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「LoL」国内最強プレーヤーを決める決戦「最強ソロレーナー決定戦!」レポート

Ceros選手以下4名のプロ勢まさかの全滅。「LoL」新時代を予感させる群雄割拠が到来

12月13日開催



会場:ベルサール秋葉原

 「League of Legends」の国内最高峰のプロリーグ「LJL」を主催するSANKOは12月13日、インテルのゲームイベント「GAMERS WORLD」において、「League of Legends」の国内最強プレーヤーを決定するトーナメント大会「最強ソロレーナー決定戦! at INTEL CLUB EXTREME GAMERS WORLD」を開催した。

【最強ソロレーナー決定戦! at INTEL CLUB EXTREME GAMERS WORLD】
横長のステージに、16台のPCが並べられ、8試合ずつ行なわれていった

【解説の3人】
解説には、LJLでもお馴染みのeyes氏、Revolの2人に加え、ゲストとして「LoL」好きとして知られる女優の大久保聡美さんの3人で行なわれた

 「最強ソロレーナー決定戦!」は、5対5のチーム戦を基本とする「LoL」では珍しい1on1に特化した1日限りのトーナメント大会。プロ選手4名とコスプレーヤー1名の5名を招待選手とし、残り27名を一般公募で募集。招待選手は、Ceros選手(DetonatioN FocusMe)、Awaker選手(7th heaven)、Rkp1選手(CROOZ RJ)、Rainbrain選手、そしてコスプレーヤーのみそしるさん。解説はeyes氏、Revol氏、大久保聡美氏の3人が担当した。

 試合ルールは32名によるシングルイルミネーショントーナメントで1on1のノックアウト方式。マップはハウリングアビス固定で、招待された4人のプロ選手はハンデとして同じチャンピオンは大会中1度のみ。1試合は最大10分。勝利条件は1stキル、1stタワー、100csのいずれかの達成。リコールがないため、実質的に初期アイテムのみでのガチンコ勝負となる。

 会場となったベルサール秋葉原地下1階ステージには、中央の解説席を挟んで、8台ずつ、計16台のPCが設置され、16人の選手がステージに上がり、8試合ずつ行なうというかなり大規模なステージで試合が進められた。試合時間は10分と短いため、1つ1つモニターを切り替えながら、逐次解説するスタイルではなく、注目の試合のみを大型モニターに映し出し、それを3名が解説していくというスタイルが取られた。

【招待選手の抽選会】
トッププロの4人のプロ選手と、コスプレーヤーのみそしるさんの5人が登壇し、組み合わせ抽選を行なった

 一般プレーヤーの大会にプロプレーヤーが混じるという異例のスタイルで行なわれた本トーナメントだが、ふたを開けてみると、プロにとっては戦慄すべき結果となった。4人のプロ選手のうち、3人が初戦で消えるという波乱となったのだ。このうち解説が行なわれた、Awaker選手、Rainbrain選手共に、序盤は「LoL」のお手本のような立ち回りで、試合を有利に進めながら、キルを狙うか、ポイント勝ちを狙うか、その判断が揺らぐ一瞬の隙を突かれて、相手に一気に詰め切られる形で敗北した。

【試合に挑む招待選手たち】
試合に臨む招待選手たち。上からAwaker選手(7th heaven)、みそしるさん(コスプレーヤー)、Rainbrain選手(DetonatioN RabbitFive)Ceros選手(DetonatioN FocusMe)。Rkp1選手(CROOZ RJ)に到っては、1度も放送されないまま敗退してしまった

 プロ選手たちが呆然とした表情でヘッドセットを脱ぎ、苦笑いを浮かべる中で、してやったりのにやけ顔の一般プレーヤー。日本において「LoL」はまだ“始まっていない”が、現時点で現役のプロ選手を遙かに凌ぐ潜在能力を備えたユーザーが一般層に数多く存在することをうかがわせてくれた。来春、日本サーバーの稼働がスタートし、日本サービスが始まることを踏まえると、1年後の「LoL」のプロシーンは、まるで違った風景になっているのではないか。そう確信させられる出来事だった。

【次々に敗退する招待選手たち】
すべての試合で招待選手が負け続ける波乱の展開に。Rainbrain選手は、今回の1on1のために練習を重ねてきたということだったが、初戦で無念の敗退となった

 そうした中で唯一3回戦に勝ち進んだのが、名実共に“日本最強”の誉れ高いCeros選手だ。直近でもIWCAワイルドカードのソロ部門で8位入賞の実績を残している。Ceros選手は1回戦からまったく表情を変えず、淡々としたクールな面持ちで試合に臨み、素早く勝利を決め、後ろを向いて大型モニターに映し出される試合を観戦するという余裕振りで、トッププロの貫禄を見せていた。

 3回戦では真打ち登場とばかりに、Ceros選手の試合が大型モニターに映し出され、ようやくその一部始終を追うことができた。チャンピオンに高火力、高速移動のZedを選択し、短期決戦を図りたいCeros選手に対し、Lv1 Yuki選手は守りに優れたNunuを選択。あからさまに100cs達成を狙う戦術に出て、試合は予想通り長期戦となった。

 試合展開は、試合終了後、Lv1 Yuki選手が「Ceros選手に勝ちたかった。Nunuを使ってCSで勝とうと思っていたので、凄く嬉しい」と語ったのがすべてで、Ceros選手は完璧に相手の戦術にハマり、何度か仕掛けたものの詰め切れず、タッチの差で相手に100csを許してしまい、まさかの敗北を喫した。これでなんと3回戦まででプロ全滅となった。

 Ceros選手の敗因は、日本国内のステージで一般プレーヤーと対決するというやりにくさ、日本を代表するトッププレーヤーがゆえに得意の立ち回りが研究されてしまっていること、そしてチャンピオン2度使い禁止のルールで、決勝までを見越して得意なチャンピオンを温存してしまったことなどが挙げられそうだが、それらの障害を正面から受け止めて、なお一般との格の違いを見せつけて勝つのがプロであり、「LoL」のプロ選手にとっては厳しい現実を突きつけられる大会となったと言えるのではないだろうか。

【Ceros VS Lv1 Yuki】
この1戦は本大会唯一のCS100到達で勝敗が決まった。対Ceros戦のために準備を進めてきたLv1 Yuki選手の作戦勝ちだった。そのLv1 Yuki選手も準決勝で敗れてしまう。改めて日本の「LoL」ユーザーの層の厚さを実感させてくれる大会となった

 大会は、Ceros選手を撃破する大金星を挙げたLv1 Yuki選手をはじめ、Awaker選手を撃破したTAPU選手、Rainbrain選手を撃破したLozy00選手、そして直接対決はしていないもののRkp1選手のいるブロックを勝ち上がってきたffujisawa選手の4名が準決勝に進んだ。

 勝ち上がった4人のうち、ffujisawa選手は、3回戦までで金星を挙げる戦いをしていないため、唯一大型モニターでの観戦が行なわれておらず、解説でも注目選手として名前が挙がらなかった、まさにダークホース的存在。しかし、なんとこのffujisawa選手が、準決勝でLv1 Yuki選手、そして決勝でLozy00をそれぞれ完勝と言って良い見事な試合運びで撃破し、「最強ソロレーナー決定戦!」の初代優勝をもぎ取った。

 この結末は、解説の3人は誰も想像すらしていなかったようで、誰1人この現象を綺麗に説明できず、「予想できなかった結末」と認めたほどで、日本には途方もない実力を備えた「LoL」ユーザーが数多く存在するということがわかっただけでも「LoL」コミュニティにとっては収穫と言えるのではないだろうか。この群雄割拠した状態が日本サーバーオープンでどう爆発するのか、来年の日本サーバーオープンが本当に楽しみだ。

【準決勝はすべて一般ユーザーに】
準決勝と決勝は、一般ユーザーのみというまさかの展開となった「最強ソロレーナー決定戦!」。しかし、客席はほぼ満席の人気振りで、「LoL」の人気の高さを改めて実感させてくれた

【表彰式】
見事初代チャンピオンに輝いたffujisawa選手には、賞金10万円、
また1on1トーナメントの開催を希望する解説2人。eyes氏は、Revol氏の選手としての出場を希望していたが、個人的には大久保さんに出場して貰いたいと思うのだがいかがだろうか

[お詫びと訂正]
記事掲載当初、Awaker選手の所属を誤って記載しておりました。お詫びいたしますと共に、修正させていただきます。

(中村聖司)