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「バイオ」の“競技用シューター”への新たなるチャレンジ

サバゲー感満載の「バイオハザード アンブレラコア」を体験

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 カプコンは、プレイステーション 4/WindowsPC用コンペティティブシューター「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS(バイオハザード アンブレラコア)」を2016年初頭に発売する。価格は未定。東京ゲームショウでもWindowsPC版版がプレイアブル出展されている(コントローラーは「DUALSHOCK 4」を使用)。

 「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」は先日開催された「SCEJA Press Conference 2015」で発表された全くの新作。舞台は「バイオハザード」においてアンブレラ社が崩壊した後の危険な封鎖地区。アンブレラ社の残した研究成果を他社に先駆けて入手するために雇われた傭兵として戦いに挑む。

 そこにはクリスもジルもこれまでのシリーズを飾ってきたヒーロー、ヒロインは登場しない。なぜならば主人公はそれぞれの傭兵であり、プレーヤー自身だからだ。

【「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」1st Trailer】

シリーズプロデューサーの川田将央氏
プロデューサーのバンス・ジェームス氏

 川田将央シリーズプロデューサーは今作において「20周年を前にチャレンジしている」と語り、「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」のテーマは近接戦闘で競技性の強いシューターを目指して制作しているという。ネットワーク専用タイトルとなり、これまで「バイオハザード」シリーズにおいて重要な位置を占めてきたシナリオなどの要素をあえてそぎ落とし、「キャラクターを気持よく動かせて、その上で駆け引きを楽しんで欲しい」と異色の作りとなっている。

 今回公開されたモードは、対戦時間最大3分でリスポーン無しのワンライフマッチ。非常にスピーディな展開で、マップも比較的狭く短期決戦になるよう設計され、試合はハイテンポに進行する。ただマップが狭いだけでなく、立体的な構造になっており、あらゆる場面で駆け引きが発生するような仕掛けになっている。

 そして何より重要なのが、「バイオ」シリーズらしい幾つかのシステムだ。

 フィールドには“感染者”がたくさん存在しているが、通常はプレーヤー達に気付かない。これはプレーヤー達が「ゾンビジャマー」という装置を背中に背負っており、感染者に気付かれないようになっているため。しかしこのゾンビジャマーが破壊されると一気にワラワラと感染者達が駆け寄ってくる。対戦の中で相手を直接仕留めずとも背中のゾンビジャマーを破壊することでゾンビに攻撃させることもできる。狭い空間であれば仲間と交戦中に背後からゾンビジャマーを破壊され、感染者に取り囲まれて死亡……といった展開もあり得る。

 また、「ゾンビシールド」というシステムも存在する。これは感染者をわざと腕に噛みつかせて、感染者を盾として使うというシステム。対戦相手の弾よけとして使うことも可能だし、感染者がワラワラいる場所で隠れ蓑のようにして使うこともできるだろう。工夫次第では面白い利用方法もあるかもしれないし、「バイオ」シリーズの設定を上手く使ったシステムの1つだ。

 駆け引きという点では、「アナログカバー」と呼ばれるシステムも重要だろう。壁際などに近づくと青い枠が表示される。この状態で×ボタンを押すと身を潜めることができる。ここまでは多くのゲームで搭載されているが、「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」ではここからアナログスティックでどれだけ身を乗り出して撃つか調節することができる。身を潜めたままで銃を撃つと照準は定まらない。ここから身を乗り出していくほど照準は定まるが、逆に敵から反撃を食らうリスクも高まる。さらには、身を潜め上から身を乗り出すか? 屈んで下から身を乗り出すかの選択も可能。無数の選択肢を用意することで、相手との読み合いが発生するようになっている。

 「アナログカバー」はこれだけではない。例えばシャッターなどのギミックがある場合、一気に前回にするのではなく、少しだけ開けて仲間が匍匐前進で通れるようにするといった操作も可能。これにより敵から攻撃されるリスクが低減できる。シャッターを全開にして進んだ方が良い場面も想定できるため、ここでも駆け引きが発生することになる。

【スクリーンショット】

 多くの武器が用意されているが、これらは現在使用されている実際の銃器を取り寄せ、フォトスキャンシステムで取り込み加工して使用しているということで非常にリアルなグラフィックスとなっている。リアルな感覚は銃器類だけではない。キャラクターの動き方、匍匐前進の仕方をとっても現実に即したものとなっているという。実際にサバイバルゲームをプレイしている人にとっては「サバイバルゲームでのちょっとしたテクニックが満載で、非常に実践的。サバイバルゲームをプレイしている人は『BIOHAZARD UMBRELLA CORPS』も上手いかもしれない」という。

 同作のプロデュースを務めるカプコンのバンス・ジェームス氏は「『バイオ』の世界観を楽しみながら(プレーヤー)の成長を感じられるタイトルとなっている」とアピール。また、川田氏は「『BIOHAZARD THE MERCENARIES』や『レイドモード』に近いかもしれないが、中身は本格シューター。『バイオ』でシューター? という方もいるかもしれないが、いつ敵が来るのか? 前からなのか、後ろからなのか、それとも上からなのか? 緊張感が半端なく究極の戦場感を味わえるという点では、これも『バイオ』の1つのスタイルだと思う」と語り、新たなる「バイオハザード」として開発が進められているようだ。

【「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」Live Action Trailer】
今回初公開となった、実写も収められたライブアクショントレーラー

ステージイベントにはボディガードを務めているという乙夜さんが登場し、「BIOHAZARD UMBRELLA CORPS」がいかにリアルなのかを体を張って解説した

 東京ゲームショウ 2015のブースで実際にプレイしてみると、そのプレイの幅の広さを実感することができる。練習も含め約30分近くじっくり対戦することができる。例えばエイミングが苦手という人でも、近接戦闘が中心となる同作では「ゾンビバール」と呼ばれる武器で一気に敵を倒すことができる。L1ボタンでバイルモードに切り替え敵がオレンジ色になったらR2ボタンを押せば強力な一撃を加えることができる。これがなかなか気持よかった。

 ちなみに試遊会場には開発陣と一緒に戦えるところもあった。筆者もそこで戦っていたが、ヘッドショット1発でやられて顔を上げるとディスプレイの向こう側にいた開発陣がこちらを見てにやりと笑った……チクショウ! (笑)。

 ちなみにゾンビバールはただ単に攻撃に使うだけでなく、素早く高い場所に登る時に使えるなど、多彩な使い方ができるようだ。

ブースの様子。1プレイできっちり遊ぶことができる。これは同社が新しいゲーム性をきちんと説明したいという意向だと思う。一般公開日にはおそらくそれなりに行列ができると思われるので、遊びたい人は早めに並んでおくと良いだろう

 17日に行なわれたステージでは20周年を直前に控え、様々なコラボや商品の発売が発表された。川田氏によれば、これもまだその一部ということで、今後いろいろとバイオ関連は盛り上がっていきそうだ。

20周年を前に様々なコラボなどが予定されている

(船津稔)