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「LEVEL5 VISION 2013 “渦”」レポート
ハードの垣根を越える「UNIPLAY」対応2タイトル
「レイトン7」、「ワンダーフリック」など新作を多数発表!
(2013/8/27 03:06)
レベルファイブは8月26日、エプソン品川 アクアスタジアム ステラボールにおいて発表会「LEVEL5 VISION 2013 “渦”」を開催した。ここでは速報記事に続いて発表会で明らかにされた新作タイトルにフォーカスした記事をお届けする。
発表会の冒頭、同社代表取締役社長/CEOの日野晃博氏は「レベルファイブは今年で15周年。このステラボールという会場は、レベルファイブがパブリッシャービジネスに取り組み始めた2007年に『レイトン教授』新作発表会および初の『LEVEL5 VISION 2007』を行なった会場で、レベルファイブの“スタート地点”ともいえる場所。レベルファイブが新たなビジネスに取り組んでいくうえで、初心に帰ったつもりで気持ちをこめてやっていく」と、新作にかける意気込みのほどをあらわにした。
本発表会における最大の目玉は、世界累計出荷本数1,500万本を記録した「レイトン教授」シリーズの流れを汲む最新作「LAYTON 7(レイトン7)」だろう。第6弾から本日の発表にいたるまでの経緯について、日野氏は「私を含む制作陣は、第1弾で生み出したシステムに匹敵する“何か”を組み込めずにいた。第6弾でストーリー的にいったん完結しており“レイトンの思想を受け継いだまったく新しい発明の作品”を生み出すと決めた。それが『レイトン7』」と言い切る。
ジャンルは「ロールプレイパズル」といい、対応プラットフォームはニンテンドー3DS/iOS/Android。プレーヤーは世界の中にいる登場キャラクター誰かひとりを演じ、そのポイントを競っていく。「キャラクターの役割とは何か? 役割を演じるというのはどういうことなのか? 今は多くを語ることはできない。(本発表会で)映像を出すか非常に悩んだ。非常に新しいシステムのため、開発途中で見せると(アイデアが)盗まれるかもしれない、まだできていないものを見せるのはどうかなど、色々な考え方があった」と前置きしつつ、それでも「まったく違う切り口で『レイトン』シリーズが作られていることを証明する意味で、少しだけお見せすることにした」とデモプレイが行なわれた。
会場のスクリーンに映し出された実機映像は、道路で格子状に区切られた街のシーン。老人、実業家、少年、貴婦人、ゾンビなど、さまざまなキャラクターたちが歩き回る。「ジオラマを見ているかのような錯覚にとらわれる、美しい、今までとはまったく趣向が違う画面。(会場の)プロジェクターだと味が伝わらないんですけど。今プレイしている役割は『犬』ということになっていて、このように動かせますが……この犬が他の人たちとどうからむのか? ここまでしか今日は見せられないということです(笑)」といいつつデモプレイを終了。
色々なゲームの企画をみてきたという日野氏だが「非常に新しい、皆様の想像の上をいくゲームプレイ体験を実現する。『レイトン』チームがお送りする、新しい世界への挑戦と思っていただければ。必ずやレベルファイブの次なるビッグタイトルになる作品だと感じている」といい、タイトルにもさまざまな謎がこめられていることを示唆。後述の「ワンダーフリック」同様、サーバーを介し異なるプラットフォーム間でセーブデータが共有できる同社の新サービス「UNIPLAY(ユニプレイ)」に対応。発売日、価格ともに未定。
「ワンダーフリック」
サーバーを介し異なるプラットフォーム間でセーブデータを共有する「UNIPLAY」対応第1弾となる完全新作RPG。スマートフォン(iOS/Android)、プレイステーション 3、PlayStation Vita、Wii U、さらには次世代機のプレイステーション4、Xbox Oneといった計7プラットフォームでリリースされる。
「3分あるいは1分でも遊べるお手軽さを持った本格的なネットワーク型ファンタジーRPG(日野氏)」がコンセプト。スマートフォンで手軽に楽しめる一方、同社がこれまで制作してきた作品と同様“しっかり遊べる”ものが作ってみたいとの想いから制作を開始。日野氏はプロデューサー兼ディレクターとして個々のスタッフと直接やりとりをしながら取り組んでいるという。
設計する上で掲げられたキーワードは“3分に1度のエキサイティング”。ゲームの舞台は「グリムナース」と呼ばれる広大な世界。グリムナースにはいくつかの大陸が存在し、今回紹介されたのはエバーシア大陸。街やダンジョンなどの仕掛けが多数存在し、プレーヤーは自らの分身「アバター」をさまざまな装備品で強化しつつ、レアアイテムを求めて冒険する。
会場では、日野氏みずからiPhoneで実機によるデモプレイを披露。アバターの装備はドラッグ&ドロップで瞬時に変更が可能。他プレーヤーとコミュニケートする機能も充実しており、装備品やレアアイテムの自慢話、他プレーヤーのアバターを仲間にし、一緒に強力なボスと戦うといったこともできる。
戦闘シーンでは「気持ちよく遊ぶことを考慮して作ったシステム。(デモプレイは)指の動きと一緒に見ていただきたい。PVでは人差し指で弾いているが、僕のオススメはちょっと違っている」と前置きする日野氏。画面上に敵となるモンスター、画面下に攻撃、魔法、アイテムなどを意味するメダルが表示され、プレーヤーは指でメダルをはじくようにモンスターめがけてシュート。PVでは左手でスマートフォンを持ち右手の人差し指ではじくようにしていたが、日野氏は右手でiPhoneを持ったまま親指ではじくようにプレイ。荷物やつり革で片手がふさがった状態でも、これなら問題なくプレイできそうだ。
メダルにはさまざまな種類があり、攻撃メダルであればその方法でモンスターにダメージを与え、回復アイテムならそれを使用するといった具合。ポイントを溜めてラッシュをかけたり、赤、黄色、赤など一定のメダルの組み合わせで敵のガードを解除するなどの“お題”が提示される場面もあるようだ。
敵を倒すと直後に3つのダイスロール画面になり、出た目の組み合わせによりもらえるアイテムが変化。1が3つ揃うと金色のレア宝箱が出現するという。興味深いのは、日野氏ら開発陣がゲームシステム上の確率(抽選)を可能な限り透明化している点。「RPGでは、攻撃や宝箱など多くことが確率で計算されている。本作では、通常内部で行なわれている確率を決める乱数を、できる限り目に見える形にした。先ほどのサイコロや戦闘中のルーレットなどをただ勝手に決まるのでなく、ちょっとしたミニゲームで決める様子をそのまま見せる。そういう工夫がされている」という。
本作は“果てしなく遊べるRPG”として作るつもりだという日野氏。スクリーンに投影されたワールドマップの中央に初期プレイエリアのエバーシア大陸があり、周辺には増設プランとしていくつかの大陸が配置される。ここで日野氏が、右下にある大陸をピックアップ。続けて表示されたのは……なんと週刊少年ジャンプの海賊マーク。詳細は伏せられたが、今後週刊少年ジャンプ、Vジャンプ、最強ジャンプとの共同企画が準備されているという。サービス開始はiOS/Androidが2013年11月予定、他プラットフォームは2014年。基本プレイ無料(アイテム課金制)。
「魔神STATION」
駅、魔神、魔列車をキーワードに掲げるRPG。日本全国にある1万以上の駅がすべてゲーム中に収録され、モノレール駅などもサポート。プレーヤーは魔列車に乗って全国1万の駅を飛び回り、魔神を集めて魔神と戦う。織田信長、坂本竜馬、宮本武蔵、卑弥呼、巴御前など“歴史上の偉人”を魔神として使役し敵と戦う。ちなみに宮本武蔵は、巌流島がある下関駅を守っている設定だという。
本作は著名クリエイターが参加することでも注目を集めており、キャラクターデザインにコザキユースケ氏(「ファイアーエムブレム 覚醒」など)、魔神とコンセプトデザインに緒賀岳志氏(「GRAVITY DAZE」など)を起用。このほかにも著名クリエイターの参加が決定しているが、現時点では伏せられた。
本作はレベルファイブとRazestとの共同開発。こうなった理由について、ディレクターのイシイジロウ氏は「日野から『本気でスマートフォンのゲームを作ってくれ』というオーダーがあった。僕が持っているコンシューマゲームのノウハウだけで戦えるほどスマートフォンは甘くない。日本全国から信用できるパートナーを探し、大阪のRazestの木村仁さんと出会った」と説明。ディレクションはイシイ氏と木村氏が共同で行なっている。
会場では「僕が! 今! 世界で1番作って欲しかったアニメ制作会社に作っていただくことができました。本当に感激しています。『エヴァンゲリオン新劇場版』のスタジオカラーさんの作品です(イシイ氏)」という、3DCGのプロモーションビデオが上映された。プラットフォームはiOS/Androidで、2013年冬配信予定。基本プレイ無料(アイテム課金制)。
「イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン/スーパーノヴァ」、「イナズマイレブン オンライン」
「イナズマイレブンGO ギャラクシー ビッグバン/スーパーノヴァ」は、「サッカーものでありながら、宇宙にいくことになりました(日野氏)」(会場笑)というシリーズ6作目となる収集・育成サッカーRPG。主人公・松風天馬が率いる日本代表イナズマジャパン改め“地球代表アースイレブン”が、戦いの舞台を宇宙に移しこれまで以上の熱い戦いを繰り広げる。
“負ければ地球は滅亡する”という衝撃的な条件のもと、天馬たちはさまざまな特徴を持つ惑星を冒険し、アースイレブンが持つ“ソウル”と呼ばれる獣の力で宇宙人との戦いに挑む。プラットフォームはニンテンドー3DSで、2013年冬発売予定。価格は未定。
「イナズマイレブン オンライン」は「オトナもハマる! 超次元サッカーバトル」をキーワードに、NHN PlayArtとの共同開発中のPC向け超次元サッカーシミュレーション。マウスのみで操作でき、誰でも迫力ある試合が体験できるという。NHN PlayArtが運営するインターネットゲームポータルサイト「ハンゲーム」にて2013年冬サービス開始予定。基本プレイ無料(アイテム販売あり)。