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Xbox 360/PC「Crysis 3」マルチプレイβインプレッション
新ルール「ハンターモード」ほか超スピードのゲームを体験!
(2013/2/1 15:32)
- 2013年3月7日 発売予定
- 価格:7,665円(通常版、PS3/Xbox 360/Windows)
- 7,800円(デジタルデラックス版、Windows、Originのみダウンロード販売)
- 6,800円(初回限定版、Windows、OriginとAmazon.co.jpでダウンロード販売)
エレクトロニック・アーツは、PS3/Xbox 360/Windows用箱庭型シューティング「クライシス 3」のマルチプレーヤーβテストを1月30日未明から2月13日まで実施中だ。対象プラットフォームはXbox 360およびWindowsで、Xbox 360版はXbox LIVEゴールドメンバー、Windows版はOriginユーザー全員が自由に参加できる。
「クライシス」は業界を代表する最先端グラフィックスでユーザーを楽しませてきたハイエンドなFPSシリーズだ。それと同時にシリーズを通して趣向を凝らしたマルチプレイモードを搭載し続けてきており、本作の主人公が装着する「ナノスーツ」固有の能力やアクションを生かした遊びが展開されてきている。
今作「クライシス3」でもその伝統を継承し、新たな遊びを提案するゲームモードとして「ハンターモード」を搭載。今回のマルチプレイβテストではこのモードに加えて、前作「クライシス2」にも搭載されていた「クラッシュサイトモード」を遊ぶことができる。
本作ならではの昇進システムやアンロック要素、キャラクターカスタマイズ機能なども含めて、今回のβテストでプレイできた感触をお伝えしていこう。
背筋が凍る体験「ハンターモード」、超ハイテンポで展開するナノスーツバトル
今回公開されたマルチプレイβテストバージョンでは、製品版で予定されている仕様と同じくWindows版で最大16人、Xbox 360版で最大12人で対戦を楽しめる。
操作系は前作「クライシス2」に比べてさらにシンプル化された印象で、それなりのプレイをすぐに展開できた。本シリーズでやや面倒くささがつきまとってきたのが各種のナノスーツ機能の活用だが、本作で明示的に操作する必要があるのは実質的に「ステルス」のみという点が大きい。
前作では手動操作だった「アーマー」モードは被弾時に自動発動できるようになり、他のスーツ機能も事前組み込み型のカスタムモジュールとなっているので、プレイ中の操作で混乱することが少ない。その上で移動、エイミング等はベーシックなFPSの操作系をクセなく継承しており、非常に間口の広いゲームになっている感じだ。
グラフィックスのパフォーマンスも上々だ。PC版においては前作に比べ品質「MEDIUM」時のクオリティがさらに高まっていて、設定「HIGH」、「VERYHIGH」とそれほど遜色のない品質にて快適なフレームレートで動作する。最高設定ではGeForce GTX 560搭載の筆者マシンで平均20fps以下と厳しい状況になるが、そこは超ハイスペックマシン持ちのユーザーにお任せしよう。今世代のミドルクラスのPCならまず問題ないクオリティで快適に遊べるはずだ。
さて、製品版では前作と同じく多数のマルチプレイモードを搭載することになりそうだが、今回のβ版で遊べる範囲では、今作で初搭載となるマルチプレイモード「ハンターモード」が一見の価値ありだ。
このモードでは参加プレーヤーのうち2人がナノスーツを着た「ハンター」となり、他のプレーヤーは対ナノスーツ部隊「C.E.L.L」隊員となって、2分間の狩りが始まる。ハンターに倒された隊員はハンター側に参加することになって、やがて全隊員がハンターと化すか、時間切れになるかというルールだ。
このモードではチームの勝敗は問題にならず、個人スコアでのみランキングが決まる。隊員として早々に倒されてハンターになってしまっても、そこから大量の隊員を倒してスコアを稼げば勝ちだ。チーム戦のように見えて、実は変則的な個人戦であることが面白い。
ハンター側は常時ステルス、マキシマムスピード、そして無音行動が可能とナノスーツの能力が最大化されており、一見無敵の強さ。しかし武器は「PREDATOR BOW 」の1種類のみで、無音で敵を狙撃できるものの連射が効かず、撃ち合いになるときわめて分が悪い。したがってステルスによる不可視性と移動速度を生かして、コソコソと動いてはチクチクと隊員を狩っていくという戦い方になる。
対する隊員側は、ハンターが近づくとガイガーカウンター的に警告音を発するアラームと、一定範囲内のナノスーツ・エネルギーを無効化するEMPグレネードを装備。ビビッ、ビビッとアラームが鳴り始めるとハンターの接近がわかるので、いそうな場所にEMPグレネードを投擲すればハンターの姿があらわになる。所在さえわかれば倒すのは簡単だ。ハンターは意外とヤワい。
駆け引きが始まる。隠れ方のうまくない隊員は弓で射抜かれたり、接近警告音にビビりすぎて挙動不審になった隊員は背後をとられて撲殺されていく。残る隊員はマップの隅の目立たない場所や、細い通路の先などに隠れるが、たいていは2、3人の集団だ。大半は「こいつらを人間の盾にして俺は生き残る」という魂胆。筆者がそうなので、皆も多分そうにちがいない。
なんとなく相互不信になって「前に出て索敵しろよ、俺は後ろを守ってるから」みたいな流れで和を乱すとハンターの思う壺。顔を出した先に弓矢が突き刺ささり、倒された隊員は晴れてハンターチームに合流。この時点で隠れ場所が100%バレるので、残る隊員はリスクを犯して戦うか、場所を変えるか決断しなければならない。
そこにきてビビビッと警告音!前か、後ろか、はたまた上か、ハンターがこちらを狙っている。警告音が徐々に大きくなるに従って、背筋に寒いものが走る。ハッと振り向いて、目前にうっすらと半透明の人影が見えたその瞬間……!
この後の展開は実際に試してもらうとして、β版で遊べるもうひとつのマルチプレイモード「クラッシュサイト」についても触れておこう。
「クラッシュサイト」は前作「クライシス2」にもあったモード。ナノスーツ装備の2チームが争い、一定時間ごとにマップのどこかへ投下されるエイリアンポッドに接近、制圧するというルールだ。ポッドはたいてい周囲から狙われやすい場所に出現するので、頻繁に乱戦へ発展する。
特に印象深いのが、戦いのテンポが非常に速いことだ。その原因はおそらく、前作ではスーツエネルギーを消費していたダッシュ操作が、今作では常時使い放題になったこと。なにしろナノスーツのマキシマム・スピードでのダッシュなので自動車並に速い。慣れないうちはまともに操作できないほどである。
そんなスピードで敵味方がポッドに殺到してくるので凄まじいテンポで撃ち合い、殴り合い、裏の取り合いが発生していく。ナノスーツ戦士といえども体力はそれほどなく、ヘッドショットを食らえばアサルトライフル数発、ショットガンなら1発で沈む。出会い頭なら銃を撃つヒマもない。近接攻撃で即決着だ。
今作で導入された「盾」を使ったアクションも面白い。盾を装備している間は機動力が皆無になるが、正面からの銃撃はほぼ完封。遠くから狙撃しようとする者にとってはイヤでたまらない。そこで接近して裏を取るなどしてカタをつけようとするのだが、この盾、投げることができる。接近した相手にブン投げれば一撃で即死である。強い!
前作ではスーツカスタマイズで付加する特殊機能だった「エアストンプ」(ジャンプ中にしゃがみ操作で地表に強力な範囲攻撃を加えるアクション)も今作では使い放題のデフォルト機能となって、窪地のポッド周辺でウロウロしていると次から次にエアストンプの雨が降ってくる。食らえば一撃なのでダッシュで動きまわりながらの駆け引きだ。
という、それぞれの事情がからみ合って、今作では超接近戦になりやすい。撃って倒す数と、殴って倒す数のどっちが多いかわからないくらいだ。撃たれて倒れる場合も、どこからかステルスで接近してきた敵に背中を撃たれる事のほうが多いほどなので、いかに上手に立ちまわるか、それも超高速に、という、プレーヤーの思考スピードを問うゲーム性になっている印象だ。
ここまで忙しいFPSはちょっと他にないくらいだが、プレイを続けるほどハイになるような独特の面白さがあるので、FPSファンの皆さんには是非お試しいただきたい。
前作のスタイルを継承しつつシンプル化されたアンロック、カスタマイズシステム
本作のマルチプレイでは標準装備の「ASSAULT」、接近戦特化の「SCOUT」、狙撃兵「SNIPER」、重量武器を扱う「GUNNER」と4つのクラスが存在するが、その性質は全て装備とスーツモジュールの組み合わせが決まっていて、最終的には自由にカスタムクラスを作成することができるようになっている。
対戦を繰り返して経験値が上がっていくと、カスタマイズの幅が広がっていく。前作ではナノスーツの機能別にレベル制が存在して少々複雑だったが、今作では1つのプレーヤーレベルに一本化された。レベルに応じて新たな武器やスーツモジュールがアンロックされていくシンプルなしくみだ。
スーツのカスタマイズもわかりやすく整理されている。メイン武器、サイドアーム、爆発物、そして3つのスーツモジュールを自由に組み合わせてカスタムクラスを作成するというスタイルだ。スーツモジュールは前作では「アーマー」、「ステルス」、「パワー」の3系統それぞれに1つづつという縛りがあったがそれも廃止され、多数のモジュールを自由に3種類組み合わせることができる。
例えば接近戦向けにカスタマイズするなら、自動アーマー機能「AUTO ARMOR」、リロード高速化「WEAPON PRO」に加えて、移動速度を向上させる「MANEUVERABILITY」もしくは集弾性を向上させる「POINT FIRE ENHANCE」のどちらかを組み合わせるのが王道だろう。組み合わせの縛りが無くなった分、自分のスタイルに合わせて個性を出せるようなシステムになっているのが好印象だ。
前作に引き続き武器のカスタマイズも可能だ。特定の武器を使って敵を倒し続けることで、その武器のレベルが上がり、あらたなパーツをアンロックできる。中でも面白いのは今作で初登場の「PREDATOR BOW」のカスタム弾頭。「THERMITE ARROW」、「AIRBURST ARROW」、「RECON ARROW」と3種の弾頭(やじり)があって、それぞれに、通常の武器にはない特殊な効果を発揮してくれるのだ。
また、武器のアンロック要素として新たな試みとなるのがナノスーツのリブート機能。これはプレーヤーレベルが最大(今回のβ版では10)に達すると使用できるもので、プレーヤーレベルを初期状態に戻し、レベル依存のアンロック要素をすべて手放すかわりに、特別な武器をアンロックするというものだ。
この機能でアンロックできる武器は前述の「PREDATOR BOW」のほかロケットランチャーなど、強力で個性的なものばかり。各武器のレベル進行もリセットされるので戦力低下が手厳しいが、それだけの犠牲を払ってでも手に入れる価値のある武器ばかりだ。
このように今回のβ版では、長期的なプレイを後押しする機能もしっかり試すことができる。製品版でどのようなプレイを展開しようかと考えながら、まずはβ版で手応えを感じてみてほしい。もちろん、気になることがあればエレクトロニック・アーツにフィードバックを送って、品質向上に協力するのも大事なこと。ぜひ、チャレンジを!