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日本と米国でのモバイル広告の違いについてインモビ ジャパンが語る
日本企業がワールドワイドで戦うためには……?
(2015/11/16 17:00)
インドで創業し、現在シンガポールに本社を持つワールドワイドで展開する独立系モバイル広告ネットワークのInMobi(インモビ ジャパン)は10月に日本のスマートフォンアプリやゲームメーカーなどを対象としたイベント「inDecode Tokyo 2015」を開催した。
基本的にイベントは業界関係者に向け、スマートフォンアプリを海外で展開する上でのトレンドや広告収益についての解説が行なわれた。広告というと、正直ユーザーの皆さんはいい印象を持たない方も多いと思うが、ゲームの中でどのように取り込まれているのかは興味がある人もあるだろう。
今回、このイベント「inDecode Tokyo 2015」に合わせて来日した北米を担当するLead Business Developmentを務めるKelly McGrath氏に、広告をはじめ北米でのアプリのトレンドを伺ったのでその一端をお伝えしたい。
北米市場でもスマートフォンは大きな市場を築き上げており、すでにレッドオーシャン化し、日本市場から乗り込んで行くことは勝算がないようにも思えるが、Kelly McGrath氏によれば「厳しいながらも、データを見るとそうとも言い切れない」という。
その理由の1つが、多言語化だという。北米市場は日本から見れば英語圏だが、実際にはスペイン語を始め中国語、韓国語など様々な言語が使用されており、英語が得意ではない人も多い。ゲームで言えば、多言語化されているタイトルは実に13パーセントしかないという。多言語化することでまだまだ開拓できる市場はあるという。
さらにゲームに関して言えば、ヒットジャンルは日本と変わらないという。パズルやアクションが強く、カジュアルゲームの人気がやはり強い。さらに細かくデータを拾っていくと、1回のセッションが短いカジュアルゲームがアプリストアの上位になっているという。1回のプレイが短いゲームは広告を表示させるタイミングも多いため、広告での収益も見込めるという。一方で長く遊ぶゲームは、広告よりアイテム課金などで収益を上げる方が向いていると分析しているという。
日本と北米市場における大きな違いの1つは、日本のガチャに相当する課金方法が米国では通用しない点がある。ガチャによる収益構造を持つゲームが多い日本から、そのまま北米市場に持って行くことは難しいのではないかと、Kelly McGrath氏に質問したところ、北米と日本でのアプリの歴史の違いから解説してくれた。
北米では99セントアプリがヒットし、そこから無料アプリが増え広告で収益を出すモデルが中心となった。一方で日本では、きちんとしたコンテンツにはきちんとお金を出す意識の高いユーザーが多く、このことからアイテム課金が根付いていった。
では現在はどうなのかというと、米国では広告での収益が頭打ちになりつつあるという。こういった傾向は世界的に見られるため、今後はアイテム課金と広告モデルのハイブリッド化が進むのではないかと分析しているという。こういった流れもまた日本企業が世界に打って出る好機と指摘する。
同社はユーザーに対しては広告のインタラクティブかでより親しみやすくする一方で、アプリ開発者には「アプリがどのようにダウンロードされているのか。どの時間帯にユーザーがアプリを起動し、ゲームをプレイしているか。データからきちんと理解する必要がある。どこにセグメントしてターゲット化していくかが重要」とアドバイスし、InMobiではワールドワイドでビッグデータを活用することが出来、これらのデータを活用することでより高い収益を得ることができるとアピールした。