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米Oculus VR、スマホ向けVRソリューション「Gear VR」を正式発表
Oculus Rift DK2を上回るクアッドHD有機EL搭載のSamsung Galaxy Note 4に独占提供
(2014/9/4 13:41)
米Oculus VRと韓国Samsungは、現在ドイツで開かれているIFA 2014において、現在開発中のVRヘッドセット「Oculus Rift」のテクノロジーを使ったスマートフォン向けのソリューション「Gear VR」を正式発表し、Samsungの最新タブレットGalaxy Note 4向けに提供することを明らかにした。「Gear VR」はベータバージョンの「Gear VR Innovator Edition」が今秋リリース予定で、価格は未定。
「Gear VR」は、Oculus VR CTOのJohn Carmack氏率いる同社モバイルチームと、Samsungとの共同開発で生まれた新たなVRヘッドセット。Oculus VRと比較してひとまわり小型のGear VRにGalaxy Note 4を装着し、Gear VR内蔵の特殊レンズを通して観ることで、場所を問わずどこでもVR映像を楽しめる。今秋のリリース時点では、現行のOculus Rift DK2と同様に、βバージョンの「Gear VR Innovator Edition」として主にデベロッパーやVRに関心を持つユーザーに販売される。
「Gear VR」の開発にあたり、John Carmack氏と氏が率いるモバイルチームは、新たにモバイル専用のOculus Mobile SDKを開発し、Android端末やVR向けドライバーの最適化を実施。現時点で、すでにOculus VRの魅力を体現するヘッドトラッキング機能(トラッキングは3DOF方式)を備え、遅延に関してはDK2相当の性能を持つという。
PCに比べるとタブレットはマシンスペックが限られるため、Oculus Riftの簡易版的な位置づけとなる見込みだが、ディスプレイの解像度はOculus Rift DK2のフルHD(単眼960×1,080ドット)を上回るクアッドHD(単眼1,280×1,440ドット)を採用し、より高精細なVR映像を楽しむことができるなど、そのポテンシャルは高い。
契約の都合上、Gear VRの提供は一定期間はGalaxy Note 4のみ、あるいはSamsung端末に限られる見込みだが、技術的にはSamsung Galaxy Note 4以外のタブレットやスマートフォンでも動作させられるため、将来的には汎用のモバイル用VRヘッドセットとして、幅広い端末に提供される可能性がある。Oculus Riftと並んで新たな可能性を感じさせるデバイスの登場だ。