表彰式のあと、世界大会行きを決めた選手たちに招待状を進呈するために登場した小野義徳氏

　カプコンは10月20日、「ストリートファイター」シリーズの25周年と、PlayStation Vita版「ストリートファイター X 鉄拳」（ストクロ）の発売を記念した公式全国大会「ストリートファイター25周年 公式全国大会 秋祭り」の決勝トーナメントを、東京六本木のニコファーレで開催した。

　「ストリートファイター25周年 公式全国大会 秋祭り」では、9月29日より、プレイステーション 3版「ストクロ」、Xbox 360版「ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION」（3rd STRIKE）、Xbox 360版「スーパーストリートファイターIV ARCADE EDITION（Ver.2012）」（スパIV AE）の3作品で予選トーナメントが行なわれてきた。各作品の予選トーナメントを勝ち抜き、見事決勝トーナメントへの出場を決めた選手たちは以下の通り。

【ストクロ】
・ゆきむら（主要キャラ：リュウ＆カズヤ）
・あきたや（主要キャラ：ダルシム＆アリサ）
・いんこ（主要キャラ：ルーファス＆ファラン）
・しば（主要キャラ：ルーファス＆コーディ）
・ときど（主要キャラ：ダルシム＆コーディ）
・MOV（主要キャラ：ジャックX＆ダルシム）
・きょぬま（主要キャラ：アリサ＆ジュリ）
・EG.ももち（主要キャラ：ルーファス＆コーディ）

【3rd STRIKE】
・DSK（主要キャラ：ユリアン）
・梅園（主要キャラ：春麗）
・シンバ（主要キャラ：ユン）
・ふろ（主要キャラ：ヤン）
・にーさん（主要キャラ：ネクロ）
・MOV（主要キャラ：春麗）
・ヒガ（主要キャラ：いぶき）
・こわっぱ（主要キャラ：ユン）

【スパIV AE】
・うりょ（主要キャラ：さくら）
・-R-（主要キャラ：バイソン）
・dath（主要キャラ：ヴァイパー）
・ふ～ど（主要キャラ：フェイロン。※招待選手）
・きょく（主要キャラ：ヤン）
・えいた（主要キャラ：豪鬼）
・キンドー（主要キャラ：フェイロン）
・ウメハラ（主要キャラ：リュウ）

　決勝トーナメントでは、各作品ごとにダブルエリミネーション方式のトーナメント戦が行なわれた。ダブルエリミネーション方式の詳しい内容は、こちらのページでご確認いただきたい。

　当日は、これら3作品の決勝トーナメントのほか、10月25日に発売が予定されているPS Vita用「ストクロ」のゲーム内容を紹介するステージも行なわれた。早速決勝トーナメントの結果からお伝えしていきたいところだが、まずは「ストクロ」のステージで発表された情報を紹介していく。

■ 「ヴァンパイア リザレクション」の発売決定が発表された「ストクロ」ステージ

　このステージでは、「ストクロ」のプロデューサーを務める綾野智章氏が、「アドホック待ち受け」や「ローカル対戦」、さらに「ギャラリーモード」や「パンドラモードによるバースト組み手」など、これまでに公式ブログなどで公開されている情報を一通り紹介した。

　そのあと、10月11日から10月14日まで（現時時間）の期間に開催された「ニューヨークコミコン」ですでに公開されているが、日本では初公開となる情報として「ヴァンパイア リザレクション」の発売が決定したことを発表した。

　「ヴァンパイア リザレクション」は、「ヴァンパイア ハンター」と「ヴァンパイア セイバー」をHD化し1本のソフトにまとめた作品として、PS3とXbox 360向けに発売される。2013年発売予定で価格は未定。

「ストクロ」のゲーム内容と「ヴァンパイア リザレクション」の情報を紹介した綾野氏	「ヴァンパイア リザレクション」が2013年に発売されることが明らかにされた。ゲームの詳しい内容については、今後随時公開していくという

■ 手に汗握る激戦が展開された決勝トーナメント

● 「ストクロ」はときど選手が優勝

　安定した戦いでウィナーズトーナメントを勝ち上がってきたときど選手（ダルシム＆コーディ）と、今大会で唯一のワイヤレスコントローラ（DUAL SHOCK 3）使いゆきむら選手（リュウ＆カズヤ）がグランドファイナルに進出した。結果から言うとときど選手が勝利したが、中段攻撃を粘り強くガードし勝ちへの執念を見せたゆきむら選手に、実況・解説陣、観客から惜しみない拍手が送られた。

　ゆきむら選手は、ワイヤレスコントローラ（DUAL SHOCK 3）でプレイしていたにも関わらず、カズヤで最速風神拳を繰り出すなど、自前のスティックを使ったプレーヤーと遜色ないレベルの高い動きを見せてくれた。

「ストクロ」の決勝トーナメント表	優勝したときど選手	準優勝のゆきむら選手

● 「3rd STRIKE」はMOV選手が優勝

　グランドファイナルは、関東最強の春麗使いであり今大会の優勝候補大本命と言われるMOV選手（春麗）と、関西最強の春麗使いと称される梅園選手（春麗）の戦い。見ている側も息が詰まるほど絶妙、かつ緊張感あふれる間合いの取り合いと、中足払いが当たったのを確認してから鳳翼扇へ繋げるコンボなどいわゆるヒット確認の正確さにおいて梅園選手を上回ったMOV選手が、前評判通り頂点に立った。

「3rd STRIKE」の決勝トーナメント表	優勝したMOV選手	準優勝の梅園選手

● 「スパIV AE」はウメハラ選手が優勝

　恐らく今大会で1番キレていたウメハラ選手と、2D、3Dに関係なくいろいろなタイプの対戦格闘ゲームで常に上位プレーヤーとして名を馳せるふ～ど選手がグランドファイナルで雌雄を決した。無敗で勝ち上がってきた勢いそのままに、相手が攻撃を出すのを予測して放つ大昇竜拳と、間合いの取り合いから一転、ずかずか歩いて前進してからの中足払いが、まるで相手が吸い込まれるかのようにヒットしたウメハラ選手が圧倒的な力を見せ栄冠を手にした。

「スパIV AE」の決勝トーナメント表	優勝したウメハラ選手	準優勝のふ～ど選手

　奇しくも、各決勝トーナメントともウィナーズトーナメントのウィナーズファイナルで戦った選手同士が、グランドファイナルで雌雄を決するという流れになった。筆者の印象では、グランドファイナルに進出した選手たちは攻守にわたり、ここぞというときの集中力の高さがほかの選手を少しずつ上回っていたように思われる。久しぶりに、対戦格闘ゲームで世界レベルの選手たちの戦いをじっくり見ることができたが、やっぱり今大会のウメハラ選手のキレっぷりがもっとも印象に残った。

　最後に、イベントの締めとして綾野氏と小野氏が残したコメントを紹介する。

綾野氏
　「ストリートファイター」をメインテーマにした大会で、これだけ激しく、感動的な戦いを見せてくれた選手の方々を含め、すべての「ストリートファイター」シリーズファンの方々に感謝しています。これから30年、50年と続けていきたいので、これからも応援よろしくお願いします。

小野氏
　対戦格闘ゲームというジャンルを支え続けてくれたプレーヤーやファンの皆さん、本当にありがとうございます。僕はカプコンに入社して約20年になりますが、その間、ほぼ「ストリートファイター」シリーズに関わりながら過ごしてきました。これからもずっと、対戦格闘ゲームというジャンルを盛り上げていきたいと思っています。30周年、35周年ではなく、26周年、27周年というように毎年大会が開催できるように、僕たちも努力していきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。