E3 2011レポート

Kinect専用タイトル体験レポート
「Dance Central 2」、「Kinect: Disneyland Adventures」……体を動かしてプレイする、5つのタイトルを紹介


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 Kinectはコンローラーなどを手に持たず、全身でゲームを操作するデバイスだ。この斬新なデバイスとそこから生み出されるゲーム性は、あっという間に世界に1千万人以上のユーザーを獲得した。そしてそのユーザー達は、現在「もっと楽しい、もっと斬新なゲームを!」と待ち望んでいる。

 そのファンの期待に応えるため、今年のMicrosoftブースでは、「Dance Central 2」、「Kinect: Disneyland Adventures」、「Kinect Star Wars」、「Kinect Fun Labs」、「Kinect Sports: Season Two」という魅力的なKinect“専用”タイトルが出展されていた。本稿では5本全てのタイトルの体験レポートをしていきたい。



■ 「Dance Central 2」

曲の選択時にプレビューが表示される様になった。楽しいムーブを探せる
向き合う踊りにアレンジ。一般来場者でもこのノリだ

 「Dance Central 2」はミリオンヒットを達成したKinect専用ダンスアクション「Dance Central」の続編だ。今作では、Usher、Rihanna、La Roux、Nicki Minaj、Montell Jordan、他、多くの豪華アーティストの楽曲が収録される。ローンチ時には40曲以上、その後全部で100曲以上が登場予定だという。日本では2011年末の発売を予定している。

「Dance Central 2」の最大の特徴は2人で並んで同時に踊れるところ。それぞれのムーブは赤と青で表示され、自分がどちらを踊ればいいか簡単にわかる。それぞれ難易度を選べるので、一緒に踊りながら、別々の動きをすることもある。その組み合わせも楽しい。

 スコアはシングルプレイだけでなく、2人の合計も記録できる。このため2人で高みを目指し、フレンド内のトップや、世界の人たちと競うこともできる。ダンス中で驚かされたのは、1人がセンサーの前を離れると瞬時にシングルプレイになるところ。ほかの人が参加すると再び2人の画面に戻る。何らかの理由で1人が離席しても踊り続ける人のテンションは持続するのだ。

 「Dance Central 2」のもうひとつの目玉は「ストーリーキャンペーン」の存在だ。プレーヤーは様々なダンスチームとダンスバトルを繰り広げていくという。相手はペアを組んでおり、こちらも2人で挑戦するのが可能だ。前作でもダンスの前後にはNPCのユニークなアピールがあったが、対戦要素が入ることで、どんなドラマを見せてくれるか楽しみだ。

 この他、新機能としては、曲の選択時にプレビュー機能が追加された。どんなダンスをするのかムーブが表示されるので、動きの面白さで曲を選ぶことができるのだ。前作では実際に曲を選び、踊ってみなくてはムーブがわからなかった。また、「Dance Central 2」は前作の曲をインポートできる。うれしいのは、以前の曲もプレビュー機能に対応しており、そして一緒に踊る事ができるところだ。ちなみにプラクティスモードは1人専用とのことだ。

 実際に体験してみると2人での踊りは本当に楽しい。特にうまい人と踊るのは、画面のダンサーと横の人に励まされているような感じで、手足の動きの堅さがとれる。そして、会場の人たちの動きは本当に楽しかった。北米の人たちのダンスは初めてでも決まっているように見えるし、照れない。向き合って踊ったり、コンビネーションの面白さを意識した振りにアレンジしたりとにかくノリノリなのだ。筆者も見習いたい明るさだった。


【Dance Central 2】
2人で踊れると楽しみは倍増する。隣の人もお手本になるのがいい



■ 「Kinect: Disneyland Adventures」

指さすことでその方向にすすむ。子供の仕草にヒントを得たという

 「Kinect: Disneyland Adventures」は米国アナハイムのDisneylandを再現した作品である。プレーヤーはKinectにより自由に園内を歩き回れる。「Kinectで空間を歩く」という課題に対しては、各社が様々なアプローチをしているが、本作では“指さす”というアクションで対応している。

 これは、園内の子供達が両親の手を引き「あっち、あっち!」と指さす仕草からヒントを得たものだ。ずっと水平に手を持ち上げているのは疲れるので、肘から先だけ持ち上げるというアクションでもオーケーだ。

 歩いていると光が伸びて、プレーヤーを誘導する。ついて行くとキャラクターやアトラクションにたどり着ける。キャラクターのの声はアニメと同じ声優を起用しているという。近づいてハグをしたり、手をカメラを持っているかのように構えると、キャラクターと記念写真を撮れる。

 ちなみに今回のデモではプレーヤーキャラクターは女の子だったが、自由にカスタマイズ可能で、大人にもできるとのことだ。またユニークな要素としては、「魔法」が使える。左手を振るとステッキが現われ、特定のオブジェクトに魔法をかけることができる。例えば道ばたのコーヒーカップの置物にステッキを振るとひっくり返ってコインを出す。コインは集めることで宇宙服などが買える。アイテム収集などのクエスト要素もあるとのこと。園内は最初から自由に歩き回れることができる。ゲームを進めなくても、自由に歩き回れる。

 アトラクションは両手を上げるとメニューが出て、ここから選ぶ。今回は、ビッグサンダーマウンテンを見ることができた。オリジナルのビッグサンダーマウンテンはジェットコースターだが、ゲームは手押しのトロッコ。前に出した手を上下させることで進む。途中手を伸ばしてコインを取ったり、切り替え機に触って、ルートを変えたりする。

 かなり激しいアトラクションで、トロッコを動かしつつコインを取らなくてはならない。頭上からはコンドルが襲いかかって来る場合は、手を上に上げて撃退する。ルートはぐねぐねと動き、ジェットコースター気分も満喫できる。ほかにどんなアトラクションがあるのかも楽しみだ。


【Kinect: Disneyland Adventures】
自由に遊園地を歩き回れる。両手を上に上げるとアトラクションをプレイできる
激しくて楽しいアトラクション、ビッグサンダーマウンテン
キャラクターとハグできたり、様々なアトラクションを楽しめる



■ 「Kinect Star Wars」

フォースで戦車を動かす。ぐぐっと力が入ってしまう

 「Kinect Star Wars」はKinectの力でジェダイの騎士になりきれるタイトル。日本では2011年発売予定だ。右手はライトセーバー、左手はフォースに対応しており、ジェダイの力を駆使して敵をなぎ倒せる。右手を振るとそこ軌跡通りに剣を振り、左手を後ろに引くとエネルギーが貯まり、前に突き出すことで衝撃波で敵を吹き飛ばせる。

 この他、特定の場面では手を前に突き出すことでフォースで物体を動かすこともできる。肩を前に体を傾ける仕草をするとフォースダッシュで一気に敵と距離を縮めることができるし、そこからジャンプすると相手の後ろに回り込める。

 ストーリーキャンペーンはオリジナルで、プレーヤーは6人のキャラクターから1人を選んで冒険を始める。時代設定はエピソード1の終わりから、エピソード3だ。アナキン・スカイウォーカーがタトィーンから去る頃から、シスの暗黒卿の「オーダー666」によるジェダイ狩りが始まるまでだという。プレーヤーはジェダイのパダワン(見習い)から、ジェダイナイト、ジェダイマスターへと成長していくという。

 MSの発表会では、「ちょっとライトセーバーの振り方がおかしい」と感じた本作だが、実際に体験してみるとそういった細かい部分は全部吹っ飛んでしまう。一気に距離を詰め、めったやたらに剣を振り相手を切り刻み、フォースで敵をなぎ倒す。敵との駆け引きよりも自分の体の動きがダイレクトに画面に反応すること。舞台がスターウォーズで、自分がジェダイというコンセプトだけでも楽しいゲームだった。まだまだ今後作り込んでいくということだが、低年齢層向けに現在のようなノリも残して欲しいと感じた。

 ライトセーバーでの戦い以外にもポッドレースや、スピーターバイクで森を疾走したり、宇宙戦闘機で敵と戦うなど様々な要素が追加されるという。オビワンなどの映画のキャラクターも物語に関わってくるし、舞台はエピソード3以降の場所も登場する。盛りだくさんの内容の“お祭り”的な作品になりそうだ。


【Kinect Star Wars】
ジェダイの騎士になりきってライトセーバーを振り、フォースを駆使して進んでいく



■ 「Kinect Fun Labs」

筆者の顔を取り込んだBobble Head。もうちょっと表情を工夫したい

 「Kinect Fun Labs」は6月6日にダウンロードで入手できる、Kinectの楽しさを広げるユニークなツール集である。「Kinect Me」、「Bobble Head」、「Build a Buddy」、「Googly Eyes」の4つが用意されており、自分の顔を取り込み頭の大きなバブル人形にできる「Bobble Head」を体験し、ぬいぐるみを取り込める「Googly Eyes」を見ることができた。

 「Bobble Head」はカメラの位置と自分の表情を合わせるのが難しく、かなり珍妙な表情になってしまった。カツラなどアレンジアイテムも用意されている。セリフを収録可能で、頭を揺らすとしゃべる。今回のようによくわからないまま作り、その出来で笑う、というのは楽しいが、個人的には人形の完成度には全く納得がいかないので(表情もかなり間抜けだし)、家でもっといい人形を作り、セリフも考えたい。実は試行錯誤こそが楽しいツールだと感じた。

 「Googly Eyes」ではぬいぐるみを取り込める。バッグや箱などもぬいぐるみ化できる。カメラに向かって、前と後ろを写せば簡単に制作できる。面白いのは取り込んだ後は、体を使って操作できるところ。手を高く上げればびよーんと伸びる。屈むとほとんどぺったんこになる。びっくりするほどに変形するのが楽しい。こちらは動きと声を記録できる面白い“ネタ”を作りたいところだ。

 「Kinect Fun Labs」は今後もコンテンツを追加していく予定だという。リリース時期は未定だが期待したい。Kinectは魅力的なハードであり、「Kinect Fun Labs」で様々な可能性を提示してくれれば、もっと楽しいゲームがうまれそうだ。

 
【Kinect Fun Labs】
こちらは「Googly Eyes」。驚くほど伸び縮みするのが楽しい
「Kinect Fun Labs」は様々なKinectの遊びを提示してくれる



■ 「Kinect Sports: Season Two」

アメリカンフットボールは二人での協力が必須だ

 「Kinect Sports: Season Two」は野球、ゴルフ、テニス、スキー、アメリカンフットボール、ダーツがKinectで楽しめる。オフラインでも2人で楽しめ、種目によっては、オンラインでの4人プレイにも対応している今回はゴルフとアメリカンフットボールに挑戦した。

 ゴルフは1人1人Kinectの前に立ち、プレイしていく正面を向いて立ち、景色を眺めるとき手をひさしのように額に当てる仕草をするとグリーンまでコースを確認できる。ショットは、実際のゴルフそのままに手を振る。手をフルスピードによってボールの強さも変化させられる。

 アメリカンフットボールはノリノリの競技だ。1人がボールを投げるクゥオーターバックそしてもう1人がボールを受け取るオフェンスになる。オフェンスはどの歩氏ションになるかは、事前に決めたフォーメーションで変わる。クゥオーターバックは早く投げないと敵につぶされてしまう。オフェンスはボールを受け取ったら、素早く足を動かしてダッシュ。敵にタックルされたらジャンプでかわす。オフェンスのがんばりが特に必要な競技だ。

 この他、野球はバッターとピッチャーで対戦ができるという。対戦風景が楽しいゲームだと感じた。日本でも2011年発売予定だ。


【Kinect Sports: Season Two】
野球、ゴルフ、テニス、スキー、アメリカンフットボール、ダーツが楽しめる

(2011年 6月 10日)

[Reported by 勝田哲也]