東京ゲームショウ 2011レポート

コードマスターズ、PS Vita/3DS「F1 2011」を初公開
内容は据え置き機版と同等。PS Vita版はローンチタイトルに!


【F1 2011】

12月17日(PS Vita版) / 未定(3DS版)

価格:未定


 コードマスターズ株式会社は東京ゲームショウ2011に合わせ、F1ゲーム「F1 2011」のPlayStation Vita版およびニンテンドー3DS版を発売することを発表した。PS Vita版はローンチタイトルとして本体と同日の12月17日に発売予定。3DS版も年内の発売を目指して開発が進められている。価格はいずれも未定。そのコードマスターズでは、本製品の開発中バージョンをプレス向けに公開。弊誌でも実機でプレイすることができたので、その内容をご紹介しよう。

【「F1 2011」 トレイラームービー】
画面は開発中のものだが、リアルタイムに変化する天候要素なども組み込まれており、据え置き機版と同等の内容が提供されている

PS Vita版。画面は開発中のもの
スパ・フランコルシャンサーキットを試遊することができた
もちろん24台・フルグリッドでレースが行なわれる。コーナーからの立ち上がりにはDRS・KERSを活用

 PS Vitaおよび3DS用「F1 2011」は、PS3/Xbox 360向けに10月6日の発売が予定されている据え置き機向け「F1 2011」のポータブルゲーム機バージョン。本作の開発は英Codemasters本体ではなく、PSP版およびWii「F1 2009」の開発も担当したことのあるデベロッパー、英Sumo Digitalが担当している。

 ローカライズを担当するコードマスターズの大庭将司氏によれば、現時点でのPS Vita版の開発度は50%程度。先行して開発が進められている3DS版は80%程度とのことで、どちらも現在急ピッチで移植作業が行われているそうだ。

 これらポータブル版に搭載されるゲームモードは、基本的に据え置き機板と同等のものになるという。2011年シーズンのF1シーンを完全再現する公式データを収録した上で、シーズンを通してプレイできるキャリアモードや、F1マシンの細かいチューニングができる機能なども据え置き機と変わらず搭載している。

 据え置き機版との数少ない違いとしては、インターフェイス特性に合わせて操作性や難易度が調整されていることと、アドホック通信を前提としているため対戦プレイおよび協力プレイ人数が最大4人となることが挙げられる。

 まずPS Vita版をプレイしてみた。マシン性能のおかげかグラフィックスが非常に綺麗で、オーディオも迫力のあるものに仕上がっている。また、扱いやすいアナログスティックが使いやすいものになっているおかげでステアリング操作性も良好だ。さすがに、ハンドルコントローラーのように正確にとはいかないため、ゲーム側の調整としてかなりタイヤの粘りが向上しており、難易度はやや下がっている。

 ただ、アクセルとブレーキと同時にKERSとDRSもボタンで操作するのはかなり複雑であり、慣れが必要だ。コーナーの立ち上がりなどでは複数のボタンを次々に、時には同時に押すこととなり、非常にテクニカルな指さばきが要求される。それだけやれることが多いということもあって、スパ・フランコルシャンサーキットを数周走ったところでは、据え置き機版にかなり近い感覚でプレイできた。

 またPS Vita版ならではの面白い操作性として、シフト操作が背面タッチパネルに割り当てられている。PS Vita本体をハンドルそのものに見立て、ちょうどシフトパドルを触ってギアをアップ・ダウンするような感じだ。直感的に操作できるため、マニュアルシフトでプレイするのが楽しい。

 一方、3DS版は立体視による効果が素晴らしいものになっている。車体とコースの立体的な状況が直感的にわかるので、コックピット視点で非常にプレイしやすいという意外な効果を生んでいるのだ。また3DS版では「すれちがい通信」にも対応し、独自の遊びを提供する。その内容については後日公開予定としている。

 コードマスターズにとって、はじめてのPS Vitaおよび3DS用レースゲームとなる「F1 2011」。ローカライズを担当するの大庭氏によれば、これを皮切りに、PS Vitaおよび3DS向けのタイトルが順次提供されていくことになりそうだ、とのことである。「F1」シリーズの他にも「DiRT」シリーズや「Race Driver」シリーズを手がけるレースゲームの老舗であるだけに、今後の展開も楽しみだ。


【スクリーンショット】

(2011年 9月 18日)

[Reported by 佐藤カフジ]