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PS3「パペッティア」ファーストインプレッション
劇場をコンセプトにした新作アクション! 2人プレイの新たな形、レベルデザインにも注目!
(2013/6/6 13:00)
プレイステーション3用アクション「パペッティア」。2012年8月に開催された「Gamescom 2012」にて、「rain」と同時に発表された、SCE JAPANスタジオ制作のアクションゲームだ。
今回、プロデューサーの水谷崇氏 、ディレクターを務めるギャビン・ムーア氏、ゲームデザイナーの佐藤一信氏 同席の元、6月11日より実施されるE3会場で公開予定のゲーム序盤とクライマックス直前となるゲーム終盤の2ステージをプレイする機会が得られたのでレポートをお届けする。
劇場の舞台で繰り広げられる、魔法でパペットとなってしまった少年クウタロウの物語。細部まで作りこまれたステージは必見!
【物語】
地球の少年クウタロウは、寝ている間に月を支配する暴君ムーンベアキングの魔法で、魂を木の人形に封じ込められました。
パペットとなったクウタロウは、空飛ぶ猫インヤンと月の魔女に導かれ魔法のハサミ、カリバスを手に入れます。
さらに、月の騎士が遺した盾を手にし、城に囚われていた少女ピカリナを救うと地球へ帰るため、大いなる冒険に乗り出します。
それは、ムーンベアキングと闇の軍勢を倒し月の女神のムーンストーンを取り戻すはてしない戦いの旅だったのです。
ゲームは劇場の舞台の上で繰り広げられていく。舞台らしく、画面の上部や左右にはカーテンが見えるし、ステージもどこか書割のようなデザインになっている。キャラクターが喋ることに加え、進行に合わせてナレーション(CV:藤原啓治)が流れ、観客の声が聞こえてくることも、より劇場らしさを感じさせてくれる点だろう。観客の声の仕組みは、ギャビン氏が夜遅くに帰宅すると家族が就寝してしまっているため、いくらいいプレイをしても誰も褒めてくれない、というところから生まれたそうだ。観客の声は、プレイ内容に応じて変化し、うまくプレイできれば、より良いリアクションが返ってくる。
ステージのバリエーションは豊富。序盤だけでも、舞台転換が頻繁に起こり、次々と新たなステージが登場する。何が起きるかわからない、プレーヤーのドキドキ・ワクワク感を大事に考え、デザインの使いまわしはせず、バリエーション豊かに作り上げたそうだ。
独特な操作感覚が味わえるハサミによるアクション!ゲーム本編だけでなく、100種類あるヘッド収集も楽しみの1つ!
クウタロウの基本操作は、左スティックで移動、×ボタンでジャンプ、□ボタンでハサミ、R2ボタンで転がるの4つ。
左スティックの左右で入力方向に移動し、下に入力するとしゃがむ。しゃがみながらの移動はできないが、攻撃回避などに活躍してくれる。
魔法のハサミ「カリバス」は敵を攻撃できるのはもちろん、何かを切っている間はエアカットとなり、切りながら進むことができる。切るものさえあれば、地面に降りることなく空中を切り進めるわけだ。
転がるアクションは無敵時間のある、信頼度の高い回避手段。しかしながら、連続して繰り出すと、3回目には転がらずに、つまづいてしまう。
右スティックでは、月の魔女に飼われている空飛ぶ猫のインヤン、関西弁(英語版ではカリフォルニア訛りになるらしい)で喋る妖精のピカリナを操作でき、特定の場所を調べることができる。インヤンとピカリナは任意で切り替えるのではなく、ストーリー進行に合わせて自動で切り替わるようだ。序盤のステージではインヤン、それ以外のステージではピカリナになっていた。
続いて本作に欠かせないハサミとヘッドについて紹介しておきたい。パペットであるクウタロウは頭(ヘッド)の入れ替えが可能。通常のヘッドは全100種類あり、それとは別にヒーローヘッドが4つある。「ナイトヘッド」、「忍者ヘッド」、「レスラーヘッド」、「海賊ヘッド」が「ヒーローヘッド」と呼ばれ、手に入れれば特殊な能力が使えるようになる。
これらヒーローヘッドのアクションは、いちいちヘッドを切り替える必要はなく、対応するボタンを押せば、自動的にヘッドが切り替わり、その能力が使える。ステージギミックや特定の敵で必要になる場合には、それぞれの能力に対応したマークが表示されるため、使い所で迷うことはなかった。
ヒーローヘッド以外のヘッドは特殊能力をもたないが、クウタロウのHPに相当するものになっている。クウタロウは攻撃を受けるとヘッドが落ちてしまう。一定時間内にヘッドを拾うことができれば問題ないが、拾えないとストックされているヘッドに切り替わる。ストックがない状態でヘッドをロストしてしまうと、残機が1つ減り、チェックポイントからのリスタートとなる。そして残機が0になるとゲームオーバー。ステージ選択からやり直すことになってしまう。
プレイするのに難しいコマンドは必要なく、ゲームを進めることで新たなアクションが追加される形になっており、チュートリアルも親切なため、操作は自然と習得することができる。
ありそうでなかった!? 2人同時プレイの新たな形。1人、2人プレイが自動で切り替わる!プレイ人数により難易度も大きく変化!
本作は2人同時協力プレイに対応している。2人で遊ぶ場合には、1人がクウタロウを、もう1人がインヤンやピカリナを操作する。この2人同時プレイのシステムは非常に興味深いものになっている。
同作はいつでも2人同時プレイに変更することが可能となっている。2P側でアナログスティックを動かすなど、何か入力があると、インヤンやピカリナの操作権が2P側に移り、逆に少しの間入力がないと1人用(右アナログスティックで彼らを操作する)に戻る。これはもともとは、子供とのプレイを想定しての仕様だそうで、お父さんが遊んでいる所に子供が急にきた場合にはすぐに一緒に遊べるし、飽きてどこかに行ってしまってもゲームを中断することなく、プレイを継続できる。
さらに2人同時プレイは難易度にも大きく影響する作りになっている。1人プレイ時には、インヤンたちに攻撃能力がなく、できるのは何かを調べるといった程度だが、2人同時プレイの際には、敵を攻撃したり、敵弾を打ち落としたり、クウタロウが攻撃を受けて落としてしまったヘッドを回収して戻してあげたり、スイッチを操作してステージを楽に進めるようにしたりできる。
例えば、斜面を転がり落ちてくるオブジェクトをジャンプで飛び越える場面では、2P側で転がってくるオブジェクトを破壊してしまえば、1P側はただ前進するだけでよくなるわけだ。また、ボス戦で登場するQTEでは、1人プレイなら表示と異なるボタンを押すとミスになってしまうが、2P側で判定されるのは正解の入力だけになっているため、全部のボタンを適当に押していいるだけでクリアできてしまう。
このため、1人プレイだと歯ごたえのある難易度になっているが、2人プレイになると誰でもクリアできるレベルに難易度が急激に下がる。難易度設定はないが、子供から大人まで楽しめるのは間違いないだろう。2P側は無敵である点も大きい。さらに2人同時プレイでは、落としたヘッドをどこかに捨ててしまったりといった協力しない遊び方もできる。2P側は基本的にポインティング+○ボタンのシンプル操作なので、誰でもプレイできそうだ。
最後に
ステージや敵のバリエーションが豊かなうえ、ゲームを進めていくと新たなアクションが徐々に追加され、クリアまで飽きることなく遊べそうな本作。
ゲームは全7章で構成されており、クリアまでは10~12時間ほど。ヘッド収集、1章につき3つ用意されているボーナスステージなど、やり込める要素が多く用意されており、トロフィーコンプリートを目指すと15時間以上はかかるそうだ。
ディレクターのギャビン氏が「私たちはゲーマーだから、チャレンジが欲しい。『パペッティア』には子供向けゲームのイメージがあるかもしれないが、ゲーマーも楽しめるゲームになっている。ただ、2人でプレイすれば誰でもクリアできる」と語る通り、1人なら本格派のアクションが、2人ならコミュニケーションを取りながらワイワイと楽しめる本作。独特な操作感を持つハサミのアクションも体感してもらいたいところだ。
(C)Sony Computer Entertainment