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PS4「Infamous: Second Son」が台湾ファンの前に派手に登場!

ディレクターKen Schramm氏がノリノリで語る新たな超能力者の物語

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 SCETブースで行なわれたプレイステーション 4用アクションアドベンチャー「Infamous: Second Son」のステージでは、開発元のSucker Punchからディレクターを務めるKen Schramm氏が登壇し、ノリノリで作品を説明した。

 「このゲームの舞台はシアトルだ。会場でシアトルに行った事のある人はいるかい?……1人もいないのかい? それならぜひこのゲームでシアトルの街を歩いてみるんだ!」といった感じのSchramm氏は台湾のファン達を大きく喜ばせたようで、どんどん歓声は大きくなり、ゲームの派手な演出と共に、会場は大きく盛り上がった。

 本稿ではイベントの様子と合わせて、台湾メディアの合同インタビューでのSchramm氏のコメントを紹介したい。また、今回はデモプレイが行なわれたバージョンを実際にプレイすることができた。第2の能力「ネオン」も体験できたので、別稿の体験レポートでお伝えしたい。

“煙”の超能力者デルシンが、シアトルを舞台に派手に戦う

ディレクターを務めるSucker PunchのKen Schramm氏
ノリノリでタイトルをアピールするSchramm氏は会場で大人気だった

 イベントでは「Infamous: Second Son」の台湾での発売日が明らかになった。本作は3月21日発売で、英語音声の繁体字中文版となる。北米やヨーロッパでも同時期に発売となるという。様々なグッズが同梱された特別版や、本体とセットになった同梱版も発売される。ちなみに日本での発売は2014年春で、英語音声に加え、吹き替えの日本語音声も収録される予定だ。

 「Infamous: Second Son」は「Infamous」シリーズ3作目にあたる。Schramm氏は「前作までのプレイ体験がなくても安心だ。今作は全く新しいヒーローが、新しい街で戦う。PS4にハードを移し、新しい気持でプレイできる作品だ」と語った。

 「Infamous:」、「Infamous 2」の主人公はある事件をきっかけに超能力に目ざめた男・コールだった。シリーズでは超能力に目ざめた人々「コンジット」が一般市民との間でどう生きていくか、というのが大きなテーマとなっており、コールはそのコンジットの中でも最も強い超能力者として、力に囚われ暴走するコンジット達と戦いを繰り広げていった。

 「Infamous: Second Son」は「Infamous 2」から7年後の物語となる。コンジットは生まれ続けており、彼らの能力を恐れる人々は政府の統一保護局(D.U.P)の力を使いコンジット達を狩りたて、さらに一般市民も支配下に置いていた。舞台となるシアトルもD.U.Pが我が物顔で闊歩し、人々は不自由な生活を送っていた。

 主人公の「デルシン・ロウ」は、“煙”の能力を持つ超能力者である。彼はシアトルの街で、D.U.Pの追跡をかわしながら他のコンジットたちを捜しはじめる。彼の選択が周囲の人々をも巻き込み、未来を変えてゆく……。

 本作はオープンワールドのアクションアドベンチャーであり、プレーヤーはデルシンとなって街を探索していく。その能力をどう使うか、人々を助けるために使うか、恐怖の存在となるために誇示するのかは自由であり、プレーヤーの選択で物語は分岐していくという。

 イベントでは作品の特徴をSchramm氏が語るだけでなく、デモプレイによってデルシンの超能力とそのド派手な戦いが紹介された。まず驚かされるのはPS4での表現である。リアルに描き出されたシアトルの街。コンバットアーマーに身を包み、容赦なく攻撃を加えてくるD.U.P達。D.U.Pは不満の声を上げる市民達にも銃を向けていたりもする。街の景色はリアルで美しいが、通行人はほとんどいなく、抑圧された陰鬱さも感じさせる。

 その中を進んでいくデルシンの戦いはド派手だ。炎を銃弾のように打ち出す能力に加え、煙そのものの様に身体を分解して高速移動、さらにそこから炎をまとっての格闘攻撃に繋げることもできた。建物の通風口の中に煙と化して侵入すると、煙突から飛び出して実体化し、かなりの高度までジャンプできる。さらにそこからダウン攻撃を行なうと、着地と同時にデルシンの身体から爆風が広がり、周囲の敵やオブジェクトをなぎ倒す。

 デルシンの攻撃に敵は吹っ飛び、焼き尽くされる。監視塔など巨大なオブジェクトもデルシンの攻撃で粉々になる。スーパーパワーを持ったアメコミヒーローがその超能力を思うさまつかって大暴れするかのようなシーンをプレーヤーの操作で実現させているというのは本当にスゴイと感じさせられる。PS4の能力をはっきりと見せつけるデモプレイだった。

 そのド派手なシーンの連続に会場からはずっと歓声が上がり、Schramm氏の退場の際にはファン達はずっと拍手をしていた。すっかり「Infamous: Second Son」に魅了されてしまった様子だった。

【Infamous: Second Son】
デモプレイで主人公は煙の能力を使い、居並ぶ敵を蹴散らしていった
空中高く飛び上がってから、地面で大爆発を起こす決め技の「カルマアタック」。会場から大きな歓声が上がった

グラフィックス、ゲーム性、ギミック……PS4だからこそ実現できる様々な要素

メディアからの質問に答えるSchramm氏
右はデモプレイを行なったシニアプロデューサーを務めるSCEAのGreg Phillips氏

 イベントレポートと合わせて、台湾メディアの合同インタビューでのSchramm氏のコメントを紹介していきたい。Schramm氏は、会場のノリのまま、積極的にメディアの質問に回答していった。インタビューでは本作がPS4ならではの表現を実現できたことや、ゲームのディテール、そして何よりまだ明かされてない様々な要素があることが語られた。

 「何故シアトルにしたか?」という質問には、印象的なランドマークも使えるから現実にある街をモデルにしたとSchramm氏は答えた。ちなみに面積そのものは前作の街のニューマレイと同じくらいだが、各場所の作り込みは密度の濃いものになっており、サブシナリオなどボリューム部分が大きく増している。

 デルシンはコールの違いに関しては、デルシンは“奪う”超能力の持ち主だとSchramm氏は語った。煙突や、クルマが燃えているところに触れることで、“煙”の能力を獲得する。電気のネオンが光っているところで“ネオン”の能力が得られる。コールのように成長で変わるのではなく、何かから奪うことで能力を変える。1つの能力を使っているときは、他に切り替えない限り違うパワーを使うことができない。現在明かされているのは煙とネオンだけだが、まだ明かされていない秘密の能力もあるという。

 ゲームのエンディングはグッドとイビルの2つだが、そこまでの選択肢は無数にあり、プレーヤーがたどる道は様々だ。プレーヤーごとに紡がれていく物語は変わってくる。ちなみに「Infamous: Second Son」はシングルプレイでストーリーを楽しむ作品だという。

 Schramm氏は、何度か「本作はPS4ならではのゲームだ」と繰り返し語った。広大な視界、ダイナミックに壊れるオブジェクト、多彩なエフェクト、リアルな光源表現、とても細かいキャラクターの表情、そしてキャラクターのAIなど、PS4でしかなしえないゲーム表現を盛り込んでいる。これらの要素はPS3だった前作ではできない要素だ。

 デュアルショック4ならではのゲーム要素も盛りこんでいる。タッチパッドで指紋認証をしたり、囚われた人の鍵を開けたり、電源車のリアクターをひき抜いたり様々な場所でタッチパッドの操作を盛り込んでいる。これも前作では体験できなかった要素だとSchramm氏は語った。

 Schramm氏は常に陽気に、派手な言葉とジェスチャーで「Infamous: Second Son」の魅力を語った。Schramm氏の言葉どおり本作で展開するシーンはどれもド派手であり、「たっぷりとプレイしたい」と強く思わせる。多彩な超能力を使って暴れ回りたい、というプレーヤーの欲求に答えてくれる作品だ。

(勝田哲也)