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Wargaming.net、最新作「World of Warplanes」のデモンストレーションを実施

スピットファイアやIL-2、Bf-110Bなど往年の名機が飛び交うオンライン空戦ゲーム

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 近年、戦車ゲームで世界を席巻しているベラルーシのデベロッパーWargaming.net。いまや世界のゲームショウではすっかりお馴染みのメーカーとなったが、台湾でもまた「World of Tanks」が大ヒットしている。Taipei Game Showでは昨年同様、大規模なブースを構え、精力的に「World of」シリーズを展開。本稿では台湾で初御披露目となったオンラインフライトコンバットゲーム「World of Warplanes」のプレゼンテーションの模様をお伝えしたい。

【ウェルカムダンス】
TPGSではイベントの前にダンスから入り、来場者の注目を集めるのが基本となっている

説明を行なう「World of Warplanes」プロデューサーのMykhailo Zinchenko氏
ファイターのスピットファイアで獲物を探しているシーン。雲の表現が秀逸だ
アサルトファイターのIL-2で対地攻撃。爆弾用に地面にカーソルが表示され、雰囲気たっぷりだ
Bf-110Bで宙返りして対艦攻撃へ。見ているだけだと目が回りそうだが、プレイしていると楽しそうだ
ちょっと文字が潰れて見えにくいが、これがチームリスト。「World of Tanks」と同様に、様々な国の航空機が同一チーム内にひしめいているのがわかる

 「World of Warplanes」は、「World of Tanks」に続く、オンラインコンバットゲームの最新作。E3レポートでもお伝えしたように欧米で長らくβテストが実施されていたが、昨年11月に正式サービスがスタートした。今後、日本や台湾を含む、アジア各地でサービスが開始される見込みとなっている。サービス開始時期は未定で、今回のデモでも英語版が試用されており、まだしばらく掛かりそうな印象だ。

 東京ゲームショウでは、「World of Warplanes」はまだ開発中と言うことでトレーラーのみの公開に留まっていたが、今回は試遊台こそなかったものの、実機から収録した映像をふんだんに紹介しながら、「World of Warplanes」の魅力が紹介された。プレゼンターは「World of Warplanes」プロデューサーのMykhailo Zinchenko氏。

 Zinchenko氏は、「World of Warplanes」について、空戦をモチーフにしたフライトコンバットゲームであると紹介した上で、従来のフライトコンバットシミュレーターのような難しい操作や、ジョイスティックを駆使した正確な操作は不要で、マウスとキーボードだけで簡単に遊べるゲームに仕上がっていると、見た目よりずっと敷居の低いゲームであることを強調した。

 続いてZinchenko氏は、ゲームに登場する機種について紹介した。「World of Warplanes」には、ファイター、アサルトファイター、ヘビーファイターの3種類の航空機種が存在し、それぞれ役割やゲームプレイが異なると説明してくれた。

 ここからはデモンストレーションに移った。戦場は冬のスターリングラードで、英空軍の名戦闘機スピットファイアが飛び回っている。UIは左右両端に味方と敵陣営のリストが表示され、右下にはミニマップ、左下には自機の現況が描かれるなど、「World of Tanks」に近いUIを採用している。ミニマップには、敵味方、自分含め総勢30機が表示されており、リアルタイムでその位置や向きがわかるようになっている。ただし、あえて高度のみはわからないようになっており、重なって見えても、実はまったく高度が異なることもあるわけだ。

 最初のクラス「ファイター」は、先述のスピットファイアのような純粋な戦闘機だ。他のファイターを含む、全航空機を撃墜するのが最大の目的となる。小型軽量でスピードに優れるが、対地攻撃は弱いという味付けとなる。

 アサルトファイターは、日本でのカテゴリ分けではいわゆる攻撃機に該当する機種で、デモではソ連の名機IL-2 シュトルモビクが採用されていた。戦闘機に比べると速度の面で劣るものの、馬力を活かした高火力と、機銃掃射やロケット弾を使った対地攻撃も可能となっている。後述するヘビーファイターと、ファイターの中間に位置する機種となる。高度を取って急降下による一撃離脱スタイルで、戦闘機を屠ることも可能で、扱いやすそうな印象を持った。

 最後のヘビーファイターは、いわゆる戦闘爆撃機相当の機種となる。デモで試用されていたのは、ドイツ空軍の名機Bf-110Bで、やはり戦闘機や戦闘爆撃機と比較すると大きく、愚鈍だ。戦闘機と、同じ高度を飛んでいると格好の標的にされてしまうため、戦闘機がなかなか近づけないような高高度から戦場を俯瞰し、ターゲットを見つけて高火力で撃破するというスタイルが一般的となる。高高度から対地、対艦攻撃も可能でこちらもおもしろそうだ。

 航空機の動きは、航空力学に基づいたリアルな動きと言うよりは、マウスを動きに対してクイックに機体が動く、まさにゲームならではのカジュアルな仕様になっており、フライトシミュレーターにありがちな、難しいお作法を覚えなくても手軽にドッグファイトや、編隊を組んでの水平爆撃が体験できそうだ。

 惜しむらくは、あまり空戦にピンときた人が少なかったためか来場者の反応がいまひとつだったところ。これが中文版になり、台湾独自の施策なども発表されると反応が変わってくるのだろうが、日本での反応がどうなるのかは注目である。「World of Tanks」では史実での弱さがゆえに、日本軍の戦車はおまけ扱いで、欲しがる人もあまりいないという残念な状況だったが、「World of Warplanes」では、零式艦上戦闘機を筆頭に、世界水準の名機が目白押しだけに、正式発表が待ち遠しいところだ。

【キャプションタイトル】
本稿とはあまりというか全然関係ないが、台湾軍がブースを設け、新兵を募集していた

(中村聖司)