ニュース
ロジクール、クリスマスイベント「Ceros選手とのLoL 1v1マッチ」開催
プロゲーマーCeros選手の戦いが目の前で観戦できる貴重な機会に
(2015/12/26 00:00)
ロジクールは12月25日、ソフマップ秋葉原本館4階に展開しているゲーミング施設「ロジクールGアリーナ」において、クリスマスイベント「Ceros選手とのLoL 1v1マッチ in Logicool G ARENA」を開催した。
「Ceros選手とのLoL 1v1マッチ in Logicool G ARENA」は、ゲーミングデバイスを展開するロジクールと、スペースを提供しているソフマップが共同で開催したゲーミングイベント。ゲストには、プロスポーツチームDetonatioNのエースで、プロゲーマーのCeros選手が招かれ、同じくDetonatioNに所属するe-SportsキャスターのMaa氏、そして業界一の「LoL」ファンとして知られるロジクール シニアクラスターカテゴリーマネージャーの古澤明仁氏の2人による解説でイベントは進められた。
本イベントは“12月25日”というゲーミングデバイスを買うには不向きな日に客寄せをしたいということで企画されたものだったが、本日は平日かつ、多くの企業にとって仕事納めの日、もしくは忘年会の日ということで、来場者数は延べで50人ほどと、常に超満員の「LoL」イベントとしては控えめの来場者数となった。その分、アットホームな雰囲気で、来場者がCeros選手を間近に感じながら観戦することができた。
イベントの内容は、来場者全員に抽選券を配布し、Ceros選手が引き当てた番号の来場者と1on1を繰り広げるというもの。見事勝利すれば、Ceros選手サイン入り日本代表ユニフォームなど豪華賞品が獲得でき、負けてもロジクールの非売品アイテムが手に入る。
ルールは、NAの自分のアカウントを用い、サモナーズリフトのミッドで激突する。ファーストミッドタワーの破壊、100CSの達成、相手チャンピオンの撃破のいずれかを先に達成した方が勝利となる。
「LoL」の1on1は、Ceros選手にとっては因縁の戦いだ。「LoL」の世界大会IWCAの1on1部門に出場するほどの実力者でありながら、12月13日に開催されたインテル主催のイベント「GAMERS WORLD」で行なわれた「最強ソロレーナー決定戦!」では、既報のようにCeros選手は、一般ユーザーに敗北し、まさかの3回戦敗退という結果に終わっている。
プロが一般に真剣勝負で敗れるという事態は、プロにとってトラウマになってもおかしくない悪夢のような出来事であり、1on1に出たくなくなるか、せめてしばらく時間を置きたいと思うのが普通だろう。にもかかわらず、1on1イベントに登場したのは、見上げたプロ意識だと思う。
ちなみに「最強ソロレーナー決定戦!」においてCeros選手の敗因のひとつとなったのが、「プロ選手は同じチャンピオンを2度使用できない」というルールだ。Ceros選手は3回戦で相手の作戦にハマり、Zedを選んだCeros選手に対して、3回戦で対決したLv1 Yuki選手は守りに優れたNunuを選択。Ceros選手は最後まで攻めあぐね、相手に先に100CSを許してしまった。
そして今回はというと、チャンピオンの選択は、双方ブラインドピック(ランダム選択)とし、チャンピオンの選択を完全に運に委ねる形が採用された。これは一見、多くのチャンピオンを使いこなせるCeros選手が有利に見えるが、「LoL」は個々のチャンピオン間でバランスを取るゲームではないため、選択によっては極めて不利な対戦にもなりうる。
試合は1時間ほどのイベント時間中5戦連戦し、Ceros選手が4勝1敗となった。1試合目は「LJL」やe-Sports SQUARE AKIHABARAを運営するSANKOの代表取締役社長 鈴木文雄氏が抽選で選ばれるというネタ的展開で、Ceros選手は手心を加える余裕もなく鈴木氏を瞬殺。2試合目以降は、腕に自信のある「LoL」ファンとの真剣勝負となった。
予断だが、今回初めてCeros選手の戦いをすぐ後ろから見ることができた。キーボードは「G710+(青軸)」で、マウスは「G402」、ヘッドセットは「G430」で、ゲーミングデバイスのチョイスは比較的オーソドックス。ユニークなのはその使い方だ。キーボードは、パームレストを意図的に外し、掌根をテーブルに落として使っており、マウスは極端なつまみ持ちで、手は“面”ではなく“点”でしかマウスに触れていない。このようにプロ選手のプレイスタイルが観察できるのも、こういうイベントの良いところだ。
さて、波乱が起こったのは3試合目。Ceros選手はScarlet Hammer Poppy、rainunomori選手はVolibearの一戦。Ceros選手は前2戦と同じように、あえて攻めずに見事なマウス裁きでラストヒットを丁寧に取りながら、じわりじわりと試合を有利に進める横綱相撲を展開していたが、rainunomori選手はミニオンで満たされた混戦模様の一瞬の隙をついて一気に詰め切って勝利した。これがあるから「LoL」の1on1はおもしろい。
rainunomori選手は、勝利者インタビューで、「HPの残量とスキルのダメージ総量を計算した上で攻めきった」と、冷静かつ計算ずくでの勝利だったことを強調したが、Ceros選手に勝った瞬間、マウスを持つ手は震え、興奮が抑えられぬ様子だった。一方、Ceros選手は「ちょっと計算を間違ったな」という雰囲気で苦笑いを浮かべていた。また1つ良いe-Sportsシーンを見たなという感じがした。
「LoL」の1on1は、往年のRTSファンが夢中になって遊んだ「Age of Empires」や「Starcraft」の1on1のように、機械のように超高速でマウスとキーボードを操作し、先に仕掛けた方が勝つというゲームではない。緩衝材としてのミニオンのコントロールがゲームの軸となるため、お互いにすぐ手が届く位置でにらみ合いながら緩慢な展開が続く。これが“静”とすると、将棋のように投了まで見切った上で攻めかかる居合い斬りのような激しい攻撃は“動”そのものであり、この静と動のバランスが堪らない。
Riot Gamesでは、5対5を前提にチャンピオンを設計しているため、公式での1on1モードの実装には否定的だが、絶対おもしろいと思う。ロジクールの古澤氏は、2回目の開催に意欲を見せながら、「次回はもっと派手にライブ中継しながらやりたい」と来年の抱負を語ってくれた。今回、納会や忘年会で参加できなかったという「LoL」ファンは次回こそは参加してみてはいかがだろうか。