G-Star 2010レポート
ncsoft、MORPG「Metal Black: Alternative」体験レポート
日本のアーケードゲームに影響を受けたアクションシューティング
韓国ncsoftは11月16日、韓国・釜山で開催されているゲームイベント「G-Star 2010」の出展内容についてのプレスカンファレンスを、ncsoft本社にて開催した。
同社はこの中で、新作のMOアクションRPG「Metal Black: Alternative(メタルブラックオルタナティブ)」の先行試遊会と開発者への合同インタビューを実施した。本作は昨年のG-Starにもプレイアブル出展されたタイトルだが、アーケード向けのアクションシューティングをマルチプレイ化するという昨年の狙いから1歩進み、今年はMORPGとしての要素と新たなバトル要素を加えたものになっている。
■ 撃って倒して進め! カジュアルながら奥深いアクションシューティング
3つの職業が存在する。G-Starバージョンではプレイする台ごとに職業が固定されていた |
本作はSF世界を舞台にしたMO対応のアクションRPG。俯瞰視点でプレーヤーキャラクターを操り、銃器やマシンで敵を倒しながら進んでいく。3Dグラフィックスで描かれてはいるが、ゲーム内容は昔懐かしい2Dアクションシューティングと思ってもらえれば間違いない。
移動はキーボードのWASDキーで行なう。照準はマウスポインターのある方に向けられるという仕組みで、マウスをクリックすると攻撃する。右クリックと左クリックで異なる武器を使えるほか、Tabキーで武器切り替えが可能。数字キーでスキルも使用できる。またスペースキーを押すとテレポートで高速に移動し、敵に囲まれた時などに緊急回避できる。
プレーヤーキャラクターは、攻撃力重視の「STRIKER」と、スピード重視の「INSPECTOR」、マシンを操るテクニカルタイプの「MACHINIST」の3種類で、それぞれ異なる武器やスキルを持っている。体験できたG-Star出展バージョンでは、3種類のキャラクターが1人ずつの3人パーティーでプレイできた。
まずロビーとなるMMOエリアで、パーティーリーダーがミッションを受ける。パーティー全員がミッション参加を認めると、ミッションの内容を説明するブリーフィング画面が表示された後、MOのインスタンスエリアに転送される。
ゲームがスタートしたら、現われる敵を倒しながら、どんどんダンジョンの奥へと進んでいく。今回のバージョンでは2つのステージを体験できたが、どちらもとにかく奥へ奥へと進み、最後にいるボスモンスターを倒せばミッションクリアとなった。G-Starで試遊できるバージョンということもあり、途中の雑魚モンスターは武器を撃ちながら進んでいるだけでも倒せてしまう程度だったが、ボスモンスターは途中の雑魚モンスターとは別次元の強さで、ダメージに応じて攻撃方法が変化するようなギミックも仕込まれていた。
またステージの途中で、「APU」というロボットに乗り込める。バルカンやロケットランチャー、火炎放射器などを装備しており、歩兵状態の時よりもはるかに高い攻撃力が得られて爽快感がある。ただし動きが鈍重で、歩兵時のように回復アイテムを使えないので、それなりの立ち回りが要求されるとも言える。一定のダメージを受けると破壊され、歩兵状態に戻る。
ステージをクリアするか、経験値が貯まってレベルが上がると、「AP」が得られる。これはスキルを覚えるためのポイントで、MMORPGでよく見るスキルツリー形式で新たなスキルを取得していく。また拾った装備でキャラクターを強化できる。こうしてミッションを繰り返しながら、能力と装備をよりよいものにしてキャラクターを成長させていく。
ゲーム内容について細かく説明してきたが、基本はとにかく撃ちまくって敵を倒し、ボスを倒せばステージクリアとなる、単純明快で爽快なカジュアルアクションゲームだ。それでいて、「APU」の独特な運用や、刀で切りつける近接戦闘も含む多彩なスキルがあり、1撃で倒されるような強力なボスもいるなど、じっくり攻略する楽しみもある。グラフィックスもさほどヘビーには作られておらず、かなり低スペックなPCでも遊べそうな印象を受けた。
【プロモーションムービー】 |
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■ アーケードゲーム全盛期のアクションシューティングの面白さをオンラインへ
キム・ヒュンジン氏(右)と、ジョン・スンヒュン氏(左) |
合同インタビューには、プロデューサーのキム・ヒュンジン氏と、チームリーダーのジョン・スンヒュン氏が出席。参加した各国のメディアからの質問に答えた。
Q: 想定プレイ時間は?
A:1ミッションは15分程度。それが連続で配置されており、一区切りとして想定しているのは1~2時間程度。ただしレイドコンテンツなどを用意すれば、もっと長くなる可能性はある。
Q: かなりカジュアルなゲーム内容ですが、どんなユーザーをターゲットにしているのですか?
A:最初の企画段階では、アーケードゲームのアクションシューティングを目指していた。アクションシューティングゲームの楽しさを、PCのオンラインマルチプレイで楽しめるようにしたかった。ターゲット層は学生を中心に、オンラインゲームに憧れを持っている全てのユーザー。世界観から考えて、おそらく女性より男性向け。表現上、小学生には厳しい部分はあるので、それ以上の層に向けていきたい。
Q: サービススケジュールとビジネスモデルは?
A:サービススケジュールはまだ未定。開発としては、来年にはユーザーが体験できるようにしたい。ビジネスモデルも未定だが、G-Starバージョンでは倒された後の復活のために使うコインがあり、それがヒントになると思う。それ以外にも検討はしている。
Q: 1インスタンスに何人までプレイできますか?
A:3~4人を想定しているが、RvRやパーティー対戦も入れる予定。RvRはギルド間での資源を奪い合いを想定している。人類が食糧不足などの中で生き残るために戦うというストーリーがあるので、PvPでもそういった部分を活用したい。
Q: 「Tabula Rasa」を始め、SF作品は失敗が続いているのに、なぜこの世界観を選んだのですか?
A:韓国ではncsoftが最もSFジャンルに挑戦してきたと思っている。SFを選んだのは、追及しているゲーム内容が、1秒に何十発もの弾丸がばら撒かれるようなゲームだから。銃を撃てるというなら現代より後になるし、何十発も撃っても生きている相手を想定すると、こういった化け物を素材に選ぶことになった。SFというジャンルの壁は越えられると思っている。
Q: 他の職業を追加する予定は?
A:企画している。1つは防御力の高い、盾を持った戦闘兵器のようなもの。とはいえ、パーティープレイではMMORPGのように役割を分けているわけではない。仮にヒーラーのような役割を持った職業でも、前衛で戦えるようにする。来年お見せするバージョンでは、4つか5つのキャラクターを公開したい。
Q: 「APU」について、もう少し詳しく教えてください。
A:当初から乗り物に対する期待が大きかった。バイクや飛行機も考えていたが実現が難しく、ロボットで戦車のように砲撃できるものが企画として採用されたという経緯がある。今回のG-Star版では途中で拾えたが、実際にはプレーヤーが持ち込んで、時間制限で使える必殺技のような位置付けになっている。
Q: レベルキャップに達した後の遊び方は?
A:究極的にはパーティー対戦やRvRになる。レベルアップやお金稼ぎだけでなく、それ以外に楽しめる要素を準備している。
Q: ゲームパッドには対応しますか?
A:対応できるよう企画中。コンシューマー版も作りたいと思っているが、まだ具体的に決まっていることはない。
Q: ゲームの企画開発において参考にしたゲームがあれば教えてください。
A:最も影響を受けたのは「怒」や「魂斗羅」。他にもゲームセンター全盛期のさまざまなアクションゲームに影響を受けている。
(2010年 11月 19日)