「PLATINUM DEMO：FINAL FANTASY XV」レビュー

　ロサンゼルスで開催されたイベント「UNCOVERED FINAL FANTASY XV」にて、アニメ、CG映画、スマホアプリなどの多方面へのコンテンツ展開、そしてゲーム本編の発売日が9月30日となったことが発表となった「ファイナルファンタジーXV（15）」。

　プロジェクト展開の全体は“「ファイナルファンタジーXV」ユニバース”と呼ばれる。展開の詳細はこちらのまとめをご覧頂きたい。

　なかでもイベント直後に配信が開始されて驚きだったのが、これまでアクティブタイムレポートで“触れるテックデモ”と呼ばれていた無料体験版「PLATINUM DEMO FINAL FANTASY XV（プラチナデモ）」。本稿では、そのレビューをお伝えしよう。

　なお、「FF XV」ユニバース展開のひとつ、アニメーション映像作品の「BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV」の第1話もすでに無料配信が開始されている。

　こちらは、主人公ノクティスと、共に旅をする3人の仲間プロンプト、イグニス、グラディオとの絆を描く全5話からなる作品。こちらを観ておけば、より4人の性格や、その絆を深めたエピソードを知る事ができ、ゲーム本編をさらに楽しめるようになるというわけだ。

　それでは無料体験版「PLATINUM DEMO FINAL FANTASY XV（以下、『プラチナデモ』）」のレビューに入ろう。「プラチナデモ」は、主人公ノクティスが子供の頃に見た「夢」が舞台という、ゲーム本編や昨年の体験版「-EPISODE DUSCAE-」とは異なる体験版だ。

　プレイを開始すると、まずは、ノクトの父ルギスや衛兵らしき人物が、なにやらノクトの身を案じる声が響き渡る。一体、ノクトの身に何が起きたというのか？ そのノクトが意識を取り戻すと、そこは木漏れ日がわずかに届く、奥深い森の中だった。

　少年のノクトの姿と声。そして、ふさふさの毛並みをたたえるカーバンクルの愛くるしさ。どちらもそのモーションの自然さとともに、眼を見張るものがある。

カーバンクルが誘う夢の世界を冒険していく

　カーバンクルに導かれながら探索していく世界は、まさに“夢の世界”ならではの、なんでもありで、多彩な世界だ。地面に設置されているパネルを踏むと、世界の時間が早送りに流れたり、天候が切り替わったりする。

　はたまた、ノクトの姿が自動車になって、ゲーム本編でのドライビングの感覚を味わえたり、モンスターの姿になったり。ところどころに浮かんでいるクリスタルを一定数以上集めると、より違う種類の攻撃アイテムが使えるようになるなど、ユニークな機能を持ったパネルがオープンしていく。

　パネルを踏んで特にグラフィックスの良さを楽しんでいると、さながらインターフェイスを整えた“開発用の確認ツール”のようで、時間経過や天候変化によって移り変わる景色の美しさ、ライティングのこだわり、そうした技術的な魅力を自分で切り替えて楽しめるようになっている。“触れるテックデモ（技術デモ）”という呼び名に納得の内容だ。

地面にはそこかしかにパネルが。踏むと、天候が切り替わったり、昼夜がスピーディーに変わったりと、シチュエーションの変化が楽しめる

夢の世界というシチュエーションならではの、自分が小さくなった世界や、自動車に姿を変えてのドライビングなんていうことも。画像のように積み木を崩したりといった、物理演算の遊びもできたりする

　もちろん戦闘も楽しめる。夢の世界には「ナイトメア」という、いかにも悪夢の住人のようなモンスターが徘徊している。それを「おもちゃの剣」や「ピコピコハンマー」といった子供ノクトの夢の世界ならではの武器を駆使して倒しつつ、夢の世界の出口を目指していく。

　また、魔法に近い操作感を楽しめるものとして、「花火」、「かみなり玉」、「メテオボール」といったアイテムも使用可能だ。

　残念ながら「-EPISODE DUSCAE-」とは違って仲間はおらず、常にノクト1人。そのため、本作の醍醐味でもある“自然に発生する仲間との連係攻撃”は「プラチナデモ」では味わえない。ノクト自身が子供だからということもあってか、戦闘周りについては全体にシンプルに感触を楽しめる程度のものになっていた。どちらかというと、戦闘よりも世界観やその描写、表現が重視されたデモと言える。

　一点、プレイして難を感じたところをあげると「壁が近い場所など狭いところでのカメラの挙動」に、気になる場面があった。「FFXV」はβ版がアップされ、これからブラッシュアップの期間に入るということだが、改善されると非常に嬉しいところだ。

少年ノクトは、おもちゃの剣やピコピコハンマーを駆使して戦う！ クリスタルを集めると、パネルから魔法的な効果を持つアイテムも手に入る

夢の世界の終盤には、数年前から「FF XV」のPVや実機プレイで披露されてきた“あの場所”が……！ついにユーザーがこの場所で戦える日がやってきた!!

“ノクトの本領”と言える「シフト移動」や「ファントムソード召喚」も楽しめる！

　プラチナデモは、まさに“プレイしながら『FF XV』の技術の魅力を楽しめるデモ”といった内容になっている。実際のプレイ時間はというと、少々短めで30分～1時間程度というところで一段落はつくだろうか。欲を言うともう1つ何か触らせて欲しいというか、「もう待てないから、もっと遊ばせて！」と、気持ちが高まってしまう。

　とはいえ、「-EPISODE DUSCAE-」とは異なる完全無料での体験版配信であり、「プラチナデモ」をプレイしておけば「FF XV」本編でカーバンクルが登場するようにもなるという、サービスたっぷりの配信なのは間違いない。まだチェックしていないというPS4/Xbox Oneユーザーの人は、忘れずにプレイ頂きたいところだ。