「MHF VS.クエスト チャンピオントーナメント in Summer 2011」開催

「金プーギー」をかけて激戦! 杉浦氏のアップデート情報とQ&Aも


6月26日 開催

会場:ファンキータイム 山形桜田店



 株式会社テクノブラッド主催、株式会社カプコン協力によるWindows/Xbox 360用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(MHF)のオフラインイベント「VS.クエスト チャンピオントーナメント in Summer 2011」が、6月18日から全国4会場で開催された。

 「VS.クエスト チャンピオントーナメント」は、2009年春から開催されているオフラインイベントで、現在は47都道府県全てでの開催を目標に、季節ごとに全国各地で開催されている。今回は島根、香川、長野、山形の4会場で開催。これで29都道府県を回ったことになり、残りは18県となった。

 今回の4会場で最後の開催となった山形大会は、山形市にある「ファンキータイム 山形桜田店」で開催された。当日はあいにくの雨となったが、24チーム48人が参加。観戦者も合わせると、計89人が来場した。東日本大震災の被害が大きいと思われている東北地方だが、山形市内はもう平穏な様子で、イベントも支障なく進められた。




■ 6月29日のアップデートの狙いを杉浦氏が解説。「フォワード.2」以降も順調に開発中

イベント恒例の杉浦氏による運営レポート出張版。アップデートの意図が詳しく説明された

 毎回イベントの目玉となっている、運営プロデューサーの杉浦一徳氏によるプレゼンテーションが今回も実施され、6月29日に実施予定のアップデートの紹介と解説が行なわれた。アップデート内容については、こちらの記事で発表済みなので、それを踏まえてお読みいただきたい。

 まず大討伐のリファインについて。「HR17からといっても敷居が高いと言われていた」ことから、最低人数が8人に引き下げられた。また「討伐にかかる時間が長い」と言われていたことから、3分の1程度に短縮しているという。その分だけ報酬も減っているが、「3回やった時には元の1.1倍、1.2倍程度になる」としている。

 新たな進化武器ではガンランスが登場する。大型アップデートで1つずつ追加されている進化武器だが、全武器種を一斉に入れられないのは、「ギミック、ネタを練って投入したいから。中途半端なものを出したくない」と説明された。

 次にHC防具については、「秘伝防具は敷居が高いという方に、SRに入ってすぐ作れるものを用意した」と説明。合わせて秘伝防具については、「大剣や太刀のものが弱いと言われているので、そこも何とかしたい。スキルについては実装後に増やしたり数値を上げたりはするが、削除はしない。削除したものが欲しくて作ったという方も出てくる。現状ではまだ悩んではいるが、試行錯誤して上方修正したい」とした。

 LX・RX防具は、「以前『P防具』として発表したが、課金ではなく、月額料金の中で提供できるものにして欲しいというご意見を多くいただいた。そこで『ターボパックP』をやめて、LX・RX防具としてゲームイベントに投入する形に変更した。性能もそれなりにいいものにしているし、ラインナップもそろえている。デザインはクラシックなものを、現状使える性能にリファインするのがポイント」という。

 武器関連では、イベント武器の強化について触れられた。「デザインやギミックについてはお客様に満足いただけている。しかし弱くて使い道が難しいというご指摘も多い。今回は意図的にイベント武器防具に追加派生を入れ、剛種武器並みにしようとしている」という。会場ではいくつかの武器の性能も紹介された。また武器関連では「アルゲンシリーズ」も発表されているが、こちらは1週目に5つ、2週目で6つという形で、7月以降に公開予定としている。

 また「Nの塊」で生産できる防具についても説明があった。「FX防具に近い派生を入れる。最初の頃に実装した防具が、他のものと著しく性能差があるので調整するのが狙い」という。また生産に必要な「Nの塊」の数については、「初期は25個使っていたが、今は10個しか使わず、性能がいい。25個の方はどうするか半年以上検討していたが、FXの派生ではNの塊は使わないようにする。10個で生産できる方は追加で15個必要という形にする。全部で25個必要という形にあわせる」とした。なお「カリバーン(大剣)」について、秋に強化予定であることも発表された。

 さらに今後のアップデート計画についても語られた。当初「フォワード.1」として4月に実装予定だったものが、東日本大震災の影響から一部要素の実装が遅れ、今回のアップデートで実装されている。今後については、「狂ったスケジュールは、もう補正できた。秋以降はこれまでどおりのスケジュールになる」と、夏にアニバーサリーイベント、秋に「フォワード.2」、2012年初頭に「フォワード.3」と、去年同様のスパンで実装できると宣言した。このほか「フォワード.2」の情報も「まだ確定ではない」としながら、会場限定情報としていくつかの予定が語られた。「フォワード.2」、「フォワード.3」の開発も既に進められているという。


アップデートで実装される武具の性能も一部公開された。イベント武器の強化派生がかなり特徴的な性能で目を引く



■ 「爆撃オーラアロー」やマクロ対応など、気になる話題のQ&A

アップデート情報よりも熱が入ったQ&A。杉浦氏が運営に寄せられる様々な話題に一気に答えた
真っ先に挙げられたマクロの問題。明確な規約違反なのでアカウント凍結の対象になる。くれぐれも手を出さないでいただきたい

 アップデート情報に続いて杉浦氏は「気になる話の一問一答」として、運営に寄せられている質問の中からいくつかを答えた。今回はアップデートが「フォワード.1」の追加パッチ的な位置付けで話題が少なめだったためか、杉浦氏はアップデート情報よりも時間をかけて、いつも以上にサービス旺盛に語り出した。

 まず、プレーヤーの間で話題になっている「マクロ(自動操作)使用でHCチケットを大量に稼いでいる人がいる」という件について。杉浦氏は「マクロが大きな悪影響を与えることはよく理解しているので、即時対応を決めた。放置はしない。『MHF』はもともとマクロを使いにくいゲームだが、今回はモスや採掘系といった動かない、ないしルーチンで動くものが狙われた。現在は緊急対応として措置したが、今後も対処を続ける」とした。

 こういったマクロが存在するのは、「HCチケットの入手が辛いから」という意見もあるが、杉浦氏は「それとは分けて考える」としている。「規約違反は規約違反として厳正に対処する。入手難易度は調整できるので、きちんと判断してより喜んでいただけるよう修正する。バランスが悪いから規約違反していいということではない」と述べた。また常習的であれば、魔が差しただけであれ、規約違反に対するアカウント凍結は等しく行なうことも強調。「何年もの思い入れがあるアカウントが凍結されると、反省したり、ショックを受けたりする。しかしそれを理由に凍結解除はしない」とした。興味本位であっても、規約違反行為に手を出さないようにしていただきたい。

 「オーラアロー」に爆撃ビンを使う、通称「爆撃オーラアロー」が強いと言われている点については、「アップデート1週間後くらいに、想定仕様と違う、ものすごい攻撃力なので修正したいと担当者から言われた。その場で修正してしまう手もあったが、実装から1週間以上経っており、これを取ろうと頑張っているお客様もいらっしゃるので、今ここで止めるのはまずい。またその時点では、お客様からまずいと言われるところまでは至っていなかったので様子を見た」と経緯を説明。

 しかしその後、動画が掲載されるなどして、開発チームから再び声が上がった。ただ杉浦氏は、「運営チームがそこでまずいと思ったのではない。過去、『ラファールダオラ』を持っていないお客様に排他的な声が上がった。強いから修正したのではなく、装備を縛ってしまうから修正した。今回もそういうところで判断した」と説明した。今後の方針については「どういう方法で解決すべきだったのかは今も悩むところ。『フォワード.2』までは修正せず、取った人には期間的アドバンテージを与えるということでご容赦いただきたい」と述べた。合わせて、他の装備についての下方修正は予定していないことも明言。逆に「ヘビィボウガンや太刀は『フォワード.2』で上方修正を予定している」と語られた。

 「肉質バランスは今後どうなるのか」という質問には、「8月に東京と大阪でネットカフェを借りて、実際にプレイしてもらい、ヒアリングしたい。最初はテストプログラムをオンラインで配布しようと思ったが、直接意見を聞きたい。東京と大阪で計4会場、400人前後を募集予定で、近いうちに募集を開始する。純粋な抽選ではなく、HRなどを見て、かなりやりこんでいる方を優先して当選させることになる」としている。

 4月に発表されながら、未だ姿を見せていない「赤い目の『Unknown』は何?」という問い合わせも。こちらは「6月末には出ないが、学生さんの夏休みが終わるまでには、何らかの形でお披露目できるのでは」と答えた。

 以前からある「PC版とXbox 360版をサーバー統合しないのか」という質問には、「当面やるつもりはない」と回答。「サーバーの特徴も出ているし、サーバー単位のコミュニティもあり、摩擦も起こるだろう。またハード的な問題もある。今のサーバーは同時接続数が3万くらいまでは耐えられると見ている。Xbox 360版では、2万から2.5万。PC版ではアップデート後に4万から4.5万になるので耐えられない。サーバーも最新にしているが今は限界。1~2年後なら何とかなるかもしれないのでそれを待つのが選択肢」とした。

 「狩人祭のボーナスクエストはいつ決まるのか?」という質問もあった。これは追い込み時期に一方に有利なボーナスクエストが出ることがあり、意図的に勝敗を操作しているのではないかという懸念があるためだ。杉浦氏はこの点について、「狩人祭が始まる前にスケジュールを設定している」と意図的な操作を否定。ただし補足して、「ボーナスクエストの出し方やギミックはもっとひねれると思うので、次回、またはそれ以降は出し方を考えたい」としている。なお占有モンスターがボーナスクエストになった件については、「明らかなミスなので、今後ないようにしたい」とした。

 「ネットカフェでログインしたまま帰ったらアイテムがなくなっていた」という問い合わせもあるそうだ。ログイン中にポイントが貯まるため、放置して少しでも稼ぎたいというのが狙いだと思われるが、杉浦氏は「そういうやり方はオススメしていないし、リスクを考えてほしい。不正アクセスや第3者がプレイしたといわれても、我々も確実にその人が操作していないとわからないことには対応できない」と述べ、そういった利用を控えるよう呼びかけた。

 「新しいベンチマークのリリース予定は?」という質問には、「予定はある」と回答。合わせて「あのグラフィックスをゲームに実装しないのか」という問い合わせについては、「それも考えていないわけではない。いつやるか、いつ発表するかはもう少しお時間いただきたい」とした。

 イベント関連では、「韋駄天クエストに『棘と眠』をかぶせないでくれ」という声があったという。これについて杉浦氏は、「韋駄天は全体の約10%の方がやっている。残り90%の方に向けて、その時は『棘と眠』を用意した。韋駄天の時だけにやるわけではない。なるべくローテーションでやるので許していただきたい」と答えた。また、主に平日にプレイしている方から「土日にイベントが多くて損した気がする」という声もあるそうで、杉浦氏は「平等性を考慮しなくてはいけないと思う。今は土日にやっているものも、平日限定でやりたい」と語った。

 また先日まで募集された「川柳コンテスト」では、「『MHF』プレーヤーはストイックな方が多く、ゲーム以外に興味がない方が多いので、応募はせいぜい2,000くらいだと思ったら、2万も来ている」と予想以上の人気に驚いた様子。「審査日数は延長することになるかもしれないが、入賞枠を増やそうと思っている」という。

 「韓国がサービス終了したが日本は大丈夫なのか」という声に対しては、「何も影響しない」と断言。「海外部署も同じ部内にいる。情報共有はお互いにしているが、各国ごとに仕様を分けて考えている。日本の事情が、サービス中の台湾に押し付けられることもないし、その逆もない」とした。

 合わせて「MHF」のサービスの基本姿勢について説明。「お客様はどんなに対応が素晴らしくても、半年程度で終わるゲームは評価してくれない。お客様の思い入れがあるこのデータを、どれだけ長く運営するかが1番重要だと思う。サービス終了する理由は様々あるが、それを切り抜けてやっていくため、現状のビジネスモデルを続ける。アイテム課金を入れると怒られるが、私がどれだけ罵詈雑言を受けても痛くない。どれだけ長く続けられるかという執念。短期間で終わることがないようにしている」と杉浦氏は語った。

 杉浦氏はその上で、「『MHF2』は作らないのか」という声にも答えた。「2になったゲームは成功していない。なぜ失敗するか、カプコンなりの答えを出すにはまだ時間がかかる。1年程度で出す答えではない。下手に焦ってやると、今までのものが崩れる可能性がある。お客様に満足していただくため慎重にやりたい」とした。ただ開発にはジレンマがあるようで、「技術的に難しいのは、プレイステーション 2からの移植で、元々がオンラインゲームとして設計されていないこと。0から組み直せば、ご要望に全て対応できるのに、と思っている開発者もいる。『MHF2』にした時には、ゲームをどう楽しくするか、5年、10年とサービスするためにはどうすればいいかまでお話ししなければいけないが、そこはまだ詰められていない」としている。


Q&Aで公開されたスライドはかなりの数になった。杉浦氏はこれら1つ1つに丁寧な解説を加えて、来場者の理解を求めた



■ 「エスピナス」の毒に苦しめられた決勝トーナメント。トロフィーは「プーギー」にリニューアル

今回もテクノブラッドの石渡芳幸氏(上)とタレントの篠田有香さん(下)が司会進行を担当

 「VS.クエスト チャンピオントーナメント」は、2人で1チームで行なわれている大会。クエスト達成時間のタイムアタックで競う予選クエストと、その上位4チームで争う「VS.クエスト」による決勝トーナメントが行なわれた。

 予選クエストは「デュラガウア」1頭の討伐。タイムアタックなので、タイムロスを最小限に抑えながら、いかにダメージを与えていくかが重要になる。「デュラガウア」は、攻撃しながら飛び回り、範囲攻撃も多いので、なかなか的を絞りにくく、近づきにくい。そこで目立ったのは、まずハンマーで頭を殴って気絶させて動きを止め、そこへ2人で一気に攻撃するという作戦。そのため、1人または2人ともがハンマーを選択するというチームが圧倒的に多く、いかに早く気絶状態させるか、そこでどれほどダメージを与えられたかが、勝負の別れ目になった。

 2分台で討伐するチームが10チーム以上いた中で、予選を突破したのは、ハンマー2人の組み合わせで1位通過した「東北ジャスタウェイ」を筆頭に、「『や』ではじまりの自営業」、「Cyberdyne」、「キラメキラリ」の4チームだった。


ハンマーでスタン状態にして、攻撃を畳み掛ける作戦に出るチームが多かった予選最速タイムは「東北ジャスタウェイ」の2分7秒50

 決勝トーナメントは「VS.クエスト」による「エスピナス」特異個体1頭の討伐で争われた。準決勝は1本勝負、決勝は特別ルールによる2本先取の3本勝負となった。

 「VS.クエスト」は、相手よりも早く討伐することが目的となるが、相手を罠にはめる「VS.クエスト専用アイテム」の使用も勝負を左右する要素になる。「エスピナス」は毒攻撃を仕掛けてくる上、プレーヤーは貸与された防具によって「毒倍加」になっている。そこで回復や解毒などのアイテムが使用できなくなる「こやし玉」の罠にかかったプレーヤーは、自分で回復する手段がなくなり、厳しい状況に陥った。

 予選よりも攻撃力が高くなったモンスターと、相手チームの罠により、「東北ジャスタウェイ」が3回倒されてしまい準決勝で敗退するなど、どのチームも苦戦を強いられた。決勝に勝ち進んだのは、「『や』ではじまりの自営業」と「キラメキラリ」。

 決勝戦は、チーム内で1度使用した武器は使えないという特別ルールで行なわれた。3試合目までもつれ込むと、お互いに6種の武器を使わなければならない。

 決勝の第1試合、「『や』ではじまりの自営業」が選んだ武器は、弓とヘビィボウガン。両者ともガンナーを選択し、互いに「エスピナス」を引き付けあってコンスタントにダメージを与える作戦に出た。対する「キラメキラリ」が選んだ武器は、片手剣と弓。準決勝戦では両チームとも双剣2人で戦っていたので、決勝では全員が違う武器に変えたことになる。試合では「キラメキラリ」が終盤に1回倒されてしまったこともあり、「『や』ではじまりの自営業」が1本先取した。

 勢いをつけた「『や』ではじまりの自営業」は、第2試合でランスとライトボウガンを選択。ランスが攻撃を引きつけながらしっかりとガードし、ライトボウガンで撃つことでしっかりとダメージを与えていった。「キラメキラリ」は双剣とライトボウガンを選択し、こちらも同様の役割分担で進んだ。しかし試合は「『や』ではじまりの自営業」の立ち回りが上回り、先に討伐に成功。「『や』ではじまりの自営業」が優勝を決めた。

 優勝した「『や』ではじまりの自営業」には、今回からデザインが「プーギー」にリニューアルされた金色のトロフィーと、「ゴールドクレストI」、Nポイント12,000ポイントが授与された。他の入賞したチームにも、それぞれ銀、銅のトロフィーなど賞品が授与された。

 大会後は、6月29日のアップデートで実装される「ラヴィエンテ狂暴期」の先行体験会が行なわれた。この先行体験会は、来場者全員がアップデート実装前のコンテンツが楽しめるということで、毎回恒例となっている。新たな支援アイテムの動きに笑ったり、未知の動きに驚きの声を上げるなど、参加者は「ラヴィエンテ」との戦いに夢中になっていた。


役割の分担、ランスの立ち回りなど、チームの連携が見事に噛み合った「『や』ではじまりの自営業」
「『や』ではじまりの自営業」が優勝を決めたトロフィーは今回からリニューアルされ、金・銀・銅の「プーギー」になった恒例のビンゴ大会では、Nポイントと「MHF フォワード.2 プレミアムパッケージ」の付属武具一式が賞品として用意された
6月29日に追加アップデートされる「ラヴィエンテ狂暴期」に先行体験として挑む参加者たち。中にはいきなり倒されてしまうプレーヤーも……

(C)CAPCOM CO., LTD. 2007, 2011 ALL RIGHTS RESERVED.

(2011年 6月 27日)

[Reported by 石田賀津男/安田俊亮]