で、ゲーム画面は起動したまま机の脇に立てかけておくことで、“動く写真”としても楽しめる。眺めていると戦闘やイベントも時折発生するので、それらを目撃するのも一興だ。

 主人公の少年はどうやらロボットのようで、研究員らしき女性によって目を覚まし、冒険にでかけているようなのだが、説明らしい説明はまったくない。詳しいストーリーなどは、すべてプレーヤー自身の想像に委ねられている。そこへ冒険途中で出会う名も無きキャラクターと戦闘したり、時には仲間になって一緒に歩いたりして、これも独特の雰囲気を醸し出している。

 価格は300円と有料だが、操作はアラームをセットするだけと誰でも簡単に始められる。自分の生活サイクルと共に少年が成長していくので忙しいことは何もないし、少年のことを忘れている間も少年は健気に経験値を稼いでレベルアップしていく。見ず知らずの、境遇もわからない少年に段々と愛着が湧くようになっているので、興味を持った方はぜひプレイしていただきたい。

【dreeps - Alarm Playing Game: Release Trailer】
【スクリーンショット】
iTunesで購入

(安田俊亮)