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「ガンプラビルダーズワールドカップ2014」決勝戦開催
オープンコースはマレーシア、ジュニアは韓国の選手が世界一に
(2014/12/21 20:30)
バンダイは12月21日、お台場のガンダムフロント東京で、「ガンダム」のプラモデル・ガンプラ作りの世界コンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ2014」の世界大会決勝戦を開催した。
「ガンプラビルダーズワールドカップ」は今回が4回目となる。年々作品のレベルが上がっている中、今回は13の世界各地の地域から優秀な作品が集まった。特にジュニアコースでは、昨年に引き続き日本代表となった畑めい選手の作品を始め、15歳以上のオープンコースの作品にも負けないクオリティの作品が集まった。
「ガンプラビルダーズ」の面白さは、MS(モビルスーツ)を題材としたプラモデルを改造し、いかに自分の想像の世界を実現するかにある。「アニメモデルの立体化」という“ガンプラ”の枠を越えた“ロボット像”を創造し、それを実現するために技術を結集する。非常にユニークで、レベルの高いコンテストだと感じた。
アニメ作品の枠を越えたイメージのほとばしりを感じさせるガンプラの世界
「ガンプラビルダーズワールドカップ2014」世界大会決勝戦では、13の国と地域から選出された優秀作品が会場に集まった。14才以下の選手が参加するジュニアコースは11作品、15歳以上の選手が参加するオープンコースは13作品が世界一を競った。
各国の選手の作品はどれもオリジナリティが強く感じられ、その密度も素晴らしかった。大型のジオラマが多かったが、MSのポーズにこだわったもの、オリジナルの武装を追求したもの、情感豊かなもの……。モチーフも多彩で、とても見応えがあった。
選出は“川口名人”ことバンダイホビー事業部の川口克己氏と、馬場俊明氏、さらに模型誌3誌の編集長が、「工作」、「塗装」、「アイディア」の3項目でそれぞれ採点し、審査を行った。その結果オープンコースで世界一になったのは、マレーシア代表Andy Wong選手の「Invaders Found」。蜘蛛型のロボットがバイクに乗っている人間を追いかけている構図だ。
「こんなMSいたかな?」と作品を見ると思ってしまうが、実は「MG 1/100 ジ・O」がメインとなっているのだ。確かにアーマーの形などに見覚えがあるが、生物的なシルエットも加わっており、全く別なロボットになっている。関節のメカや、バーニアなども各所にあって、機械の密度も素晴らしく、色んな角度から眺めたい作品になっている。
Wong選手は「自分はガンダムと共にスパイダーマンも好きで、だから蜘蛛をモチーフにした作品を作った。優勝できるなんてとても思ってなかったが、バンダイの皆さんや支えてくれたみんな、マレーシアの仲間に感謝している」とコメントした。1番苦労した点は“重量バランス”。重い胴体を蜘蛛の足でどう支えるか、そこに最も注意を払ったという。
ジュニアコースの世界一は韓国代表Ji Hoon, An選手の「The Innocence of Childhood」。雪だるまを作る子供を守るように立つザク、というほほえましさも感じさせる、独特の雰囲気を持った作品だ。雪だるまを作る子供も、それを見ているザクからも優しさを感じさせられる。
An選手は「賞をいただいて、とてもうれしいです。家族や支えてくださった皆さんに感謝しています。作品では、戦争中ですが、ザクが雪だるまを作る子供を守っている、というシーンを作りたかったです」とコメントした。実はジオラマに挑戦するのは今回が初めてで、何もかもが苦労の連続だったとのことだ。
川口氏は「今回はできるだけスケジュールが許す限り、色々な国の予選大会を見てきたのですが、表彰式ではそれを思い出して感極まりそうになってしまいました。今回の作品はどれを見ても素晴らしい作品だと思います」とコメントした。これらの作品は1月7日までガンダムフロント東京で展示されている。足を運んで生で見てみることをオススメしたい。