「第13回文化庁メディア芸術祭」開催
PS3「NARUTO −ナルト−ナルティメットストーム」がエンタメ部門優秀賞を受賞
宮本茂氏に功労賞、故・金田伊功氏に特別功労賞が贈呈される
エンターテインメント部門のブース |
文化庁、国立新美術館、CG-ARTS協会からなる文化庁メディア芸術祭実行委員会は、エンターテイメント、アニメーション、マンガなどの各メディアから優れた作品を選出して表彰する「第13回文化庁メディア芸術祭」を、2月3日から14日まで国立新美術館において開催する。会場は企画展示室 2Eで、入場料は無料。開催時間は10時から18時(金曜日のみ20時)まで。
回を重ねるごとに参加国と人数が増えていく「文化庁メディア芸術祭」だが、今年は54カ国、全2,592点と、前回を上回る応募数を記録。当然ながら、この数字は過去最高のもの。会場内には、受賞作品と審査委員会推薦作品、約180 点が展示される。期間中は、クリエイターのシンポジウム、上映会のほか、「第15回学生CGコンテスト受賞作品展」、表現のための新技術を紹介する「先端技術ショーケース'10」、入口の正面で定期的に開催されるプレゼンテーションステージなど、さまざまなイベントが行なわれる。
既にご存知の方も多いかと思われるが、本芸術祭は「アニメーション」、「マンガ」、「エンターテインメント」、「アート」といった4部門にわけて作品を展示。ゲーム関係はエンターテインメント部門で取り扱われるが、今回の受賞作品はバンダイナムコゲームスのPS3「NARUTO −ナルト−ナルティメットストーム」が優秀賞を受賞。ゲーム関連タイトルでは、入賞作以外にも、審査委員会推薦作品として「Fable II」、「LocoRoco 2」、「RACE DRIVER GRID」、「ディシプリン*帝国の誕生」、「ストリートファイターIV」、「ドラゴンクエスト IX 星空の守り人」、「バイオハザード5」、「バンジョーとカズーイの大冒険:ガレージ大作戦」、「パタポン2 ドンチャカ♪」、「メイドイン俺」、「ラブプラス」、「レッツタップ」、「乱戦! ポケモンスクランブル」、「わがままファッション GIRLSMODE」が展示されており、一部をのぞきプレイが可能となっている。
一般公開日は2月3日。本日は、プレスと関係者向けの内覧会および各受賞作への贈呈式が行なわれた。前述のとおり、ゲームタイトルでは「NARUTO −ナルト−ナルティメットストーム」が優秀賞を受賞。大賞ではないためコメントはなかったが、開発を手がけたサイバーコネクトツー代表の松山洋氏にお話をうかがったところ「このような賞をいただき、ありがとうございます。凄く感激しております。この作品は、我々ゲームクリエイターが“世界に向けて”どういった形で勝負をするかというコンセプトを掲げた際、日本が誇る文化であるアニメーション。私が小さいときから大好きなTVアニメーションを研究し、今の次世代ゲームマシンで“まるで劇場アニメーション”のような、触れるゲームソフトのようなものがあれば、世界中のユーザーが驚いてくれるんじゃないかという気持ちで制作をスタートさせました。結果、北米や欧州で、技術・内容の両面で高い評価をいただきました。今回、日本でもこういった形で評価をいただけたことをチーム一同で感謝しつつ、これからも我々の物作り……日本人にしかできない作り方を武器に、世界に向けて新しいゲームを出していきたいと思います」とコメントしてくれた。
【NARUTO −ナルト−ナルティメットストーム】 | ||
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開発を代表して出席した松山洋氏(上画像・最左)。ブース内では、劇場版クオリティで動き回るキャラクタに来場者の多くが目を奪われていた |
【Fable II】 | 【LocoRoco 2】 | 【RACE DRIVER GRID】 |
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【ディシプリン*帝国の誕生】 | 【ストリートファイターIV】 | 【ドラゴンクエスト IX 星空の守り人】 |
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【バイオハザード5】 | 【バンジョーとカズーイの大冒険:ガレージ大作戦】 | 【パタポン2 ドンチャカ♪】 |
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【メイドイン俺】 | 【ラブプラス】 | 【レッツタップ】 |
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【乱戦! ポケモンスクランブル】 | 【わがままファッション GIRLSMODE】 | 【ディシディア ファイナルファンタジー ポーション(アート部門)】 |
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■ 宮本茂氏が功労賞、故・金田伊功氏が特別功労賞を受賞
宮本茂氏 |
2003年より制定された功労賞は、審査委員会の推薦によりメディア芸術界に多大な貢献があった人に贈られるもの。今回は、任天堂の宮本茂氏に功労賞、故・金田伊功氏が特別功労賞がそれぞれ贈呈された。
我々ゲームファンにとって、宮本氏の功績は今さら説明するまでもないだろう。会場では「任天堂において、ゲームクリエイターとして『ドンキーコング』、『スーパーマリオ』、『ゼルダの伝説』を始めとしたゲーム史に残る数々の傑作を手がけた。近年では『ピクミン』、『ニンテンドッグス』、『Wii Sports』シリーズ、『Wii Fit』シリーズ、『Wii Music』などを手がけ、これまで男の子が個人で楽しむものだったゲームの枠を取り払い、世代や国境を越えて楽しめるエンターテインメントに育て上げた」と受賞理由のアナウンスが行なわれた。
壇上で宮本氏は「こういう賞をいただくたびに、ふたつの想いがあります。ひとつは、功労賞をいただくと『はぁ、だんだん自分も歳をとってきたなぁ』と。27歳のときに『ドンキーコング』を作って、若手、若手と社内ではずーっと言われてて。若手のつもりでいるんですが、身の引き締まる想いです。もうひとつは、ひとりで作れるものじゃないので、そういう評価をひとりでいただくのは、いつも気恥ずかしい想いで来ております。一緒にやってくれた皆と頂戴したいと思います」とコメント。
さらに続けて「私事になりますが、昨年12月に『New スーパーマリオブラザーズ Wii』。久しぶりに『スーパーマリオ』を自分で一生懸命作りました。それが期待以上に売れてくれまして、世界中で1千万本になりました(会場から拍手)。もうちょっと早かったらエンターテインメント部門も取れたのに! と悔しい思いをしておりますが(笑)、最近、私『ゲームを作る』というより『遊んでいる姿』というのが意識にありまして。『スーパーマリオ』をひとりで遊ぶ姿から、今度は4人で遊んでいる姿というところで“ゲームのなかを作る”というより“空気を作る”というか。そういうステップに一歩踏み出せた、と思っています。これからも現役、来年も狙いにいきますので(笑) よろしくお願いします」と語った。
代理出席された金田牧子さん |
昨年7月に急逝された金田伊功氏には、生前の功績を讃え特別功労賞が贈られることとなった。代理で出席された夫人の牧子さんは「主人はアニメーターで、動かすのがとても好きな人でした。主人の影響を受けた人たちが、これからも日本の芸能を支えていってくださると思います。アニメが3Dやデジタルになっても、活き活きとした楽しい動きができるように、これからも進化していってもらいたいと思います。主人も、それを望んでいたと思います」とコメント。
金田氏といえば第一にアニメ作品が挙げられるが、劇場作品「FINAL FANTASY」への参加をきっかけにスクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社され、以後「ファイナルファンタジーXIII、IV、IX」、「半熟英雄 対 3D」、「半熟英雄4 7人の半熟英雄」、「武蔵伝II ブレイドマスター」など、数々のムービーやゲーム中のモーションを手がるなど、その功績はゲーム業界にとっても計り知れないものがあった。会場には、金田氏に関する映像資料、コンテ、愛用品などが展示されている。興味がある方は、ぜひとも足をお運びいただきたい。
【金田氏に関する展示】 | ||
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アニメからゲームまで、金田氏の業績に関する記述のほか「ファイナルファンタジーXIII」、「FINAL FANTASY」、「半熟英雄 対 3D」、「半熟英雄4 7人の半熟英雄」、「武蔵伝II ブレイドマスター」、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女-」、「すばらしきこのせかい」のコンテなど開発資料が展示されている |
お詫びと訂正:掲載時、文中で「NARUTO −ナルト−ナルティメットストーム」の発売元をタカラトミーとしておりましたが、バンダイナムコゲームスの誤りでした。ここにお詫びし訂正いたします。
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□「文化庁メディア芸術祭」のホームページ
http://plaza.bunka.go.jp/
(2010年 2月 2日)