G-Star 2009現地レポート
HanbitSoftブースレポート
リール型コントローラーを使う釣りゲーム「Grand Mer」、ギルドでサッカーチームを運営できる「FC MANAGER」など7本の新作を展示
HanbitSoftブースは、フィッシングゲーム「Grand Mer」、三国志世界をテーマにしたMMORPG「三國之天」、ファンタジー対戦TPS「Warcry」、サッカーチーム運営シム「FC MANAGER」の4タイトルの試遊台を設置し、さらにアクションMMORPG「Mythos」、MMORPG「R.O.D」、ロボット対戦TPS「Squad Flow」の3タイトルを映像出展していた。
この7本のタイトルはすべてこれからクローズドβテスト、オープンβテストを控えているタイトルであり、HanbitSoftはこれから短い期間で7本ものタイトルを展開することになる。会場でのユーザーの注目も高く、Hanbitの勢いを感じさせた。
中でも「Grand Mer」は専用のリールコントローラーでトローリングができるというゲームで、コントローラーを振りながらリールを巻くプレーヤーの姿が楽しそうで、来場者が期待しながら列に並んでいる姿が印象的だった。この他にも、Kリーグの選手が実名で登場する「FC MANAGER」など、多くのタイトルが人気を集めていた。11月26日にはプレスカンファレンスも開催され、今後の展開も聞くことができた。
■ 7本の新作タイトル、「Audition」の新展開など積極的に活動するHanbitSoft
発表会で挨拶したHanbitSoftCEOのKee Young Kim氏 |
質疑応答で記者の質問に答えるKee Young Kim氏とHanbitSoft取締役であり、ハンビットユビキタスエンターテインメントのCEOであるYoo Ra Kim氏 |
G-Star11月26日に行われた発表会では、今回ブースで出展した7本のタイトルの紹介と、ムービーが公開された。ムービーは会場に流れているもので、タイトルの紹介もリリースを読み上げるシンプルなものだったが、質疑応答ではHanbitSoftCEOのKee Young Kim氏とHanbitSoft取締役であり、ハンビットユビキタスエンターテインメントのCEOであるYoo Ra Kim氏に「Audition」など今回出展したタイトル以外の質問も寄せられた。
HanbitSoftは2010年の1月に「Audition」の“ギターコントローラー”を発売し、新しい要素をゲームに盛り込むという。詳細は説明されなかったが、今後の発表が楽しみだ。「Grand Mer」でも専用コントローラーを発売する予定であるが、現在のところ専用コントローラーの対応タイトルはそれ一つで今後検討するという。
HanbitSoftは韓国ではおもちゃメーカーとしても知名度の高いメーカーで、玩具部門との展開は今後も考えているという。韓国メディアからは「Audition English」向けの専用マイクも発売しては?」という提案もあり、こちらも検討中とのこと。
「Audition English」はプレーヤーにゲームをしながら学べる教育要素を持ったゲームだ。韓国では今年の2月からサービスが行なわれているが、教育要素が高く評価され韓国国内で話題を集めた。韓国メディアは、「今回はNHNブースで教育要素を持ったタイトルが出展されている。HanbitSoftは教育目的のシリアスゲームは今後どうするのか」という質問をぶつけた。Kee Young Kim氏は「現在は準備しており、来年のG-Starお見せできるでしょう」と答えた。
タイトルが発表されている「Audition2」に関しては2010年の3月にCB予定で、MMOの街や、ビジュアルチャットルームなどよりコミュニケーション機能を強化するという。ちなみに「Audition2」はYD Onlineでサービス予定で、今回はYD Onlineブースで映像出展を行なっている。Kee Young Kim氏は「私達はコンシューマーゲームに劣らないクオリティーのゲームを目指し、今後も努力していきたい」と語った。
HanbitSoftブースは中央に広いペースをとり、左右にフィッシングゲーム「Grand Mer」、三国志世界をテーマにしたMMORPG「三國之天」、ファンタジー対戦TPS「Warcry」、サッカーチーム運営シム「FC MANAGER」の4タイトルの試遊台を設置、中央には柱を立て、その柱の側面にモニターを置き、アクションMMORPG「Mythos」、MMORPG「R.O.D」、ロボット対戦TPS「Squad Flow」の3タイトルを映像出展するという構成だった。
1番人気は「Grand Mer」だ。リールのついている釣り竿のリールから先の竿を切り取ったデザインで、のびる竿の代わりにライトが付けられている。このリールはモーションセンサーが仕込まれており、プレーヤーはルアーを投げるようにコントローラーを振り、釣れたときはぐるぐるとリールを巻き、魚の引きに合わせて左右にコントローラーを振る。
画面は南国のリゾート風で、魚が釣れるとパートナーのグラマーな美女が胸を揺らしながら喜ぶという、非常に明るい感じで、プレイしている姿はとても楽しそうだ。プレイを助けるスタッフも「引いて引いて!」と力を入れた応援をしてくれて、思わず列の後ろに並んでしまいたくなる。
「Warcry」は8vs8のスピーディーな対戦ができるオンライン対戦シューティングだが、登場するキャラクターが重い鎧に身を包んだ重戦士や、露出の高い軽やかな衣装に身を包んだ女戦士、セクシーな肢体のダークエルフや、猫の耳を持った美少女というファンタジー要素を盛り込んだ作品だ。軽快で激しい戦いは会場の注目を集めていた。Kリーグの選手が登場するという「FC MANAGER」は若い女性もプレイ待ちの列に並んでいた。HanbitSoftブースは常にプレイ待ちの列ができる人気を集めたブースだった。
今回、HanbitSoftのブースで感じたのは「タイトルの多様さ」だ。シリーズの続編はなく、スポーツ、シミュレーションTPS、MMORPGとジャンルだけでなく、各タイトルが明確な世界観を持ち、画面をぱっと見ただけでゲームをプレイしたくなる。韓国のゲーム開発社の確かな成長を感じたように思う。
専用コントローラーと共に出展されていた「Grand Mer」。ガラスケースの中には、金銀のコントローラーが展示されていた | ||
女性にも人気を集めていた「FC MANAGER」。その他の出展タイトルも常に試遊台ではプレイする人がきれなかった |
■ セクシー美女と共に巨大魚を釣れ! リール型コントローラーも楽しい「Grand Mer」
専用コントローラーで直感的にプレイできた「Grand Mer」。もちろんキーボードでもプレイ可能だが、ほとんどの人がコントローラーを使っていた |
オンラインフィッシングゲーム「Grand Mer」は簡単な操作でマグロやカジキなどの魚と迫力の戦いが楽しめる。プレーヤーは高性能ボートに美女のパートナーを乗せ、巨大な釣り竿にリールを付け魚に挑む。開発はT3 Entertainment。
韓国でのサービススケジュールは、12月にクローズドβテストを行ない、順調ならば2010年1月~2月にオープンβテストを開始するという。本作はキーボードでプレイできるように設計されているが、試遊台のように釣りコントローラーの発売も決定しており、オープンβ時に発売予定で、価格は未定だ。コントローラーはUSB接続で使用できる。
ゲームでは、最初にマップを見て釣り場を選び船を移動させる。そしてコントローラーを画面に向かって振り下ろすようにルアーを投げ込む。今回は試遊バージョンのためか、すぐに魚がえさに食いつき戦いが始まった。釣られた魚は激しく泳いでプレーヤーに逆らう。画面には糸の緊張度を示すゲージがあり、糸の強さを超えないように注意しながらリールをひいていく。
「Grand Mer」の釣りは船を巡航したまま行なう「トローリング」である。魚は体を振って、船に引っ張られないようにあらがう。この時竿を振ることで船の進行方向そのものが変わり、魚をまっすぐ引けるように船を操作できるのだ。プレーヤーが注意しなくてはいけないのは魚だけではない。マップによってはあたりに岩の頭が突き出しているような場所もあり、岩にぶつからないように注意しなくてはならない。
魚が釣れた場合はその場でクレーンに釣り上げ魚の大きさを測る。プレーヤーキャラクタは誇らしそうに胸を反らし、後ろではパートナーが大きな胸を揺らしながらジャンプをして大はしゃぎ。大きくソロがル大海原と、船がたてる波しぶき、青い空と健康的な男女とゲームのイメージは非常に明るい。
本作は特にキャラクター性も全面に出ているのが面白かった。現在はプレーヤーキャラクターが男女2タイプ、パートナーはグラマーなビキニの金髪美女と、ミニスカートでおさげの女の子。金髪美女はリールをひく拳を握りしめ、時には両手を挙げておしりを揺らしてジャンプ。おさげの子は控えめだが、うまくいくときに小さくガッツポーズをするのがかわいらしい。ルアーに魚が食いついたときはなぜか大きな胸の女性のイラストが「Hit」の文字とカットインする。「お色気要素」は本作のセールスポイントの1つだろう。
本作はアイテム課金を予定しており、アバターや、リール、竿、船など多彩なアイテムが用意されるという。キャラクターは肌の色や髪型などが変えられ、キャラクター、パートナーの服装をカスタマイズできる。今後の予定として、より優秀なパートナーも考えているという。性能の高いパートナーはより広い範囲をサーチできたり、釣れる魚の種類を増やすことができるという。
今回はコミュニケーション要素や成長要素などは体験できなかったが、他プレーヤーと釣果を競ったり、チャットを楽しめたりといった要素があるという。これからどういったゲームへと進化していくかも楽しみだ。会場には金と銀に塗られた輝くコントローラーなどもあった。日本での展開は未定だが、遊んでみたいゲームだ。
【Grand Mer】 | ||
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見渡す限りに広がる海を舞台に、美女と共に巨大な魚に挑戦する。プレーヤーの基地となる島には様々なデザインが用意されているようだ |
■ 生き残り、敵を倒して強くなるファンタジー対戦TPS「Warcry」
敵を倒してレベルアップ。自分が倒されると1に戻ってしまうため、強くなるにためには死なないことが第1だ |
「Warcry」は昨年も取り上げている対戦型TPSだ。プレーヤーは人間族と魔族にわかれ、激しく戦いを繰り広げていく。基本は軽快なシューティングだが世界観や、スキル、魔法が飛び交うゲーム性が魅力だ。開発はT3 Entertainment。
本作はすでに韓国で2度のクローズドβテストを行なっているが、2009年1月に3度目のクローズドβテストを行なう予定だという。開発はかなり難航しているようだ。原因としては職業間のバランスがある。プレーヤーのクラスは4つあり、狙撃の得意な「スナイパー」、重装甲で重い武器を使う「パラディン」、素早く移動し接近攻撃を行なう「レンジャー」、そして射撃の強い「ハンター」だ。このバランスを慎重にとっているという。
「Warcry」の面白いシステムは魔法とスキルだ。各職業は接近武器、遠距離武器の他強力なスキルや魔法を持っている。この特殊攻撃にはレベルが設定されており最初は1レベルのものしか使うことができない。より強いスキルを使うためには敵を殺さなくてはならない。たとえレベルが上がっても、倒された瞬間レベル1にもどってしまう。スキルのレベルは最高6レベル。いかに倒されず長く戦場で生き残るかが、鍵となるゲームなのだ。
昨年に比べると、特にグラフィックスの進化が印象的だ。キャラクタモデルはより美しくなり、魔法の駆け引きだけでなく、近接と遠距離武器の使い方、マップの立体的なつながりなど、魅力の詰まった作品だと感じた。
【Warcry】 | ||
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背景、キャラクターが美しいファンタジーシューティング。近接武器にこだわるなど、プレーヤーなりの戦い方もできる |
■ ギルドで1つのチームを運営も可能なサッカーチーム運営シム「FC MANAGER」
選手、チーム、建物など様々な要素を管理。試合中は直接選手を操作できないが、作戦の指示は可能だ |
「FC MANAGER」はオンラインサッカーチーム運営シミュレーションゲームだ。プレーヤーはチームを管理し、選手の起用や、実際の作戦指示だけでなく、選手の練習、スカウト、施設のアップグレードなど多彩な側面からチームを運営していく。韓国でのサービススケジュールとしては2010年1月にクローズドβテストを予定している。開発はT3 Entertainment。
現在は韓国のサッカーリーグKリーグの選手のデータが入っており、これからオリジナルの選手データも入っていくという。現実の1週間がゲーム内の1年というスケールで時間が進行していき、選手は20歳から35歳まで活躍できる。選手の引退も計算しながら最強のチームを目指すのだ。
本作は選手だけでなく、経営者としてのプレーヤーも成長していく。スカウトをうまくやれば、監督をうまくやれば経験値を得て、より高い能力を獲得する。サッカーの知識だけでなく、よりやりこむことで高い能力を獲得するのだ。このシステムのため、本作は「分業」という面白いアプローチを可能にしている。
具体的にはギルドを組み、1人が監督、1人がスカウト専門と、各プレーヤーがそれぞれの分野でエキスパートになり、最強チームを目指すことができるのだ。各ギルドが作った強力チームが、他ギルドと戦っていくという、オンラインゲームならではのコンセプトを持っているのだ。どんなチームが生まれ、どんな戦いを繰り広げていくのか、興味深いタイトルだ。
【FC MANAGER】 | ||
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選手を管理し、育て上げる。選手は他のプレーヤーに売ることも可能で、いかにお金を貯めるか、というプレイも可能だ。オリジナル選手を育て上げたり優秀な選手をそろえたり、自分なりのチーム作りができる |
【Mythos】 | ||
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「Diablo」のようなゲーム性を目指したMMORPG。開発はT3 Entertainment。範囲攻撃などの強力なスキルで多数の敵と渡り合うゲーム性が魅力となる。韓国では12月からオープンβテストを行なう予定だ。プレーヤーはクエストを街で受け、ダンジョンに向かう。敵との位置取り、効率のよい攻撃の仕方、アクション性の高い戦いが楽しめそうだ |
【R.O.D】 | ||
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開発はJOYIMPACT。巨大なボスや、空飛ぶ飛行ペット、体中に武器を付けた象に乗ったり、攻城戦で巨大なモンスターと戦ったりと、様々なイメージがつまったムービーを出展していた「R.O.D」。クローズドβテストを含めたスケジュールはまだ未定だ |
【Squad Flow】 | ||
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ロボットを操り戦っていく「Squad Flow」。スマートなロボットではなく、ずんぐりした胴体に白いタイルを付けたような無機質で独特のデザインが面白い。開発はJOYIMPACT。対戦だけでなく、ミッションモードではCPUが操る巨大ロボと戦うといった、協力要素も盛り込むという。サービススケジュールは未定だ |
http://www.hanbitsoft.co.kr/about/index.aspx
□「G-Star」のホームページ(韓国語)
http://www.gstar.or.kr/
(2009年 11月 27日)