Rovio Entertainment、シリーズ最新作「Angry Birds Space」発表会を開催
全世界で配信開始、今度の「Angry Birds」は重力をテーマにした宇宙パズルに


3月22日開催

会場:ドコモスマートフォンラウンジ



 フィンランドのゲームメーカーRovio Entertainmentは3月22日、東京・有楽町のドコモスマートフォンラウンジにて、iOS/Android/Windows/Mac向けアクションパズルゲーム「Angry Birds Space」の発表会を開催した。このイベントは上海や香港、ヘルシンキなど世界各所で同時刻に開催されており、終了時間である日本時間17時より世界中で配信開始となった。

 「Angry Birds Space」はiOS版は85円、Android版は広告により収益を上げるモデルで無料となる。Windows版はRovio Entertainmentの公式ページから購入可能で、5.95ドル、MAC版はMac App Storeで450円で販売されている。発表会では、「Angry Birds Space」の概要と、今後の戦略が語られた。

【Angry Birds Space】
宇宙を舞台にした新しい「Angry Birds」。重力が全く違うゲーム性をもたらす



■ 舞台は宇宙に。重力によりフォーカスされたゲーム性。トリ達もパワーアップ

Rovio Entertainmentの日本代表を務めるAntti Sonninen氏
Rovio Entertainment「Angry Birds Space」開発チームのクリエイティブディレクターLauri Konttori氏
タイトーとのコラボレーションによる隠しステージ。出現方法はまだ秘密

 今回の発表会に登壇したのは、Rovio Entertainmentの日本代表を務めるAntti Sonninen氏と、「Angry Birds Space」開発チームのクリエイティブディレクターLauri Konttori氏。2人はゲームグッズであるTシャツを着て登場し、Konttori氏はゲーム内のトリ達がかけているようなサングラスまで用意して雰囲気たっぷりにゲームを説明した。

 「Angry Birds」は、トリをパチンコで打ち出し、建物にぶつけて、建物の上や建物の中にいるブタを倒すというシンプルなアクションパズルゲームだ。かわいらしいキャラクターと、物理エンジンが生み出すゲーム性で世界的な大ヒットとなった。Rovio Entertainmentはその後、「Angry Birds」を様々な機種や、Facebookアプリなどに展開すると共に、リオデジャネイロをテーマにしたステージが登場する「Angry Birds Rio」や、世界のお祭りや風習を取り入れた「Angry Birds Seasons」といったゲームを開発・販売していった。

 「Angry Birds Space」は“宇宙”を舞台とした新しい「Angry Birds」だ。パチンコでトリを飛ばして建物にぶつけ、建物の上や、中にいるブタを倒していくという基本ルールは同じものの、フィールドは基本的には無重力で、パチンコでトリを飛ばす方向によっては、慣性によりトリたちは何処までも飛んでいってしまう。

 ここで重要になってくるのが「重力」だ。フィールドには小惑星帯のようにいくつかの星が浮かんでおり、その星に建物が建ち、ブタが配置されている。星には重力が設定されており、トリを突入させる角度によって、人工衛星のように、星の周囲を回転させることができる。「Angry Birds Space」は、この慣性と重力のバランスを考えてトリを飛ばし、望んだ軌道に乗せてブタを倒していくという、ユニークなゲームなのだ。

 Konttori氏は「Angry Birds Space」のストーリーをムービーで紹介した。草原でくつろぐAngry Birds達が空を見上げると、突然ワームホールが出現するところからストーリーが始まる。そこから落ちてきたのは、氷の体をした「アイスキューブバード」だった。アイスキューブバードは金色に光る卵を持っていた。さらにワームホールからUFOが現われ、金色の石を奪い、再びワームホールに戻ってしまう。

 アイスキューブバードは怒りの表情を浮かべ、パチンコで自分を打ち出し、UFOを追ってワームホールに飛びこんだ。嵐のような出来事にあっけにとられていたトリたちだが、UFOがトリたちの大事な卵まで奪っていったことに気がつき大激怒。自分たちもパチンコに乗ってワームホールへ飛びこんでいった。ワームホールの中は不思議なエネルギーに溢れており、トリたちは「スーパーヒーロー」のような姿に変身し、新たな力を獲得した。ワームホールは宇宙へと繋がっており、こうして宇宙を舞台としたブタとトリの戦いが開始されるのだ。

 「Angry Birds Space」の最大の特徴は、重力と慣性を活用した新しいゲーム性だが、ワームホールを通過することでスーパーヒーローとなったトリ達も新たな力を獲得している。タップすると加速していた黄色のトリは紫色の「レーザーバード」となり、タップした方向に向かって加速するようになった。また、大きな赤いトリはさらに大きな緑色のトリ「グリーンバード」へと変化、さらに重い質量を獲得し破壊力が増した。新登場のアイスキューブバードはぶつかったところを凍結させる。凍結させた場所はもろくなり、次の一撃で粉々になってしまうのだ。

 会場で初期ステージをプレイできたのだが、重力による軌道の変化は最初は予測がつかなかった。星の重力により、トリは星の周囲を回転する。この時ぶつける角度を工夫することで、周囲のものを一緒に倒すことができる。右回転させるか、左回転させるかでも建物を壊せる効率が異なってくる。また、いくつもの星がある場所での軌道などはかなり試行錯誤が必要になりそうで、2本の指を広げるピンチ操作での画面の拡大縮小も、これまでのシリーズ以上に必要となりそうだ。「Angry Birds」とはひと味違ったゲーム性が楽しめると感じた。

 「Angry Birds Space」は今後、これまでのシリーズ同様、アップデートによるコンテンツの追加を行なっていく。Konttori氏は特に“ストーリー要素”を強めていくと語った。また、コラボレーションも様々なものが予定されており、今後発表される。今回明らかになったのはタイトーとのコラボレーションで、“隠しステージ”として「スペースインベーダー」をモチーフとしたマップが入っているとのことだ。宇宙というテーマと、重力をゲーム性に取り入れているというところで、NASAもコラボレーションに積極的と言うことで、今後の発表が楽しみだ。


ストーリーを描いたアニメーション。空にあいたワームホールから宇宙での冒険が始まる
タップした方向に直進したり、破壊力が増すなどトリもパワーアップ。右がアイスキューブバードの凍結能力
タイトーによるグッズ展開や、NASA協力のムービーなど、これまでも様々な企画が行なわれている。今後もまだまだたくさんの施策を予定しているとのことだ


2012 Rovio Entertainment Ltd. Angry Birds. Privacy Policy. EULA

(2012年 3月 22日)

[Reported by 勝田哲也]