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HORIがPCゲーミングデバイスの新ブランド「EDGE」を立ち上げ

キースイッチなど高品質・高耐久パーツを独自開発。11月6日に5製品発売

11月6日 発売予定

価格:
EDGE 101 8,618円(税込)
EDGE 201 23,544円(税込)
EDGE 301 3,758円(税込)
EDGE 401 1,922円(税込)
EDGE 402 2,354円(税込)

 家庭用ゲーム機向けの周辺機器を製造・販売するホリ(HORI)は、新たにPC向けゲーミングデバイスのブランド「EDGE」を立ち上げることを発表した。同ブランドでは11月6日より、マウス、キーボード、ゲームパッド、マウスパッド2種の計5製品を発売する。

 ブランド立ち上げに先駆けて開かれた説明会には、営業部課長で「EDGE」シリーズのリーダーを務める杉原史浩氏、商品開発総指揮を務める商品開発部課長代理の小西良典氏、ゲームパッドとマウスパッドを担当する商品開発部主任の太田昌孝氏が来場。製品の詳しい説明が行なわれた。

 最初に杉原氏が、「弊社は30年以上にわたり、家庭用ゲーム機にデバイスを提供してきた。『EDGE』ではPCゲーミングユーザーの要望に応えてグローバルに展開する。高品質な製品を全社一丸となって開発した」と新たなブランド発足について説明。また「EDGE」のブランドコンセプトとして、「日本刀のような武器を世界に向けて切り出す」と語った。

 続いて小西氏と太田氏より、製品説明が行なわれた。商品名は、マウスが「EDGE 101(EGJ-101)」、キーボードが「EDGE 201(EGJ-201)」、ゲームパッドが「EDGE 301(EGJ-301BK)」、ソフトタイプマウスパッドが「EDGE 401(EGJ-401)」、ハードタイプマウスパッドが「EDGE 402(EGJ-402)」となっている。1xxはマウス、2xxはキーボード……といった具合に、型番を見れば製品ジャンルがわかるようにナンバリングされている。

 説明会の会場には試作機も置かれており、実際に試すことができた。担当者の説明に筆者の感触も含めながら製品を紹介していきたい。なお試作品は実際の製品とは一部変更される部分もあるのでご了承いただきたい。

オプティカルゲーミングマウス「EDGE 101」

「EDGE 101」

 「EDGE 101」は、左右対称型で光学センサー式のUSBゲーミングマウス。希望小売価格は8,618円。

 特徴は、左右およびセンターホイール部分に自社開発したマイクロスイッチを採用していること。「他社の多くはオムロン製マイクロスイッチを使っているが、このスイッチはゲーム専用に作られているわけではない。もっとゲーム向けに改善できると考えて自社開発した」という。オンストロークは一般的な製品が0.3mmなのに対し、「EDGE 101」のセンサーは0.18mmまで短くし、高速入力を可能にしたほか、高耐久性も求めている。

 またソールは一般的なテフロンソールではなく、ステンレスにテフロン潤滑メッキを施したメタルソールを採用している。テフロン潤滑メッキは、ギアなどで油を使えない部分に使う技術で、テフロンソールに比べて高い耐久性を得ながら、高い潤滑性も得られるとしている。

 光学センサーはPixArts製「SDNS-3988」を採用。リフトオフディスタンスは5段階に設定できる。DPI感度は50~6,400DPIで50DPI刻みに、ポーリングレートは125/250/500/1,000Hzで設定が可能。トラッキング速度は200IPS、最大加速度は50G、データ転送フォーマットは12bitとなっている。

 ボタンは左右とセンターホイール、左右にそれぞれ3つのサイドボタンを搭載。DPI変更とプロファイル変更のボタンも用意されている。なおボタンはソフトウェアで無効化できるので、右利きの人は右サイドのボタンを無効化するなどして誤動作防止もできる。設定用ソフトウェアはまだ開発中で今回は見られなかったが、「現在市販されているゲーミングマウスの機能はほぼ網羅している」という。マウス本体にメモリも搭載している。

 USBケーブルは編み込みで耐久性を高めたもの。また本体からケーブルが出る向きが斜め上方になっており、接地による摩耗を防いでいる。表面はラバーコーティングのような手触りだが、使用しているうちに加水分解してベタベタしてしまうことのない特殊コーティングを施している。

 本体底面には錘の取り付けも可能。錘は平らな板状で、マウス全体に均等なバランスになるよう配慮されている。本体重量は130g(ケーブルを除く)で、錘は25g。本体サイズは68×125×40mm。ケーブル長は1.8m。

 同社として最初の製品ということで、左右対称型でサイズも標準的というオーソドックスなスタイルにまとめられている。ただ独自開発のセンサーやメタルソールなど、他にはない特徴も備えた製品と言える。

サイドボタンは左右に3つずつ。ケーブルが斜め上に出ているのが面白い
ソールは高耐久性の金属製。テフロン潤滑メッキにより滑りもいい
平らな金属製の錘も取り付けられる

【製品イメージ】

メカニカルゲーミングキーボード「EDGE 201」

「EDGE 201」

 「EDGE 201」は、薄型筐体の109キー日本語配列USBゲーミングキーボード。希望小売価格は23,544円。

 特徴は3年近くかけて独自開発したというメカニカルキースイッチ。一般的なキースイッチのオンストロークが2mmなのに対し、「EDGE 201」は1.5mmとなっており、入力の高速性を高めている。キー荷重は55±20gとやや重めの設定。高速な入力のために適度な反発力が必要なためだとしている。キーの感触は、底打ちまで荷重の変化がほぼないリニアなタイプ。

 キースイッチの耐久性は7,500万回以上で、Nキーロールオーバー(109キー同時押し)に対応している。またゲーミングモードに切り替えが可能で、半角/全角、CAPSLOCK、Windowsキーが効かないように設定できる(ソフトウェアで変更可能)。

 筐体はアルミ製で、薄さと剛性を両立。「省スペースで薄いものがメカニカルキーボードでも欲しい」という要望に応えたという。表面はアルマイト処理、左右はダイヤモンドカットが施され、所有感、満足感も満たす。

 またキートップも薄型のものを独自開発し、一般的なキートップより50%軽量化。薄型のキートップは筐体から浮いたような形状で、簡単に取り外しが可能。筐体の掃除も比較的容易にできる。形状も他社製のキートップと互換があり、自分で付け替えることも可能だとしている。

 青色のキーボードバックライトも搭載。マクロ機能やメディア機能も備えており、専用ソフトウェアで設定変更できる。ポーリングレートは125/250/500/1,000Hz。本体サイズは440×190×22mm、重量は950g(ケーブル除く)。ケーブル長は1.8m。プラスチック製で取り外しが可能なハンドレストも付属する。

 薄い筐体ながら低重心で安定しており、キートップは薄い割にタッチも垂直で快適。ゲーミングキーボードとしてもかなり高価な部類に入るが、それだけのこだわりが感じられる製品に仕上がっている。

薄さが際立つデザイン。アルミの筐体をダイヤモンドカットしてあり高級感もある
キートップは簡単に外せる
独自開発したというメカニカルキースイッチ(上の「EDGE 101」は関係ありません)

【製品イメージ】

ワイヤードゲーミングパッド「EDGE 301」

「EDGE 301」
L2/R2はボタンタイプで押しこみが軽い

 「EDGE 301」は有線タイプの13ボタン式USBゲーミングパッド。希望小売価格は3,758円。

 2本のアナログスティックを搭載したオーソドックスなスタイル。長年ゲームパッドを開発してきたノウハウを活かし、アナログスティックと十字ボタン、メインボタンに高耐久パーツを採用した。「PC用ゲーミングパッドは何台も購入したという声が多く、耐久性に対する不満が多い。『EDGE 301』のメインボタンは250万回以上の耐久試験をクリアしているが、実力的には400万回までは耐えられる」と、高耐久性を追求している。

 LT/RTボタンはトリガーではなくボタンタイプで、軽く入力できる。現在一般的なゲーミングパッドのLT/RTボタンは、プレイステーション 3やXbox 360の登場以降、アナログ式でストロークが深いものになった。そのためボタンを押しっぱなしにする際にそれなりの力をかけ続けなければならず、ストレスを感じるものも多い。「EDGE 301」ではボタン式でありながらも、アナログにもデジタルにもできるとしている。また連射機能を搭載し、ボタンを押していない時にも連射したままにするホールド機能も搭載されている。

 入力はXinputに対応。十字キーと左スティックの機能をワンタッチで切り替えられるスイッチを搭載し、デジタル操作のゲームにも対応する。また振動機能も搭載。

 サイズは154×105×65mm、重量は約195g(ケーブル除く)。ケーブル長は1.8m。スタンダードな仕様で高品質を追求したものになっている。

【製品イメージ】

ゲーミングマウスパッド「EDGE 401」、「EDGE 402」

「EDGE 401」
かなり柔らかく、簡単に曲がる

 「EDGE 401」はソフトタイプ、「EDGE 402」はハードタイプのゲーミングマウスパッド。希望小売価格は「EDGE 401」が1,922円(税込)、「EDGE 402」が2,354円(税込)。

 「EDGE 401」はポリエステル製のソフトタイプマウスパッドで、340×280mmの大判サイズ。マウス感度やセンター種類を問わず、最高のパフォーマンスを発揮できるように表面加工を施したという。また縁の縫製はステッチにして耐久性を高めている。ステッチ部の盛り上がりはなく、マウスの端が当たって操作が妨げられるような感触はなかった。裏面は発泡ラバー素材で滑りにくくした。

 表面は滑りやすさと止まりやすさにこだわったとしている。表面はサラサラした手触りだが、「EDGE 101」を置いて試してみると、どちらかと言えばストッピングに優れるという感触だった。厚さが3mmで、やや柔らかめの感触になっていることも影響しているようだ。曲げに対しては非常に柔らかく、丸めての持ち運びにも問題なく対応できる。重量は約180g。

【製品イメージ】

「EDGE 402」
こちらはハードタイプなので曲がらない。裏面は発泡ラバーによる滑り止め

 「EDGE 402」は、表面にPVC、中間層にABSを採用したハードタイプのマウスパッド。約20種類の材質から、「EDGE 101」の金属ソールに相性がいいものを選んだという。同社内にて他社製品を含めて摩擦係数を測定したところ、最も低い値が出たとしており、非常に滑りのいいマウスパッドになっている。

 サイズは260×220mmと「EDGE 401」に比べるとやや小さ目で、マウスをハイセンシ(高感度設定)で使う人向けになっている。裏面は発泡ラバーで滑り止め。ハードタイプなので折り畳みはできない。厚さは3.5mm、重量は約270g。

【製品イメージ】

10月より店舗展開、予約受付。ネットカフェでの先行体験も

10月からの店舗でのディスプレイ例。発売前の製品に触れる
ヘアライン加工されたメタリックカラーのパッケージが特徴

 11月6日の発売までにもいくつかの展開が予定されている。まず10月3日から11月3日まで提携ネットカフェに「EDGE」シリーズの製品が提供され、実際にじっくりと使用できる場所が用意される。「発売前に何時間か使ってもらいたい。アンケートも取る。ハード的な改善は時間的に難しいと思うが、ソフト面での調整でよりよい製品にしていきたい」としている。

 また量販店やゲーミングデバイス取扱店にも製品展示コーナーが設けられる。実際に製品に触れられるほか、予約も受け付ける。さらに発売日の11月6日には、秋葉原の販売店で発売イベントを実施予定としている。

 今後の展開については、来年以降に新製品を用意しているという。今のところ、2016年5月にテンキーレスキーボードと、右手専用のマウス、マウスパッド、ジョイスティックの新製品と、ゲームパッドのカラーバリエーションを追加。さらに2016年8月には多機能キーボードと多機能マウスを発売すべく計画中としている。

 「EDGE」シリーズとしては、国内だけでなく海外でも展開される予定。「来年、再来年と新製品を出し、海外メーカーに追いつけ追い越せと考えている。PCゲーミングデバイスメーカーは国内にはないので、弊社が国内メーカーとして、世界のトップを目指せるよう展開していきたい」と語った。海外展開は日本国内と同時期になる予定。海外には英語キーボードを展開するが、こちらは日本での発売予定はないとしている。

 HORIは「EDGE」シリーズの開発のため、3年近く前からFPSやRTSのユーザーを対象にヒアリングを実施。そのフィードバックを受けながら開発してきたという。マウスの開発は今回が初めてだったが、「1フレーム単位のシビアなところにこだわる部分は、ジョイスティックの開発に似ている」のだそうで、これまでの開発ノウハウも活かされている。ボタンの感触や本体サイズなど多彩な意見がある中、「キーボードバックライトにフルカラーは不要」といった声もあり、細かい声も拾い上げているようだ。

 今回発表された製品は、いずれも機能的にはスタンダードだが、仕様的には細部にこだわったものになっている。特に耐久性へのこだわりが強く感じられるのは、家庭用ゲーム機向けのデバイスを長年続けてきたHORIならではの視点とノウハウが活かされている。製品保証はいずれも1年としているが、「『EDGE』のみならずHORIの製品では、部材がある限り修理対応していきたい」としている。国内メーカーだけに、他にはない安心感もある。

 各製品については、今回はお伝えできなかったソフトウェア面も含めて、レビューもお届けする予定なので改めて検証していきたい。

【EDGE GAMING DEVICE ネットカフェ先行体験会キャンペーン】

開催店舗都道府県店舗住所
アイ・カフェ AKIBAPLACE店東京都東京都千代田区外神田3-15-1 アキバプレイス7-8F
自遊空間 泉大津店大阪府大阪府泉大津市北豊中町 2-18-23
自遊空間 立川南口店東京都東京都立川市柴崎町 2-2-1 KSビル6F
自遊空間 西川口駅前店埼玉県埼玉県川口市並木 2-1-1 フェストビル5F
自遊空間 熊本十禅寺店熊本県熊本県熊本市南区十禅寺 2-8-3
自遊空間 河原町店京都府京都府京都市中京区裏寺町通蛸薬師下ル裏寺町 599番地正覚寺赤門ビル3F・4F
コミックバスター 渋谷店東京都東京都渋谷区渋谷3丁目10−14 長崎堂ビル
コミックバスター 小倉京町店福岡県福岡県北九州市小倉北区京町1丁目5−22
コミックバスター 日本橋店大阪府大阪市浪速区日本橋3-6-22 布谷ビル6F
コミックバスター 栄広小路店愛知県愛知県名古屋市中区栄2丁目4−10 セントラル 広小路 ビル 4

(「EDGE 101 OPTICAL GAMING MOUSE」、「EDGE 201 MECHANICAL GAMING KEYBOARD」の2機種が同時に設置、操作を行なう環境となる)

(石田賀津男)