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【PS Plusフリープレイレビュー】今月のイチオシは「TESLAGRAD」
何度もミスしちゃう……でも楽しい! 磁力を使って突き進むパズルアクション
(2015/10/10 00:00)
PS Vita、プレイステーション 3、プレイステーション 4を対象とした定額制サービス「PlayStation Plus」。オンラインストレージをはじめ、先行配信体験やフリープレイなどといったお得感のある特典が用意されており、利用しているユーザーも少なくないことだろう。
当コーナーでは、そのサービスの中でもPS4の「PlayStation Plus」にて提供されている無料配信タイトルにスポットを当て、紹介していく。今回は筆者が思わずムキになって一気にクリアしてしまった磁力パズルアクション「TESLAGRAD」(配信:スクウェア・エニックス)のレビューをお届けする。
なお今月の「PS Plus Challenge!」の10月末より開催となっているため、本稿では扱わない。
パズルの要素とアクションの要素、どちらも色濃く出ているゲーム
本作は磁気の力を操作して様々な仕掛けをクリアし、塔に隠された秘密を暴いていくパズルアクションゲームだ。塔の内部はいくつもの小部屋で仕切られていて、そのほとんどは磁力を使った仕掛けが用意されている。それらをクリアして先に進み、新たな部屋でまた別の仕掛けに挑む……というのが基本的なゲームの流れとなる。途中、ボスキャラクターのような相手が登場する部屋もあるが、それすらも何らかの仕掛けの謎を解かないと倒せないなど、アクションの中に一貫してパズル性が備わっているのが特徴だ。
ときおり主人公が装備可能なアイテムを入手できる部屋があり、それを獲得すると主人公のアクションが増加する。これは単純なパワーアップではなく新たな仕掛けを解くためのカギとなっていて、できることが多くなる反面、操作も複雑になっていく。そのため、新たなアイテムを入手したらどのような動きをするのかを、確実に把握しておくことが不可欠となる。
本作の主人公は敵やトラップに触れるとその時点でミスとなり、部屋の入口、あるいはリスタートポイントからの再スタートとなる。ただし残機に制限はなく、スコアの類もないので、心ゆくまでチャレンジし続けることが可能だ。むしろ、本作の仕掛けは初プレイでクリアすることは難しいタイプのものが多いので、このようにミスが気にならないシステムとなっているのだろう。
磁力を再現したギミックにイライラ! しかしその先にはめくるめく快感が!?
いくらミスしても大丈夫な本作ではあるが、プレイを続ける上で最大の障害になるのは「磁力の動き」が招くイライラ感だ。磁石を扱ったことがあるならわかるだろうが、磁石が反発する、または引き合うあの動きが、本作にはかなり忠実に盛り込まれている。これにより、主人公がちょっとした操作の手違いでいきなり弾け飛んだり、思いがけないところにくっついたりなどして、結果、ミスを招くのだ。
しかも、磁力を操作するボタンについては最終的に4つに増え、さらにジャンプや特殊アクションといったボタンも含めれば、もうこれはいつ押し間違えてもおかしくない。解法はわかっていても、思い描いた通りに動けずやり直しとなるケースは少なくなく、そのことでもストレスはより高まっていく。
だがこれは、製作者側が狙ってストレスを感じさせているのだろう。なぜなら、苦労したぶんだけ、そのシーンをクリアしたときの快感がすさまじいものとなるからだ。あえて「下げてから上げる」手法を見せてゲームへのモチベーションを引き出しているのだが……これが実に上手く成功している。
事実として言えるのは、筆者が紹介のために3時間程度遊ぶつもりだったものが、このイライラと快感の落差が大きく気持ちよすぎた結果として、気づけば10時間かけてクリアまでプレイしてしまった、ということだ。クリアできないまま途中でやめるのが嫌だったという理由から、ついムキになってしまった。
総評としては、根気あるゲーマーにこそぜひともオススメしたいゲーム、といったところだろうか。本当はもう少しお伝えしたい要素も実はあるのだが、これからプレイする人に大いに気持ちよくなってもらうためにも、あえて具体的な記述は差し控えたい。ちなみに、本作は実況配信OKのタイトルだ。その際には、何の知識も持たずにプレイすることを強くオススメしたい……。いずれにしても、PS Plusに加入しているのであれば、触れておいて損はないタイトルと言えそうだ。