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板垣氏、岡本氏、北尾氏、金子氏、濃いメンバーが集結!

アクションゲーム四天王「がちんこトークバトル」開催

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 ソフトギアは、「東京ゲームショウ 2015」同社ブースにて「アクションゲームの四天王凱旋。俺のほうがもっとオモシロいゲームをつくれる。がちんこトークバトル」を9月17日と18日に同社ブースにて開催した。ここでは18日のレポートをお届けする。

 登壇者は、ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役CTOの板垣伴信氏、同執行役員の岡本好古氏、ソフトギア取締役の北尾剛三氏、同コンテンツ開発部 副部長の金子章典氏。イベントは2部構成となっており、1部が板垣氏と岡本氏を向かえてWii U「デビルズサード」に関する話題、2部が4人でがちんこトークバトルとなっていたが、隙あらば脱線する話の流れを司会の菊池氏がなんとかまとめる格好で展開していった。

 そもそも、なぜソフトギアブースで板垣氏と岡本氏が呼ばれたのか? それはソフトギアが「デビルズサード」の制作に携わっているからだ。板垣氏は「昔は7人くらいでゲームを作っていた。『デビルズサード』はEDクレジットを見ればわかるけど、日本人が約100人、外国人が600人くらい関わっている。何が変わったか。お伝えしたいことは、昔は全部自分で作っていたんです。今は、得意な分野は得意な方。ネットワークやオンラインはソフトギアさんにお任せした」と説明する。

 サングラスに派手な柄物の上下というふたりのいでたち。ここで「似たような格好だけど、ふたりは仲良し?」といじる菊池氏に、板垣氏は「仲はいいですよ。2週間のうち5日くらいは一緒に飲むか、賭け事するか(会場笑)。なんでそんなことをやっているかというと、ギャンブルってくじ引きと勘違いしている人がいる。でもギャンブルは知性のぶつかり合いで、そこにはルールがある。ゲームって実はルールデザインですよね。それに絵、サウンド、インタラクティビティがくっついてくる。ちょっと複雑になりすぎているから、若い子にゲームを教えるとき、僕はすぐ雀荘に連れていっちゃう(笑)。まず麻雀で勝てないやつが面白いゲームを作れるわけないだろ? こういう話なんですね」と持論を展開。

 板垣氏の麻雀の腕前はつとに有名で、岡本氏も相当やり手のようだが「たまに勝ちますね(笑)、まだまだ。勝とうと思ってお酒を飲ますけど、(酒にも)強いんでさらにパワーアップしちゃう。隙がない」とのこと。酒量が限界を超えると、雀ゴロ10年で血肉になったものが発揮され「バッチ処理ってわかるかな? オートマチックに実行していくようになっちゃってるわけ」と説明。脱線は、ついに学生時代に面子が集まらないとき、場を荒らしすぎたとき「花札」に興じた話にまで発展。傷がつくと使えなくなるため周辺のコンビニにあった花札を買い集め、最終的に使えなくなった花札をマンション4Fから投げ捨て「電灯があるじゃないですか。そこに何百枚の花札を投げると、ライティングされたなかに猪鹿蝶から何からヒラヒラヒラと落ちていくわけですよ。これ美しい! こういう根源的な美とか、少し足を踏み外した経験。それがゲーム作りに凄い生きてます。私の原点ですね」と強引にまとめ、これには菊池氏も納得せざるをえない。

 「デビルズサード」の魅力をきかれた板垣氏は「博打に種目があるのと一緒。日本人プレーヤーは、自分のキャラが見えていたほうがうれしい人が多い。どちらかといえば。同じ戦争ゲームでも種目が違うのがひとつ。うちのゲームは一言でいうと戦闘級、バトルレベル。その上に戦術級、作戦級、外交と権謀術数が入っている。スポーツ系の要素もあるが“戦争”ですよ。ウォーゲーム。ウォーシューターではあるけど、戦争の全面を描いた遊べるゲーム」とコメント。戦闘、戦術、作戦、外交、それぞれ自分にあったステージが楽しめるという。岡本氏は「『デビルズサード』に板垣節をどう入れるかが僕のひとつのテーマだった。(板垣氏を)トップギアにいかにいれるかに注力していた。もうひとつは、同じことをやってもつまらないというのが物作りの根底にある。革新性を入れたいというのがもうひとつのテーマ。シングルモードに板垣節、マルチモードに革新性を入れた」と説明する。

板垣伴信氏
岡本好古氏
北尾剛三氏
金子章典氏

青木健悟氏

 第2部は、前述のとおり北尾氏と金子氏が登壇。17日の1回目は「馴れ合いが感じられた」と指摘した菊池氏は「俺はこんなオンラインゲームを考えている」と質問を設定する。

 岡本氏は「ここから5年後、10年後にはオンラインゲームという言葉自体が無くなっているかもしれない。ゲームといったら普通にオンラインでしょっていう時代がくると思う。そのとき、子供からおじいちゃんまでできる……抽象的なんだけど、そういうゲームを作りたい。今までずっとコンシューマできているので、作って終わりが多かった。アメリカのドラマみたいな感じで、お客さんと一緒にコンテンツを運営開発していければいいなと思っています」とコメント。

 北尾氏は「VRを使いたいですね。僕ずっとホラーをやってきまして、ホラーに限らないんですけど。VRはやりたいうちのひとつ。ゲームとして楽しいものになるのか、アトラクションじゃないの? といった意見もあるが、僕は完全に大きな流れだと思っている。(VRは)視覚と聴覚は外界と完全にシャットアウトされます。あれはもう場が変わっている。なんとかオンライン要素をくっつけて面白いゲームを作りたいですね」とコメント。

 板垣氏は「まずは『デビルズサード』ですよね、やっぱり。格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』、アクションゲーム『NINJA GAIDEN』を作りました。どちらもトップグループには入ったゲーム。昔セガの凄く偉い方にご指導いただいた。『お前「DEAD OR ALIVE」よくできたなぁ。実はできるとは思ってなかったんだよ。良かったなぁ。普通のやつはジャンルひとつしか作れないから、お前はずっと格闘ゲームを作ってろよ』といわれたんですよ。今思えば……素で言ってましたね(笑)。それで思うところありまして『NINJA GAIDEN』、別のジャンルに手を出した。これで2階級制覇。私は今度戦争ジャンルでトップグループを作り、3階級制覇。ここまでもっていくことが私の決意。戦争ゲームとしては処女作ですし、まだまだ足りない点もあると思います。まずはそれを仲間と一緒にやりたい」とコメント。

 金子氏は「最近はUnityやUnrealなど、ゲームを作る環境がユーザーエンドに降りてきてるんじゃないかと思っていたが、通信ゲームを考えると、まだサーバーとクライアントは難しい。オンラインが当たり前になるということは“オンラインゲームエディター”じゃないかと、ちょっと考えた。知人や弊社の優秀な企画担当もそうですが、散り散りに一部アイデアを持っていたりする。アイデアをクラウドで集めて作ってもらうという形は、ひとつあるんじゃないか。そうすると……私が勝ちなんじゃないかと(笑)」とトークライブの趣旨を踏まえたコメントで3人を煽る。

 ……が、結局トークイベントは“バトル”に発展せず。北尾氏がお祭りを例にあげ「昼間は神事をやっているのに、夜は屋台など盛り上がりが凄い。エネルギーがハンパない」と、集団が持つエネルギーについて異句同音に意見を述べ合う。岡本氏は「人の感受性に訴えかけるのに作家性は外せない。全部が全部そうではないが、二極化していく部分もあるのではないか。共存はおかしいものではない」とコメント。板垣氏は「オンラインゲームは自由度でお客さんが色々なことをやりだすが、ゲームデザイナーがケツをもってあげないと。ここまでみんな遊んでいいというところと、それをちょっと超えた部分を皆で足していけるみたいな。でも、それには押し付けがましさがない秩序が必要。そこはゲーム開発者が責任を持たないといけないとは思います」と意見を添える。

 イベントの最後には、ソフトギア代表取締役の青木健悟氏が「今後とも『デビルズサード』PC版など拡張した遊びをみなさんに届けていきたい。色々なところにオンラインゲームを提供できる会社になっていきたいと思います」とコメント。おおよそ“バトル”とは縁遠かったものの、登壇者それぞれの考えや思いなどがユーザーに伝わる意義深いトークライブとなった。

(豊臣和孝)