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【必見! エンタメ特報】「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」
泣き要素多し! 5つのエピソードで描く「妖怪と人間の絆」
(2015/12/19 00:00)
シリーズの累計出荷本数が1,000万本を超え、モバイル版新作「妖怪ウォッチ ぷにぷに」も400万ダウンロードを突破するなどいまだ人気は衰えない「妖怪ウォッチ」シリーズ。妖怪が見えるようになる「妖怪ウォッチ」を手に入れた、ごくごく普通の小学5年生「ケータ」と、数々の問題を引き起こす妖怪たちとの対決や交流を描く人気作品で、ゲームだけでなく各種グッズやオモチャ、アニメ、そして映画にも展開しているのはご存知の通り。
今回の話題は、その映画だ。昨年末に公開された映画第1弾に引き続き、12月19日より映画「妖怪ウォッチ」第2弾「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」が公開される。
映画第1弾ではニンテンドー3DS「妖怪ウォッチ2」のストーリーが組み込まれていたが、今回は2016年夏に予定されている「妖怪ウォッチ3」の発売前ということで、現時点でのオリジナルストーリーが描かれている(あるいは「妖怪ウォッチ3」の布石という可能性はある)。
脚本にはレベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏ががっつり関わっており、日野氏の構想を元にストーリーを組み立てていったという本作は、5つの短編から構成され、すべての話のキーポイントに新キャラクター「エンマ大王」が関わっているという作りだ。
テレビシリーズでは世間に物議を醸すほどの行き過ぎギャグ路線が絶賛継続中であるが、同路線でギャグたっぷりかと思いきや、まさかの泣かせ展開が多く散りばめられているという不思議な映画に仕上がっていた。
エミちゃん登場はずるい! 「ジバ泣き」もできる映画第2弾
5つの物語のうち、中でも興味深かったのはエピソード1「妖怪になったケータ」とエピソード2「ジバニャンの華麗なる作戦」の2つ。「妖怪になったケータ」は、ケータが自身の不注意で死んでしまい、「妖怪としての日々」を過ごすというもの。普段から「普通」であることをギャグにされているが、妖怪になった姿は人に取り憑くと誰でも「普通」にしてしまう「フウ2」(読み方はフーツー)というもの。このフウ2の姿で、優等生の少年「ユウト」と出会うことになる。
それまで頑張って優等生の立場を守ってきたユウトが、フウ2によって強制的に「普通」にされたことで押し殺してきた悩みが露見する……というストーリー。次第に明かされるユウトの親の、ユウトに対する眼差しがまあ泣かせるのだが、普段は取り憑かれる立場のケータが妖怪になってしまい、慌てる姿はコミカルだし新鮮である。
ちなみに死者がどんな妖怪になるかを決定する「妖怪市役所」の職員は、先日逝去した水木しげる氏風のキャラクターデザインになっており、新旧妖怪アニメの融合のようになっていたのが印象的だった。
続く「ジバニャンの華麗なる作戦」は、はっきり言って「ずるい」(笑)。「妖怪ウォッチ」の中でも屈指の泣かせエピソードを持つアカマル(ジバニャンの生前の名前)とその飼い主「エミちゃん」の組み合わせを再度持ってきており、これが泣けないはずがない。
内容は8年後の未来に飛ばされたジバニャンとブシニャン、ロボニャンF型が、服飾デザイナーの卵として奮起しているエミちゃんに出会うというもの。ジバニャンたちの姿はエミちゃんには見えないが、デザイナーとしてデビューさせるためにジバニャンたちは影から手伝うことを決意する……。
それらの「手伝い」は当然上手く行かないのだが、騒動を経て邂逅するジバニャンとエミちゃんがまあ泣ける(2回目)。「妖怪ウォッチ2」をプレイするか、テレビシリーズ第25話を見ておくと感涙量がアップするので、「ジバ泣き」したい人はぜひどうぞ。
こうした感じでエピソードが進んでいき、最後にはエンマ大王が中心になったストーリーが待っている。それぞれが独立したエピソードながら、すべてが最終エピソードのための布石になっており、すべてに共通するテーマは「妖怪と人間の絆」だ。
「妖怪は、人間が死んで変化した姿であり、その妖怪が転生すると人間になる」といった主旨のエンマ大王のセリフは、「妖怪ウォッチ」における「妖怪」の捉え方を表わした言葉だ。妖怪は常に人間と表裏一体の存在であり、人間が不完全であるかぎり傍らに現われ続ける。元が同じ、隣り合わせの関係として、これからも人間と妖怪との交流は続くだろう。
ゲーム関連で注目しておきたいのは、最終エピソードの舞台が妖魔界の「ワイハーリゾート」という場所だったこと。「妖怪ウォッチ3」の舞台は「USA」であることが明かされており、ハワイが元ネタのこの場所も何らかの関連があるかも知れない。まだまだ情報は限られているが、この映画とともに、「妖怪ウォッチ3」の今後の情報公開も期待しておきたい。