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「Diablo」スタイルのオンラインアクションRPG「獵命師」体験レポート

同名小説をモチーフにした無数の英雄が活躍する武侠スタイルの「Diablo」ゲーム

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 今年のTaipei Game Showで純粋な台湾メーカーとしてはほぼ唯一の存在だったGameflier(遊戯新幹線)。同社は台湾大手のゲームメーカーSoftworldのオンラインゲーム部門で、Chinese GamerやZealot Digitalといった子会社の運営も手がけている。そのSoftworldグループの最新作として今年出展していたのが「獵命師(Fate Hunter Online)」である。開発は高雄に本拠を置くZealot Digitalで、運営はGameflierとなる。本稿では「獵命師」の体験レポートをお届けしたい。

メインステージでは絶えずステージイベントを実施している
九龍城のような不思議なイメージのタイトル
今回は試せなかったが、連動するモバイルアプリもあるようだ
これはログイン直後に表示される画面で、カレンダーにスタンプを押して、ログイン日数に応じて特典が受け取れる仕組みになっている。ソーシャルゲーム的である

 「獵命師」は、台湾の小説家九把刀氏が書いた同名の小説をモチーフにしたオンラインゲーム。オンラインゲームのモチーフに武侠小説を持ってくるのはSoftworldの十八番で、これもそのひとつとなる。

 ただし、「獵命師」は、MMORPGではなく、アクションRPGとなっており、Blizzard Entertainmentの「Diablo III」に近い、3人称見下ろし視点を採用しており、そのゲーム性も、右クリックで移動、左クリックでコンボ攻撃、Q、W、E、R、Tキーにスキルを組み込んで敵を倒していくという「Diablo III」に非常に近いものになっている。

 最大の特徴はプレーヤーキャラクタの多さだ。最新作「Diablo III」では本編で5種類、拡張パック「Reaper of Souls」を含めても6種類に過ぎないが、このゲームでは「英雄」と呼ばれるプレーヤーキャラクターが初期時点で20種類以上いて、今後も順次増える設計になっている。この辺りの設計はストラテジーゲームの雄「League of Legend」にそっくりで、ビジネスモデルのコアとなるのは、新しい英雄の購入もしくはレンタルということになるようだ。ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制で、「Diablo」スタイルのハック&スラッシュゲームが、手軽に無料で遊べるという点も新しい部分のひとつだ。

 英雄には、関羽、張良、韓信といった中国史における歴代の英雄が名を連ねているかと思えば、佐々木小次郎や安倍晴明などの著名な日本人、優香というよくわからない日本人の女性なども含まれており、このあたりは完全に何でもありになっている。ただし、英雄毎に見た目やボイスも違えば基本性能、スキルなども異なり、様々なゲームスタイルでハック&スラッシュが楽しめるようになっている。

 ゲームデザイン的には、「Diablo III」に近いため、2012年頃に出ていてもおかしくなさそうな気がしたが、所々「League of Legends」の影響も垣間見られ、台湾で人気の高いオンラインゲームの良いところ取りをしたようなゲームと言えそうだ。

 試遊では、複数人による協力プレイや対戦はうまく機能せず、残念ながら1人でプレイすることになった。「獵命師」は1月サービス開始予定で、まだ所々不安定な部分が残っているようだ。まず、英雄を選択し、次にスキル、そして携帯アイテムを選ぶ。プレイする度にその都度選ぶというところが「League of Legends」的である。

 今回プレイしたステージは、火災発生からしばらく経った炎に包まれた船舶の上で、ミニマップ上に表示される敵をすべて撃破すると、次のステージに進めるという内容になっていた。マップは固定で、敵の出現位置、攻撃パターンも画一的で、ランダムマップの「Diablo III」と比較すると若干物足りない。

 基本は右クリックで移動したり、敵の攻撃を回避しながら、左クリックの連打でコンボを決めて敵をなぎ倒していくのが基本となる。バトルにおけるアクセントになっているスキルは、刃を振り回してエネルギー弾を出したり、瞬間移動して切りつけたり、グラウンドターゲット内の敵を連続で斬り付けたりなど、武侠らしさを前面に押し出したものが多く、「Diablo III」とはまた違った気分で楽しめる。

 グラフィックスは、「Diablo III」や「League of Legend」などを意識したファンタジータッチで、細部まで良く描き込んでいる。エフェクトの類いもまぶしくなるほど派手で、アクション時の打撃感の薄さをグラフィックスで補っている。船上で燃えさかる炎も演出のひとつになっており、時間によって燃えさかる位置が変化したり、炎をまき散らす回転装置があったりなど、固定マップならではの演出の濃さが楽しい。

 ステージ内には、一定間隔ごとにボスが出現し、倒すスピードや倒し方によってS~Cまでの判定が行なわれ、これがステージクリア時の報酬に関わってくる。デモで使用したキャラクターはレベルが高すぎるためか、「Diablo」における殺すか殺されるかといった緊張感のある駆け引きは味わえなかったが、これが無料で遊べるなら試してみたいと思うゲームファンは多いだろうなと思った。日本展開については未定とのことだが、「Diablo」シリーズは日本でも人気が高いだけに、日本語版の登場を期待してもいいかもしれない。

【様々なカード】
「獵命師」ではあらゆる要素がカードとして扱われ、英雄をはじめスキルや消費アイテムなどを有料アイテムとして購入することができる

【初期設定画面】
英雄を選び、次にスキル、最後に消費アイテムを選ぶ

【スクリーンショット】

【クリア報酬】
ステージをクリアすると、ボスごとの判定が加算されて報酬が貰える。このあたりの処理もソーシャルゲームの影響が見られる

【アイルー?】
ステージをクリアすると、ボスごとの判定が加算されて報酬が貰える。このあたりの処理もソーシャルゲームの影響が見られる

(中村聖司)