「エヌ・シー・ジャパンが行く! in 名古屋 リネージュ II編」開催
来場者考案企画「クロノ DE スイカ」を発表


7月18日 開催

会場:プラスカフェ東郷店

参加費:無料


開場前の行列は会場裏の駐車場から道路脇にまで伸びていた
チーフプロデューサーの前田幸佑氏

 エヌ・シー・ジャパン株式会社は7月18日、Windows用MMORPG「リネージュ II」のオフラインイベント「エヌ・シー・ジャパンが行く! in 名古屋 リネージュ II編」を、愛知県のプラスカフェ東郷店にて開催した。

 「エヌ・シー・ジャパンが行く!」は、同社スタッフによる最新情報の発表や、開発者とユーザーの懇談会、来場者参加型のPvPゲーム大会などを実施するオフラインイベント。昨年は「リネージュ II」をテーマに日本を縦断し、全国6都市で開催されたが、今年は名古屋会場のみが発表されている。

 今回は、2008年のイベントで寄せられた意見や要望を反映したアップデートの発表を目玉に、来場者参加型の大規模な攻城戦イベント「呪われた剣士軍団伝説」や、「リネージュ II」正式サービス開始5周年に関連したクイズ大会が実施された。昨年同様入場料は無料で、会場には約250人のユーザーが訪れた。

 イベントでは、デジタルエンターテインメントユニット チーフプロデューサーの前田幸佑氏が登壇し、「『リネージュ II』は2004年に産声を上げ、早いもので5周年を迎えることができました。これも皆様からの応援のおかげだと非常に感謝しています。このようなオフラインイベントを続けることで、オンラインという垣根を取り払い、皆様と直に接していこうと考えています」と開会の挨拶を述べた。




■ イベントの結晶「クロノ DE スイカ」公開!「クリエイティブコミュニケーション」

開発コーディネーターのシン・ミンス氏
昨年寄せられた500件以上の要望をカテゴリ別にグラフで表示

 昨年のクリエイティブコミュニケーションでは、全国6都市を巡る中で、来場者から500件以上もの要望が寄せられたという。それから約半年が経過した今回は、それらの要望を反映したアップデート内容と、実際に採用されたアイデアの開発中の画像が公開された。内容の発表は昨年から引き続き、開発コーディネーターのシン・ミンス氏が行なった。

 まず始めに、今までに寄せられた要望の内訳が紹介された。最も多かったものは、特定の種族が弱いことに対する不満や、使えないスキルを改善して欲しいといったバランス面に関するもの。2番目に多かった内容は、攻城戦に敗北した際のペナルティなど細かいゲームシステムの仕様に関するものだった。ほかにも「Sグレードの武器を入手しやすくしてほしい」というアイテム面の要望もあり、これらを踏まえたうえでアップデートの方向性が考えられたという。

 グラフィックス面における「カマエル以外の種族も指先が分かれたグラフィックスにしてほしい」という要望に対しては、「現在開発中ですが、そこだけの変更はあまりにも規模が小さいので、他のグラフィックスにも手を加えた後にお見せしたい」と述べた。

 チートやBOTなどの不正行為に対しては具体的な対応策が示された。まず不正利用者に対してはクライアント自体を起動できないように「nProtect GameGuard」を更新し、次にシステム的にログイン段階の不正をチェック、そして最終的にサービスチームがゲーム内の行動を分析して対応していくという。不正行為を完璧に防ぐのは難しいが、段階的にチェックしていくことで、より確実に対応していきたいという。

 昨年の名古屋会場で「イベントとしては面白いが、なぜ桃ばかり割らなければならないんだ!」という意見が出た「クロノ DE ポモナ」については、桃をスイカに変えた「クロノ DE スイカ」の開発中の画像が公開された。割ると食べやすい大きさにカットされるうえ、優良のスイカには口ヒゲが生えるというアイデアが盛り込まれているという。このスイカのアイデアは、昨年の来場者が意見を出し合った結果生まれたもので、ユーザーの意見が実を結んだ感動の瞬間だった。


来場者からはリアルすぎるという意見も出たため、アニメ風の可愛らしいスイカに変更したいというこちらは左画像の前に公開された「クロノ de SuiKa」。実際には導入されないフェイク画像だが、こういうネタも用意して会場を沸かせていた


 そしてアップデートの方針として、「思い出の溢れるゲーム」、「ストーリーを楽しめるゲーム」、「便利に楽しめるゲーム」という3本柱を示し、次期アップデートの具体的な内容が紹介された。

 まず「思い出の溢れるゲーム」は、人気のない狩場をリニューアルし、思い出の場所をもう1度体験してもらおうというもの。対象の狩場は、「囁きの草原」や、「巨人たちの洞窟」、グレシア大陸内の狩場などを含めた11カ所で、単にリニューアルするのではなく、狩場の特性を活かして変更するという。

 次の「ストーリーを楽しめるゲーム」は、狩場のリニューアルと同時に、狩場自体にストーリーを持たせるというもの。「リネージュ II」の神話に焦点をあてており、今まで登場していなかった神々について語られるクエストが実装される。会場では新たな神のビジュアルが公開されたほか、そのクエストにおいてはテキストだけでなく、“魅せる”ことも意識したムービーシーンが挿入されるという。

 3つ目の「便利に楽しめるゲーム」は、今まで寄せられた不満点の改善や、便利なシステムを導入するもの。新たなシステムとして、フレンドなどにアイテムを送れる「郵便システム」が実装される。また修正点としては、レベル76以上で「ハントサポートペット」を利用した場合でも経験値が減少しなくなるほか、クリックミスで誤ってアイテムを売ってしまった場合でも、ログアウトしない限りいつでも買い戻せるようになる。シン氏は、「こういった細かいところを改善し、ゲーム中のストレスを極力感じさせないようにしていきたい」と語った。


マップ上に赤い点で示されているところがリニューアルされる狩場ストーリーを強化し、ムービーシーンなどを挿入するという
「リネージュ II」の神として登場する「グランカイン」の画像フレンドなどにアイテムを送信できる「郵便システム」



■ S80グレードOE最強武器を初披露!「plaync STATION」

「リネージュ II」プロデューサーの長瀬健裕氏
S80グレードのOE武器最強ランキング。匿名性を重視し、装備キャラクターは別の種族となっている

 今回クリエイティブコミュニケーションで最新情報が発表されたため、「plaync STATION」ではゲーム内で集められたデータを紹介する「アデン国勢調査」が行なわれた。発表者は「リネージュ II」プロデューサーの長瀬健裕氏。できる限り最新の情報を伝えようと、7月14日時点のデータを徹夜で収集したそうだ。

 まず最初に発表されたOE最強武器ランキングは、昨年7月時点のデータと、それから約1年後の現在のデータを比較しながら進められた。昨年のBグレードは「+19アイスストームハンマー」に代わり、今年は上位武器の「+19ソード オブ ヴァルハラ:自然」がその座を奪った。続いてAグレードは昨年の「+18ソウルセパレーター」に代わり「+18エリージャン」が挙げられたが、ここまでは昨年と同じOEランクとなった。

 そして注目のSグレードは、昨年の「+16タラムブレード*ダークリージャン」に代わり、「+17ヘヴンス ディバイダー:神鳴」が最上位に位置づけられた。攻撃力528、魔法力256と圧倒的な攻撃力を誇り、現存する武器でトップクラスの武器だという。さらに今回初公開されたS80グレード最強武器は「+12 対人用ダイナスティ デュアル ダガー:疾風」。攻撃力430、魔法力241とSグレードのOE最強武器よりは威力が落ちるものの、強化難易度は非常に高く、これには来場者も目を丸くしていた。

 続いて属性値限界の300まで強化された武器の数がワールド別に紹介された。最も多かったワールドは「カイン」の46本で、次に「ゴースティン」が42本、続いて「リオナ」が41本となっていた。「キャスティエン」に関しては、比較的新しいワールドということも影響して、まだ属性値が最大の武器は存在していないそうだ。ちなみに人気属性は風と地で、属性値が150以下の範囲で調査された「キャスティエン」に関しては火が多かったという。

 その後ベスペル装備のワールド分布も発表された。ベスペル装備導入からまだ半年も経過していないため、ほとんど存在していないのかと思いきや、武器に関してはどのワールドにも最低1種類は存在していた。しかし防具に関しては1種類につき1個から2個程度で、全く存在していないワールドもあり、入手難易度の高さが伺えた。

 最後に、ユーザー間の結婚に関するデータが公開された。実際に「リネージュ II」を通じて結婚したというGMへの結婚報告は昨年7月から1年間で5件で、昨年の福岡会場で発表された過去1年間で12件よりは減っていたものの、5年経ってもまだ新たにカップルが誕生しているという興味深いデータとなった。


左から順にB、A、Sグレード武器のOE強化ランキング。Sグレードの武器は攻撃力だけでなく魔法力も非常に高い
ワールドごとの属性MAX武器の数(画像左上)。ベスペル装備の存在数は、実装から日も浅いため非常に少ない



■ 「アカマナフ」、「ザリチェ」が猛威を振るった「呪われた剣士軍団伝説」

来場した参加者50名全員が同じ軍団というルールに変更されたユーザー参加型の攻城戦「呪われた剣士軍団伝説」
「リネージュ II」サービスチームの竹内陽介氏
「リネージュ II」サービスチームの山本喜代志氏
外部のネットカフェとのライブ中継も行なわれた

 イベントの最後には、ユーザー参加型の攻城戦イベント「呪われた剣士軍団伝説」が行なわれた。今回から来場者同士の対決は廃止され、来場者50名が「名古屋義勇軍」として一丸となり、外部の公認ネットカフェ全10カ所からの参戦者50名による「ネットカフェ連合軍」と、NCジャパンのスタッフが操るモンスターによる「反乱軍」と戦う3つ巴戦となった。会場での参加者は、イベント開始前の行列の先頭から順に50名が選ばれた。

 舞台はアデン城で、序盤は「名古屋義勇軍」と「ネットカフェ連合軍」が共闘して「反乱軍」が操るモンスターを打ち破った後、試合時間の50分後に最終的にアデン城に刻印をしていた軍団の勝利となる。勝利した軍団には「アデン プロテクション イアリング」が贈られることになっていたが、参加者は賞品のためにという感じではなく、純粋にイベントを楽しんでいたようだった。

 用意されていたキャラクターはレベル85でベスペル装備を着用。ただ職業が決められた数だけ用意されていたため、来場者は得意な職業を使おうと、お互いの持つキャラクターを交換していた。

 イベントの進行と実況は、「リネージュ II」サービスチームの竹内陽介氏と山本喜代志氏が担当。合図と同時に攻城戦が開始され、両軍団一斉に城に向かって進軍した。城門前には「反乱軍」が操る「バイウム」が出現するも、レベル85以上のキャラクター100人には苦戦。このままでは不利だと思ったのか、続いて「ティアト」が出現し、「バイウム」と共闘。ここでしか見られないバトルが繰り広げられた。

 しかしその間も城門への攻撃は行なわれており、開始5分も経たずに城門が破壊された。刻印部屋には「ザリチェ」が立ちふさがり邪魔をするも、一斉に突入した「ネットカフェ連合軍」により刻印され、「反乱軍」は消滅。「ネットカフェ連合軍」は城内に残り、刻印できなかった「名古屋義勇軍」は一旦場外へ飛ばされる形となった。「名古屋義勇軍」のリーダーは血盟主として攻城戦を指揮した経験があるそうで、一旦陣地を構築して態勢を整え、じっくりと時間を使って攻撃の機会を伺うという慣れた動きを見せた。

 その後リーダーの合図と共に「名古屋義勇軍」は進軍し、一気に城内へと侵入。刻印部屋の前の通路まで進むとお互いに火花を散らし、膠着状態が続いた。するとなぜかそこに「ティアト」が出現し、範囲攻撃で無差別に攻撃を開始。これには会場全体から「空気を読め!」というブーイングも起こったが、「ティアト」はそれに構わず攻撃を続け、「名古屋義勇軍」は一旦退却。再度体勢を立て直すハメになった。

 そして再度突入するも、今度は「ネットカフェ連合軍」が「アカマナフ」と「ザリチェ」を入手しており、手のつけられない状態になった。そのまま一気に城外まで攻め立てられた形で50分が経過し、「ネットカフェ連合軍」が勝利した。1度目の激突が拮抗していただけに、「名古屋義勇軍」が呪われた剣を入手していれば、逆の結果になっていたかもしれない。

 攻城戦終了後には来場者全員が意気消沈していたものの、やはり会場全体が団結した攻城戦は非常に盛り上がった。今回は攻城戦の規模も広がり、イベント内容も昨年の結果を踏まえた濃いものになっていた。来場者もコスプレをしてきたり、運営に企画書を提出したりと、熱心なファンが多かった。今後のイベントスケジュールは発表されていないが、ぜひとも各地でイベントを行なってもらいたい。


序盤はNCジャパンのスタッフがモンスターを操作する「反乱軍」と戦い、その後イベント来場者50名と外部ネットカフェからの接続者50名が激突する攻城戦となった。結果としては、ボスモンスターから入手した変身スキルが勝敗を分けた



【サーバー対抗 5周年 スライドクイズ】
5周年を記念したスライドクイズ大会。来場者がワールドごとに分かれ、多数決で答えを決定。難問続出で、誰も答えがわからない問題もあった

【じゃんけんポモナ】【ガチャマシーン】
イベントの最後にはUSBメモリーがプレゼントされるじゃんけん大会「じゃんけんポモナ」も行なわれた恒例となった「ガチャマシーン」。来場するともらえるコインでゲーム内アイテムが入手できる

【「リネージュ II」ぬり絵大会】【サーバー対抗攻城戦トーナメント表】
来場者がぬり絵の腕を競う「ぬり絵大会」。優勝者には21.5型液晶モニタが贈られた5周年記念オンラインイベント「サーバー対抗攻城戦」の試合順を決める抽選会も行なわれた。トーナメント表のC、F、I、Lに位置するワールドが城主血盟となる


(2009年 7月 21日)

[Reported by 日高文典]