NCJ、WIN「リネージュ II セカンドスローン アルティメット 天空の覇者」先行体験レポート
「グレシア大陸」に舞台を移し、待望の「飛行船」が登場

4月7日 実装予定




 エヌ・シー・ジャパン株式会社は4月7日、Windows用MMORPG「リネージュ II」において、大規模アップデート「セカンドスローン アルティメット 天空の覇者」を実施する。「セカンドスローン アルティメット 天空の覇者」は、サービス開始当初から予定されていた「飛行船」が実装されたことにより、天空の「グレシア大陸」に移動できるようになるなど、「リネージュ II」史上最大級のボリュームを誇るアップデート内容となっている。

 主なアップデートを挙げると、新大陸「グレシア大陸」の実装を筆頭に、移動手段としての「飛行船」、空を飛べる変身体「オーラバード」、空中戦主体のPvP「クラフト」、レベル75以上のプレーヤー対象のダンジョン「不滅の種」、「破滅の種」、最上位の装備品「べスペルシリーズ」などが追加される。

 ここまでは高レベルのプレーヤーに向けた要素が多いが、アデン大陸の領地の覇権を争う「領地戦」や、新スキル、新クエスト、ミニゲーム「ハンディのブロックチェッカー」の追加、さらに多岐にわたるバランス調整など、全てのプレーヤーに向けて様々な要素が追加される。

 今回は、そんな大規模なアップデートの中から、エヌ・シー・ジャパン本社で先行体験した、「グレシア大陸」を中心としたアップデート内容をお伝えする。




■ 「グレシア大陸」が実装され、「飛行船」、「オーラバード」で空も移動可能に

「グレシア大陸」へ運んでくれる「定期飛行船」。人数制限はないようだ

 「グレシア大陸」は天空に浮かぶ「クセルス同盟の連合基地」、「不滅の種」、「破滅の種」、「クラフト」の4フィールドで構成されている。「グレシア大陸」へ移動するには、話せる島の村かグルーディオ城の村のゲートキーパー、もしくはグレシア敗残兵からグルーディオ飛行船乗船場に移動し、そこから出航している「定期飛行船」を利用することになる。

 グルーディオ飛行船乗船場には、新たに実装された“ダガーの二刀流”を製作してくれるNPCや、占い師などのNPCが存在している。「定期飛行船」が来ていない場合は、待ち時間に乗船場散策をしてみるのもいいだろう。「定期飛行船」の停泊時間は1分程のため、散策中に乗り遅れるという場面もあったが、10分程で次の便が到着した。

 「定期飛行船」が動き出すと、ワープホールのような渦へと進入し、「グレシア大陸」目指して旅立っていく。眼下に広がる街の景観と、渦に飲み込まれていく様子は壮大で、新大陸への期待感を高めてくれた。渦を抜け、宙に浮かぶ岩礁を避けながら進んでいくと、「クセルス同盟の連合基地」に到着する。


話せる島のゲートキーパー。ここを起点にグルーディオ飛行船乗船場に移動する新たに追加されるダガーの二刀流は、レベル81以上の短剣職が装備できる「定期飛行船」が出航するまでの間に“飛行船に乗る”を選択して乗りこむ
天空へ向かうための渦を抜けると、そこは「グレシア大陸」。2分程で到着するので、その間に景色を堪能するといいだろう

カマエル固有の飛行変身体スキル「フライング ファイナル フォーム」。既存の「ファイナル フォーム」とはまったく別のスキルとして扱われる

 連合基地では、砦や噴水などの建造物や、クセルス連合の兵士たちが訓練に励む光景が見受けられる。フィールドの中央に位置する噴水の周囲には主要NPCが集中していて、プレーヤーの利便性にも配慮されていた。クエストのNPCや、アイテムを販売しているNPC、イカルス装備の製作図などを販売しているNPCもおり、「グレシア大陸」の拠点としての使い勝手はよさそうだ。

 「グレシア大陸」にある他のフィールドに移動したい場合は、「オーラバード」、もしくはレベル5以上の血盟で入手できる「血盟飛行船」を利用することになる。「オーラバード」に変身するには、レベル75以上のクエスト「飛行日和」を受ける必要がある。「オーラバード」に変身すると、羽の生えた鳥のような姿になり、空中を自由に飛びまわれるようになる。

 「オーラバード」には3種類ある。「ファルコン」、「アウル」は全種族習得可能で、「フライング ファイナル フォーム」はカマエル種族のみ習得できる。「ファルコン」は移動速度が速く、近接攻撃に長けている。「アウル」は移動速度は遅いものの、遠距離攻撃に向いている。「フライング ファイナル フォーム」は、その中間的な性能となっている。「ファルコン」、「アウル」は、のちに両方習得可能になるので、好みで選んでいいだろう。

 「オーラバード」の操作方法は、マウスのダブルクリックによる座標指定移動と、WASDキーをベースにしたFPSライクなキーボード操作が用意されている。「オーラバード」の「ファルコン」に変身してみたところ、キーボードによる下降と上昇の操作に戸惑ったものの、マウス操作よりも浮遊感が感じられたのでオススメしたい。

 上空を飛んでいると、赤や青、緑の「スターストーン」というものが浮遊していた。これは、新たに追加されたシステム「採集」用オブジェクトで、「スターストーン」の色に応じた抽出物が手に入る。抽出物を複数集め、特定のアイテムと組み合わせると、属性原石の上位版である属性水晶が入手できる。属性水晶を使用すれば、武器は150から300、防具は300から600まで属性数値を強化できるため、高レベルのプレーヤーから需要が多そうだ。「スターストーン」自体は、上空に複数浮遊していたので、見かけたら「採集」しておくといいだろう。

 また「グレシア大陸」には、「オーラバード」に変身した状態の空中戦「クラフト」も存在する。9人対9人のチーム戦によるPvPで、相手チームを全滅させたり、防衛拠点などを破壊し、制限時間終了時に相手チームよりポイントが上回っていれば勝利となる。勝利チームには、属性水晶を製作する際にスターストーン抽出物と組み合わせる素材アイテム「エメリーの欠片」50個と、空中採集の時間が5分間与えられる。敗者へのデメリットというものも特にないうえ、勝負に負けても「エメリーの欠片」20個は得られるようなので、積極的に参加するといいだろう。


打倒「ドラコニアン軍」のため、日々の訓練を欠かさない兵士達中央にある噴水周辺には多数のNPCが集まっている「イカルス」シリーズの製作図はNPC「カークラン」から購入できる
地上を離れ、空中を滑空できる「オーラバード」上空から街を見下ろすのも優雅だ「スターストーン」も浮遊している



■ 占領状態で変化するダンジョン「不滅の種」、「破滅の種」

不気味な雰囲気を漂わせる「不滅の種」
「クセルス同盟」の占領下の場合は、ドラコニアンの敗残兵が出現する「破滅の種」

 レベル75以上のプレーヤーを対象としたダンジョンとして、「不滅の種」、「破滅の種」の2種類が実装される。両ダンジョン共に孤島菜の中にあるので、移動には「オーラバード」か「血盟飛行船」が必要になる。内部には、強力なレイドボスが待ち構えており、パーティープレイが重要になっている。

 「不滅の種」は、アンデッドの王であるエキムスが支配するインスタントゾーンで、「苦痛の棺室」、「侵食の棺室」、「不滅の心臓部」の3種類のゾーンがある。それぞれのゾーンには、レベル帯とパーティー人数で入場制限がかけられている。例えば、「苦痛の棺室」は、レベル75から82までの最大9人パーティーが入場可能という具合だ。

 今回体験した「苦痛の棺室」の内部は、大きな生物の体内のような印象で、不気味な色の臓器のようなものが蠢き、邪悪な雰囲気を漂わせていた。複数のフロアで構成されていて、各フロアを連結するように1本ずつ通路が通っているため、フロアのモンスターを一掃してから休憩を挟み、次のフロアへ進むという流れになる。

 モンスターは、ダンジョンの不気味さを演出するかの如く、爬虫類や昆虫のような毒々しい姿ばかりで、「不死の狂信徒」や「死体切断機」、「魂の搾取者」などの名称がつけられていた。一瞬でHPを奪っていくうえに、武器の装備解除攻撃などを仕掛けてくるため、3人での挑戦は、無謀と思える強さだった。最大9人のパーティーでも苦戦を強いられる程の難易度だと思われる。

 もう片方のダンジョン「破滅の種」は、ドラコニアンの君主であるティアトが支配するダンジョンで、「ドラコニアン軍」と「クセルス同盟」による攻防が繰り広げられている。入場制限は、レベルが75から85、人数は、連合チャンネルを構成した状態で、36人以上45人以下となっている。インスタントゾーンが維持されている130分以内に、最奥に潜むドラコニアンのリーダー「ティアト」を討伐すると占領完了となる。

 占領状態によりダンジョン内部が変化するのも特徴で、「ドラコニアン軍」の手の内にある場合は、モンスターが出現するインスタントゾーンになる。逆に、「クセルス同盟」の手の内にある場合は、属性アイテムの材料が採集できるゾーンと、ドラコニアンの敗残兵が出現するインスタントゾーンの2つに切り替わる。敗残兵討伐はクエスト形式になっていて、討伐終了後にNPCから宝箱を受け取れた。宝箱の中身はアデナだったが、他にも各種素材などが手に入ることもあるという。

 今回は「クセルス同盟」の占領下だったので、本格的な占領戦は味わえなかったものの、「破滅の種」は大規模なパーティー専用で計画を練り、腰をすえて攻略していくダンジョン、「不滅の種」は小規模から大規模なパーティーが短時間でプレイできるダンジョン、という位置づけになるようだ。


【不滅の種】
ここからダンジョン内部へと侵攻していく痛烈な攻撃を放ってくるうえ、武器の装備解除もしてくるモンスター達最奥には、レイドボスが2匹同時に待ち構えていた
【破滅の種】
「クセルス同盟」の占領中は、NPCエドリックから敗残兵討伐クエストを受注できるドラコニアン軍の敗残兵といえど、非常に強かった「シードエネルギー」から属性水晶の材料「凝縮物」も採集できる



■ 「ベスペル」シリーズや、一般参戦できる「領地戦」、全ユーザー対象のアップデート

既存の装備品では最高ランクのS84防具「ベスペルシリーズ」。画像は「ベスペルシリーズ」の上位版「ベスペル ノーブルシリーズ」

 装備品に関しては、「ダイナスティ」、「イカルス」シリーズのさらに上を行く、S84グレードの武器と防具「ベスペル」シリーズが追加される。「グレシア大陸」のボスモンスターを討伐すると稀に入手できるらしく、装備品1種類がそのままドロップすることがあるという。また、「ベスペル」装備の上位版である「ベスペル ノーブル」装備をセットで着用している場合のみ、防具「ナイト クローク」が装備できた。これも新たに追加される防具で、マントのような見た目をしている。見た目のインパクトが大きく、移動中にひらりと揺れる姿が印象的だった。

 PvPシステムに関しては、これまで攻城戦に関わっていなかったプレーヤーでも楽しめるコンテンツ「領地戦」が導入される。システムを簡単に説明すると、攻城戦の枠を広げたもので、アデン大陸を9つの領地にわけ、それぞれの領地に所属して争うというもの。一般プレーヤーは、領地戦の事前に登録しておけば、傭兵として領地戦に参戦可能になる。ただ、傭兵になれるのは、レベル40以上で2次転職を終えているプレーヤーに限られる(血盟参加の場合は除く)。一般プレーヤーが参戦した攻城戦をイメージすると、かなり大規模なPvPになることだろう。

 この領地戦の導入に伴い、防具「ベルト」も実装される。「ベルト」の入手方法は、傭兵として参加すると手に入る「領地バッジ」と交換という形になる。他にも、「領地バッジ」で交換できる希少なアイテムもあるというので、キャラクター育成の一環として領地戦に参加するのもいいだろう。

 また幻想の島のミニゲームには「ハンディのブロックチェッカー」が追加される。最小2対2の4人対戦、最大6対6の12人戦で、制限時間内にフィールドに散らばるパネルを裏返すもので、より多く裏返したチームの勝利となる。勝利すると、様々なアイテムと交換できる「幻想の島のコイン」がもらえる。「幻想の島のコイン」と交換できるアイテムには、数種類の「ピコピコハンマー」や「フィッシュ キャップ」、「学士帽」など見た目もユニークなものが追加される。

 今回体験できた内容以外にも、多数のアップデートが行なわれる。40種類以上のスキルや、50種類以上のクエストが追加されるうえ、スキルの再使用時間が1/4に短縮されるなどのバランス調整も行なわれる。血盟レベルも11まで拡張され、近衛隊を最大30名に増やせるようになる。またインターフェイスに関しても、チャットウインドウの改善や、ステータス欄にキャラクターの容姿が表示されるなど、細部にわたり変更が加えられている。

 「セカンドスローン アルティメット 天空の覇者」の印象は、一般的なMMORPGならば1年をかけて少しずつ実装していくアップデートを、1回に詰め込めるだけ詰め込んだという印象だ。「グレシア大陸」などは高レベルプレーヤーに向けて、「領地戦」などは今まで攻城戦に参加できていなかったプレーヤーに向けて、そして様々な追加要素が全ユーザーに向けられている。アップデート実装当日には、大幅な仕様変更に戸惑うプレーヤーもいるとは思うが、そのほとんどがユーザーの意にかなった内容となっているはずなので、実装を心待ちにしてもらいたい。


「ナイト クローク」を装着中。右側のカマエルは種族専用の装備で、羽の対になる形で装着されている「領地バッジ」を集めて入手できる防具「ベルト」。魔法ピンや魔法ポーチを利用して所持アイテムの最大個数増加などの能力付与ができる「幻想の島のコイン」で入手できる「学士帽」と「ピコピコハンマー」。似合っているだろうか?
【ベスペルシリーズ着用時の画像】

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(2009年 4月 1日)

[Reported by 日高文典]