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レベルファイブ、次なるクロスメディアプロジェクトを発表

ちょっぴり現代風なファンタジー?「スナックワールド」
NFCチップ搭載玩具「ジャラ」を大規模に展開

4月7日 発表

会場:東京ドームシティホール

レベルファイブ用のスマートフォンタイトルは「LEVEL5ID」で管理される。たくさんのゲームをプレイすればするほど、よりお得なサービスを受けることができるという

 レベルファイブは4月7日、同社の最新情報を発表する「LEVEL5 VISION 2015 THE BEGINNING」を東京ドームシティホールで開催した。「妖怪ウォッチ」で快進撃を続ける同社だけに、東京ドームシティホールという大きなホールにもかかわらず数多くのマスコミが駆けつけると共に、同社のファンの中から一般来場者も招かれ盛大に開催された。

 「LEVEL5 VISION」は206年から1~2年の間隔で不定期に開催されている同社の発表会。最近では各社とも直近のタイトルしか発表しないが、「LEVEL5 VISION」では、それこそ発売されるかわからない開発中のタイトルまで公開していく。

 前回は2013年に「LEVEL5 VISION 2013“渦”」として開催されたが、その時に発表された「レイトン7」、「魔神STATION」などは未だリリースされていない。レベルファイブが早い段階からソフトのタイトルを発表するのは、開発が遅いのではなく、きちんと作り上げていることの表われだ。現在ではゲームの開発は比較的システマチックにスケジュールに合わせて行なわれるが、最後まであきらめずに面白さを磨き上げる社風と言えるだろう。

 今回の発表は、大きく分けて「妖怪ウォッチ」とそれ以外に分けられる。本稿では「妖怪ウォッチ」以外の案件を取り上げていく。ただ1つレベルファイブのタイトルを横断して採用されるサービスとして発表されたのが「LEVEL5ID」だ。今回の発表でもあるとおり数多くのスマートフォン用タイトルのサービスが開始となる。これらのタイトルは「LEVEL5ID」で共通管理される。これにより同じ「LEVEL5ID」でプレイしていれば、横断してサービスが受けることができ、たとえばゲームの進行度なども管理され、たくさんのタイトルを遊ぶほどに様々な特典が贈られるという。

 今回は主要発表案件が事前に発表され、注目を集めていた。これまで同社は「イナズマイレブン」、「ダンボール戦機」そして「妖怪ウォッチ」と大きなクロスメディア展開のタイトルを発表してきた。そして今回「妖怪ウォッチ」に次ぐ「次世代大型クロスメディアプロジェクト」タイトルとして発表されたのが「スナックワールド」だった。まずはこの「スナックワールド」をお伝えしていく。

次世代大型クロスメディアプロジェクト「スナックワールド」

ファンタジーでありながらどこか現代劇に繋がるテイストが魅力の「スナックワールド」。テレビアニメから映画まですでに決定済みという規模の大きなプロジェクトだ

 RPG「スナックワールド」はフルCGアニメをベースとしている。テレビアニメ乃放送がすでに決定しているほか、玩具はタカラトミーが担当。クロスメディアプロジェクトとゲームはもちろんレベルファイブが担当。映画の製作も決まっており、巨大プロジェクトとなる。

 「スナックワールド」の世界観は現代風のファンタジー。RPGに観られるファンタジー風のグラフィックスだが、コンビニやデパートのようなお店も用意されており、登場キャラクターの性格や考え方もどこか現代っぽい。正義感はあるがブラックな一面を持つ主人公のチャップを始め、コギャルのようなお姫様に口の悪いヒロイン・マヨネ、都合良く立ち回るが憎めない周辺キャラクターなど現代劇に通じるキャラクター設定が用意されている。

 そして大きな鍵となるのが玩具展開。主人公チャップは剣や盾の装備類を腰にキーホルダーのようにじゃらじゃらぶら下げている。これら「ジャラ」と呼ばれるものをそのまま立体化し販売する。この中にはNFCチップが搭載されており、プレーヤーがそれをゲーム機にかざすとデータが取り込まれ、ゲーム世界にそのアイテムが登場したりする。と言うことで、ゲームのプラットフォームはニンテンドー3DSとAndroid/iOSだ。

 この「ジャラ」は宝箱のようなパッケージ(トレジャラボックス)に入っていて、何が入っているかわからない。まさにガチャをデータではなくリアルなミニチュアで購入するようなシステムと言えばわかりやすいかもしれない。

 デモンストレーションではソードのミニチュアをゲーム機にかざすと、ソードがあるダンジョンがオープンしたり、タテのミニチュアをかざすと、お店での販売価格がディスカウントされたり、魔導書に魔法が追加されたり……様々な効果が発生していた。NFCチップは読み出すだけではなく書き込むこともできるため、様々な利用用途が考えられる。計画では、3DSやすまほだけでなく、AM機器から自動販売機まで多種多様な場所でデータを読み書きさせることを考えていることが明らかになった。そういった意味でも規模はかなり大きい。

 またこの「ジャラ」のアイテムはブランドが存在する。つまりレアリティが設定されており、さらには現実世界のブランドとのコラボレーションも考えているという。現実世界のリアルに高価なブランド商品がゲーム内でも高価なレアリティを持ったアイテムとして登場……といった展開もありそうだ。

 ゲームの発売日、価格などは未定。

【パイロットフィルム「スナックワールド」(日本語Ver.)】

今回は3DCGで描かれたフルCGアニメーションとなる
ニンテンドー3DS版のスクリーンショット。移動もタッチペンを使って行なうなど、基本的にスマートフォンのタッチデバイスにあわせた作りとなっている
スマートフォン版のスクリーンショット。解像度も高く美しい仕上がり

まだまだ発表されていない部分も多いようで、さらに多くの業界を巻き込んでいきそうだ
登場キャラクター
現代風のファンタジーを「ハイパーカジュアルファンタジー」と表現
主人公が腰にジャラジャラをぶら下げているのが、そのまま玩具として発売される
ミニチュアの「ジャラ」はトレジャラボックスに入れられて販売される

精巧に作られたミニチュアの「ジャラ」
搭載された小型NFCチップは村田製作所によって開発されたもの
3DS版の画面。タッチデバイス用のインターフェイスのようだ
スマートフォン版の画面。操作方法に違いはない
3DSにかざすとデータが読み込まれゲーム内に登場する
盾も3DSにかざすと登場する。ただ剣とは違った効果が発生している。アイテムによって違いがあるようだ
スマートフォンの場合、画面の裏側に読み取り装置があるため裏面にかざすと、データを読み込んで3DS版と同じようにゲーム内に登場する

様々な用途に使用することができ、非常に幅広く利用できる

さらにアイテムにはブランドが存在し、高価なブランドのアイテムは登場確率1%などといった「ジャラ」も存在するとか

□「スナックワールド」のホームページ
http://www.snack-world.jp/

「ファンタジーライフ」最新作はAndroid/iOS用タイトルに

「ファンタジーライフのシリーズ最新作はAndroid/iOS用RPGとしてこの夏リリース
4月7日から事前登録が開始となった
同時に3DS版の100万本突破キャンペーンも行なわれる

 「ファンタジーライフ」の最新作となる「ファンタジーライフ2 2つの月とかみさまの村」はこの夏のリリースを目標にAndroid/iOS用RPGとして開発が進められている。価格は基本プレイ無料のアイテム課金制。4月7日には早くも事前登録が開始となった。

 「ファンタジーライフ2 2つの月とかみさまの村」でも舞台となるのは「ファンタジール」で、アバターを作り12種類の“ライフ(職業)”の中から選び、生活していく。世界を救う冒険に出るのも良し、のんびり暮らしていってもいい。スマートフォンとなって、解像度も上がり、より美しグラフィックで表現されている。

 「ファンタジール」の世界も広がりを見せ、どこに行くか選択して冒険に繰り出すことになる。ただそこは自由度の高いゲームのこと。どんどん歩いて移動することもできるという。指1本の簡単操作でフィールドを移動でき、タップでバトル。剣や弓、魔法も簡単操作で技を繰り出すことができる。ボス敵に対しては4人のパーティを組んで戦いに挑むことになるだろう。デモではドラゴンに1人で挑んだが、「無謀です」と日野氏も語っていた。

 また、新要素として「ビレッジ」と呼ばれる自分だけの本拠地を作り上げるモードがある。いろいろな施設を作り上げ仲間達と暮らす自分だけの本拠地を作り上げることが可能となっている。

王国兵士
傭兵
狩人
魔法使い
採掘師
木こり
釣り人
大工
裁縫師
鍛冶屋
料理人
錬金術師
12種類の“ライフ(職業)”の中から選び、この世界で生きていく
スクリーンショット

拠点作りが楽しめる「ビレッジ」モードも搭載

テーブルトークRPGをヒントに作られた「レイトン7」

 じっくりと作られているのがこの「レイトン7」だ。日野氏曰く「ただ単にレイトンをスマートフォンに持ってきて7番目の作品としたのではない」と言うだけあって、そのゲーム性はがらっと変わっている。

 ゲームジャンルが「テーブルトーク」となっているとおり、プレーヤーは自分の分身となるキャラクターを選択し、その役柄を演じることになる。7人のプレーヤーが参加し、村人か占い師、騎士、裏切り者、吸血鬼のいずれかを演じ、会話を交わしながらそれぞれのキャラクターを見破り、吸血鬼を見破っていく。逆に吸血鬼側(吸血鬼と裏切り者はチーム)は村人を倒していき村人の人数が少なくなれば吸血鬼側の勝利となる。

 いわゆる「レイトン」版「人狼」なのだが、特徴的なのは発言の入力方法にある。自由に文章を入力するのではなく、アイコンを選択して文章を構成していく。フリック操作などが苦手な人でも文章を短時間で入力していくことができる。

 また、キャラクターはスキルを持っており、騙すか見破るかの心理戦の中で駆け引きとして使用することができる。会話の流れの中でどこで試用すれば効果的かを見極めるのが勝利への近道となる。

 ゲームのラストには吸血鬼を見破り「追放投票」が行なわれる。見事吸血鬼を追放できれば村人の勝利となる。

 サービスの開始は2015年の夏を予定しており、価格は基本プレイ無料のアイテム課金制となっている。

7人のプレーヤーが参加し、それぞれの役柄を演じて騙し合う

【スクリーンショット】

[お詫びと訂正]
記事掲載当時、「妖怪ウォッチ」について不確かな記述を行なっておりました。ここに訂正すると共にお詫びいたします。

(船津稔)