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【特別企画】もうやった? ゲーマーが虜になる3マッチパズル「Candy Crush Saga」

進むほどにハマっていく面白さはどこにあるのか? 「LINE POP」、「パズドラ」とも比較検証!

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ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

 スウェーデンのゲームメーカーKingのパズルゲーム「Candy Crush Saga」は、爽快感と苦悩が交じり合いながら、じわじわと面白さがこみ上げる良作だ。2011年にFacebook用のブラウザゲームとしてサービスを開始した本作は、後にiOSとAndroidにも対応し、世界でDAU(デイリーアクティブユーザー)が5,000万人を超える大ヒットとなっている。

 日本での知名度はそれほど高くないという印象だが、日本語の対応はFacebook、iOS、Android版すべてにおいて完了している。3月に開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference」(GDC)で「Candy Crush Saga」のセッションが開催されたり、GDC会場の近くでKingのプライベートパーティが開かれたりと話題を振りまいていた。

 筆者はGDCで本作を初めて知り、その後プレイを始めたのだが、毎日起動せずにはいられないほどすっかりハマってしまった。というのもこの「Candy Crush Saga」、実にゲーマー向きの攻略性あふれる要素が詰まった3マッチパズルになっていたからだ。

 これは取り上げないわけにはいかない! というわけで今回は特別に、「Candy Crush Saga」の面白さについて、ゲーマーとしての目線から本作を分析してみたい。ステージ158で行き詰まっている筆者の個人的なプレイ経験やライバルタイトルとの比較なども含めながら紹介し、最終的に「Candy Crush Saga」仲間が増えてくれれば幸いだ。なお本稿では主にiOS版をプレイして取り上げている。

必要なのは8割の運と2割の技術力。ゲーマー心をくすぐる爽快感と苦悩の叙事詩

一見すれば普通の3マッチパズル。キャンディのビビッドなカラーリングが印象的
キャンディを侵食してくるチョコレート。「チョコレートは大好きだが、このチョコレートは憎い」(友人談)
プレイ中に何度も目にすることになるクリア失敗の画面

 「Candy Crush Saga」のステージ突破の肝は、8割の運と2割の技術力にある。制限時間が設定されているステージもあるが、基本的には移動回数との勝負となっている。キャンディの配置はランダムではあるものの、じっくり取り組むことで解決策がふと見える瞬間がある。カジュアルな手触りでありながら、ここがゲームを奥深くさせている要因となっている。

 簡単に「Candy Crush Saga」について説明しておくと、本作はお菓子の世界をテーマにした3マッチパズルとなっている。6色あるキャンディを揃えて消しながら、ステージごとに掲げられる課題をクリアすれば次のステージへ進める。

 課題には移動回数と目標点数が設定されているもの、目標物を指定数下まで落とすもの、そのマスにあるキャンディを消すことで消滅する「ゼリー」を全部取り除くものなどがある。

 お菓子がテーマというだけあって演出も面白く、鮮やかなキャンディの色遣いから、キャンディをパリンと砕く音や包み紙をクシャッと丸める音、ゼリーが割れて落ちていくアニメーションなど、メルヘンでかわいいアイテムと演出に溢れている。

 はっきり言ってしまえば、基本要素に目新しいところはない。しかし「Candy Crush Saga」が優れているのは、見た目からはにわかに悟れないそのステージ構成の妙にある。最初は何気なく進めていけばステージがクリアできるようになっているが、ステージの形は複雑になり、ゼリーの量は増え続け、ステージクリアを阻む要素がどんどんと積み重なってくる。

 ゲームを進めれば、当然行き詰まるステージも出てくる。例えば、筆者をかなりの泣き顔にさせてくれたのは、「チョコレート」が襲い来るステージだった。「チョコレート」が襲い来るというのも妙な表現だが、「Candy Crush Saga」におけるチョコレートは、一手進めるごとに隣のマスのキャンディを塗りつぶして侵食してくる厄介な代物となっている。

 隣り合うキャンディを消せばチョコレートも壊れ、その一手では侵食が進まないという仕組みになっているが、上手くいかない時はステージをチョコレートが埋め尽くし、気付けばにっちもさっちもいかない状況になることが多々ある。

 チョコレートと「ゼリー消し」が重なるとより一層の悪魔ぶりで、ゼリーの上にチョコレートが被さった場合は、チョコレートを消した上でゼリーを消さなくてはならない。チョコレートをステージ上から全て消滅させればチョコレートの恐怖は消えるものの、そちらにばかり気を取られていると移動回数の上限があっという間にやってくる。ステージクリアまでの行程にはこうした苦悩が集約されており、クリアまで届きそうで届かず、ついついチャレンジを繰り返してしまう。

 お邪魔要素はこれだけではなく、チェックポイントを経るごとに、1回で消えるクリーム、同じ色を揃えないとキャンディが解放されない針金の囲い、2回で消える銀紙に乗ったクリーム、移動できるが1回で消える渦巻きガム、制限回数を超えると強制的にゲームが終了する爆弾キャンディなどテーマが増えていき、これらが組み合わさることで実に多彩なステージを体験できるようになっている。

 しかし進むほどに難しいステージばかりかというとそうではなく、どちらかというともっと軽快なイメージだ。一見複雑そうに見えるステージでも、キャンディの色の種類が少なく設定されていて連鎖が頻繁に起きるようになっていたり、意外な場面で連鎖が大発生してすんなりとステージが進むこともある。増え続ける要素に段々と慣れていきながら、“ハマる”ステージが突然やってくるというのが、本作のミソとなっている。

ステージごとに目標は変わる。時間制限はあまり考えずに進められるのでかなり楽
画面表示はデバイス横向きにも対応する。右はFacebook版の画面

「スペシャルキャンディ」を駆使して爽快感とクリア率は急上昇!

ステージが進むほど重要になるスペシャルキャンディ
ストライプキャンディは縞の方向によって消せる方向が変わる。上記は組み合わせによる発動
周囲1マスを爆破するラッピングキャンディ

 その軽快さを生み出しているのが、攻略に重要な役割を果たす「スペシャルキャンディ」だ。

 「スペシャルキャンディ」は、同じ種類のキャンディを4つ以上揃えた時に現われる特別なキャンディで、縞模様の「ストライプキャンディ」(4つ消し)、袋入りの「ラッピングキャンディ」(直線でない5つ以上消し)、様々な色が集まった「カラーボム」(直線で5つ消し)と3種類ある。

 カラーボム以外のスペシャルキャンディは他のキャンディと同じように消せる。ストライプキャンディは横または縦列一直線にキャンディを消せ、ラッピングキャンディは周囲の1マスのキャンディを2回消す。カラーボムは隣りのキャンディと入れ替えることで発動し、入れ替えたキャンディと同じ色のキャンディをすべて消すことができる。

 これらのキャンディを駆使すると、前述で説明した邪魔くさいチョコレートは割とあっけなく崩れ去る。スペシャルキャンディの効果はゼリーなどのステージ構成要素に効くので、通常の手段で攻略を目指すよりも圧倒的にクリアに近づく。

 スペシャルキャンディの使い道は、まだ終わりではない。隣りあったスペシャルキャンディ同士を入れ替えることで、さらなる力を発揮できる。例えば、ストライプキャンディとラッピングキャンディを組み合わせれば、横3列、縦3列のキャンディを一掃できる。ラッピングキャンディを2つ組み合わせれば、周囲2マスのキャンディを爆破できる。

 そして醍醐味はカラーボムと他のスペシャルキャンディを組み合わせた時で、ストライプキャンディとでは同じ色のキャンディをすべてストライプキャンディに変えて発動させ、ラッピングキャンディとではカラーボムの効果を2回発動できる。カラーボム同士で組み合わせれば、画面一掃の特別な演出を見られる。これらの効果はかなり気持ちいいので、ぜひ自分の手で発動していただきたい。

 さてこのスペシャルキャンディが“攻略に重要な役割を果たす”と書いたのは、明確な戦略性をもって臨めば、ある程度は狙ってスペシャルキャンディの組み合わせを発動できるという点だ。

 ステージが狭いと落ちてくるキャンディに頼るしかないが、ある程度の広さがあれば、キャンディを誘導するようにして消していくことで、4つ以上で揃えることもできるようになる。よくあるのは、消せる状態のキャンディを敢えて取っておくというパターン。そのキャンディの配置が崩れないように気を付けながら、周りを消して必要なキャンディを導いていく。

 ストライプキャンディ1つでクリアへの糸口が掴めることもあるほか、スペシャルキャンディ同士を上手く隣同士に置ければクリアの可能性は一気に高まる。ただし思わぬ連鎖でスペシャルキャンディが暴発してしまうというのもかなりの「あるある」なので、注意が必要だ。

カラーボムは、隣のキャンディと交換するだけで「バヒュッ」と音を立てて発動する
カラーボム+ラッピングキャンディ発動のチャンス。プレーヤーとしてはニヤニヤ
iTunesで購入

(安田俊亮)