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SCEJA、「パペッティア」制作スタジオ潜入ツアーを開催!!

制作現場に入り、開発の様子を見ることができる貴重なイベント
プレーヤーの名前をボイス付きで読み上げてくれる豪華な試遊台!

8月10日 開催

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは、9月5日発売予定のプレイステーション 3用アクション「パペッティア」のイベント「『パペッティア』制作スタジオ潜入ツアー」を8月10日に開催した。

 本イベントは、同社のサービス「プレコミュ」で募集が行なわれ、その当選者のみが参加できるクローズドなイベント。試遊はもちろん、制作ルームに入り、制作スタッフと直接話ができるという貴重さもあり、多くの応募があったそうだ。なお、プレコミュのSCEJA本社での体験イベントはこれまで何度も行なわれているが、SCEJAタイトルは今回が初となる。

イベントの説明が行なわれたメイン会場には、パペッティアの台本、グッズなどが展示されていた。「パペッティア」で専用設定が用意されるというヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」での試遊台も用意されていた

パペッティアがどう作られたのか、制作スタッフ自ら紹介してくれる制作ルーム潜入ツアー!

 今回のイベントは、第一幕「制作ルーム潜入ツアー」、第二幕「制作スタッフ おもてなし試遊」、第三幕「制作スタッフとパペッティアについて語ろう」の3幕で構成されている。

 第一幕「制作ルーム潜入ツアー」では、実際にゲーム制作が行なわれている現場に入り、「モーション」、「リハーサル」、「イメージボード」、「ライティング」について制作スタッフから話を聞くことができた。

リード・アニメーター・川 孝平氏が担当

 「モーション」のパートでは、専用のモーションビューワーを用い、主人公のクウタロウを例に説明が行われた。クウタロウのベーシックなモーションは50種ほどで、細かいものまで合わせると200ものモーションがあるという。他にも、台の上から走る→落下→着地と、台の上から飛び降りて着地するまでにどのようにモーションがつながっているかも見せてくれた。

ゲームデザイナー 山部 学氏が担当

 「リハーサル」はいわゆる本番に向けたテスト・チェック環境。自由に空中を移動したり、敵やアイテムを大量に出したりと通常ではありえない状況も見ることができた。また、ゲーム内での1m毎に区切られた格子状の表示もあった。これはデザイナーにオブジェクトを発注する際のサイズ指定などに使うという。

リード・イメージボード・アーティスト 中井俊彦氏が担当

 「イメージボード」はゲームの見た目の設計図のようなもの。まず、細部までは作りこまない、大まかなイメージボードを作り、それを元にアイディアを出し、出てきたアイディアをイメージボードに追加し、さらにそれを元にゲーム画面に落とし込まれていくとのこと。最終的にイメージボードから大きく変化するもの、しないもの様々だという。竹林、砂の波、海賊船、ハロウィン、お墓など、多くのイメージボードが確認できた。

【イメージボードの一例】
リード・ライティング・アーティスト 小宮進吾氏が担当

 「ライティング」のコーナーでは、パペッティア専用のライティングツールとビューワーを用いて説明が行われた。1画面に30~40ものライトが使われており、同社の「ソウルサクリファイス」のディレクターから「パペッティアはライティングに力入れすぎ」と言わせるほどだそうだ。ライティングツールで面白いのがGOBO(スポットライトに着けることで模様や文字を投影する舞台照明道具)機能が実装されているところ。GOBO機能を使って、キャラクターや文字を投影するプレゼンテーションも行なわれた。

色や明るさなどが自在に調整できるライティングツール
段ボールで作られたお手製のGOBOを使った説明も

1時間にも及ぶ試遊台プレイ。遊べるのはプレーヤーの名前を読み上げてくれる会場限定バージョン!

 第二幕「制作スタッフ おもてなし試遊」は専用の試遊室で行なわれた。試遊時間は1時間とたっぷり用意された。チュートリアル要素が濃く、操作方法が習得できる第1章 第1幕からスタートし、その後は3章までのステージを自由に選択してプレイできた。プレイの際には、プレーヤー1人につき、1人のスタッフが隣に座って説明してくれるというもてなしぶり。隣にいると遊びづらいという場合には席を外してくれる配慮も。

 たっぷり遊べる、これだけでも嬉しいのだが、今回の試遊台は会場限定バージョンで、音声と字幕で事前登録したプレーヤーネームを読み上げてくれる機能まで実装されていた。読み上げてくれるのは本作のナレーターを務める藤原啓治さんだ。ボイス内容は以下の通りだ。

 「さぁ、お入りください。○○様。ようこそ我が魔法劇場へ! 私は当劇場の支配人プロフェッサー・グレゴリウス・T・オズワルド。あー、もちろん。○○様。あなたも私の友人達と同じくミスター・Gとお呼びください。本日は、特別に、我が親愛なる、○○様、あなた様だけに!来る9月に全世界で初公開されます、当劇場の新作「パペッティア」その一部をお目にかけましょう」

 このサプライズには来場者はかなり驚いたようで、帰りのエレベーターの中でこのことを話題にしている来場者が見受けられた。他にも会場やエレベーターの中など、この日のためだけに収録された藤原さんの音声が放送されていた。

制作スタッフに直接質問できる「制作スタッフとパペッティアについて語ろう」! スタッフ手作りグッズも抽選でプレゼント!

 第三幕「制作スタッフとパペッティアについて語ろう」には、ギャビン・ムーア氏、佐藤一信氏、岩片烈氏、北尾泰大氏が登場。最初に事前に集められた質問への回答が行なわれた。

 Q:ピカリナは何故関西弁なのですか?とても気になります。

 A:英語版では、ナレーションはスタンダードなイングランドの英語で、ピカリナはカリフォルニアで使われる英語になっている。日本版では、ナレーションの標準語に対して、ピカリナは大阪弁がいいだろうと。ピカリナは最初は標準語だったが、それではかわいいだけになってしまうので、関西弁にしたという理由もあります。

 Q:主人公の名前「クウタロウ」の由来は?

 A:私(ギャビン氏)の息子の名前は「クラウド」。だから似てる名前が欲しかった(笑)。それでスタッフと考えて、クウタロウは漢字で空太郎=スカイボーイはいい名前だと思った。ヨーロッパでプレゼンする際、クウタロウとカッター(ハサミを持った人)は発音が似ていていい!となった。そのため、全バージョン共通で主人公の名前は「クウタロウ」になっています。

 Q:開発で一番大変だったことは?

 A:レコーディングは大変でしたね。日本語でシナリオを書いて、スタッフが仮でボイスを入れてくれて、その秒数に合わせて英語版を収録してもらうのですが、収録されたものの尺が違っていたんです。そうすると日本語が入らなかったりするんです。収録に楽しく立ち会う予定だったのですが、急遽現場でシナリオを書き直しました(笑)。

 プロジェクトの最初も大変でした。偉い人にプレゼンするのが難しかったんです。“魔法の劇場の中で5~10分で終わりますよ”、“主人公がパペットです。ダウンすると頭が取れますよ”などと伝えてもポカーンとされてしまった(笑)。

 あとCERO Aにするのが大変でしたね。ハサミを使って敵を倒し、頭が取れるゲームなので……今まで「SIREN」シリーズなどを作っていたのでCEROのハイレーティングは得意なんですけど(笑)。

 続いて来場者からの質問コーナーに。

 Q:参考にした劇場は?

 A:文楽は参考になりました。演技中、背景の大道具が動く。劇場でやれば、5~10分でシチュエーションが変わっていくのを無理なくできると思ったんです。

 Q:「なんということでしょう。匠の力により……」という表現がありましたが、海外ではどうなっているんですか?

 A:4人(ギャビン氏、佐藤氏、岩片氏ら)でネタ出しをするんですが、日本人がネタ出しするとその場でギャビンがカルチャライズし始めます。逆にギャビンがネタを出したら日本人が日本向けにします。そのため、日本と海外版で収録内容が異なります。

 ちなみに本作は全20カ国語に対応していて、字幕だけでなく、それぞれの言語を収録しています。ドイツ語はみんな怒っている、フランス語だと優しい感じがします(笑)

 Q:CERO Aにするためになくなったエピソードはありますか?

 A:人の生き死に絡みはなくなりましたね。

 Q:ハサミのアクションが気持ちよかったのですが、かなりこだわったんですか?

 A:期間については答えられないくらい調整しました。アクションのパラメーターはツールで調整できるのですが、チーム内で試し、その後チューニングチームにプレイしてもらいと何度もやりました。SEは後で入れたりするのが普通ですが、音もリアクションとして大事なので、モーションを変更する度に変更してもらったりしましたね。

 Q:劇場の雰囲気や演出を現場に伝えるのは大変じゃなかったですか?

 A:ギャビンは“こうきて、こうきて、ダーンだよ!”みたいな感じで(笑) 彼は元々アニメーターなので、頭の中では映像ができているんですね。なのでドリフみたいなのだよなど、何かしらわかりやすいものに置き換えて伝えました。あと、わかりづらい場合には、ギャビンに手に紙をはってもらい、実演してもらったりしました(笑)

 制作現場への潜入、会場限定バージョンの試遊、制作スタッフと直接話ができた本イベント。来場者全員へのグッズプレゼントに加え、抽選でスタッフお手製のグッズや海外版にのみ付くアートブックのプレゼントもあったりと、ファンにとって夏休みのいい思い出になったことは間違いないだろう。

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(木原卓)