キュー、PS Vita「ガーディアンハーツオンライン」

JRPGの伝統を受け継ぐ本作の魅力を開発者のコメントとともに詳しく紹介


8月9日 サービス開始予定

ダウンロード:無料
利用料金:無料
ビジネスモデル:アイテム課金制



チーフプロデューサーの清水信彦氏と運営ディレクターの諸星富展氏

 キューエンタテインメント株式会社が、8月9日にサービスを開始するPlayStation Vita用オンラインRPG「ガーディアンハーツオンライン」。クライアントのダウンロードおよび基本プレイは無料のアイテム課金制として提供される。

 そのサービス開始が間近に迫った7月末日、本作を実際にプレイできる機会が得られた。その体験プレイの場には、本作のチーフプロデューサーの清水信彦氏と運営ディレクターの諸星富展氏も同席し、直接話を伺った。今回は、彼ら開発スタッフのコメントや、プレイした感想を交えながら、本作の魅力を紹介する。



■ 圧倒的なボリュームを誇るケータイ用オンラインRPGがPS Vitaに登場

キービジュアル

 「ガーディアンハーツオンライン」はもともと、2009年からFOMA用として配信されている携帯電話用のオンラインRPG。ファンタジー世界を舞台にした重厚なストーリー、ネットワークを通じた最大4人での協力プレイ、ゲーム専用のSNS機能など、携帯電話向けゲームとしては圧倒的なボリュームで好評を博している。

 PS Vitaでの提供について、「モバゲーのDXゲームとしても配信していたのですが、DXゲームの終了とともに配信も終了したところ、ユーザーの方からサービス再開の要望をいただきまして。それならキューエンタテインメントらしくPS Vitaでやろうとなりました」(諸星氏)という理由から始まったという。

 PS Vita版では、基本的なゲームシステムや世界観は受け継ぎながらも、グラフィックスやサウンドはPS Vitaの表現力に合わせて、データをほぼ全面的に作り直し。ストーリーもボリュームアップしているという。



■ 1人でじっくりとストーリーが楽しめるスタンドアロンモード
  最大4人で冒険できるワールドライドクエストモード

 本作の最大の特徴が、ストーリーが展開するスタンドアロンモードと、最大4人で冒険するワールドライドクエストモードの2種類のゲームモードが用意されているところにある。

 スタンドアロンモードは、伝統的な日本式のRPG、いわゆるJRPGを色濃く受け継いだモード。プレーヤーは1人のガーディアンとして、3国のいずれかに所属し、人々と会話し、世界を冒険することで、物語が進行する。ストーリーは1話ずつ配信される形になっており、レベルなどの特定の条件に到達するごとに次のストーリーが解放されていく。

 操作系はJRPGを強く意識して、方向キーと決定ボタン、キャンセルボタンで進められるようになっており、タッチパネルはメニューとマップ表示のみと補助的な位置づけとなっている。

懐かしさを感じる2Dグラフィックスによるクォータービューのゲーム画面。JRPGをプレイしていた人なら、操作系にもすぐに馴染めるだろう
イベントシーンでは2Dキャラが動いて会話やアクションを繰り広げ、ストーリーを盛り上げる

 ワールドライドクエストモードは、いわゆるMOモードのこと。ワールドライドロビーでクエストを受諾し、メンバーを募集して最大4人でパーティを組み、仲間と共にフィールドへと旅立つ。メインストーリーには絡まないものの、スタンドアロンモードでは出現しない強力なモンスターとのバトルが楽しめるほか、レアアイテムを収集できるため、スタンドアロンモードを有利に進められるようになる。

 ワールドライドクエストでは、各プレーヤーがばらばらに移動可能で、各自がキャラクターを操作して目的地を目指す。ただし、各キャラごとにモンスターとランダムエンカウントの判定が行なわれ、敵に遭遇すると1人で戦うことになるため、敵の強いところではお互いが援護できる距離を保つなど、パーティー全体での連携が重要になる。

ワールドライドクエストの1回の冒険は、およそ30分くらいを目安にしているという。クエストは目的を達成するほか、リタイアの選択、もしくは3回戦闘不能になることで終了となる

【物語-序章-】

 かつて反映した大地は魔神との大きな戦い「魔神聖戦」により崩壊し、人々は天空の島々に逃れる道を選んだ……。

 物語の舞台は天空に浮かぶ島々で構成される世界「グランガイア」。

 人々は10年の歳月を経て新たな文明を築き、未だ消えぬ魔神の脅威へ対抗を続けていた。

 しかし方針を巡り、かつて英雄と呼ばれた3人のプリンセスが対立し、世界は再び戦火への道を歩み始めていた……。

 運命の交錯する世界で、新たな伝説が生まれようとしていた……。



 プレーヤーが所属する3国は、魔神への方針で対立しており、それぞれ異なる特徴を持つ。そして、プレーヤーが所属した国ごとに、異なる視点で物語が進行する。

【三大勢力】
ラデューゼスタ
プリンセス:ログ・ノード

方針:魔神の活用
特徴:世界最大の版図を持つ魔法帝国

 この国では高レベルの魔導士が集まり、知識の深淵を求め研究を続けている。魔神の力さえも研究対象とし活用しようとする姿は他国から冷酷と見られがち
ファルバイド・セブン
プリンセス:ルディアス

方針:魔神への不干渉
特徴:高い技術力を誇る連環要塞国家

 科学が発達したこの国では魔神に対して慎重派が多数を占める。それは臆病なのではなく不確かなものに未来を賭けない科学者や技師が多く暮らす為
ヴェル・ジ・バーナ
プリンセス:パルメア

方針:魔神の完全消滅
特徴:グランガイア最強の騎士団を所有

 魔神消滅を掲げるこの国は、先の大戦で大切な人を失った人々から支持を得ている。最強騎士団を有するだけあり、多くの騎士や戦士が集い日々鍛練を重ねている


■ 信仰と武器による32通りのキャラクター特性
  パズルのようにスキルピースをはめ込むスキルパネルシステム

 本作のプレーヤーキャラクターには、クラスや職業といった概念はなく、「信仰」と「武器」によってキャラクターの特性が決定する。信仰には4種類の神、武器には8つの系統(大剣、斧、槍、双剣、杖、拳、弓、銃)があり、それぞれ固有のスキルがある。信仰は1度決定すると変更できないが、武器はマイホームへ戻ることで何度でも変更できるため、冒険の目的に応じて武器を選ぶことも戦略の1つとなる。

【四信仰】
焔式神「アグニス」
勇気・情熱・破壊を司る炎の大神
属性:火、特徴:攻撃
海神「リリー」
優しさ・癒やし・冷静を司る水の大神
属性:水、特徴:回復
天空神「カルティア」
自由・空・精神を司る風の大神
属性:風、特徴:翻弄
地母神「テイル」
豊饒・堅固・結束を司る地の大神
属性:土、特徴:守護

スキルパネルの組み替えなどが行なえるマイホーム

 本作に登場するスキルは、攻撃、魔法、生産など、合計1,000種類以上。スキルは、戦闘に勝利すると獲得できるスキルポイント(SP)を神殿やスキルショップで支払うことで習得できるほか、特殊な入手方法で習得する特別なスキルも存在するという。

 習得したスキルは、スキルパネルに貴石(スキルピース)をはめることで発動する。種類ごとに形やピースの数が異なるスキルピースを、いかに効率良く、隙間なく埋めるかがポイントとなる。1度セットしたスキルパネルは、名前を付けて保存することが可能で、そこから一括で切り替えることができる。

【スキルパネルシステム】
ヘックス(六角形)が並んだパネルに貴石をはめ込んでいく。隙間なく埋めるほど、多くのスキルが実装できるので、パズル感覚でうまい組み合わせを考えよう

 戦闘はJRPGの王道とも言えるコマンド選択式を採用し、リアルタイムで進行する。そこにアクティブリンケージバトルシステムとキャストブレイクシステムを搭載することで、戦略性のある戦闘システムに仕上がっている。

 アクティブリンケージバトルシステムの機能としてチェインシステムを搭載しており、一定時間内に攻撃を連続で当てることで連鎖が発生するシステムがある。連鎖すると大ダメージが与えられるほか、勝利時の報酬にもボーナスが付加される。他のパーティーメンバーとの連携を考えて、タイミングよくコマンドを選択することが勝利へのカギとなる。

 もう1つのキャストブレイクシステムは、敵の魔法や技の詠唱をキャンセルさせるシステム。各キャラクターはキャストポイント(CP)を持ち、魔法や技の詠唱中に物理攻撃やCPダメージ魔法を受けることで減っていき、0になると詠唱がすべてキャンセルされてしまう。「チェインシステムとキャストブレイクをうまく使うと、ワールドライドクエストの強力な敵でも1人で撃破できます」(清水氏)というように、プレーヤースキルの見せ所もあるシステムになっている。

画面中央のアイコンで行動を選択。リアルタイムで進行するため、もたもたしているとあっさりとやられてしまうことも

フィールド上の採集場所で素材を収集。街から遠い場所ほどレアな素材が出やすい

 武器や防具などの装備品は、店では売っておらず、フィールドでの採集や戦闘の戦利品、クエストの報酬から集めた素材を、武器屋や防具屋、装飾品屋へ持っていき、調合してもらうことで入手できる。また、ワールドライドクエストモードでは、より効率的に素材収集が行なえるほか、モンスターからのレア素材のドロップも期待できる。

 なお、他プレーヤーとのアイテムトレードはできない仕様になっているため、掲示板などで情報を集め、自らの手で集めるというやり込み要素としての楽しみ方もできるだろう。


レシピはクエストの報酬やガーディアンズレポートの報酬などで解放される。レシピが解放されていなくても、必要な素材が揃っていれば調合してもらうこともできるという


■ 充実したコミュニケーションシステムと傭兵システム
  やり込み魂をくすぐるガーディアンズレポートと魔物図鑑

 日記や伝言板、掲示板など、他のプレーヤーとのコミュニケーションを図れる機能を搭載。ゲーム専用掲示板やギルド専用掲示板を利用して、攻略情報を集めたり、仲間を募集するなど、オンラインならではの他のプレーヤーとのコミュニケーションが楽しめる。

マイページ画面。さまざまなコミュニケーション機能にアクセスできる掲示板画面。用途に応じた多数の掲示板が用意されている

 また、スタンドアロンモードでは、他のプレーヤーのキャラクターを最大3人まで傭兵として雇って一緒に冒険できる、傭兵システムが利用できる。雇うキャラクターのレベルが高いほど多くのゲーム内マネー「シルバー」が必要となる。傭兵として雇われたプレーヤーは、支払われたシルバーの85%が与えられる。

 傭兵キャラクターは、傭兵登録をした時のキャラクターデータがそのまま反映されるため、ログアウトする際に傭兵として雇われやすいスキルをセットして傭兵登録をしておくことで、次にログインしたときに思わぬ臨時収入が得られるといったお楽しみ要素や、友達に「この武器やスキルをセットして傭兵登録しておいて」とお願いして、プレイを有利に進めるなど、さまざまな遊び方ができる。

 傭兵の雇用時間は1回90分。冒険途中であろうとも雇用時間が終了すると、継続するかを尋ねられ、継続するとさらにシルバーを支払うことになる。この90分はプレイを中断(ログアウト)している間も経過するため、雇う際には自分のプレイスケジュールも考慮する必要がある。

傭兵登録や傭兵を雇うことができる冒険者協会。傭兵の検索には名前、所属国、信仰、武器、金額といった条件で絞り込むことで、今の自分に必要な能力を持った傭兵を探して雇うことができる
傭兵を雇うことで冒険を有利に。装備やスキルセットを整えて、雇われやすい魅力的なキャラクターにして傭兵登録することで、ログアウトしている間もシルバーを稼ぐことができる

 「ガーディアンズレポート」は、いわゆるトロフィー機能のようなシステム。ゲーム内で特定の条件を満たすことでレポートとして蓄積され、さまざまな報酬が獲得できる。中にはここでしか手に入らないレアアイテムもあるという。

 「魔物図鑑」は、倒した魔物が掲載され、いつでも魔物の情報を閲覧できる。ここには、魔物のステータスのほか、ドロップアイテムや生息地などが掲載されるので、素材集めをする際に役立つ。

ガーディアンズレポートの達成条件は多種多様。難易度が高いほど、レアな報酬アイテムが用意されている
魔物図鑑のコンプリートを目指すといったプレイスタイルもありだろう

 課金アイテムについては、「フリー・トゥ・プレイを基本にしており、課金アイテムがなくてもすべてのコンテンツがプレイできます」(諸星氏)というように、プレイを有利に進める補助アイテムといった位置づけになっている。

 具体的には、獲得経験値アップや獲得SPアップなどのステータス関連アイテム、HP回復やMP回復、戦闘不能回復などの消費アイテム、スキルピースの変形やピース数の削減などのスキル関連、武器強化成功率アップ素材などの強化関連アイテムがあり、さらにランダムでレアなアイテムが当たる「ポム探検隊」といったものが用意されている。



■ 清水氏と諸星氏に気になったところを一問一答

――サービス開始後のアップデートなどのロードマップはどのような感じですか?

諸星氏: サービス開始当初の段階で結構な量のコンテンツを入れる形で通していまして、その後のアップデートはスパンを縮めるような工夫をしていきます。また、季節のイベントなどをマメに実施するつもりで進めています。定期メンテナンスは週1回行なう予定です。

――有料で入れるフィールドマップなどの有料コンテンツはありますか?

諸星氏: 今のところ、有料コンテンツを導入する予定はありません。今後はどうなるかわかりませんが、基本的にフリー・トゥ・プレイで遊べることをしっかりしていきます。課金アイテムは、プレイをより便利にするものに設定させていただいています。

――現在稼働中のケータイ版からのデータ引き継ぎや連動などはありますか?

諸星氏: ケータイ版からの引っ越しを検討はしたのですが、今のシステム上、難しいところがあるため、現在のところありません。

清水氏: ですが、せっかく公式版で遊んでいただいているわけですから、もしかしたら何かやるかもしれません。

――ユーザーの皆様にぜひ注目してほしいところを教えてください。

清水氏: 王道RPGという部分で、“あの感動を再び!”という。過去にJRPGで味わった感動をもう1度ご提供できるかなと。インターフェイス自体がかなりオーソドックスな作りになっていますので、ちょっとゲームが苦手かなという人にも遊んでいただけるものになっていると思います。あと、やり込み要素も十分にありますので、ガリガリと遊んでいただきたいです。

諸星氏: 昔、RPGを楽しんだ方々が「ここに帰ってくると安心するな」という感じの作りにはなっていると思いますので、そこを末永く楽しんでいただけたらなと思います。


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(2012年 8月 8日)

[Reported by 滝沢修]