ニュース
【スマホアプリ今日の1本】「RPG ドラゴンシンカー 竜沈めの末裔」懐かしくも行き届いたシステム
従者たちと共に邪龍に挑め!
(2016/1/20 00:00)
「RPG ドラゴンシンカー 竜沈めの末裔」の3大ポイント
・主人公3人+従者9人の多人数パーティーで冒険
・「ドラクエ」や「FF」に通じるシステムやユーモアがあちこちに
・大画面でやるとドットが荒く見えるかも?
1月の初めにご紹介した「アスディバインクロス」を制作したメーカー KEMCO。「アスディバインクロス」はiOS版が12月17日に配信されたのだが、その同じ日にKEMCOがAndroid用にもう1本RPGを配信していた。
そのタイトルは、「ドラゴンシンカー 竜沈めの末裔」。人間・エルフ・ドワーフが力を合わせ、古の邪竜に立ち向かうという、王道のファンタジーRPGである。なおAndroid版は配信中だが、iOS版は事前登録中となっている。
本作の最大の特徴は、画面を見てもらえれば一目瞭然だとは思うが、レトロなグラフィックスに尽きる。まるでファミコンに代表される8bit機専用ゲームのような、懐かしさにあふれるゲーム画面ではないか。サウンドも同様で、使われている曲は良い意味でどこかチープ、そしてどこか暖かみのある効果音で構成されたものばかり。ちなみに本作のサウンドは、スクウェア・エニックスの「ルドラの秘宝」や「ブシドーブレード弐」などの音楽を担当した笹井隆司氏が手掛けている。
グラフィックスとサウンドはレトロだが、システム面に関しては「アスディバインクロス」に引けを取らない。4種類から選べる難易度、充実したオプション設定、便利な機能が満載されたバトル。なかでも移動については、「アスディバインクロス」より優秀ではないかと思えるほど、キャラクターをスムーズに操作できる。
一見しただけだとレトロな王道RPGという印象を受けるが、斬新さも十分に兼ね備えている。その最たる例がパーティー構成。一般的なRPGのパーティーは主人公と仲間たちだが、本作は主人公と、「従者」たちで構成されている。従者は主人公と明確な差別化がなされており、「転職が可能(主人公は不可)」、「装備が自動的にパワーアップする(変更できない)」、「主人公をサポートして強さを一時的に上げる効果がある」などが特徴だ。
さらに、本作のパーティーは1組だけではない。ゲームをはじめた直後は主人公のエイブラムと従者たちだけで冒険していくが、物語が進むにつれて「従者を連れている主人公格のキャラクター」がパーティーに加わる。つまり「主人公+従者×0~3人のパーティー」を1チームとして、複数のチームで冒険していくことになるのだ。従者たちは自由に入れ替えられるので、エイブラムをはじめとする主人公格のキャラクターをリーダーに、プレーヤーが好きなチームを編成できる。バトル中でもチームの交代が可能で、出現したモンスターに合わせてチームを変えられる。自由度もあり、戦略性もある面白いシステムだ。
本作をプレイしていて感じたことがもう1つある。それは、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズに共通する点が多いこと。本作のバトルは、画面の左側にモンスターが、右側に主人公たちが配置される初期~中期の「FF」によく似ている。また、キャラクターのレベル以外に、ジョブの熟練度を表すジョブレベルと、それを上げるジョブポイントの存在は、まるで「ファイナルファンタジーV」のようだ。
そして、あちこちに散りばめられているユーモラスなメッセージは、「ドラクエ」を彷彿とさせる。たとえば、「ドラクエ」シリーズ全作品に登場する“ぱふぱふ”イベント。プレーヤーに「まさか、そんな!?」と思わせておいてフタを開けてみたら実は……というガッカリイベントだが、本作においても忠実に(?)再現されている。
また、あまりにも有名になり過ぎたため、今日ではあらゆるコンテンツで見かけるセリフ「へんじがない、ただのしかばねのようだ」。こちらも、とあるシーンでオマージュとして使用されている。ぱふぱふイベントともども、必ず見ることができるので、ぜひ実際にプレイして確かめてほしい。
レトロながらもボリューム満点、王道ながらも斬新さを併せ持つ本作。筆者は画面の大きいタブレットでプレイしたため、ドットがやや粗く感じてしまったが、スマートフォンでのプレイなら、そのようなこともないはず。ファミコン時代にRPGをよくプレイしていた人、昔ながらの2Dグラフィックスに暖かさを感じる人、そして「FFV」が好きな人には、とくにオススメだ。