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声優の森川さんと石川さん「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」トークショー

小林裕幸プロデューサーと伊津野英昭ディレクターの制作秘話も

6月18日 発売予定(WIN版は6月24日)

価格:
[PS4]
4,490円(パッケージ版・税別)
4,157円(ダウンロード版・税別)
[Xbox One]
4,490円(パッケージ版・税別)
4,180円(ダウンロード版・税別)
[WIN]
4,157円(ダウンロード版・税別)
CEROレーティング:C(15歳以上対象)

プレイ人数:1人

イベントはオンキョー&パイオニアマーケティングジャパンのショールームで開催された

 カプコンは、プレイステーション 4/Xbox One/Windows用スタイリッシュアクション「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」の発売を6月18日に控え、オンキョー&パイオニアマーケティングジャパンのショールームで「発売記念トークショー」を開催した。

 今回の「スペシャルエディション」ではグラフィックスがHDとなり美しくなっていることはもちろんだが、大きな目玉の1つがが日本語吹き替えによる音声が収録されているということで、今回はダンテ役の森川智之さんとネロ役の石川界人さんを招いてのトークショーが行なわれた。会場がオンキョー&パイオニアマーケティングジャパンのショールームというのも大きな意味合いを持ち、大きな進化を遂げた音響関係を最高の品質で聞いて欲しいという開発側の意向があったからだ。

 イベントでは最高の環境でのゲームプレイはもちろん、7.1chの体験、このショールームでしか聴くことのできないハイレゾ音源の楽曲の視聴などを楽しむことができた。トークショーでは収録時の逸話を始め、この場が初めてとなる映像の公開や、各種最新情報が発表された。

【「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」ローンチトレーラー】

【「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」ゲームプレイ映像】

【「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」ゲームプレイ(EXカラー)映像】

トークショーでは制作苦労話も飛び出す

トークショーで森川さんが思わず「重いなぁ」とつぶやいた分厚い台本。赤い表紙が印象的

 イベントは冒頭挨拶を軽く済ませ、早々に主役といえる森川智之さんと石川界人さんが招き入れられた。今回初出しとなる解禁映像も含めたローンチトレーラーを見て森川さんは「いい声ですね(笑)。映像にぴったり合わせてもらっているけど、迫力があって、こんな素敵な作品に参加させてもらってうれしい」と切り出すと伊津野ディレクターも「さっきまで本人(森川さん)と話していたのに、別人みたいです」と評し会場の笑いを誘った。

 「デビル メイ クライ 4」の作品世界にも繋がるが、初めて声の入った映像を見たというネロ役の石川さんは「ネロとダンテの掛け合いを初めて見ましたが、ダンテの余裕にネロが負けている」と感想を語った。ゲームの収録は別々に収録することが多く、今回も例外ではなかったが、別々に収録してもその演技の掛け合いに狂いがないところがさすがプロの声優陣のテクニックというところ。

 森川さんは第1声に緊張し、苦労したのだという。というのもアニメ版の声優を担当していた森川さんは当時は若いダンテを演じていた。しかし今回のダンテはアニメ版とは年齢が違う。「久しぶりということもあるし、アニメより年齢が上がっている。アニメ版の後の(物語の)時間を埋めての第1声は、ファンの期待に応えなければならないと思い、プレッシャーもあったし苦労した」と収録を振り返った。

 一方で「デビル メイ クライ 4」が発売された当時は中学生だったという石川さん。今回演じるに当たって多くの事前に情報収集を行なったり様々なな勉強をして挑んだという。このプロ根性には伊津野ディレクターも驚いたといい、「今回日本語音声を入れて良かった」と思ったのだという。

 ユーザーにとってみるとただ単に音声が英語から日本語に変わっただけにみえるが、その苦労は様々な面に及んでいるという。シリーズ開始以来15年も経つが初めての試みとなる日本語音声の収録は小林プロデューサーのアイディアだった。伊津野ディレクターは「日本語はいらない」と考えていたが、収録後に台詞を聞いたスタッフが「ダンテはこういった気持ちでこの台詞を言ってたんですね」と話しているのを聞いて「やって良かった」と思ったという。字幕に比べて母国語による音声は演技だけでなく、間合いや息づかいも含めて感情がよりいっそう伝わるからだ。

 ところがその日本語音声の台本の作成にも苦労したのだという。日本語台本の作成には映画の日本語吹き替えなどを手がける東北新社のスタッフが加わっているが、単純に翻訳するだけではないという。映画を見ていると英語の台詞と日本語が違うことがあるが、このことについて伊津野氏は常々疑問に思っていたという。実は字幕の文字には制限がある。一方で音声による台詞はより豊かな情報量が確保できるが、時間的な制約がある。外国の俳優さんが話す尺に合わせて台詞を決定する必要があり、リップシンクにも併せるという複雑なテクニックがあるのだという。

 伊津野氏はダンテとネロについて「ダンテは男の人があこがれる人を演じて欲しい。ネロは10代から20代の人があこがれるようなやんちゃな側面がある」と森川さんと石川さんに指示を出した。森川さんは初めて台本を見たとき「正直に言うと重いなぁ」と感じたと切り出した。それだけカプコンの気合いを感じたと言い、気合いを入れないとだめだと考え直したという。一方で石川さんは「ゲームの音声収録は断片的に収録することが多く、ストーリー仕立ての台本をもらえることは珍しい。洋画の収録と変わらず、映像を見ながら収録できた」と演じる環境的には良かったようだ

 イベントでは実機を使ったプレイ映像も公開されたが、レッドオーブについて伊津野氏は「7年ぶりにプレイしてきついなぁと(笑)。プレイ時間が短くても貯まるように調整しています」と「スペシャルエディション」で調整に手が加えられている事を明かした。この点について小林氏は「我々も7年歳をとったんですよ」としみじみと突っ込みを入れていた。

 またEXカラーのキャラクターデザインも公開となった。黒髪のダンテについて小林プロデューサーは「我々にとっても新鮮」と語った。またネロについて「ネロの名前はイタリア語で“黒”という意味。だけどゲームで黒いキャラクターは暗いところにいくと見えなくなるから御法度。だから黒に近い紺色になっている」とその裏側を明かしたが、今回は黒いキャラクターとしてEXカラーが設定されている。ある意味チャレンジなキャラクター設定となっている。

 ぶっちゃけトークと共に意外な制作の裏話も聞けて、満足度の高いイベントだったのではなかろうか。もちろん根底にあるスタイリッシュで格好いい、そして爽快感バツグンのアクションに変わりは無い。気になった人はチェックしておくと良いだろう。

イベントの司会も務めた小林裕幸プロデューサー
「スペシャルエディション」のディレクターを務めた伊津野英昭氏
ダンテ役の森川智之さん
ネロ役の石川界人さん

【EXカラー キャラクター】
ダンテ
ネロ
バージル
レディ
トリッシュ

【各種コラボレーション】

会場には出演声優陣のサインが贅沢に展示されていた
Amazonで購入

(船津稔)