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今年最後の玩具商談会「年末受注会 in Kawada」開催
バネ専門メーカーの参入などユニークエピソード目白押し
(2015/10/14 15:37)
「ナノブロック」や「ダイヤブロック」などを展開するカワダは、玩具流通・販売業者向けの展示会「年末受注会 in Kawada」を10月14日より開催した。
玩具業界向けの新製品の展示会は、5~6月に開催される「東京おもちゃショー」、9月に開催される「クリスマスおもちゃ見本市」などがある。「年末受注会 in Kawada」は2つのイベントに比べると小規模で、バンダイやタカラトミーといった大手メーカーのブースは年末向けの商品に重点に置きコンパクトに展示していた。展示商品も「クリスマスおもちゃ見本市」とラインナップは変わらない。
しかし、「年末受注会 in Kawada」は、「クリスマスおもちゃ見本市」には出展しなかった小規模メーカーも多数出展しており、より細かく様々なメーカーの商品をチェックできる。流通・販売業者にとっては、「今年最後の展示会で、もう1度年末向け商品を確認する」という意味合いもあるという。弊誌でもこれまでの展示会ではあまり取り上げなかったメーカーを取り上げて紹介したい。
今回の展示会を主催したカワダは、ナノブロックプラスの新製品として「恐竜シリーズ」を展開する。ティラノサウルスやステゴサウルスなどの恐竜をブロックで再現するだけでなく、組み替えでロボット形態や、戦闘機形態に変形できるところがウリだ。さらに合体遊びも楽しめるという。
世界最小級ブロック、ナノブロックは様々なモチーフをブロックで表現し多くのファンを獲得している。動物や楽器などに加え、東京タワーなどのランドマーク、最近は骨格モデルなども展開している。「ストリートファイター」シリーズのキャラクターや。「ポケットモンス ター」シリーズのキャラクターや「リラックマ」関連、鉄道模型のNゲージ規格の「ナノゲージ」など、今後も様々なモチーフに挑戦していくという。
パズル系はユニークな商品が多く、金属の板を折り曲げて「ガンダム」のモビルスーツなどを作るテンヨーの「メタリックナノパズル」は、「シャア専用ザク」に加え「アイアンマン」を新たに展開する。やのまんは「ツムツム」をモチーフとした積み上げるパズルが好評であり、年末は「スター・ウォーズ」関連商品として、球体に組めるジグソーパズルの新製品でデス・スターなどを販売する。
ビバリーはクリスタルパーツで「ガンダム」の胸像パズルを販売する。アムロとセイラのミニフィギュアが付属しているところがファンの心をくすぐる。また、枯山水をモチーフとした「枯山水ジグソーパズル」は、フェルトの“芝生シート”と、自然石がセットで入っており、配置を工夫して自分だけの枯山水の世界を楽しめる。
他にもショウワノートが本格的な玩具として段ボールで作る“具足”を販売しているのが面白かった。小柄の女性も着ることができ、子供の他、昨今の若い女性の「歴史ファン」もターゲットにしているとのことだ。
また、海外の“凧”を輸入販売しているハイライフは、最近は凧に小型カメラをつけて飛ばすのが流行っているとのことだ。他にもキューブは保冷剤とLEDライトを組み合わせ、ウィスキーの氷代わりに使う「ライトキューブ セブン」という商品が好評だ。氷と違い、酒を薄めずに冷やせるところがいい。
今回の取材で最も興味深かったのが五光発條というメーカーのブロック玩具「スプリンク」。発條とは、バネやゼンマイの意味で、五光発條は工業用スプリングを扱うメーカーだが、小さなバネをつなげるスプリングのブロック玩具「スプリンク」を2年前から展開している。
秘密はバネ同士をつなげるジョイントにある。バネ同士をしっかりつなぎ、限界までバネを伸ばすと外れる。取り外しが容易でありながらしっかりと接続できるのは極めて高い精度でバネを作れるメーカーだからこそだという。
展示会の楽しさは、様々なメーカーのこだわりや、小さな市場でのヒットなど意外な話が聞けるところだ。様々なメーカーが独自商品を打ち出し、ユーザーの心をつかもうと努力している。今後もこういった各メーカーの活動は注目していきたい。