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ガマニア、「ティアラ コンチェルト」クローズドβテストレポート
新米シンフォナーが音楽を武器に戦う、ギミックたっぷりのMOアクション
(2013/2/18 00:00)
ガマニアデジタルエンターテインメントは2月6日より2月13日までWindows用MOアクション「ティアラ コンチェルト」のクローズドβテストを実施した。本作は人々が空に浮かぶ島で生活するようになった世界を舞台に、音楽を魔法に変える「シンフォナー」の冒険を描く。シンフォナー達は世界の秘密の鍵を握る「サウンドフィールド」に旅立ち、失われてしまった“海と大地”を取り戻すための方法を探していく。
本稿ではクローズドβテストレポートとして、ゲームの基本要素、感触を紹介していきたい。世界観や、キャラクターデザイン、モンスターと動きなど、様々な部分で開発者のやる気と挑戦心の見えるゲームである。なお、ファーストインプレッションはこちらを参照して欲しい。
音楽を武器に戦うシンフォナーとなって、世界の秘密を調べる冒険へ!
「ティアラ コンチェルト」は、800年ほど前に栄えていた古代文明が生み出した巨大なエネルギーがストーリーの大きな鍵を握っている。古代文明を作り出した人々は宇宙まで旅立てるような科学技術を持っていたが、生み出した強大なエネルギーが星を汚染し、決定的な破滅をもたらしてしまう。人々はわずかな陸地を天空に浮かすことで何とか生き残るが、“大地”と“海”は失われてしまう。
天空に浮かぶ“島”で生活する人々はかつての技術を失いながらも、新たな“魔法”を生み出す。それが音とリズムによって過去のエネルギーから力を引き出す「チューニング」と呼ばれる魔法だ。その魔法は過去とつながる不思議な空間「サウンドフィールド」を作り出す。そしてサウンドフィールドを管理し、魔法を使いこなす「シンフォナー」と呼ばれる者達は、失われた大地や海を見つけるため、サウンドフィールドを探索していく。プレーヤーは「新米シンフォナー」として冒険を開始するのだ。
「ティアラ コンチェルト」では、プレーヤーは近接武器を使う「ファイター」、銃を使う「レンジャー」、音楽により範囲攻撃や召喚魔法を使いこなす「チューナー」の3つの職業から1つを選択する。
種族はヒューマン、エルフ、ビーストの3種族で、ヒューマンが標準的な体型で、エルフは身長が低く、無機質な表情が多い。ビーストは野性的な雰囲気がある。顔パターンや髪型も複数用意されているが、現在はキャラクターの声が1種類のみで、ビーストの女性はかわいらしい声となっていて、クール系の表情にするとちょっと合わない。ただ、今後キャラクターのボイスは追加されるということだ。
表情の中で面白かったのが、口を大きく開けた笑顔の表情が用意されているところ。今回はこの口を開けた表情を選んでみたのだが、シーンによってはちょっぴり緊張感に欠けるものの、独特の雰囲気があった。髪型や表情も充実しそうで、楽しみだ。
今回は「チューナー」でプレイしてみた。楽器を弾くことで生じる魔力で攻撃する職業で、通常攻撃は攻撃範囲は広いが威力は低い。特殊攻撃の「スワイプ」ではバリアを張り敵をはじき飛ばせる。ここに直線攻撃が強力な「リバースサラウンド」と、太鼓を鳴らすキャラクターを召喚できる「ブレイブマーチングバンド」という2つの「護音術」を活用していく。
そして強力なのが「スキル」だ。これらは切り替えて使うことができる技で、通常攻撃を一定時間ためることで発動する。「サウンドウェーブ」は広範囲の音波攻撃。「戒め悔いの夜」は砲台が出てきて、ターゲットに砲撃する。「フレイムロンド」は下半身が蛇のような召喚獣を呼び出し炎の攻撃を行なう。
護音術は威力が高いがMPを消費するため連発できない。また、スキルは攻撃準備中にダメージを受けると解除されてしまう。チューナーの戦い方は、敵と距離をとり護音術やスキルでダメージを与え、そして逃げてMPの回復を待つという戦い方となる。通常攻撃で押していくよりも、護音術とスキルを活用して大ダメージを与えることを狙う職業だと感じた。
パーティープレイでは盾役のファイターにモンスターを集めてもらい、まとめて敵を攻撃する、というのが基本的なスタイルとなりそうだ。シンフォナーは隙は大きいが高いダメージが与えられるスキルを活用することで、パーティーのアタッカーとして活躍できるだろう。
ファイターは大きな剣を振り回し、ぐいぐい敵を押していくような戦い方ができ、レンジャーは遠距離から強力な攻撃で敵を仕留めていくことができる。「ティアラ コンチェルト」の序盤の戦いはプレーヤーキャラクターの攻撃力が高めで、爽快感が味わえるバランスだ。ソロプレイでもモンスターを蹴散らしていける、派手な戦いが楽しめる作品だという印象を持った。
多彩なアイディア・ギミックが盛り込まれたフィールド、スピード感のあるパーティープレイ
物語はプレーヤーが乗る「飛空船」が謎の集団に襲撃を受けたところから始まる。プレーヤーは新米シンフォナーとして襲ってくる敵と戦う中、空に浮かぶ城や、突然船にテレポートした少女と出会うのだが、チュートリアルが終わるとこれらの要素は完全に棚挙げられた形になり、ストーリーは「新米シンフォナーの成長」になってしまう。
こちらは教官達に教えを受けながら、街の人々を困らせるモンスターを退治し、やがて世界の鍵を握るサウンドフィールドに旅立っていくという展開になる。この基本的なストーリーは面白いのだが、オープニングの伏線は宙ぶらりんのままだ。オープンβ以降で、このあたりがどうなるのか注目されるところだ。
「ティアラ コンチェルト」の基本的なゲームの流れは、MMOフィールドの街でクエストを受け、MO空間で戦いを繰り広げていく。このMOタイプのゲームをプレイしたことのある人ならすんなりとゲームを進めていけるだろう。
面白いのはMOフィールドでの演出である。戦闘だけでなく、商人が困っていたり、他のシンフォナー達が戦っていたり、戦闘中にも様々なドラマが展開する。特にそばかすのある“アニキ”と髪の毛で目を隠した“子分”のコンビのシンフォナーは、実力もないのにこちらをライバル視していて、いろいろな場面で出てくる。最初のボスである「ボアドック」もプレーヤーにリベンジするためにパワーアップして再登場するし、今後の展開が楽しみだ。
「シズクン」という猫耳のついた丸いモンスターがマスコットキャラクターで、戦闘時も表情を変えるし、妖精を護るために「親衛隊」を作ったり様々なドラマを見せてくれる。ペットとして連れ歩くことも可能となる。プレイしていて印象に残るキャラクターが多いと感じた。
また、フィールドに罠が仕掛けられていて活用することで敵にダメージを与えられることができたり、オブジェクトをはじき飛ばすことで動くスイッチがあったり、フィールドに様々なギミックを盛り込んでいるところにも好感を持った。様々なアイデアをゲームに盛り込んでいこうという開発スタッフの気合いが感じられた。
ゲームバランスは、ソロプレイで進めていけるバランスになっていると感じた。レベルをじっくり上げていくことで攻撃力を高め、適正レベルのダンジョンを攻略していくことでソロでもどんどん進められる。倒されても復活できる「セーブポイント」も各所に用意されており、長めのダンジョンの対策もされている。
ただ、10レベル近くのダンジョンとなると敵が多くなり、ソロプレイだと同じような戦いが繰り返される、少し単調な感じになる。筆者はプレーヤーに声をかけ、2人でのパーティープレイを体験させてもらった。今回は高レベルのチューナーとだったが、2人でがんがん敵を倒していくのは爽快だった。「ティアラ コンチェルト」は全体的に攻撃力が高めで爽快感がある。多少敵が多くても、フィールドが広くても、2人で敵を殲滅していくとあっという間にクリアできた。パーティープレイのスピード感は魅力的だと感じた。
本作では最大4人までのパーティーが組めるが、ソロプレイでもゲームが進められるためか、クローズドβテストではプレーヤー達がパーティを募集している声はあまり聞かれなかった。掲示板形式のパーティ募集用のシステムは用意されていたが、ワンボタンで飛び込めるような気軽にパーティに参加できるようなシステムがあれば、もっとパーティープレイは盛んになるのではないだろうか。4人での圧倒的な火力でダンジョンを走破していくのは楽しそうだ。一方で強いつながりを持ったプレーヤー達が緊密に連携しなくては攻略できない高レベルダンジョンにも期待したい。
本作のキャラクターや敵の当たり判定や、敵の攻撃パターンなどは、厳密なアクションゲーム寄りではなく、大味な部分もある。だからこそプレーヤースキルがそれほど高くなくてもレベルを上げることで戦える間口の広さを持っている。コアゲーマーはスキルや装備の構成や、各職業の特性を活かした連携などでこだわっていけると感じた。PvP要素も用意されており、対戦に特化したキャラクターの戦いは楽しみだ。今後は観戦システムも用意してもらいたい。
本作は、「できるだけアイディアを盛り込もう」、「自分たちのこだわりを活かそう」、「様々なギミックを盛り込んでみよう」、といった開発者の“挑戦心”を感じさせるタイトルだ。ゲームを作るのが楽しい、自分たちの力で“理想のゲーム”を実現したいという強い気持ちが伝わってきて、応援したくなる。これからも様々な要素に挑戦していってもらいたい。オープンβテスト・正式サービスで、もっとたくさんのプレーヤーとわいわい楽しみゲームの“成長”を見てみたいと感じた。
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